中村彰憲のゲーム産業研究ノート グローバル編

立命館大学映像学部 中村彰憲教授による、その見識と取材などを元に、海外ゲーム情報を中心としたブログ連載!

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【ブログ】京都でVRエンターテインメントに関するカンファレンス、HISTORICAxVR 2018が開催

2018-10-11 19:00:00

CAP01

キービジュアルもクール


 VR元年と言われて2年。立ち上げ期の熱狂からある程度市場が落ち着きを見せるようになった。そのような中、VRエンターテインメントに関するノウハウが各企業によって着実に蓄積され、そのサービスの方向性の多様化も進みつつある。このような状況をふまえ、京都でVRコミュニティのサポートなどを行うKYOTO V-REXでは京都で開催される国際映画祭、京都ヒストリカ国際映画祭と連携し、10月27日(土)京都文化博物館にてHISTORICAxVR 2018を開催する。

 これまで、「VR」という技術を軸にゲーム関連企業のみならず異業種、とりわけ映像業界をつなげようと様々な試行錯誤を続けてきた、KYOTO V-REXも今回から、映像業界とより密接にイベントを開催することで京都ならではのVRについてより方向性を明確に定めることとになった。それは、「VR X映像体験」である。今回開催される講演も「VR X映像」で新たなイノベーションを起こしうる技術やノウハウを得た企業に登壇いただいている。

「VR×剣劇」と「VR×アニメ製作」が新世代の映像体験を作り出す

CAP02

新清士氏と同氏の会社で開発中の「SWORDS of GARGANTUA」


 まずは、前回、本ブログで紹介した、「SWORDS of GARGANTUA」の開発が最終段階にある、株式会社よむねこ代表取締役・株式会社Tokyo VR Startup 取締役新清士氏だ。「VRによる剣劇とそこから生まれるニュー・エキスペリエンス」~VR専用新作RPG「WORDS of GARGANTUA」制作秘話~と題し、歴史創作物の要となる「剣劇」の完全VR化について語られることとなる。

 前回、筆者もプレイし、その圧倒的な臨場感に驚かされたが、それがどのような研究蓄積を経て現実化されたのかが語らえることとになる。なお、「SWORDS of GARGANTUA」は当日デモ展示が予定されている。

 もう一方は、京都におけるVRイベントではもはや欠かせなくなったVR伝道師、GOROmanこと株式会社エクシヴィ代表取締役近藤義仁氏による講演だが、今回は同社ビジュアルディレクター 室橋 雅人氏も登壇し、「VR技術で興すアニメ制作革命-Vチューバーに留まらない「AniCast」の制作フローとその具体例」と題した講演がおこなわれる予定だ。

 VR技術の最先端を如何に活用することがアニメ制作の革命につながるのか、要注目だ。

CAP03

「AniCast」を通してアニメ制作に革命をもたらすことを目標としている株式会社エクシヴィ代表取締役近藤義仁氏と同社ビジュアルディレクター室橋 雅人氏

由緒ある国際映画祭で選ばれた作品で、世界最高水準のVR映画を体験せよ!

 国際映画祭と同時開催ならではのイベントが準備されている。VR映画「 Chromatica」が同会場で「上映」されるのだ。同作は、世界最古の映画祭でありながら、世界初のVRコンペを立ち上げ、映画の表現手段としてのVRの可能性を探るヴェネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門で上映された作品。由緒ある国際映画祭で選ばれた「VR映画」とはいったい、どんな体験をもたらすのかに期待は膨らむばかりだ。また、16時30分からイタリアから、本映画祭のために参加したフラヴィオ・コスタ監督によるトークショウが行われるが、そこでは、同作が如何に作られたかも明らかにされることだろう。

 これらに加え、例年と同様に京都にゆかりのあるスタジオによるVR作品のデモ展示も行われる。今年は、東京ゲームショウ2018でも話題となった。グランディング株式会社による『スペースチャンネル 5 VR あらかた★ダンシングショー』、株式会社Skeleton Crew StudioによるVR宇宙体験『スペースミュージアムDIONE』、そしてVRネットワークシステム、V-Revolutionで知られる株式会社クラウドクリエイティブスタジオも現在も同社最新作を出展予定。

 大学機関からも、立命館大学映像学部が、松竹京都撮影所による協力のもと開発されたアクションホラーVR『Invisible』も出展する。

 このようにVRに関する全方位の先端テクノロジーが集結するHISTORICAxVR 2018。

 映画・映像の分野でも活躍の幅を広げるVR技術-この機会にVR映画をぜひご体験してみてはいかがだろうか? なお、講演会については、事前登録が必要とのこと。次のURL(http://crossmedia.kyoto/kyoto-vrex/entry/)から登録いただきたい。