中村彰憲のゲーム産業研究ノート グローバル編

立命館大学映像学部 中村彰憲教授による、その見識と取材などを元に、海外ゲーム情報を中心としたブログ連載!

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【ブログ】来場者数5500人弱、750人ものコスプレイヤーが集まった太秦上洛まつりを徹底取材!

2017-11-21 11:30:00

 2017年11月18日から19日まで、京都の東映太秦映画村にて歴史コンテンツに関する総合的なイベント、太秦上洛まつりが開催された。2日間での動員数5300人、内コスプレイヤー750人と例年と同様の盛り上がりを見せた。

 同まつりは、2007年3月に太秦戦国祭りとして産声をあげて以降、毎年1回(初年度のみ2回)開催されている。

 2013年には新撰組結成150年周年を契機に、対象を戦国から幕末へと拡大。その後は「上洛まつり」と名称をあらため、オール歴史イベントとして現在まで開催され、歴史コンテンツ系イベントとしては最も歴史のあるイベントとなっている。

 ここ2年間は「刀」をテーマに開催されてきたが、10年目、12回目を迎える今回は、「歴史」をテーマにした異分野を「クロス」させるという原点回帰と、「10」を意識した「X」を掲げ、戦国ファン、幕末ファンを皮切りに、オール歴史ジャンルのファンを巻き込むイベントとして開催された。

 これらを受けて、今年はゲームアプリの中でもシリーズ全体で1000万もの登録者を誇る「イケメン」シリーズの中から『イケメン戦国◇時をかける恋 』が特別出展を展開、さらにアニメ『ドリフターズ』が太秦楽市楽座を出展し、秋空のイベントでその存在感をアピールしていた。本稿では、これらの出展内容を中心にフィーチャーしつつ、今年のコスプレトレンドなども紹介していく。

CAP01

▲織田信長を中心にイケメンオールスターがファンをお出迎え

石田三成との写真撮影イベントを前にブースには長蛇の列が!

 まず、『イケメン戦国◇時をかける恋 』は、ミニ鏡のプレゼントに加え、18日限定で石田三成との写真撮影イベントが開催された。また、それ以外にものイケメン武将の等身大パネルがズラリと揃えられるなどして、ファンにとっては絶好のフォトポイントとなっていた。このようなこともあり、同ブースは連日大盛況。とりわけ、石田三成との撮影イベント前後にはブースに長い行列が出来る程であった。

CAP02

▲描きおろしポスターは圧巻の一言、ファン垂涎の作品だ


 また、アニメ『ドリフターズ』太秦楽市楽座では限定品に加え、平野耕太先生描きおろし巨大ポスターや、マンガのネームと、原画のレプリカを壁一面に掲載。多くのひとが足を運び、中には一枚一枚撮影をしている熱心なファン
もいた。

 一方、コスプレだが、初日、雨に悩まされたにも関わらず、東映京都撮影所の美術スタッフによって作りこまれた様々な場所で、撮影にいそしんでいた。

 太秦上洛まつりの特徴は、一般日とは違い、このイベントにあわせて実際の時代劇などの撮影などで使われている大道具、小道具を用いて特別セットが作られるため、和装のコスプレイヤーにとっては、自分のコスプレにあった、シーンを撮影する1年に1度のチャンスとも言えるのだ。

 今年は、織田信長の陣幕、江戸時代の祭りを再現した、祭りののぼり旗、幕末シーンでは、新撰組の討ち入りでおなじみの池田屋や、坂本龍馬の隠れ宿として知られる寺田屋ならびに新撰組の駐屯所などが再現されている。これらに常設である日本橋やナイトロケにおいて絶景スポットとなる遊郭、近代日本の風景として欠かせない路線電車や近代建築が映える明治驛などが加わることで、和装コスプレをしている人であれば一度は訪れたくなるのがこのスポットなのだ。

実際の時代劇用セットを担当しているプロの美術スタッフにより徹底的に作りこまれた舞台は和装コスプレイヤーにとって唯一無二の絶景フォトスポットに

CAP03

▲ナイトロケは上洛まつりの風物詩ともいえる


 今年のトレンドだが、ここ数年と同様に『刀剣乱舞』関連のコスプレイヤーの数が多くこれに、『薄桜鬼』、『銀魂』などが続く。また、注目されるトレンドとして一定数、オリジナルキャラクターのコスプレをしてきたひとたちもいた。今後、こういったオリジナルキャラクターが増えていく傾向になる可能性もあるだろう。1年に1回という限定条件があるため、コスプレにそれなりの作りこみを許す猶予があるからだ。

 これに加え、今年から目立ちはじめたのが『Fate Grand Order』や、『獄都事変』などだろう。もちろん、以前から人気の『戦国 BASARA』や『戦国無双』、『新撰組異聞 ピースメーカー』ならびに『NARUTO -ナルト-』のコスプレイヤーなどもグループをつくって撮影にいそしんでいた。

 関係者に話を聞くと、関西にはこういったイベント自体が少ないこともあり、来客数としては、関東には及ばないものの、熱力が熱いという印象を受けたとのこと。今回、来場した5500人弱のひとたちもそもそも「歴史」に興味がなければ足を運ばないことが考えられるため、そのような意味でも歴史をテーマにしたコンテンツにとってはこういった場は自身のコンテンツを広げるうえでの絶好のチャンスになると考えられる。今後の同まつりの新たな展開に期待したい。