中村彰憲のゲーム産業研究ノート グローバル編

立命館大学映像学部 中村彰憲教授による、その見識と取材などを元に、海外ゲーム情報を中心としたブログ連載!

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【ブログ】『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』公開初日に潜入

2015-12-18 18:30:00

人口20万人程度のロチェスター市の劇場でも長蛇の列!

 全世界中の『スター・ウォーズ』ファンにとっていよいよ待望の時が到来した。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の公開だ。全世界2015年12月18日同時公開とされているが、時差などを考慮してかアメリカ各地では17日夜が事実上の公開開始日となっている。ここロチェスターでは、夜7時から上映が開始された。だがそこはさすがに『スター・ウォーズ』。7時の時間帯は、15分ごとに上映されるという回転の速さ。にも関わらず、各時間ともほぼ全席完売という盛況ぶり。筆者が訪れた劇場は、IMAXというわけではないのにも関わらず、昼3時ごろから行列が出来はじめた。なんとこの列、チケット購入済みの人たちによるものだというから驚きだ。ここはある意味古き良き劇場ということで、席が予約出来ないのだ。そこで当日より良い席をゲットしようと並び始めた。さすがに平日とあって最初に並びはじめた人たちのほとんどが、大学生だった。

CAP001

クッションにUNO。待機時間もバッチリの熱狂的な『スター・ウォーズ』ファン

 7時まで4時間ほどあるが、仲間からちゃっかりクッションやUNOを調達。床にクッションを敷いて仲間とともにUNOに興じるという徹底ぶり。

 早速何人かにインタビューしてみた。「いま僕らがここにいるなんて本当に信じられないよ」とグループの中心的な大学4年生。

「父さんが僕に『スター・ウォーズ』を見せまくったんだ。小さいときなんか、毎週週末に必ずだよ。それで自然にハマったんだよ。もちろん最初に見たのは『新たなる希望』だよ」と同氏。

 他にもインタビューしてみたが、今回列にいた大学生のほとんどが旧作でハマったという。しかも熱心なファンは、たいてい両親からの「教育」の賜物だ。

CAP002


 この他にもゲーム、コミック、小説といった『スター・ウォーズ』の拡張世界もファンの興味感心を維持するうえで、一役を買っていたようだ。母と娘で来た二人組の場合も母親が娘に作品を見せ続けた結果、ハマったということで親子水入らずで行列に加わった。「実は最初の数時間は車で待っていたのよ」とのことなので、前述の大学生よりも猛者のようだ。どの程度ファンなのかと聞くと、娘のほうが黙って筆者に髪の毛を見せてくれた。後ろ髪の髪型は見事に『帝国の逆襲』時のレイア縛りになっている。もちろん最初に見たのは彼女の場合も『新たなる希望』からだ。彼氏はボルティモアに住んでいるために合流出来ないことを悔やみつつも二人の時間を楽しんでいるようだった。「夫も後で合流するのよ。仕事が終わったらね」と母親。

 この他にも期末テストを明日に控えながらも列に並んでいる学生など、周りには『スター・ウォーズ』好きの強者ぞろいだ。

CAP003

Lucas Filmロゴの登場とともに歓声と喝采が。

 そのような事をしているうちに列もどんどん長くなってしまい、これは異常事態と劇場側は4時30分から劇場を開放。行列を速やかにシアター内に着席させることで、行列の回避を試みた。筆者も7時30分の回だったが一緒に劇場内へ。この劇場も6時にはほぼ満杯になっていた。そしていよいよ上映開始。

 Lucas Filmのロゴが現れたところで歓声と喝采が鳴り響く。その後、おなじみのタイトル「Star Wars」が大きくスクリーンに映し出されスクロール・ダウンを開始し、「Episode Seven The Force Awakens」と出たところで会場の興奮もマックスに。この瞬間を会場全体が長きにわたり望んでいたのだということを改めて実感できた瞬間だった。その後怒涛の展開で125分はあっという間に過ぎていく。

 映画が終わった後も多くの観客が余韻に残るべく席に座りこんでいたのが印象的だった。また、その場で感想を語り合っている観客もいた。米国では一般的にエンドクレジットを見ること無く帰路につくので、これも『スター・ウォーズ』ならではの光景だ。筆者はもちろん最後の最後まで居残った。『スター・ウォーズ』の場合、エンドクレジットの際に流れるジョン・ウィリアムズによるフィナーレの曲中にも今後の物語展開を示唆するモチーフが挿入される場合が多いので、余談を許さないのだ。しかし、本作も予想どおりの展開だった。どんなモチーフが使われているかは是非、皆さんの耳で確かめてもらいたい。この新たな冒険ははじまったばかり、世界中のファンもしばらくの間、映画に、ゲームにと忙しい日々が続くだろう。