ゲームDIY部 部長
江野本ぎずも
DIYのことを考えるとわくわくが止まらないけど、わくわくするだけで終わっちゃいがちなファミ通BOOKS編集者。ホームセンターで工具を眺めるのが至福の時。
Twitter:@GIZMO_E
ゲームDIY部 部員1号
稲屋マギ
ゲームと肉とDIYをこよなく愛する肉食系ライター。小学生の頃から編み物、ビーズなど様々なDIYをこなす。今は遅れてきたアイロンビーズブーム中。ドット絵のアイテムを作れるのが楽しすぎる!
ゲームに登場するアレコレのアイテムを自作して楽しむ“ゲームDIY部”の活動記録。不定期更新。部員はいつでも募集中です。
連載一覧(すべて見る)
【ゲームDIY部】『パズドラ』ドロップソープはいかが? 前編
2018-04-09 16:55:00
ゲームに出てくるアイテムや料理を自らの手で作っちゃおうという部活、“ゲームDIY部”。部活動第1回のモンハン飯から早2ヵ月が経過してしまいました。設立早々、廃部の危機!? 部員1号の稲屋マギです。待っていた方も待っていない方もお待たせしました。早速、第2回部活スタートです!(第1回をまだ読んでいない方はぜひこちらを!)
2月某日、部活打ち合わせにて
江野本:2月20日は『パズル&ドラゴンズ』6周年だって。6周年つーたらあーた、小学1年生が中学生になっちゃうよ。めでたいから『パズドラ』のドロップでもDIYしようよ。
稲屋:ドロップいいですね! あのドロップの透明感を表現するなら、レジンとか?
江野本:ドロップレジンねえ。ありきたり!
稲屋:ぐぬ。じ、じゃあ、石鹸はどうですか? ちょっと前に流行ってたんですけど、手軽に作れるクリアソープというのがあって。
江野本:ドロップソープねえ。いいじゃない!
稲屋:まじか。
江野本:石鹸ってことは、香りもつけられるっしょ? 各属性にマッチした香りを考案したい。水属性はマリン、アクア系で、木属性はウッディにまとめるとして、えっと火属性は……ぶつぶつ。
稲屋:あれ、部長? おーい! ……めくるめく香りの世界に旅立っちゃった(笑)。じゃあ、私は材料を買ってきますね!
というわけで、今回は『パズドラ』のパズルで使用する“ドロップ”全5属性を模した石鹸を作りたいと思います。
メインで使うのは、“グリセリンソープ(グリセリンクリアソープ)”と呼ばれる透明度の高い石鹸です。石鹸をイチから手作りするのではなく、溶かして型に入れることで成形できるという優れもの。形を自在に作れるだけでなく、色をつけたり香りを加えることもできます。
今回はドロップを半球型に作るため、半球シリコン型と着色料、そして香りづけ用のアロマオイルも用意しました。
それでは、手順を見ていきましょう。
(1)溶けやすいようにグリセリンソープを小さく切る。
グリセリンソープは溶かして液体状にしてから型に流し込むので、まずは溶けやすいサイズにカット。料理さながらですね。
(2)カットしたグリセリンソープを電子レンジにかける。
型に流し込む1個分の分量を量り、溶かしていきます(すぐに固まってしまうので時間との勝負!)。レンチンの時間は、長すぎると泡だってしまうため、液体状になるまで20秒ずつ。
(3)液体状になったグリセリンソープに、着色料とアロマオイルを入れてよく混ぜる。
各属性の色味に合わせて、食用着色料を投入! 香りについては、ぎずも部長が後編でたっぷり語ってくれていますので、そちらをご確認ください。
(4)型に流し込み、完全に固まるのを待つ。
常温でも固まりますが、冷蔵庫に入れると時短に。今回は、型に入れたまま数日放置するというズボラ手法を採用しました。
こんな感じで、火、水、木、光、闇の5種類の石鹸に色と香りをつけて、型に流し込んでいきました。苦労したのはやはり、色の再現。赤、青、黄色の3色の着色料を用意したので、火、水、光属性は色の濃さの調整だけだったのですが、木属性の緑と闇属性の紫は色を作るところから! 赤と青を混ぜて紫を作ろうとしたのに暗黒色のダーク・マター的な何かができあがって焦ったりもしましたが、意外や意外、混ぜてみたらキレイな紫になってホッとしたり……。あとは、しっかり固まるのを待つのみです。
さて、ここからは制作2日目。通常は2~3時間で液体状だった石鹸が固まるのですが、今回は念には念を入れて数日放置したので、すでにカッチコチに固まっているはず。できあがった石鹸を取り出してみましょう!
思っていた以上にクリアな色で素敵! とはいえ、これだけではただのキレイ色の半球型ソープ。『パズドラ』のドロップだと言い張るためには必要不可欠なものがあります。そう。各属性のマーク! マークの付着には、“デコパージュ”という手法を使うことにしました。
デコパージュを超簡単&乱暴に説明すると、対象物(今回でいうと半球型ソープ)に直接デザインを施すのではなく、絵や図柄の描かれた紙(ペーパーナプキンを使うことが多い)をデコパージュ専用液という糊のようなもので貼りつけてデコっちゃうという手法。ふつうの糊とは違って、布や石鹸などにもピッタリとフィルムのように貼りつけられるのが特徴なのですが、今回はちょっと凝ったやりかたを採用しました。
(1)各属性のドロップ柄をプリントした紙を用意し、マーク部分にデコパージュ専用液を塗る。
ドロップ柄はもちろん、石鹸のサイズに合わせて拡大。マークを少しはみ出るようにデコパージュ専用液を塗っていきます。ちなみに、デコパージュ専用液はDIYグッズとして売られていて、今回は100円ショップで購入。
(2)専用液を塗り終わったらしっかり乾くのを待って、水の中にドボン!!
なんと、水に浸けることでプリント用紙をふやかし、紙だけこすり取るという裏技が! これによって、フィルム状になったデコパージュ液にプリントされたドロップ柄だけが残るという仕組みなのです。正直、実際にやってみるまで本当に紙だけを取り除くことができるのか、プリントがキレイに残るのか、半信半疑でした……。
(3)30分ほど水に浸した後、取り出して、紙だけを指で優しくこすり取る。
と書くとなんだか簡単そうですが、この作業、かなーり神経を使います!
江野本:こういうプレッシャーのかかる作業めっちゃ苦手……(ビリッ!)。ぎゃー! 力入れてないのに破けたあああああああ!!
稲屋:あー、私のもです……。どうやら、塗りが甘かったみたいですね……(泣)。
……そう、すぐに破けちゃうんです。調子に乗って力を入れすぎるとビリっといってしまうのはもちろん、デコパージュ液の塗りや乾かしが不十分な場合もうまく固まらずに破けやすいようです。2度目のチャレンジでようやく全部のデコパージュの準備が完了しました。
(4)表面から透けて模様が見えるよう、石鹸の底面に属性マークのついたデコパージュ液を貼りつけ、乾かす。
半球型ソープの底面にデコパージュ液を塗り、その上に各属性のマークを置いて圧着。さらにマークの上からも仕上げのデコパージュ液を塗って、しっかり貼付!
そうして、すべての属性ドロップにマークを入れ、十分に乾燥させると……ついに完成! 作業時間はトータル10時間超、ようやくすべての工程が完了しました。刮目して見よ! じゃじゃん!
江野本:えっと……かろうじて属性マークが見えて、る?
稲屋:光ドロップと木ドロップはマークが透けていい感じの透明感ですよね。火と水もよく見るとキレイです。闇ドロップは……。
江野本:やはりコイツ、ダーク・マターだったか!
稲屋:暗い色だから、底面のマークまで光が入らないのかもしれないですねー。
江野本:あ、じゃあ光に透かして見てみようよ!
というわけで、光に透かして撮影してみました。
はい、めっちゃキレイ!(闇ドロップにダーク・マター的な翳りが見えるけど) ぶっちゃけ、実物は写真よりも数倍キレイだと思います。とくにすごかったのが、光ドロップと木ドロップ。本物のドロップを持っているような気がしたくらいです。もしや、同色3つ並べたら消えるんじゃないだろうか……?(いや、ないから!)
グリセリンソープは透明度が高く、宝石を再現するのにもよく使われているので、ほかの作品も作ってみたくなりました。デコパージュも、既製品に好きな絵や模様を入れてカスタマイズできて楽しい! またぜひトライしてみたいです。
さて、“『パズドラ』ドロップソープはいかが?”後編は、ぎずも部長によるアロマ編です! お楽しみにー!
(c) GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.