ゲームに出てくる料理やアイテムを自らの手で作っちゃおうという部活、“ゲームDIY部”がスタートしました! 江野本ぎずも部長からのひと声で即入部しました、部員1号の稲屋マギです。どうぞ、よろしくお願いします!
2017年12月某日、カフェにて部内会議
江野本:さて、ゲームDIY部の記念すべき第1回目なんですけど……。
稲屋:うーん、何にします? 最初だし、派手にやりたいですよね~。あと肉食いたい。
江野本:肉といえば……モンハン? そういえば、『モンスターハンター:ワールド(MH:W)』のベータテストやってます?
稲屋:それが、忙しくてまだあんまり……。
江野本:うちも昨夜ちょっとやっただけなんですけど、キャンプで受付嬢が作ってくれる食事がおいしそすぎて完全に飯テロでした。あれ、ゲームDIY部で再現できないかなー。
稲屋:いいですね! 肉を大量に食べられるし!(ジュルリ)
江野本:よし! じゃあ、第1回はモンハン飯を再現しちゃいますかー!!
というわけで、今回作るのは『MH:W』で、受付嬢がキャンプで作ってくれる食事です!
肉好き垂涎の、お肉たっぷりのラインナップ! たまらん! はよ食わせろ!
と、イビルジョーのようにヨダレを垂らしているだけではこの記事は完成しないので、どうすればこのモンハン飯が再現できるのか考えてみます。テーブル(?)に並べられたメニューをひとつひとつ、いろんな角度から見回してみた結果、どうやら以下の4種の料理と飲み物で構成されているようだ、と推論を立てました。
(1)鶏肉の丸焼き
(2)串焼き3品(肉2本とエビ1本)
(3)煮込み料理
(4)加工肉(ハム、ソーセージ)とジャガイモの盛り合わせ
(5)白い飲み物
そして、この5品を作るために必要な食材を洗い出し、できるだけ安く購入できるお店をチェック。当日、集められた食材がこちらです。じゃじゃん!
こうして食材を並べるとワクワクするとともに、肉の量に圧倒されます。ちなみに、購入費は約6000円。安く抑えたつもりだけど、見た目を再現できるよう丸鶏のサイズから他の食材もバランスを取っていくと何もかもがビッグサイズになり、費用もそれなりにかかってしまいました。
でも、ここで怯んではいられない! どうせやるなら、『モンハン』らしくアウトドアで料理までしちゃおうってことで、部長のご自宅の屋上を使わせてもらうことに。バーベキューセットや卓上コンロなどを運んで、寒空の下、料理スタートです。
まずは、メインメニューである(1)鶏肉の丸焼きから。鶏肉の表面に満遍なく調味料をすり込んでいきます。調味料はハーブ入りの塩とコショウでシンプルな味付けに。ただし、焼いている間に流れてしまうので、味つけは濃いめを意識しました。
問題は、この丸鶏をどうやって調理するか。鶏の丸焼きを作る方法はいろいろあるのですが、今回は“ビア缶チキン”をやってみることにしました。“ビア缶チキン”というのは、丸鶏にビール缶を刺して焼く、BBQではお馴染みのワイルドな料理方法。缶の中にビール半分ほど残しておくので、熱されたビールで中からも柔らかく焼けるとか! 部長宅には七輪があるということだったので、七輪の上に置いて焼くことにしました。
と、味付けが終わったところで早速、ビール缶に鶏を刺してみました。
なんというか、社長椅子にどっかり座ってるみたいな体勢になりました。偉そう! そしてシュール! じつは、ビア缶チキンを選んだ理由のひとつが「なんか見た目がすごそう」ってことだったのですが、思ったとおりになりました。
そんな姿から目を逸らしつつ、鶏を焼く準備です。七輪の火元に脂が落ちないよう、アルミホイルを引いてから鶏をセット。ビール缶に刺しただけの状態では不安定なのですが、ビア缶チキン専用のスタンドを使うことで安定します。ホームセンターなどに売っているのでオススメ。あとは、鶏全体に火が通るようにアルミホイルで覆って準備完了! 焼き上がるのをじっくりと待ちます。
鶏が焼き上がるまでには数時間かかるので、その間に別のメニューを作ることに。まずは、各メニューに必要な食材を切っていきます。
(2)串焼きには、牛肉と豚肉とエビを用意!(贅沢) 肉は大きめに角切り、エビは頭だけとって殻付きのままにしておきます。
(3)煮込み料理には、キャベツと白ソーセージを入れます。キャベツはざく切りに、ソーセージは斜めに3等分。
最後に、(4)加工肉とジャガイモの盛り合わせで使用するジャガイモに火が通りやすいよう切れ目を入れたら、切る作業は完了!
さぁ、結構疲れてきましたが、まだまだ作りますよ!
お次は、(3)煮込み料理を作成。まずは食べやすく切った白ソーセージを炒めます。それだけでもうおいしそう! ソーセージに焦げ目がついたら水とコンソメを投入し、沸騰してきたらキャベツとトマト缶をイン。蓋をして10分ほど煮込んだら、ケチャップとソース、塩で味を調えます。さらに、野菜がくたっとするくらいまで煮込んで完成! やっと1品できたよ!
(3)煮込み料理と同時進行で作っていたのが、(2)串焼き3品。こちらは簡単! 豚肉、牛肉、エビを串に刺して、塩、コショウで味付けして焼くだけ! いっしょに(4)の材料も焼いちゃいます。
ここまでくるとさすがに疲労困憊でしたが、ちょっと休憩を挟んで(5)の白い飲み物を作ることに。これは牛乳やヨーグルトにしようかとも考えたのですが、モンハン飯なら元気が出るほうがいいだろうということで、“飲む点滴”とも呼ばれる栄養豊富な甘酒にしてみました!
作りかたは、ちぎった酒粕を水といっしょに鍋に入れて温めるだけ。酒粕はダマになりやすいので、めん棒やヘラなどで潰しながらよーく混ぜるのがポイントです。砂糖で好みの甘さにしたら出来上がり! なお、酒粕から作る場合は、アルコール分があるので要注意です。
さて、そんなことをしていたら、待ちに待ったメインの(1)鳥の丸焼きが焼き上がりました! 缶を抜き取って、完成です!
作ってみてわかったのですが、ビア缶チキンの重要なポイントは“火力”です。とにかく圧倒的な火力が必要! 今回、1.4キログラムの鶏を七輪で焼いたのですが、かなり時間がかかってしまい……じつは、ちょっとだけチートして室内のオーブンで火を通したりもしました。鶏のサイズは小さめを選ぶか、火力の出せるBBQコンロで焼くべきだったかなと反省。
最後に、見た目再現には重要なポイント、盛り付けです! じつは密かに作っていたものがありました。それは、定食の下に引かれた『MH:W』の新大陸古龍調査団の紋章が入ったランチョンマット!
麻風の布に、消せるチャコペンで紋章をトレースしたあと、油性ペンでなぞった簡単なものですが、意外といい感じにできてると思います!(自画自賛)
これをテーブルに敷いて、ゲーム内と同じように配置してみました。実際のゲーム画面と比較してみてください!
何度もスクリーンショットと見比べ、しっかりこだわって串も立ててみました。個人的には、かなり再現度は高いと思います! まぁ、これを作るのに約4時間かかっているので、そう言わせて下さい……! というかですね、これを毎回作ってくれる受付嬢ちゃんには頭が上がりません……。クエストの受付しつつ、ご飯も作るなんて『MH:W』の受付嬢は優秀すぎる!
DIY的にはモンハン飯を再現し、受付嬢のすごさを思い知ったところでおしまいなのですが、じつはここからさらに試練が……。
撮影後、このモンハン飯を計4人で食べたのですが、皆空腹だったはずなのに半分も食べきれず……! ざっと見積もって、7人前くらいはあったかと思われます。味はどれも素朴ながらもおいしかったんですけど、とにかくとんでもない量。これを1食分で食べるハンターさん、すごすぎだよ! そりゃ、あんな大きな武器を振り回せるはずだよ!!
食べやすく解体された鶏肉。しかし多い!
串焼きの肉たちも食べやすくバラして、小さめにカットし直しました。しかし多い……!
肉尽くしのメニューの中、あっさりした味で箸休めになり、何気に大人気だったじゃがいも。しかし、やっぱり多い…………!
この日、食べきれなかった分は、部長が数日をかけて完食してくれました。最後は、年越しそばといっしょに食らって、なんとか2017年内に食べ切ったとか。お疲れ様でした!
思わず、受付嬢ちゃんとハンターさんをリスペクトしたくなるモンハン飯再現、いかがだったでしょうか? 「俺はハンターなので、一食で食べ切ってみせる!」という猛者は、ぜひ作ってチャレンジしてみてください。
さーて、次は何を作ろうかな?