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第9回 ディレクター前田殿といろいろ駄弁ってみたの術 前編
公開日時:2015-03-31 00:00:00
『ウィズローグ』ディレクターの前田さんインタビューの比較的マジメバージョンが別の場所にすでにアップされていますが、こちらはそこからこぼれた愉快トークを掲載します。前田さんと忍増の、肩の力が抜けた雑談を楽しんでくれという感じですね。それでいて、『ウィザードリィ』ファンならニヤリとする箇所もあるんじゃないかと。
前田明彦氏†
【プロフィール】
タイトー所属。『ウィズローグ』のディレクターを務める。
●前田さんへの『ウィザードリィ』アンケート
・好きなシナリオ:ファミコン版『1』と『2』、プレイステーション版『5』(『ニュー エイジ オブ リルガミン』)
・好きな種族:エルフ
・好きな職業:侍
・好きなアイテム:Ring of Death
・好きなモンスター:MAELIFIC
・好きな呪文:マピロ マハマ ディロマト
・好きな週刊少年ジャンプのマンガ:風魔の小次郎、バオー来訪者、うすね正俊がアシスタントをしていた頃のこち亀
・好きなアイドル:NEWS JAPANの頃の滝川クリステル
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▲前田明彦氏 |
――前田さん、今日は甲冑じゃないんですね。そもそも前田さん、すごいマジメな御仁なのに、なんでいつも甲冑を着ていたんですか?
前田 『ウィズローグ』のプロモーションで甲冑の格好をするのは、すごい早い段階で決めていたんですよ。『ウィザードリィ』系のゲームでメディア展開を考えたとき、まず忍者増田さんという人物が思い浮かんだんです。じゃあ、忍増さんに対抗できるキャラクターって何? って考えたときに、侍でいこうと。それで、甲冑買いましょうと。
――マジですか!? キッカケが拙者だったというのは驚きです! とっても光栄マイコンシステムです。
前田 (わかりにくい増田の古いボケをスルーして)でも、経費として落とせるかわからず、自分でヤフオクで落としました(笑)。セットだともっと高いんですけど、バラで落札していったので、ン万円でした。
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▲知らない人のために掲載。前田さんは『ウィズローグ』配信当初、こんな格好でプロモーション活動をしていたのです。 |
――やっぱそれくらいするんですね。拙者の忍者服の倍の値段です。あ、いらない情報ですか? こっちの対談では、前田さんのクリエイター以外の顔も読者の御仁にお伝えできたらと。最初は『ウィザードリィ』プレイヤーとしての顔を! というわけで、前田さんが『ウィザードリィ』をプレイするようになったキッカケを教えてください。なぜあんな、文字ばっかの地味で無愛想なゲームをやろうと思ったんですか?
前田 もともと『ウィザードリィ』というゲームの存在は知っていて、それがファミコンで出ると聞いて飛びついたんですよ。
――じゃあ取っかかりは、騒がれていたゲームだからとりあえずやってみよう……ぐらいの?
前田 そうですね。当時中学生だったんですが、もともとRPGは好きだったし、『ウィザードリィ』は外せないだろうと。やってみると、まったく子供向けじゃない硬派な内容が自分に合っていて、ハマりました。パッケージのデザインも媚びていなくていいなぁと。きっとマゾゲーが好きなんでしょうね(笑)。
――PC版じゃなくて、ファミコン版から入ったんですね。
前田 はい。あとからPC版に戻ってプレイしたんです。
――珍しいですねえ。
前田 一応、PCで『ウィザードリィ』が出ていることは知っていたんですけど、でも、そのときはそこまで食指は動かなかったんです。やっぱり月並みですが、ファミコン版の末弥純さんのイラストに惹かれたというのは大きいと思います。
――ファミコン版のシナリオ1を最初にプレイして、その後もいろんな続編をプレイされたと思うんですが、いちばん印象に残っているシナリオはどれでしょう?
前田 シナリオ1とシナリオ5ですね。シナリオ1はファミコン版ですが、シナリオ5は、ちゃんとやったのはプレイステーション版の『ニュー エイジ オブ リルガミン』かもしれないですね。
――ああ、シナリオ4とシナリオ5が入っているやつですね。
前田 そうです。スーパーファミコン版のシナリオ5も出ていましたけど、じつは当時、僕はスーファミを持っていなかったんですよ。そのときにメガドライブに走った人だったんで。そのあとはPCゲームのほうに移行していったんです。それが中学~高校ぐらいにかけてでしょうかね。
――最初にファミコン版の快適な『ウィザードリィ』をやっていたら、PC版の操作性や遅さやらにゲンナリしたのでは?
前田 いや、もともとPC版をプレイする前からそういう前知識があったんで、大丈夫でしたよ。むしろ新鮮でワクワクしました。呪文詠唱でTILTOWAITのつづりを間違って失敗したりとか、罠の解除でPOISON NEEDLEのつづりを間違えて毒を食らったりとか。
――やはりMなんですね。
前田 Mですね(笑)。で、当時英語の知識なんかテキトーなんで、TELEPORTERのつづりとかを考えながら打ち込むのがドキドキして新鮮で。ディスクアクセスのシーク音がBGM代わりだというのも知っていましたし。
――シナリオ1とシナリオ5が印象に残っている理由は?
前田 シナリオ1はもう遊びまくって生活の一部になるくらいになっていましたからね。シナリオ5は、難しいなとは思いましたけど、いままでの『ウィザードリィ』の殻をやぶって、いろいろチャレンジしているのが、自分の中で好意的に受け入れられたというか。迷宮が20×20じゃなくなったり、パーティーの後列から直接攻撃ができるようになったり、NPCをからめた謎解きがあったり。そういういろんな新要素がうまく『ウィザードリィ』という範囲内に収まっていたと思います。
――じゃあ前田さん的には、シナリオ5で、ARMOR EATERが鎧を破壊したり、PSIONICが特性値を下げてきたりするのはアリだったと?
前田 最初は「ふざけんな!」と思いましたけどね(笑)。でも、こういうものなんだと受け入れられましたよ。だって、ロストがあることに比べたらかわいいものじゃないですか(笑)。
――ああ、この受け入れの早さはやっぱMだ。拙者も同じです。そもそも4レベルエナジードレインなんてのもあるわけですからね。
前田 そういうことです(笑)。
――前田さんが考える『ウィザードリィ』の魅力はどういう部分でしょうか?
前田 プレイが同じにならないところですね。一本道RPGなんかだと、プレイヤーの体験の差がそんなに出なかったりする。でも『ウィザードリィ』は、キャラクターも作った都度都度によって違うし、強い武器がどのタイミングで手に入るかもまったくわからないですし。押さえるポイントはいくつか同じところがあると思うんですけど、全体的なプレイの道筋は、そのときによって、そして人によってもまったく違ってくる。それが僕にとっていちばんの魅力です。
――たしかに、MURAMASA BLADE!を2本も持っている御仁もいれば、かたや全然手に入らない御仁もいたりと、プレイヤーによって差が出てきますよね。迷宮内を進むルートも人によってまったく違うでしょうし。たとえば拙者の場合は、シナリオ1のラスボスWERDNAとの初対決のときに、奴にBADIの呪文が効いてしまったんです。
前田 なんと(笑)。
――それで一撃でWERDNAが死んでしまって。個人的にはそういう、WERDNAのガードが完璧じゃないところも好きでした。まれに呪文も効くし、クリティカルヒットも当たる。でもそういうところがあるから、倒しかたも人によって違ってくるのがおもしろかった。倒しかたがパターン化してないというか。
前田 そうですね。少し話はズレますが、『ウィズローグ』のデータって原作(『ウィザードリィ』)を参考にしているんですけど、そこでいろんなデータを見てみると、形式化されていなくてよい意味で「アバウトだなあ」と思うことも多いです(笑)。
――ああ。拙者もいままでに、『ウィザードリィ』を作られたいろんな御仁にインタビューしていますが、そのあたりがワリと雑だったという話はうかがいますね(笑)。というところで、次回の後編アップをお楽しみに!
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▲一応、インベーダー畳の裏に隠れていないほうが前田さんだ。 |
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▲今回も画面写真を1点なんとなく入れておきます。 |
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