スーパーコアゲーマーがクリエイターに突撃! 椿姫彩菜のゲームの話

タレントでコアゲーマーとしても知られる椿姫彩菜さんが、ゲームクリエイターの皆さんに“ならでは”の視点で切り込む連載企画。椿姫さんが注目するゲームのクリエイター、旬なクリエイターに対談形式でお話を聞いていきます。椿姫さんのゲーマー側に立った突っ込みに、クリエイターはどう応えるのか? どんなぶっちゃけトークが展開されるのか? 注目です。

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連載企画“椿姫彩菜のゲームの話”がスタート! 記念すべき第1回目のゲストはカプコンの小林裕幸プロデューサー

2014-03-03 16:00:00

椿姫ゲームクリエーターさんから、いろいろな話を伺うコーナーの第一弾として、私の大好きな『戦国BASARA』シリーズの小林Pさんと、ということになりました!

ブログ写真/01

小林Pそれは光栄です(笑)。椿姫さんに初めて出会ったのは、『戦国BASARA3』をすごくやり込んでいたころでしたっけ?
椿姫 そうそう! すごくハマってて!! その想いを初めてお会いしたときにぶつけた記憶があります。全キャラクターをレベル99にしたりしてましたから(笑)。
小林P 「著名な人なのに、こんなに遊んでくれてるんだ! ガチのゲーマーなんだ!」 って驚きました。
椿姫 あはは(笑)。『戦国BASARA3』は、それまでのシリーズに比べて遊びやすかったですからね。アクションも派手になりましたし。

ブログ写真/02

小林P そうですね。初代の『戦国BASARA』は少し難しかったので、難易度を落としつつ、物語的なボリュームを足したのが『戦国BASARA2』。そして、開発が終わったばかりの『Devil May Cry 4』のスタッフも入り、アクションを強化した『戦国BASARA3』……という流れでしたからね。
椿姫 『戦国BASARA3』は、それまでの『戦国BASARA』の集大成みたいな感じになっていて、ひとつの大きなタイトルが確立された瞬間に立ち会えた感じがしました。それに……当時は“歴女ブーム”みたいなのもあったので、ファンもグッと増えたんじゃないですか?(笑)
小林P そうかもしれません。ちょうどその時期にアニメが放送されていたし、マンガや舞台も始まった時期でしたから。世の中的にも勢いがありましたね(笑)。
椿姫 舞台といえば……じつは私、ゲームが舞台になるっていうことに対して、少し抵抗があるというか、複雑な心境だったんです。でも、実際に拝見させていただいたら、キャラクター像がしっかり守られた舞台でとても楽しくて。「だからこんなにファンが多いんだ!」って思いましたね。ところで、『戦国BASARA』って最初からこんなに女性ファンが多くなることって想定されていたんですか?
小林P まったく想定していなくて、むしろ意外だったんですよ。『戦国BASARA2』の制作発表をしたころから「あれ? このタイトルは女性のファンが多いぞ?」って気付きだしたくらいで(笑)。
椿姫 そうだったんですか。

ブログ写真/03

小林P 僕は常々、“作ったゲームはいろいろな人に遊んでほしい”と思っていて。たとえば操作もできるだけ簡単にできるように工夫したり、アニメやマンガのエッセンスを取り入れたりということはしているんですが……。意図的に敷居を低くしているとはいえ、これだけ女性の皆さんに支持されるとは思ってもみなかったですね。
椿姫 私、小林Pさんをすごいと思うのは、そんなタイトルなのにチャレンジの姿勢を忘れないってところなんですよ!
小林P そう?(笑)
椿姫 だって、まさか『戦国BASARA』が格闘ゲームに、しかもアーケードゲームになるとは思わなかったですもん!(※編注 『戦国BASARA X(クロス)』のこと。のちにプレイステーション2でも発売)

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小林P よく知ってるなあ(笑)。あれは確かにチャレンジですね。『戦国BASARA』チームで格闘ゲームが流行った時期があって、その勢いで……ね。
椿姫 私、格闘ゲーマーですから! あれもやり込みましたよ(笑)。
小林P 裏話をすると、『戦国BASARA X(クロス)』のアクションってけっこうたいへんで。たとえば伊達政宗だとしたら、格闘ゲームで欲しいはずのいわゆる小パンチとか小キックとかがNGなわけです。政宗は、基本的に刀を持って戦うから。
椿姫 あー! 確かにそうですね。
小林P だから、刀を使ったアクションにしつつ、格闘ゲームとしてのバランスを取っていくという感じになりました。もちろん、ほかのキャラクターもそんな感じで調整を加えていって……たいへんそうでしょ?(笑)
椿姫 でも、そういうキャラクターに対する想いがあるからこそ、『戦国BASARA』シリーズの世界が成り立っているんだなって思いました! そもそも、あれだけ個性的なキャラクターを生み出すのって、すごくたいへんじゃないですか?
小林P そうですね。新キャラクターを考えるたびに悩むところではあります。戦いかたがカブらないように……とかね(笑)。
椿姫 「じつはこのキャラクターは、こうなる予定じゃなかった!」みたいなこともあるんですか?
小林P そうですね……。そもそも『戦国BASARA2』の主人公は、制作がスタートしたときは前田慶次ではなかったんですよ。じゃあ、どのキャラクターだったのか? っていう部分は言えないんですが。開発が3ヵ月くらい進んでから変更になったんですよ。

ブログ写真/05

椿姫 私の大好きな慶次にそんな秘密が……!
小林P 慶次も世間的な印象がしっかり固まっているキャラクターなので、それを覆すものを作れるか、という点でチーム内での賛否もありましたけど……結果的には成功でした。
椿姫 もう、ホントに魅力的なキャラクターだと思います!
小林P そう思っていただけるように、ストーリーの面でもかなり力を入れて(笑)。
椿姫 ほかにもまだありそうですね?
小林P あとは……前田利家のデザインはもともと織田信長のバリエーションのひとつでした。でも、『戦国BASARA』は既存の武将のイメージを壊したいという明確なコンセプトがあったので、信長は西洋甲冑の人になったし、利家もあの形に落ち着いたんです。本多忠勝も、当初はあんなにメカメカしくなかったですしね。
椿姫 ほうほう!
小林P 初代の『戦国BASARA』を制作しているなかで、CG監督さんやアニメ監督さんのイメージで作る本多忠勝を観させていただいて。じゃあ、我々カプコンもハジけよう! ってことで、ああなりました。最後の16番目に制作していたキャラクターということもありましたし。
椿姫 もしかしたら、もっと人間らしい忠勝になっていた可能性もあった?
小林P いや、忠勝はいまでも人ですけどね(笑)。
椿姫 あ、そうでした(笑)。

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次週も小林Pさんと椿姫さんによるキャラクター談義に花が咲く!
そして、話題は最新作である『戦国BASARA4』のエピソードに突入!!

(※記事は全3回でお届けします。次回更新は3月10日予定)