大塚角満の熱血パズドラ部!アーケード版

ゲームのプレイ日記を書き続ける大塚角満の『パズル&ドラゴンズ』ブログ“大塚角満の熱血パズドラ部”の出張版。稼動開始となったアーケード版『パズドラ バトルトーナメント -ラズール王国とマドロミドラゴン-』をプレイ!

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大塚角満の熱血パズドラ部!アーケード版【第9回】

2014-08-29 22:10:00

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●本日もクルクル日和

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 今回は“中締め”という感じで、総括的な文章を書きたいと思う。

 個人的なことだが、『パズドラ バトルトーナメント -ラズール王国とマドロミドラゴン-』と出会ってからの最大の身辺的変化は、“ゲームセンターに通うようになった”ことだと思う。ざっと考えてみたところ、俺が夢中になってゲーセン通いをしていたのはいまから20年(!)くらいも前で、当時のアミューズメント施設には、黎明期のプリクラ系のマシンや、全盛期を迎えていた格闘ゲームばかりが並んでいたと記憶している。グラフィックのレベルなんて現在の家庭用ゲーム機のソレにも遠く及ばず、筺体のギミックもゼロに等しい状態だった。それでも、ゲーセンは人で溢れ、若者は格闘ゲームや音ゲーに取り付き、女性や子どもはプリクラやクレーンゲームに列を成していた。その盛り上がりに比例するようにゲーセンはきらびやかな電飾と賑やかな音楽に満ち、嬌声や笑い声が渦となって心地よく身体にまとわりついてきていたものだ。

 でもいつのころからか、俺はゲーセンにあまり行かなくなった。

 理由……というものもとくにないのだが、歳を取るにつれて仕事が忙しくなったり、家庭用ゲーム機の性能が向上してゲーセンレベルのゲームを家で遊べるようなったことが、間接的にゲーセンから足が遠のくことにつながったような気がする。以来、ゲーセン……というかアミューズメント施設に行くのは、年に数回か、それ以下に……。しかもこれは俺だけではなく、まわりにいるゲーム好きの連中も同じような感想を漏らしていた。

 そんな、ゲーセン離れが“ふつう”になってしまった俺の前に現れたのが、ガンホーの山本大介プロデューサーと『パズル&ドラゴンズ』というコンテンツだった。初めて会ったときから馬が合った俺と山本さんは、以来毎週のように都内の繁華街で顔を合わせ、酒を飲みながら夢を語り合うようになった。その中で山本さんは、「いつか、アーケードゲームを作りたい。それがゲームクリエイターとしての、夢のひとつです」と目をキラキラさせながらつぶやき、そして本当に、その夢を実現してしまったのである。

 いまでも、忘れられない。山本さんが初めて、『パズバト』の存在を話してくれた夜のことを。テストで100点を取ってウキウキしながら親に報告する少年のような笑顔で、山本さんは俺にこう言ったのだ。

「大塚さん! じつは、パズドラのアーケード版を作っています!! ゲームクリエイターとしての夢が、ひとつ実現するんです!!」

 と--。

 そしてまもなく、本当にパズドラのアーケード版『パズドラ バトルトーナメント -ラズール王国とマドロミドラゴン-』が発表され、お披露目を経て、ゲーセンに導入されていった。当然、

「俺もさっそくゲーセンに行かねば!!!」

 ってことで夜の街にくり出したわけだが、程なくたどり着いたゲーセンの扉の前で、ふと俺はこんなことを考えていた。

「あれ……? 考えてみたら、特定のゲームを遊ぶことを目的にしてゲーセンに来るのって、ものすごく久しぶりなような気がするな……」

 実際、そうだった。飲み会の帰りにクレーンゲームをやろうと思って足を踏み入れることはたびたびあったが、“ビデオゲームで遊ぶ”ことをメインの目的としてゲーセンに入るのは、本当に久しぶりだったのである。もう、いつ以来なのかもわからないほどに……。このときいっしょにいた山本さんも同じだったようで、「この雰囲気、めっちゃ懐かしいですね!w」なんて言っていたと思う。……そう、雰囲気だ。ゲームセンターって、こういうところだったんだよな。

 ゲーセンの最大の魅力は、ゲームでもなく、クレーンゲームでもなく、それらが渾然一体となって放っている独特な雰囲気なんだと思う。この雰囲気に惹かれて、顔も名前も知らない人たちが続々と集まり、その空気をさらに濃いものにしていって--。

「さあ、今日もひと勝負やりますか!!!!」

 とある日の夜中、お酒を飲みに行く前に俺と山本さんが立ち寄ったのは、いつものゲーセンだった。目ざとく『パズバト』の筺体を見つけ、流れるような手つきで100円玉を積み上げてから、目線をバチバチとぶつけ合う。どんぐりの背比べなモンスターたちの勝負は一進一退で、全国トーナメントの傷をなめあうにはピッタリなのである(苦笑)。

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「角満!!! 帰りにゲーセン寄っていこうよ!!!」

 この日、声を掛けてきたのは、同僚の美人ドSパズドラー・Tさんだ。彼女は山本さんと並ぶ俺の“パズバトライバル”で、こっそりひとりでゲーセンに通ってはチームを鍛え、ほどよく育ったところで俺に挑戦状を叩きつけてくるのである。

「ふふふ! 生意気な!!! 返り討ちにしてやるわ!!!!」

 ポケットにNESiCAがあるのを確認し、カバンをむんずとつかんで会社を出る。

「よし! いこか!! ゲーセンに!!!」

 『パズバト』のおかげで、20年前の自分に会えた気がする。まだまだ腕はへっぽこだけど、全国ランカーを目指して、今日もクルクルとがんばるぞ!!

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大塚角満Twitterアカウント→@otsuka_kadoman


大塚角満(おおつか・かどまん)……週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画部編集長。編集業務のかたわら、執筆活動を精力的にこなしており、多数の連載記事を持つ。著書に、『モンスターハンター』シリーズのプレイ日記をまとめた『逆鱗日和』シリーズが9作、『ダークソウル』のプレイ日記をまとめた『折れてたまるか!』シリーズが2作品ある。現在、ファミ通.com上でブログ“大塚角満のゲームを読む”、“『ドラゴンズドグマ』で暮らす”、アメーバブログで“大塚角満のブログ”などを連載中


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パズドラ バトルトーナメント -ラズール王国とマドロミドラゴン-
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:アーケード
■稼働日:2014年4月24日より稼働開始
■プレイ料金:1プレイ100円[税込]、コンティニュー100円[税込]
■ジャンル:パズル・RPG/対戦・育成
■備考:プロデューサー:門井信樹、運営プロデューサー國澤 仁、メインキャラクターデザイン:野村哲也、ストーリー&世界観設定:井上堅二、田口仙年堂、日向悠二、音楽:伊藤賢治、田中公平、監修:ガンホー・オンライン・エンターテイメント



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