3回連続で『
GTAオンライン』の“主役”のひとつである乗り物の魅力を解説する特別企画。中編となる今回はレースや強盗ミッションでどのようにクルマを運用していくのか、カスタマイズ要素も含めて解説。
文:西川くん
公開日時:2022-11-24 18:00:00
通常ならば毎週更新の『GTAオンライン』プレイ日記をお届けしている本連載。ライターの西川くんがロスサントスでのし上がっていく“物語”をお届けしている。
この特別企画では、『GTAオンライン』に登場する650を超える乗り物に注目。自分の愛車で広大なオープンワールドを駆け巡る、『GTAオンライン』の“主役”のひとつであるクルマの魅力に迫っている。
前編ではクルマの車種に焦点を当てて、僕の独断でいくつかオススメのクルマをピックアップして紹介した。中編となる今回は、それらのクルマを数多のレースなどでどのように運用していくのか、カスタマイズなども含めて解説。さらに、膨大なミッションの中でもとくにクルマの選択が重要となる強盗ミッションを例にして、『GTAオンライン』でクルマが果たす役割も紹介する。
■SHAKAと仲間たちによる『GTAオンライン』配信に注目!
まずは、本記事で強盗ミッションを例にする理由を。それは、2022年11月25日に配信される超人気ストリーマーのSHAKA氏による『GTAオンライン』配信で、強盗ミッションのプレイを実施するからだ!
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プロゲーマーとして数々の世界大会に出場するなど、数々の実績を持つSHAKA氏。
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ちなみに、SHAKA氏は『GTAオンライン』のプレイを頻繁に配信されているので、気になる方はチェックを!
この記事を読んでから2022年11月25日に配信されるTwitchのチャンネルをチェックすると、より配信が楽しめるはず!
【配信チャンネル(Twitch)】fps_shaka
■ミッションでのクルマの選びかた
ここからは『GTAオンライン』におけるミッションとクルマの関係性について解説していこう。
本作に登場する車両は、タイプ別に車種(カテゴリー)で分けられていることは、前回にも紹介した。基本的には、バイクを除けばすごく大きな性能差があるわけではないので、「この車種でなければミッションに歯が立たない」ということは起こらない。とはいえ、スピードはもちろんハンドリングや加速など、細かな違いは存在する。
ミッションではクルマに乗っての追跡や逃走、銃撃戦も含めた戦闘が発生する者が多く、車両の出番は多い。言ってしまえば、クルマの使いかたでミッションの難度も大きく変わる。基本的には自分が持っている好きなクルマを使えばいいが、一部の車両を使うと難度がグッと下がることもあるのだ。
『GTAオンライン』ではいくつかのレ―スのスタイルが用意されている。その種類を解説しつつ、オススメの車種(あくまで個人的な視点でピックアップする)も紹介しよう。
・スタンダードレース:もっともベーシックなレース。公道やオフロードなど、コースのシチュエーションは多彩
・スタントレース:ジャンプ台や起伏の激しい坂などが用意されたコースを走るレース
・GTAレース:武器の使用が可能という、対戦要素が加わったレース
・ラリー:ドライバーとナビゲーターという2名のプレイヤーがペアになって挑むレース。コースの種類を“ラリー”にすることで楽しめる
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レース系のジョブでは、コースの特徴を把握して車種を選択し、その中でいちばん早いクルマを選べばオーケーだ。極端なことを言えば、オンロードならスーパーカーを選べばいいし、オフロードやアスレチック系のコースならオフロード車かバイクを選ぶと走りやすい。
公道が舞台になると一般の車両やオブジェクトを避けながらの展開になるので、スピードはもちろんハンドリングの性能が高いクルマを選んだほうがいい。腕に自信があればスーパーカーがいいが、レースで勝てる運転は上級者向け。速度とハンドリング、加速性を兼ね備えたスポーツカーがオススメだ。イタリRSXは優れたスポーツカーだが価格はかなりお高いので、ハンドリングに定評のあるマッスルカーのドミネーターシリーズ(とくに最新モデルのASP)やストレートにめっぽう強いスポーツカーのキャリコGTFもアリ。
オフロード系のレースではオフロードマシンではビフタのような高スピードのバギータイプもあるが、でこぼこ道には向いていない。そんなときはバイクがオススメ。中でもシリーズおなじみのオフロードバイクであるサンチェスの性能は捨てがたい。
スタントレースでは、急に訪れるコースの変化に対応できるクルマが向いている。スタンダードなクルマながらハンドリングしやすいマッスルカーのガントレットなどでコースに慣れるといい。スタントレースは車種ごとに分かれたモードがあるので、それぞれに適したクルマを選ぶ楽しさがあるが、最高速度よりもハンドリングと加速度を優先すべきだろう。
ラリーはまた特殊な仕様となっており、何よりも相棒となるナビゲーターとのコミュニケーションが最重要だが、中でもハンドリングに特化したラリー仕様といってもいい四輪駆動のイッシースポーツなどが人気のようだ。
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●「GTAオンライン」に新たなスタントレースが登場(Rockstar Games Newswire)
GTAレースでは何でもありの過酷なバトルが発生する。速度やハンドリング以外にも耐久性も考えたほうがいい。クルマどうしで衝突する際に当たり負けしないという意味で個人的にはSUVがオススメで、加速性に優れたトロスやボーラー2、ロコトあたりに注目したい。ただ、やはり速度という意味で不安はあるので、カスタマイズも視野に入れて考慮しよう。
コンタクトミッションなどの戦闘がメインになる場合は、いくつか存在する防弾車がオススメ。防弾車両に乗りながらドライブバイで射撃していくだけで、敵からの射撃を受け止めながらノーダメージで突破できるので、ジョブが楽になる。
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防弾車ならほとんど攻撃を受けつけない。どのような場面でも活躍してくれるだろう。
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銃撃戦で敵がクルマを盾にしている場合も、突進することで……。
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盾となっているクルマを無理やり引っぺがすことも! 安全かつ強力な立ち回りが可能となる。
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言ってしまえば、けっきょくは運転したときのしっくり感というか、フィーリングが合うものがプレイヤーに適したクルマだろう。予算の範囲内でスピードやコーナリング、耐久性など、さまざまなタイプに適したクルマを揃えてみて、「これだ!」という車種やクルマを見つけ出したらカスタマイズにお金を回すという、長期的な視点で愛車を探すのがいちばん楽しいかもしれない。
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ちなみにレースにカスタムカーを持ち込む場合、レースカーのレンタル料が発生しない(レンタル料はたった100ドルだけど)。
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■車両カスタマイズについて
幅広い車両カスタマイズに対応しているのも『GTAオンライン』におけるクルマの楽しさを広げる要素。オートショップであるロスサントス・カスタムに行くか、自身でオートショップ物件を購入、ロスサントス・カーミーティング会場に行くなど、改造スポットも手段も多数用意されている。
車種によって用意されているパーツはまちまちだが、対応しているクルマであればバンパーからスポイラー、さらには車内の飾りからシートまでも変更可能。自分好みのカスタムカーを自由に構築できるのが、なんとも楽しい。
また、エージェンシーのオフィスで乗り物ワークショップを解放すると、リモート操作やミサイルロックをジャマ―(追跡不可能)にするハイテク機能を持たせられる“イマニ・テック”改造が可能となる。
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●イマニ・テックで乗り物をアップグレード(Rockstar Games Newswire)
さらに、PS5版とXbox Series X|S版限定だが、ロスサントス・カーミーティング会場で“ハオ・スペシャルワークス”改造を施すことが、一部車両が対象ではあるが可能となる。さらなる速度を求めてハイスピードマシンを仕上げることもできるというわけだ。ハオ・スペシャルワークスに関しては、プレイ日記の第9回でも紹介しているので、ご一読を。
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ボディーペイントは多彩に用意されており、これを変えるだけでも印象がガラリと変わる。
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カスタムパーツも盛りだくさんだ。
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見た目だけでなく中身もモンスターのクルマが完成。自分だけのカスタムカーを作るのは楽しい!
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ちなみに、前回も解説したが、海外では“JDM”(Japanese Domestic Market、日本国内市場を指す言葉)と呼ばれるクルマのカルチャーが実際にある。これは日本車を日本のパーツでカスタムするという流行で、『GTAオンライン』にも取り入れられている。
『GTAオンライン』に登場するクルマにも日本の自動車メーカーが作った日本車が多数登場しているが、それらのクルマを日本風のパーツでカスタマイズすることが可能となっている。GTレーサーもしくは湾岸や峠あたりの走り屋といった感じをゲームの世界で再現できるのだが、実際に海外のプレイヤーのあいだで人気となっているそうで、日本人としてもうれしいところ。もちろん、アメリカのワイルドなスピードを求めるような改造もできるので、クルマの万国博覧会的な集会がロスサントスでは見られるかも!?
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カリン社製のプレビオン(Previon)。個人的にはトヨタのソアラ的な雰囲気を感じるクーペ。
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これをバシっとイメチェン。峠を攻めるドリフト車をイメージしてカスタム。
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アニス社製のユーロス(Euros)。個人的には日産の名車を新生させたフェアレディZ34をほうふつとさせるスポーツカーだ。
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こちらをギラリとした走り屋仕様に変更。
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ブラヴァド社製のバッファローSTXは、アメ車らしいルックスのマッスルカー。これは『GTAV』本編でフランクリンの愛車として活躍したであるバッファロー(フランクリンはバッファローSを乗っていた)シリーズの最新モデルだ。
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最新トレンドのアメ車といったSTXのゴツい見た目を活かしてカスタマイズすれば、もともと持っていたワイルドさはもう満点に!
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これも“JDM”カルチャーの一環なのか、アニメキャラクターなどをペイントした、いわゆる“痛車”も再現できるのがスゴイところ! 『GTAIV』より登場した劇中アニメ“プリンセス・ロボット・バブルガム”(ミライ・トーキョーを舞台にした日本製のアニメという設定)のペイントが可能なのだ。これも『GTA』に影響を与えた日本の文化、というところだろうか……。
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マイバツ社が誇るスポーツカーのペナンブラFF(Penumbra FF)が痛車に! ちなみに、プリンセス・ロボット・バブルガムペイントはほかの一部車両にも適用できる。
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いまJDMファンのあいだで大流行中なのが、クルマのアンダーに着けられるネオンライト。カスタマイズショップでネオンライトを選択し、好きな色を選ぼう。フロントやバック、サイドに着けられる。
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カスタムできるショップはロスサントス内に点在している。
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■強盗ミッションでオススメしたいクルマはコレ!
強盗ミッションは基本的に難度が高く、コンタクトミッションと違って個人車両の中でも一部の車両しか持ち込むことができないので、どのクルマを使うのか迷いがちだ。そんなプレイヤーのために、強盗ミッションで発生する環境でも対応しやすく、比較的安くて買いやすい車両を2台、ピックアップする。さらに、強盗ミッションを見据えて将来的に買っておくべき1台も紹介しよう。
ちなみに強盗ミッションで忘れてはならないポイントは、プレイヤーメニューで“車両アクセス”を“全員”に変更しておくことだ。ここを忘れると、ピンチのときに仲間が自分のクルマを使えないという事態が起こる。強盗に参加する全員が自分のクルマにアクセスできるように設定しておくべし!
●強盗ミッションのオススメ車両
・クルマ(装甲)/Kuruma(Armored)
名前がややこしいが、古くは『GTAIII』にも登場している“クルマ”。オーソドックスなスポーツカーだが、これに防弾装甲を付けたものが“クルマ(装甲)”である。弾丸防御性能に優れ、タイヤは防弾仕様、ガラスは防弾ガラスという非常に高い耐久性を誇る。なお、車内からのドライブバイ射撃が防弾ガラスをすり抜けるのはご愛敬。
スピードも速いので追跡や逃走に向いており、小回りもそこそこ効く(ハンドリングしやすい)ので、防弾車両の中でもズバ抜けた機動性を誇る。突進力も高いため、スピードに乗せてタックルすれば、トラックだろうと吹き飛ばすほどのパワーを秘めている。
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これがカリン社製の“クルマ(装甲)”。なお、カリンは日本のメーカー(という設定)だ。
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前方や横は弾丸が抜けてしまう場合もあるが、後部の強化ガラスはかなり強く、ほぼ弾丸を通さない。
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ちょっと検証を。銃弾ならばほとんど寄せ付けないと思っていいだろう。
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ただし、撃たれまくるとフロントガラスはご覧の状態なので、主観視点の運転はオススメできない。
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また、4ドアの4人乗りという点もオススメする理由のひとつ。この1台だけで仲間を銃弾から守ってくれるのだ。値段も約70万ドルと、その性能と比較してもかなりお手頃なのもうれしい。
ただ、こんな“クルマ(装甲)”にも弱点はある。それは爆破耐性を持たないことだ。敵がロケットランチャーやミサイルを撃ってきた場合は、ほぼ一発で破壊されてしまう。ほとんどそういったシチュエーションに出くわすことはないが、仲間や自分が爆破系の武器を使う際には注意を。間違って壊してミッション失敗なんて事態は避けよう。
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爆破に弱いという弱点はあるが、それ以外は超万能だ。
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・インサージェント(Insurgent)
大型のオフロード車だが、その見た目とは裏腹に加速力が高く、安定した走行が可能なのがオススメの理由。“クルマ(装甲)”と同じ防弾車だが、ガラスは完全防弾というわけではないようで、ときどき弾丸が貫通してしまう場合もある(頻繁には起きない)。
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重機や工業用車両など大きなクルマを手掛けるHVY社製のインサージェント。
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こちらでも検証を。防弾仕様なので、ちょっとした銃弾は通用しない。
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“クルマ(装甲)”と大きく異なる点は、爆破耐性があること。多少の爆弾を投げられようが壊れることはなく、弾丸も爆破も通さない超絶な防御力を誇る。さらに高い突進力を持つほか、ドライブバイ射撃も可能なので、こちらも敵の攻撃から身を隠しながら一方的に攻撃できるという強さで活躍する場面は多い。
こちらの値段も約70万ドルだが、速度を重視するなら“クルマ(装甲)”を、爆破耐性も含めた防御力を重視するならインサージェントという感じで選ぶといい。ちなみに、インサージェントは6人乗りとなっているが、6名のうちの2名は車体の外に掴まって乗る形になるので、戦闘では敵の的になってしまう点をお忘れなく。
また、重機関銃が設置された銃座があり、9人が乗れる(車内に4名、側面に2名、荷台に2名、銃座に1名)ようになった“インサージェント トラック(Insurgent Pick-Up)”というオフロードカーも存在するが、こちらは強盗ミッションでは使用できないので購入時はご注意を。いろいろと条件を満たしてインサージェントを“インサージェント トラック・カスタム”まで改造すればミッションに持ち込めるが、費用がかなりかかってしまう。
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粘着爆弾で爆破しても……。
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カンタンには壊れず、5発ほどまでは耐えてくれた。
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●買っておけば後々の強盗ミッションで活躍する車両
・戦闘用タンパ(Weaponized Tampa)
マッスルカーである“タンパ(Tampa)”の上に固定式ミニガンを搭載した戦闘車両。コーナリングは若干不安定だが、トップスピードはスーパーカー並みに早い。ミニガンの威力も高く、一般車両なら2~3秒ほどの射撃で爆破できるほどの火力を持つ。ただし、ミニガンは前方のみにしか撃てないので、当てるにはコツがいる。そのままの仕様では防弾・爆破耐性を持たず、タイヤも普通にパンクしてしまうが、幅広いカスタマイズに対応しているのがポイントだ。
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アメ車を代表するメーカー・ディクラッセ社製のタンパをベースにした戦闘用タンパ。
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ミニガンの威力がかなり高く……。
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一般車両なら一瞬で破壊できる!
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機動作戦センターまたはアベンジャーの乗り物ワークショップ、アリーナワークショップ(武器専門家が必要)でのみ改造が可能だが、戦闘用のカスタマイズが非常に豊富なのが特徴。物件・地下基地の研究も進めれば、さらに多彩な武装も装備できるようになる。
初期段階ではアーマープレートと防弾タイヤ、そして追加武装として近接地雷が付けられる。研究が進むとミサイルランチャーや迫撃砲、さらに射撃方向を操作できるミニガンに変えられるなど、改造を進めれば驚異的なモンスターマシンに大化けするのだ。費用や準備がそれなりに求められるので上級者向けの車両だが、フルカスタムに成功すれば強盗ミッションで大いに役立ってくれるだろう。
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追いかけてくるパトカーに対して近接地雷を置けば……。
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ドカンと簡単に処理。育てれば戦闘のプロフェッショナルとなる、恐るべきクルマだ。
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■車両の保管について
ここで覚えておくべき知識をひとつ。車両はそれぞれガレージに入庫して保管することができるが、物件によって駐車できる数が異なり、1物件につき最大で10台まで駐車が可能だ。ガレージの外観を古臭いと感じるかもしれないが、その中身は最新かつ高級感漂うスポットとなっている。
自身で集めたクルマを飾っておくのもガレージ保有の魅力のひとつで、高級車を並べればまさに成功者になったことを実感できる風景に出会えるだろう。同じメーカーの自動車を並べる、色を揃えるなど、自分だけのこだわりを決めて保管するなど、プレイヤーによってさまざまな“飾り”をつけてガレージを楽しんでいるようだ。
■好きなクルマで思う存分遊ぼう!
クルマをカスタマイズしてミッションに挑むもいいし、ただ街中を流すだけでもいい。一般的なカーゲームとは異なり、ハンドルを握るプレイヤーキャラクターが完全な自由が約束されたオープンワールドの住人であることで、より自由なカーライフを楽しめるのは『GTAオンライン』ならではの体験だ。自分らしいスタイルで、愛車とともにロスサントスの世界を楽しもう。
次回の後編は、“車両”というカテゴリーの中でも特殊な効果を持つものや飛行機に船舶など、『GTAオンライン』の世界をより楽しく、より自由にする多彩な乗り物を一挙に紹介しよう!