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脚本にも参加する元グリーンベレーが語る本作の手応え
公開日時:2019-09-27 17:00:00
多彩な地形を持つ孤島“アウロア”が舞台になり、新たに負傷や疲労などのシステムを取り入れるなど、“サバイバル”の要素を全面に押し出している『ゴーストリコン ブレイクポイント』。
多数のミリタリー・アドバイザーが制作に関わっており、彼らの知識や経験が、ふんだんに盛り込まれているため、本作では非常に本格的なサバイバルを体験できる。
そのアドバイザーのひとりであり、脚本にも参加した元グリーンベレーのエミル・ボードン氏へのインタビューをお届けする。
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ライター/ミリタリー・アドバイザー
エミル・ドーボン氏
――エミルさんは、本作にどのように関わっていますか?
エミル グリーンベレーに所属していた経験から、ミリタリー・アドバイザーとして本作に携わっています。また、ライターとして脚本の一部を担当しています。
――グリーンベレーでの実戦経験や、サバイバルの経験は、本作にどう取り入れましたか?
エミル 本作のサバイバルに関するシステムの多くは、プログラミングやアニメーションによって、すでに作られていましたが、そこに細かな調整を加える手助けをしました。これは行きすぎるとゲームがサバイバル・シムになってしまう危険がありました。私の目標はプレイヤーが戦闘に応用できる要素を投入することです。私の経験と知識を生かして、サバイバルの詳細についてアドバイスをしました。
――本作における地形の多様性は、サバイバルや戦闘において、プレイヤーにどのような影響を与えるのでしょうか?
エミル とてもいい質問です。地形のデザインに変化を持たせたのは、プレイヤーに多様なチャレンジを提供するためです。フィクションの設定の有利なところは、自由にワールドを作り、拡張していくことができる点。異なるバイオーム(生物群系)に入っていくと、それがはっきりとわかります。
雪山を登ったり、沼地を横切ったり、動物と関われば影響を受けます。また変化に富んだ地形は、エネミーの隠れる場所を提供します。本作では、新たにインジュリー(怪我)システム、ファティーグ(疲労)システムを導入しました。プレイヤーはそれぞれの地形や環境に対応しなければなりません。
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――登場するドローンは、現在のテクノロジーをベースにしているのでしょうか?
エミル 現在のテクノロジーがこの先どう進化するかという可能性をベースにしています。ドローン技術がどのように進化するか想像するのはとてもおもしろいです。このゲームでは、そのアイデアの可能性を探っています。
本作のドローンは、デザインチームがドローン・エキスパートと密接に連携して制作を進めました。デザインはセンセーショナルで未来的なものですが、実際にある科学技術にもとづいています。操作性や能力、可動範囲は現在のテクノロジーにもとづいていますが、それが6~7年先にどうなっているかを想像しました。
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――現実世界において、ゲームのように1~4人の部隊で多数の敵に対応するベストな戦略は何でしょう?
エミル 5人のスペシャル・フォースに聞けば、異なる5つの答えが返ってくるでしょう。私たちはそれぞれ異なる強みを持っており、同じ課題に直面したとしても異なるアプローチをするからです。すべての状況はユニークです。そこにいる個人がどう感じているかも違いますし、戦闘はつねに変化します。このゲームのAIと同じですね。
私たちは米国陸軍のメンバーとして、想像できるかぎりの不測の事態へのアプローチを持っていますし、計画を重視します。特殊部隊を効果的にしているのは、決断や計画が徹底していることです。計画には多くの時間とエネルギーを費やします。通常の業務手順があり、それを遵守し、訓練しています。考えられるかぎりの最悪のシナリオを作り、すべての段階でどう対処するかを考えます。出撃する前に計画を立てれば、それだけその場で考えずに済みます。
――それは本作のプレイでも役立ちそうです。
エミル このゲームをおもしろくしているのは、ほかのプレイヤーと協力し、ともにオブジェクティブに取り組めることです。ひとりが効果的に思う戦略であっても、完全に失敗に終わるかもしれません。仲間と戦略を共有して話し合うことで、オプションを探ることが可能になります。
どんなミッションにもひとつのベストなやりかたはありません。本作のAIは非常に洗練されており、反応も早いです。プレイヤーの行動や、ワールドとの関わりに非常によく反応します。プレイヤーが最善だと思う方法で進むのがベストなアプローチだと思います。それがうまくいけば万歳、そうでなければほかのやりかたを試せばいいのです。
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――ファンタジー(ゲーム体験としての気持ちよさ)とリアリティーのバランスはどうですか?
エミル それこそが私たちのチャレンジです。どこにバランスを置くかはとても難しく、実際には個人で、そしてミッションごとに、バイオームごとに異なります。アドバイザーとして、私の仕事はコア・チームのビジョンを聞いて、ある程度本物らしいレベルでそれがうまく機能するようにすることでした。チームに私が本物とは何かを押しつけるということではありません。
私はゲームに関わる前は映画の技術スタッフ、裏方として仕事をしていました。その後に演劇理論を勉強し、脚本を書くようになりました。その経験から、制作者のビジョンから外れないようにバランスをシフトさせることが重要だとつねづね思っています。本作において、私たちは努力を重ねてそれを見つけるようにしましたし、とても強力なコラボレーションだったと感じています。
――ミリタリー・アドバイザーとしての観点から、本作のもっともおもしろい要素は何ですか?
エミル 疲労や怪我の新しいメカニクスの導入は興味深いと思いました。たとえば飲んだり食べたりすればスタミナが戻り、武器を整備すれば正確に撃てる。こうしたアクティビティはファンタジーを強化してくれますし、とても本物らしいと感じます。こうした新たな要素を加えることで没入感が高まります。
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もうひとつ、私のライターとしての見地では、もっともおもしろいと感じたのはストーリーです。私は脚本にも関わっていますが、ナラティブ・デザイナーはシステムを拡張して、ワールドに質感を持たせたいと考えていました。ワールドのあちこちで、シナリオが発生し、AIやNPCと関わったときに、より人間的に感じられるようにするのです。彼らは会話をして、考えや感情を持ち、プレイヤーに反応します。これはとてもワクワクします。
――本作の手応えはいかがでしょう?
エミル このゲームはとてもユニークであり、約20年間で私がトレーニングを受け、経験したことのすべてを含んでいると思います。私の個人的な経験がこれほどひとつのものにまとめられたことはないので、すべてのプロセスがとてもおもしろかったです。
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元グリーンベレーのエミル氏に、こんなことも聞いてみた†
――本作は『ターミネーター』とのコラボが予定されています。あなたがもし実際にターミネーターと戦うことになったらどうアプローチしますか?
エミル まずは時間を超えて、自分が未来の武器を持っていることを願いますね。そして脅威を抑制するのに十分な爆発物を用意したい。そして彼の注意を引いてくれる仲間がたくさんいて、よりよい戦略を立てられる状況にしたいです。もしくは、彼に出会わないように、その日は病欠していて家にいることを願います(笑)。
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