現代のゲーム業界を舞台にくり広げられるお仕事マンガ。月曜日配信予定。漫画掲載の翌月曜日には、原作者であるサイバーコネクトツー松山洋(まつやまひろし)社長のエッセイ「デバッグルーム」を配信。単行本第5巻が好評発売中!
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【マンガの裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム デバッグルーム第42回
2021-02-15 11:00:00
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【3年前の機材】
恐ろしい話ですが、過去にゲーム業界で起きた事故であり事件です。
人間誰しもが “うっかり忘れる” なんてことはあるかもしれません。しかし、重要なのはミスを犯してしまったときの正しい対処です。
正しく素直に報告をして然るべき処置さえすれば、基本的に解決する問題がほとんどです。
そもそもデベロッパー側はその機材が必要だからパブリッシャーにリクエストを出したはずです。なので、依頼された時点でそれが必要なのか双方が精査しなければいけなかったのでしょう。
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【デケー会社は損金で計上する】
規模にもよりますが、これはどうしても発生してしまいます。
機材だって道具ですので、故障することもあれば紛失することもあります。しかし、それらを正しく報告せずに売ったりしてそのお金を着服するような行為は立派な横領罪となります。
会社の機材は会社の資産です。しっかり管理監督していきましょう。
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【こんなおもしろいゲームを自分でも作りたい】
これは本作自身が持っているテーマでもありますが、登場人物の多くにとって“夢を追うようになったきっかけ”となっている想いです。
龍也も勇希も穴井も魚川もきっかけは同じであり、この更木だって最初はそうだったということです。いったいどこに分岐点があったのでしょう。
この部分は今後のエピソードの中でも共通して描かれていきますのでご注目ください。
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【なんで誰も来てないんですか?】
もちろん、朝までやっていたから家に帰って寝てそれから夕方くらいに出社するーーということなのですが、更木が指摘しているようにそれだとまるで意味がないのです。
そして、このようなある種の満足感だけを得るように意味のない行為をくり返すクリエイターが昔は多かったように思います。
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【このシリーズの売上は変わらない】
シリーズ作品には一定の顧客がいて、発売されると「待ってました!」と喜んでくれるので、定期的に新作が制作されます。
しかし、それも長く続き同じものの制作がくり返されると開発者の多くはぶっちゃけ飽きてきてくるものなのです。シリーズものの弊害とも言えますね。
1作目はきっとスタッフ一丸となって大ヒットを夢見て作っていたはずなんですけれど、淡々と作業をこなすだけで開発そのものがルーチン化すると、意欲もなくなり目も死んでいきます。
だからこそ「これまでとはひと味違う!」と言える要素を入れようとするのですが、今度はお客様に「余計なコトすんな」とお叱りを受けたりすることもあるので、本当に悩ましい問題です。
シリーズの醍醐味そのままに、「まさかその手があったとは!?」と言えるような目の覚めるちょっぴり新しい要素やシステムが入れられると良い落とし所になったりすることもあるのですが、まぁだいたい迷走して終わることが多いですね。しかし、なんの変化もない安易なシリーズものばかり作ってしまうとお客様の数は間違いなく先細りになっていきますので、やはり開発者には不屈の闘志と抜本的改革思想というものが求められるのです。
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【会社の金を預かっているだけ】
ゲーム業界に実在するプロデューサーの名誉のために言っておきますが、“会社の金を預かっているだけ”ではありません。正確には“会社の金を預かってそれを〇倍にして返すという約束をした人”こそがプロデューサーなのです。
イメージしてみてください。「3億円預けるからさ、ゲームソフト作って売って10億円にして返してね」と会社から言われて即答で「わかりました!」と返せる人がどれだけいますか? それを実行して実現し続けるのがプロデューサーなのです。
作中の更木は悪い人間でしたが、ゲーム業界にいるプロデューサーがこんな人間ばかりではないということを知っておいてほしいです。実際はすごい人たちばかりです。まぁ、一方で更木のような人間が実在するというのも、ゲーム業界のもうひとつの真実だったりするのですが(困ったものです)。
以上、デバッグルームでした。
先週のマンガ掲載ページでもご紹介した「感想・ご意見フォーム」ですが、多くの方に感想やコメントをいただいております。ありがとうございます! そこで、来週2月22日(月)は特別企画として、皆さまからいただいた『チェイサーゲーム』の感想をピックアップして、松山社長のコメントといっしょにご紹介とおもっております(お名前などは伏せさせていただきます)。
まだまだ、こちら来週の記事に掲載する感想は募集しておりますので、ご興味のある方は奮ってご参加ください。