第6回: [CHO] 番外編 – アップデート“ACT3 『時空の亀裂』”を先行体験してみた

公開日時:2014-08-27 00:00:00

 今回は『カオス ヒーローズ オンライン』(CHO)のシリーズ番外編ということで、アップデート“ACT3 『時空の亀裂』”の先行体験イベントに参加してきたので、その雑感を前回の記事「第4回:[CHO]レベル1から始めるカオヒ1―初心者編」とも比較しながら書いていこうと思います。(編注:記事の執筆後、26日に本実装が行われた)


●ACT3のアプデについて三行で教えてくんね?

・超巨大中立クリープとなる「幻妖獣」が定期的にマップに登場するようになった。→公式ニュース

・メインとなるモードが「全ヒーロー選択」から「陣営別ヒーロー選択」となり、今までアバターとしてリリースされていたリバースヒーローが各陣営で使用可能になった。

・太古の密林(基本マップ)がリニューアルされた。中立クリープの沸く位置が変更され、新オブジェクトが追加された。また、ジャングラー用アイテムが追加された。→公式ニュース

(編注:レイアウトの都合上3行じゃないのはお許しください)


●「幻妖獣」ってつおいの?

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▲「幻妖獣」はTopかBot(どちらかはランダム)のワープゲート付近に登場する。後半ほど強くなり、倒したときに入る経験値とゴールドも上昇する。この経験値とゴールドは幻妖獣のラストヒットを取った陣営のヒーロー全員に入るため、なんとかラストヒットを取りたいところ。ちなみに公式ニュースにもあるとおり、4種類の「幻妖獣」が存在する。

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▲「幻妖獣」はラストヒットを取ったチームの味方となり、攻城に参加してくれる。タワーを壊しに行くのが優先されるようで、Bot側で幻妖獣を倒してもMidのタワーが残っていたりするとBotセンチネルではなく、Midタワーにノッシノッシと歩いていく。

 前回の記事でも紹介したように、CHOには2分ごとに登場する小型中立クリープ、3分20秒ごとに中型中立クリープ、5分ごとに大型中立クリープが存在します。それに新たに加わることとなったのが「幻妖獣」です。
 登場時間はゲーム内時間で8分30秒、17分0秒、25分30秒、34分0秒、42分30秒です。今までの中立クリープと比較すると、倒すとその陣営のヒーロー全員に経験値とゴールドが入る点、「幻妖獣」が倒したチームの味方になり攻城に参加してくれるようになる点が大きな違いと言えるでしょう。

 今までも5分ごとに登場する大型中立クリープを狩りに行く(狩れなくても戦闘が発生する可能性を考えて、大型中立クリープエリアに近づいておく)ことが重要でしたが、それ以上に「幻妖獣」を狩りに行くことも重要と言えます。
 しかし、「幻妖獣」は強くて狩るためには時間が掛かる。先行体験イベントでは、あえて「幻妖獣」に向かわずに攻城をするといった戦術もしばしば見られました。
 また、相手チームも「幻妖獣」のラストヒットを狙っている中で自軍がラストヒットを取らないといけない点も要注意。「幻妖獣」のHPが少なくなってきたら、倒すためにチームで一気に火力を出したり、サポートヒーローなら相手を足止めしたりして工夫するといいでしょう。

 CHOではこれまで、中盤に取れそうなオブジェクトが無くて暇な時間が多かったと筆者は感じます。その暇な中盤の時間が面白くなりました。「幻妖獣」の登場により、ヒーローの育つ速度が上がり、攻城できなくてウロウロすることも少なくなり、ACT2マップと比べるとゲームの展開が速くなったとACT3先行体験イベントでは感じました。


●リバースヒーローって何だっけ?

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▲エルディンは本来なら神聖連合に所属するヒーローなのだが、ACT3では不死軍勢でもリバースヒーローとして使用可能となる。

 今までは「全ヒーロー選択(所属する陣営に関係なく、すべてのヒーローを自由に選択できるルール)」がランクマッチや大会などで使われるメインモードでしたが、ACT3からは「陣営別ヒーロー選択(「神聖連合」と「不死軍勢」それぞれの陣営に所属するヒーローだけを選択できるルール)」が基本モードとなります。
 これに伴い、今まではアバターとしてリリースされていたリバースヒーロー(全20ヒーロー)が実装されました。神聖連合でしか使えなかったエルディン、不死軍勢でしか使えなかったカンゼルなどが本来所属する陣営とは違う陣営で使用可能となります。

 韓国ではACT3になる前からリバースヒーローが実装されていましたが、日本のみリバースヒーローはアバターとして実装されていました。国際大会に合わせるために、韓国の仕様に追従したのだと思われます。また、今までは「全ヒーロー選択」がメインだったと言っても、ランクマッチなどでしか採用されていなかったモードでした。ノーマル対戦でランクマッチの練習が出来ない状態になっていたので、ナイスな変更だと思います。


●マップどう変わったの?ジャングラー用アイテムってどんなの?

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▲中立クリープの沸く位置が変更された。画像の場所は、今までは5分ごとに大型中立クリープが登場していた場所。中立クリープの沸く位置の変更は公式ニュースの図が分かりやすいので、そちらも参照のこと。ちなみにこの位置の中立クリープはゲーム内時間1分にも沸くようになった(その後はゲーム内時間2分、4分、6分……などのように2分ごとに登場する)。

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▲Mid横の崖上にいる中立クリープが小型から大型に変わったのは大きな変更。今まではMidの晩成型(Ranged Carry)ヒーローなどのような育ちたいヒーローがレーン戦の間につまみ食いしてレベル先行していたのだが、ACT3からはMidヒーローが大幅にレベル先行するのは困難になった。前回の記事では育ちたいヒーローがMidに行くと書いたのだが、ACT3からはTopやBotに行くことも増えると思われる。

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▲今までは画像の施設の真ん前にいた小型中立クリープの位置も微妙に変更された。こちらもMidヒーローがつまみ食いするのは困難に。後述するジャングラー用アイテム(「ハンターの証」)を装備したジャングラーが狩ることが増えるだろう。ゲーム内時間1分に沸くようになった中立クリープ2箇所目(同様に、その後はゲーム内時間2分、4分、6分、・・・などのように2分ごとに登場する)。

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▲ワープゲート付近にあった意味の無いオブジェクトが「治癒の湧水」へと変更された。使用すると、HPを徐々に回復することが出来る。中立オブジェクトなので、誰でも使える。序盤のジャングラーにとっては結構嬉しい。

 太古の密林(基本マップ)の仕様がACT3では、かなり変更されました。繰り返しになりますが、マップの仕様変更については公式ニュースもチェックしておきましょう。

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▲ゲーム内時間1分に登場する中立クリープを「「ハンターの証」を装備したジャングラー二人が共同で狩っているシーンが先行体験イベントでは見られた。ちなみに「ハンターの証」を購入できるのは、チームで二人まで。「ハンターの証」についても詳しくは公式ニュースをチェック。

 中立クリープの沸く位置の変更、ジャングラー用の新アイテム(「ハンターの証」)の追加などにより、前回の記事ではTop、Mid、Botに2:1:2で配置するスタイルを紹介しましたが、ACT3ではこれが大きく変わる可能性があります。「ハンターの証」を装備すると、中立クリープから得られる経験値が増える、中立クリープを協力して倒した時に通常時よりも美味しくなるという効果があるからです(この効果を有効活用して、2ジャングラーならツーマンセルで行動するのも全然アリ)。
 「ハンターの証」にはデメリットも存在していて、レーンの兵士から得られる経験値とゴールドが減少してしまいます。今までのCHOのジャングラーはレーンにいながらもジャングルの中立クリープをつまみ食いしつつGankといった感じでしたが、ACT3からはGankに行くときのみレーンに顔を出すスタイルのジャングラーが野良試合でも主流となるかもしれません。先行体験イベントでは、「ハンターの証」を装備したジャングラーを二人用意して、Top、Mid、Botレーンには一人ずつヒーローを置くスタイルがよく見られました。

   「ハンターの証」を装備したジャングラーが強いため、今まで以上にジャングラーというロールを意識しなくてはならなくなりました。ピック画面の時点でジャングラーを決めておくといいでしょう。そしてジャングラーをやることになったら、素早く「ハンターの証」を購入して1分クリープを狩る準備をしましょう。ゲーム内時間1分からヒーロー同士の戦闘が発生することもあり、ACT3は本当に試合展開が速くなりそうだなと感じました。

 また、ジャングラーをやらないでレーンに行くヒーローも注意が必要です。中立クリープを狩りつくしたジャングラーがレーンにGankに来る可能性があるからです。敵・味方ジャングラーの位置については、これまで以上に気をつけてGank回避・寄りの意識を高めたほうが良さそうです。ゲーム内時間で5分経過すると、「ハンターの証」を派生アイテムにアップグレード出来るようになるというのも忘れてはいけない点です。派生させないと、レーンの兵士から得られる経験値とゴールドが「ハンターの証」の効果によって減少したままになります。


 ジャングラーに向いているヒーローは様々なタイプがあるかと思いますが、ファームが速いヒーロー(カンゼルなど)やタイマン性能の高い闘士型ヒーロー(レクターなど)、2ジャングラーの場合は知能型のGank性能の高いヒーロー(悪童、テルシアなど)を一人混ぜるのが向いているのではないかと思いました。晩成型(Ranged Carry)ヒーローは、序盤はあまり強くないので向いていないかもしれません。
 まだ試行錯誤の段階なので、どのヒーローをジャングラーにするかというのは時間が経つと定まっていくと思います。


 まとめよう。今回は番外編として、アップデート『ACT3 『時空の亀裂』』について考えてみました。ゲームの試合展開が前と比べて非常に速くなったと感じました。
 また、2ジャングルのスタイルはフロンティアテストぐらいの時を思い出してしまい、懐かしい気分になったと同時に、このスタイルこそがCHOの魅力だと思っていたのであの頃の面白さが戻ってきた気分です。ACT2の後期は、タワー付近の共同バフを利用してレーンに留まりながらジャングルクリープを狩るほうが効率がいい感じがしましたからね。
 2ジャングルのスタイルには、他のMOBAには無い面白さがあると思います。CHOから離れてしまった方もACT3 『時空の亀裂』で戻ってきてはいかがでしょうか?


【MOBA怪しい伝説】 Warcraft3のMod時代のCHO(Chaos)

 Mod時代のCHO(Chaos)がダウンロードできたので、ちょっと内容を紹介してみようと思います。韓国語翻訳を使いながらのダウンロードで、セキュリティ的な保障もできないので、気になる人は自己責任で探してみてください(ヒント:「カオス」を韓国語に翻訳して検索してみよう)。

 なお、起動にはWarcraft3本体とその拡張パック(The Frozen Throne)が必要となります。筆者も少しプレイしてみましたが、エルシドやカンゼルなどCHOでおなじみのヒーローの性能は変わってないですし、他のDotA(MOBA)には無いガーディアンの存在などもMod時代から既に存在していました。ただし、ゲーム内は全て韓国語なので文字化けしてしまいます。Warcraft IIIを持っていて、昔のCHO(Chaos)に興味がある人だけ自己責任でどうぞ。

 ちなみに筆者は10年ほど前にDotA:ChaosというWarcraft3のModをプレイしたことがありますが、そちらはガーディアンなどCHOでおなじみの要素は存在していなくて、原型の原型といった感じでした。どこかからDotAの名前を取って名前をChaosだけにして、様々な新要素を加えたのではないでしょうか。韓国語が分からないので、憶測なのはご了承ください。

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▲画像はMod時代のエルシド。文字化けしてしまうため、キャラクター名は表示されていないがスキルの構成はほぼ同じだと思われる。全てのヒーローがZキーで帰還できるのもCHOと同じ。

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▲ベース内にガーディアンが巡回しているのは、他のDotA(MOBA)には無い特徴だろう。

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▲CHOの原型なので、もちろん1stタワーの次は2ndタワーではなくセンチネル。画像の使用ヒーローはMod時代のセレナ。

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▲Mod時代のティリアは幼女ではなく、Warcraft 3デフォルトキャラのPriestess of the Moon(PotM)のモデリングを流用していたようだ。ちなみにDota 2に登場するMiranaもMod時代(DotA Allstars)の時はこのモデリングを流用していた。DotA AllstarsでのMiranaの名前はまんまPriestess of the Moonだったこともあり、Miranaは今でもPotMと呼ばれることもある。

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