“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにしたドラマティックシミュレーションRPG『戦場のフーガ』の公式コミカライズ。少年少女たちは、戦争で捕らわれた家族を取りもどすため、謎の巨大戦車“タラニス”に乗り込み復讐の旅を始める……。火曜日マンガ配信予定。マンガ掲載の翌火曜日には、『戦場のフーガ』開発者からの連絡ノート『インターミッション』を配信。
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- 【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第56回
漫画家
足立たかふみ 氏
6月21日生まれ、B型。児童漫画、少年漫画、SF・ファンタジー漫画を得意とする。コミックガオ!にてデビュー。
平成13年「分解屋ピット!」で小学館第48回新人コミック大賞少年部門佳作を受賞。
代表作:『D・Mファイター焔』『メタルファイト ベイブレード』『バレエヒーロー・ファンタジー ダンの冒険』
『アニマギア』など。
Twitterアカウント:@takafumi_adachi
開発者からの連絡ノート
『インターミッション』執筆
松山洋
株式会社サイバーコネクトツー代表取締役/ゲームクリエイター/代表作『戦場のフーガ』、『.hack』シリーズ、『NARUTO−ナルト−
ナルティメット』シリーズ、『ドラゴンボールZ KAKAROT』、『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』/漫画原作『チェイサーゲーム』
Twitterアカウント:@PIROSHI_CC2
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【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第56回
2024-11-05 10:50:00
【【<<「第56話」】】
【大破するタラニスと負傷する子どもたち】
ゲームソフトでは物語の展開によってすべての絵を用意するとどんどん工数(要するにお金)と時間(要するにお金)と人員(お金)が膨らんでいってしまうので、ある一定の制約を設けなければなりません。
たとえば、今回のようにタラニスが攻撃を受けて大破したり甚大なダメージを負ってしまうような展開にすると、やはり壊れた状態のタラニスのグラフィック表現が必要になってしまいます。そもそもタラニス=プレイヤーの操作ですので大破はそのままゲームオーバーとなってしまいます。
当然ですがゲームソフトはシステムありきで物語が作られています。
ゲーム版のほうではマンガのように子どもたちが負傷したり戦車タラニスが大破するような表現はありません。そういうのはマンガならではの表現ですし、私はそれこそがマンガの醍醐味でもあると思っていますので先生にも「とくにダメージ表現を過剰に演出してください」とお願いして伝えています。
【そんな約束をした覚えはないぞ】
「約束しただろ? 僕とかけっこで勝負するって」
明るい顔でこう告げるマルトに対してブチ切れるジル、当然ですがこの部分もゲーム版にはありません(その代わりにシステム的な攻略要素となっています)。
マンガではよりドラマチックに表現するために脚本と展開を変更してみましたが、個人的にもいちばん気に入っているシーンです。
マルトを極力天然キャラとして純粋な存在として描くことでより効果的なシーンとなりました。やっぱり相手の目を覚まさせるときには怒らせるのがいちばんですからね。
一生懸命に声をかけるだけでは目覚めませんよ、少年マンガでは。
【物語は右から左へ進む】
お気づきでしょうか。1ページや2ページではタラニスはやや右側を向いていますが、3ページの3コマ目から少しずつ左側を向くようなコマ運びが調整されているんです。
マルトは読者視点ですので左を向いています。一方で対峙するジルは右側を向いています。
これは対面状態で会話を表現するためです。そして、その向きはタラニス(左向き)とヴァナルガンド(右向き)と同じ表現になっています。
マンガは右めくりで読み進めますので、右から左に物語もコマも進行します。なので自然に向きを変えて読者が読みやすくて混乱しないような設計がなされているのです。
それを違和感なく自然に配置できるのは足立先生の上手さですね。
なのでソウルキャノンも右側から左に向かって放たれることになるのです(壮絶ネタバレ)。
【編集部コメント】
マルトが読者目線になるよう左向きで、対立するジルが右向き。
こういった表現がゲームでも同じなのは、考えてみれば当たり前なのですが、ストーリーではマルトが基本的に左にいて右側をむいてカイエンなど敵キャラは右に配置される手法がとられていますよね。
日々目にするいろいろな作品から、こういった構図が自然に受け入れられる形になっているのかなと思いました。
次話『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』第57話は2024年11月12日(火)に掲載予定です。お楽しみに。