戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ

“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにしたドラマティックシミュレーションRPG『戦場のフーガ』の公式コミカライズ。少年少女たちは、戦争で捕らわれた家族を取りもどすため、謎の巨大戦車“タラニス”に乗り込み復讐の旅を始める……。火曜日マンガ配信予定。マンガ掲載の翌火曜日には、『戦場のフーガ』開発者からの連絡ノート『インターミッション』を配信。

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【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第16回

2022-09-13 11:00:00

戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ


【僕たちの失敗(3) ようやく発売日! なのに販売価格が違う】

 2021年7月29日、『戦場のフーガ』はマルチプラットフォーム&ワールドワイド同発でリリースされました。念願の初パブリッシングタイトルですよ。本来は祝福されるべき記念日となるはずだったのですが、その日はなかなかの悪夢からスタートしました。

 (みなまでは言いませんが)特定のあるプラットフォームだけまったく違う価格設定で販売されていたのです。

 ふつうに考えても「そんなことって起きるの!?」と、思われますよね?

 ええ、我々もそう思いましたよ。「そんなバカな!?」と、ね。

 しかも、日本円だと4180円の価格設定だったのですが、それがおよそ6500円で販売されるという“高め設定”で販売されていたのです。

 発覚後、即座に販売を停止しましたが世界中ですでにリリースされた後ですからね、購入されたお客様は当然ながらいらっしゃったわけで。

 そもそもなぜこんなことが起きるのか?

 ざっくり説明すると、各プラットフォームごとにメーカーが価格を設定することができるのですが、それぞれ(当然ながら)フォーマットが異なるんですよね。

 ほとんどは入力するときに“販売価格”を入力するんですが、一部のプラットフォームだけ“卸し価格”を入力するというフォーマットになっていて、それに対する知識が我々サイドになんにもなくて、まぁ、気づかなかったというのが本音です。

 だから“卸し価格”のところに“販売価格”を入力してしまっていたので、そりゃ高い価格になるわけです。

 その後に購入されたお客様には個別に連絡して返金対応などはプラットフォーマー経由で行わせていただきました。幸いにも早期に発覚したので膨大な数のお客様というわけでもなかったのでなんとかなりました。が、この辺は本当に気を付けましょう(同業者に向けたメッセージ)。


【僕たちの失敗(4) 世界中の為替が違いすぎる!】

 だいたいですね、こういった価格設定をするときってふつうに考えると、日本円で価格を設定したら後はバーッと世界中で自動的に価格設定がされるイメージってあるじゃないですか。

 ええ、その通りなんですよ。

 けどね、そのまんまの自動計算でいくと為替レートの違いからぜんぜん意図しない金額で販売されてしまうなんてことも起きるんです。というか、起きたんです。

 世界中で販売された一部の地域では(日本円にすると)500円程度で売られていたところもあったのです。けれど、それにも最初は気づかなくてですね。

 「おおー、なぜか○○の地域ではたくさん売れてるねー、よかったねー、なんでだろうねー」

 なんて、のんきに言っていたのですが、そりゃそーですよね、4000円前後の商品を一部の地域では500円(90%OFF!!)で売ってしまっていたんですから。
  
 これも発覚後に社内で悲鳴が上がりましたよね、ぜんぜん笑い話にもなりませんよ。

 これも当然ながら後日また価格設定を修正して適正価格に戻しました(売上はピタリと止まりましたが)。もうね、本当にわからないことがわからない。ゲームソフトを販売するって本当にたいへんなことなんです。さぁ、まだまだ続きますよ(地獄が)!

戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ


【編集部コメント】
 
 失敗カウントはまだまだ留まることを知りません。発売後の失敗ということですが、この後に何があったのでしょうか。 

 来週2022年9月20日(火)は『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』の第17回を掲載予定です。お楽しみに!