“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにしたドラマティックシミュレーションRPG『戦場のフーガ』の公式コミカライズ。少年少女たちは、戦争で捕らわれた家族を取りもどすため、謎の巨大戦車“タラニス”に乗り込み復讐の旅を始める……。火曜日マンガ配信予定。マンガ掲載の翌火曜日には、『戦場のフーガ』開発者からの連絡ノート『インターミッション』を配信。
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足立たかふみ 氏
6月21日生まれ、B型。児童漫画、少年漫画、SF・ファンタジー漫画を得意とする。コミックガオ!にてデビュー。
平成13年「分解屋ピット!」で小学館第48回新人コミック大賞少年部門佳作を受賞。
代表作:『D・Mファイター焔』『メタルファイト ベイブレード』『バレエヒーロー・ファンタジー ダンの冒険』
『アニマギア』など。
Twitterアカウント:@takafumi_adachi

『インターミッション』執筆
松山洋
株式会社サイバーコネクトツー代表取締役/ゲームクリエイター/代表作『戦場のフーガ』、『.hack』シリーズ、『NARUTO−ナルト−
ナルティメット』シリーズ、『ドラゴンボールZ KAKAROT』、『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』/漫画原作『チェイサーゲーム』
Twitterアカウント:@PIROSHI_CC2
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【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第15回
2022-08-30 11:00:00
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【僕たちの失敗(1) 開発機って買わなきゃいけなかったのね】
いままでお伝えしてきた苦労というのはあくまで開発におけるものであり、正直言ってこれまでのサイバーコネクトツー26年の歴史の中でも何度も立ち向かって乗り越えてきたことです。
「だから平気!」と、までは言いませんが、まぁ、そりゃあね、これまでにも何度も何度もそんな開発上のピンチはあったわけですよ。そのたびにスタッフみんなで力を合わせてしっかりと仕上げてきました。
「スケジュールや予算は守れなくても絶対におもしろくて売れるいい作品に仕上げる!」という気概だけは絶対に譲らないじつに頼もしい高貴な魂を持ったすばらしいスタッフを世界中から300人集めて構成されているのがいまのサイバーコネクトツーです。
今回もしっかりと予定されたピンチを乗り越えて『戦場のフーガ』という間違いなくおもしろいゲームソフトを完成させることができました。
後は! しっかりとリリース(発売)するだけです。
しかし。
ここで。
この段階で。
この期に及んで。
QA(品質保証)チームのひとりが、ふと気づいたのでした。
「各プラットフォームの開発機ってどこにあるんですかね」
「え、社内にいっぱいあるじゃん、Nintendo Switchもプレイステーションも。何言ってるの?」
「あー、アレってそのまま使っていいんですかね? バンナムさんから支給されている機材ですが」
「んー、待って……。それはそれは、駄目だね、別タイトルだから」
「では、『戦場のフーガ』はどの開発機で最終実機チェックを行ったらいいんですか?」
「え、ないの?」
「はい、ないですよ。バンナムさんから借りている機材しか……」
「1台も?」
「はい。ないですね」
「買ってなかったの?」
「そうみたいです」
もうね、まったくの盲点というか、なんか恥ずかしいとかの気持ちも芽生えないくらいに清々しいほどに忘れてました(私が)。
そう、忘れていたんですよ、自分たちがパブリッシャーとして『戦場のフーガ』をリリースする上でやっておかなきゃいけない準備をなんにもやってなかったんです。おもしろいゲームソフトを作るしか能が無い異能者集団、それがサイバーコネクトツーの正体だったのです(というか、ほぼ私の失敗ですね)。
【僕たちの失敗(2) プラットフォームメーカーに泣きつくことに】
もうそれから大急ぎでそれぞれのプラットフォームメーカーに連絡して事情を話して「早急に手配してください! 時間が無いんです! (自分たちが忘れていたせいで!) だから助けてください!」と泣きつきました。
それから順番に購入した開発機が届くたびにそれをセットアップして順番に実機チェックを行う、というのをくり返していきました。もう開発も終盤であとは手続きだけやってリリースするのみ! くらいの感覚でいたのですが、やはり実機チェックを行ってみるとつぎつぎと見えていなかった問題が浮き彫りとなってきました。
というのも、現代のゲームソフト開発は基本的にPCベースです。
開発者それぞれのパソコンでデータを作ってそれらを集めてゲームソフトとして正しく動作することを確認するのですが。各プラットフォームで動かすためにはそれぞれ個別の規約にのっとった対応作業が待っていたのです。
これまでの『NARUTO-ナルト-』、『ドラゴンボール』、『ジョジョの奇妙な冒険』、『鬼滅の刃』でもしっかりとやってきたことのはずなのに。この部分が奇麗にスッポリと抜け落ちていたわけですね。
「最後の最後にこんなウッカリが待っていたとは」
と、思うのはまだ早い!
この後にそれ以上の想定外の抜けがつぎつぎと巻き起こるのでした。
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【編集部コメント】
前回の『インターミッション』では、プレイヤーが最初のソウルキャノンに登場させたキャラクターの集計結果などが語られました。あとはゲームが発売に向けたワクワク開発日誌になると思いきや、まさかの開発機の用意し忘れとは……。
そして、コラムのタイトルについた“(1)”といったナンバリング。果たして、僕たちの失敗はいつまで続くのでしょうか。
来週2022年9月13日(火)は『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』の第15回を掲載予定です。お楽しみに!