“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにしたドラマティックシミュレーションRPG『戦場のフーガ』の公式コミカライズ。少年少女たちは、戦争で捕らわれた家族を取りもどすため、謎の巨大戦車“タラニス”に乗り込み復讐の旅を始める……。火曜日マンガ配信予定。マンガ掲載の翌火曜日には、『戦場のフーガ』開発者からの連絡ノート『インターミッション』を配信。
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足立たかふみ 氏
6月21日生まれ、B型。児童漫画、少年漫画、SF・ファンタジー漫画を得意とする。コミックガオ!にてデビュー。
平成13年「分解屋ピット!」で小学館第48回新人コミック大賞少年部門佳作を受賞。
代表作:『D・Mファイター焔』『メタルファイト ベイブレード』『バレエヒーロー・ファンタジー ダンの冒険』
『アニマギア』など。
Twitterアカウント:@takafumi_adachi

『インターミッション』執筆
松山洋
株式会社サイバーコネクトツー代表取締役/ゲームクリエイター/代表作『戦場のフーガ』、『.hack』シリーズ、『NARUTO−ナルト−
ナルティメット』シリーズ、『ドラゴンボールZ KAKAROT』、『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』/漫画原作『チェイサーゲーム』
Twitterアカウント:@PIROSHI_CC2
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【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第10回
2022-05-10 11:00:00
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【やり過ぎ厳禁プロジェクト】
『戦場のフーガ』の開発が始まった時に社内スタッフにはこんなことを伝えました。
「いいかい? これから始まる『戦場のフーガ』というプロジェクトはこれまでの開発とはまったく違うってことを自覚してください。違うんですよ、これまでとは、まったく。そもそもサイバーコネクトツーの自社パブリッシングタイトルということは誰からも開発費を貰えないってことなんです。わかりますか? いつもみたいにバンダイナムコエンターテインメントさんはいないんですよ。我々の自己資金で作るんです。そもそもウチの会社に自己資金なんてものがあると思いますか? あるわけないでしょ、そんなもん。毎年の売上と利益は全部その年度内で使い果たしている会社ですからね。じゃあお金はどうするの? って思いますよね。借りるんですよ、銀行から、そう、この私がね。だから潤沢な予算なんか初めから存在しないんです。いいですか、このプロジェクトは小規模&短期間開発がモットーというよりも大前提なんですよ。それを絶対に忘れないでくださいね。いつもみたいに、こういう要素を追加したら絶対おもしろくなるし、結果的に売れるゲーム作品になるんだから開発期間を延ばしてもらいましょう! なんて提案は一切できないってことを肝に銘じておいてください。そもそも小規模&短期間開発でスマッシュヒットを狙うタイトルなんですから。なんでもモリモリに追加し続ければいいってわけじゃないんですよ。絶対にやり過ぎ厳禁なんです。それを忘れないでください」
実際にこう言ったんですよ? この私が。
こういうことをプロジェクト開始時にしっかりと説明して宣言して伝えて理解してもらうってすごく大事なことなんですよ。
というか、リーダーたるものの基本的な務めがコレであると言っても過言ではありませんね。
しっかりとビジョンを伝えて開発に携わるすべてのスタッフにその意味と意義を理解してもらった上で正しい仕事をしてもらう、これぞリーダーなんですよ。
カッコいいですねぇ、本当に痺れます。
たぶん世の中の人は私のことをただの“おしゃべりクソ野郎”だとか思って誤解されていると思うんですよね。
ホントこういうコラムをしっかりと読んでもらって認識を改めてほしいですね。
【だからといってゴミを作っていいわけじゃあない】
プログラムを外部発注してシステムを作り始めて4か月ほど経過してビルドをチェック。
「んっと、え、っと、ん?これなに?」
あまりにもショックで放心しながらもそうスタッフに聞いたのを覚えています。
そこにあったのはただコマンドを入力してターン性でバトルができるだけの、言うなればファミコンソフトのようなゲームだったのでした。
それだけじゃあない。それ以下だったのです。
コマンドを選択して決定して発動する攻撃モーションのタイミングもワンテンポどころかツーテンポ遅れていて気持ち悪い。どころかUI(ユーザーインターフェース=要するにゲージとかコマンドの表示物)の挙動もカクカクで気持ち悪くてダサくてイチイチ暗転したりとかして、もう見たくないナニコレ? という状態だったのです。
スタッフになぜこんなことになったのかと聞いたところ、「これまで社内のプログラマーとのやり取りしかしたことがなかったからイマイチ外部の方に伝える方法からちょっと勝手がわからずにモタモタしていたらこんなんなってしまいました」ということでした。
その2秒後くらいですかね、怒りの化身が誕生したのは。
ゴウッと身体の周りから禍々しいオーラを立ち昇らせながらドス黒い声を発しましたよ。
「誰がこんなゴミを作れ言うたんじゃボケ! 伝え方がイマイチわからんでモタモタしてただぁ? フザけんなよ? キッチリ勝負できるモンを作らんかいッ!」
そうなんですよ、どうやら私は“おしゃべりクソハゲ馬鹿野郎(暗黒破壊神)”だったようですよ。
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【編集部コメント】
できあがったビルドを実際に見てみたいですね。
それにしても、私もよく松山社長にモタモタしていると優し~く、お叱りをうけることがあるので、モタモタという言葉を見たときに背筋がピンっとなりました!
と言いつつ、この記事もモタモタ書いていたので、記事の提出がギリギリになってしまったのでした。モタモタ。モタモタ。
来週5月3日(火)は『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』の第11回を掲載予定です!