“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにしたドラマティックシミュレーションRPG『戦場のフーガ』の公式コミカライズ。少年少女たちは、戦争で捕らわれた家族を取りもどすため、謎の巨大戦車“タラニス”に乗り込み復讐の旅を始める……。火曜日マンガ配信予定。マンガ掲載の翌火曜日には、『戦場のフーガ』開発者からの連絡ノート『インターミッション』を配信。
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足立たかふみ 氏
6月21日生まれ、B型。児童漫画、少年漫画、SF・ファンタジー漫画を得意とする。コミックガオ!にてデビュー。
平成13年「分解屋ピット!」で小学館第48回新人コミック大賞少年部門佳作を受賞。
代表作:『D・Mファイター焔』『メタルファイト ベイブレード』『バレエヒーロー・ファンタジー ダンの冒険』
『アニマギア』など。
Twitterアカウント:@takafumi_adachi

『インターミッション』執筆
松山洋
株式会社サイバーコネクトツー代表取締役/ゲームクリエイター/代表作『戦場のフーガ』、『.hack』シリーズ、『NARUTO−ナルト−
ナルティメット』シリーズ、『ドラゴンボールZ KAKAROT』、『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』/漫画原作『チェイサーゲーム』
Twitterアカウント:@PIROSHI_CC2
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【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第8回
2022-04-12 11:00:00
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【発表してしまえばなんとかなる】
2018年の夏ごろ、こんな動画がサイバーコネクトツーの公式YouTubeチャンネルで公開されました。
C5”復讐三部作”進捗状況紹介動画(サイバーコネクトツー)
「サイバーコネクトツーが自社開発で『戦場のフーガ』というゲームソフトを(ほか2タイトル含めて)作ってますよー!」
そういったメッセージを込めた動画です。しかし観ていただければわかるかと思いますが、動画内にはさも開発が進行しているように見せているものの、わかりやすくグラフィック部分の進捗映像しかありませんよね。
そりゃそうですよ、だってこのころはひとりもプログラマーがいなかったんですから(ゲームは全然できてない)。
「え、そんな状態で発表したの!? なんで!?」
そう思われますよね。わかりますよ。説明しましょうか、なぜそんな状態で発表するのか。
「テンションが上がるから」
はい、これです。そのために発表しました。
じつはゲーム開発ってすごく時間もかかるしほぼでき上がってからじゃないとPV(プロモーションビデオ)も作れませんし、普通はできてもいない中途半端な状態で情報を出すなんてことはしません。しかし、やっぱりね、辛いんですよ、黙ってただずっとコツコツと作っていくだけの日々ってね、もうなんかみんな「あれ、これ、面白いんだっけ?」みたいなおかしな思考になってきてまだ誰からも評価を受けてもいないのに「こんなんじゃダメなんじゃないの?」って気持ちになってくるんです。
けど、タイトルの情報を出すと当然ですがお客様から反応があるわけですよ。いやもちろんそんなに多くの情報を出せているわけではないので同時に大きな反響があるわけでもないんです。
それでもね、嬉しいんですよ。反応があるってこと自体が。「あぁ、我々は孤独じゃないんだな」って再確認できて勇気が湧いてくるんです。
というか、それくらいの心の支えが無いととても正気じゃいられないんです。それくらい弱くて脆い生き物なんですよ、ゲームクリエイターという人種は。事実、映像を発表した後には「ほう、サイバーコネクトツーがオリジナル新作を開発中なのか」とか「あ、これなんか知ってる、『テイルコンチェルト』とか作った会社だ」、「へー、新作やるのね」とそれなりに反応がありました(主に北米からの反応が大きかったです)。
そして、この時の進捗動画ではグラフィックの映像しか出せませんでしたが、これからは違うのです。だって今の我々には外部の協力会社のプログラマーがいるんですから。
【“外注”ではなく“パートナー企業”である】
サイバーコネクトツーにはいくつかルールというか価値観というか決まりみたいなものがあって、その中のひとつにこんな言葉があります。
「決して“外注”という言葉を使ってはならない」
外注とは外部発注のことで、今回のようにプログラム部分をまるごと発注する場合なんかでよく使われる言葉です。が、サイバーコネクトツーでは“外注”という言葉を使わずに必ず“パートナー企業”と呼んでいます。
外注なんて言い方や考え方は完全に他人事としか思えないし、一方的な関係性に感じてしまうよ、それはやっぱり違うよね、同じプロジェクトに参加してもらう開発者なんだから。発注してお金を払っているからといって偉いわけでもないし仕事をするパートナーとして関係性はイーブンなはずだよ。だから誤解を生むような言葉は使わないように。あくまでパートナーなんだから。
こういう考え方から発注先を“パートナー企業”と呼ぶ文化がサイバーコネクトツーにはあるわけです。なんかこんな話を聞くと「へー、サイバーコネクトツーって立派な考え方をしてるなぁ、というか松山さんが特に立派だなぁ」なんて思われるかもしれません。
しかし、我々サイバーコネクトツーが抱えていた課題は呼び方うんぬん以前に「そのパートナー企業との距離感やハンドリングや指示の仕方が極端に下手」という部分だったのでした。
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【編集部コメント】
“テンションが上がる”から、ゲームができていないけれど、とりあえず発表する。とんでもない無茶苦茶発言ですが、分かる気がします。私の体験ですが、読者のみなさんが、記事を話のネタに盛り上がっているところを見るとなんだか、こっちまでウキウキしてくるんですよね。いっしょにゲームの話で盛り上がる経験を共有させてもらえて、ありがとうございます!
そして話を戻しますが、完成にほど遠い状態でゲームの発表をした『戦場のフーガ』。でももう大丈夫です。 だってプログラマーがいるんですから、これでもう何も問題なく話が進むに違いありません。 そうです……よね?
来週4月19日(火)は『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』の第9回を掲載予定です!