“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにしたドラマティックシミュレーションRPG『戦場のフーガ』の公式コミカライズ。少年少女たちは、戦争で捕らわれた家族を取りもどすため、謎の巨大戦車“タラニス”に乗り込み復讐の旅を始める……。火曜日マンガ配信予定。マンガ掲載の翌火曜日には、『戦場のフーガ』開発者からの連絡ノート『インターミッション』を配信。
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足立たかふみ 氏
6月21日生まれ、B型。児童漫画、少年漫画、SF・ファンタジー漫画を得意とする。コミックガオ!にてデビュー。
平成13年「分解屋ピット!」で小学館第48回新人コミック大賞少年部門佳作を受賞。
代表作:『D・Mファイター焔』『メタルファイト ベイブレード』『バレエヒーロー・ファンタジー ダンの冒険』
『アニマギア』など。
Twitterアカウント:@takafumi_adachi

『インターミッション』執筆
松山洋
株式会社サイバーコネクトツー代表取締役/ゲームクリエイター/代表作『戦場のフーガ』、『.hack』シリーズ、『NARUTO−ナルト−
ナルティメット』シリーズ、『ドラゴンボールZ KAKAROT』、『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』/漫画原作『チェイサーゲーム』
Twitterアカウント:@PIROSHI_CC2
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【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第5回
2022-02-08 11:00:00
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【ゲーム開発会社の開発予算の考え方=人月単価】
一般的な職業だとなかなか聞き覚えがない単語かもしれませんがゲーム開発会社では“人月単価”という考え方があります。
“人月単価”とは、ひとりの人間を雇用して実際にかかる費用のことを指しています。誤解が無いように先に言っておくと“人月単価=社員の給料”というわけではありません。
“人月単価”には、給料+地代家賃+光熱費+パソコン代+アプリケーション費用+福利厚生+社会保険料+厚生年金費用など、さまざまな諸経費が含まれます。
もちろん、会社によってもまちまちですが、サイバーコネクトツーの場合では平均の人月単価は一か月あたり85万円で設定されることが多いです(この金額も企業によって本当にバラバラです。大手ゲームメーカーだと高いところは人月単価120万円を超えるところもありますし、小さな会社だと50万円・60万円・70万円というところも存在します)。
たとえば、人月単価が85万円だとして、10人のスタッフを毎月稼働して12か月の仕事をすると以下のような計算になります。
85万円×10人×12か月=1億200万円
逆説的に言ってしまうと、開発予算が1億円くらいだった場合には、10人くらいの人数だと12か月で着手から完成までを終わらせなければならないということです。
もし毎月20人のスタッフを動かしてしまったなら6か月くらいで完成させなければならないということですね。
6か月で一本のゲームソフトを企画着手から完成まで仕上げてしまうのは現在のゲーム開発ではさすがに無理があることはおわかりかと思います。
そうなると、“何を優先させるべきか?”ということが自ずと見えてきます。
“どうしても時間は欲しい”ということであれば、“少ない人数(10人)で開発するしかない”となります。もしくは、開発予算を1億円から1億5,000万円(場合によってはそれ以上)などに引き上げるしかありません。
「どうせ売れるものを作るのだから、たくさんお金をかけてもいっぱい売ればいいんだから増やせばいいじゃん!」と、思われるかもしれませんが、そうはいかないのが現実です。
ビジネスの基本は“適切な投資”です。
売れる目標に対して予算を設定して、その中で最善を尽くして結果を出すことこそがプロのゲームクリエイターに求められる仕事であるということです。
【『戦場のフーガ』の当初の開発予算は1億5,000万円でした】
なぜ今回のブログで“人月単価”の話をしたのかというと、前回『戦場のフーガ』の当初の開発予算は1億5,000万円だったことをお伝えしたかと思います。
開発予算1億5,000万円で開発期間は1年半(18か月)くらいという規模感がどれくらいなのか?ということを読者の皆様にお伝えするためでした。
さきほどの計算に当てはめると以下のようになります。
1億5,000万円=85万円×10人×18か月
正確な合計金額はこれでも1億5,300万円となってしまい少しオーバーしていますが、あくまで目安だと思ってください。
『戦場のフーガ』に与えられた当初の使命=バジェット(予算)感覚はこれくらいだったということです。
それなのにトータルで(結果的に)3億2,700万円も使ってしまったのが『戦場のフーガ』というプロジェクトだった、ということは前回もお伝えしたと思います。
では、いったいどういった理由でそんなにも予算がはみ出てしまったのか? という謎というか実態に迫っていきたいと思います、が、次回は漫画『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』についてお話ししようと思いますので、次々回のブログまでこの“人月単価と予算の話”をなんとなくでもいいので覚えておいてくださいね(覚えてなくても大丈夫な内容にはしますが)。
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【編集部コメント】
1億、2億という開発費を聞いたときに、数十人、百人単位などかなり多くのひとが関わっているのかとおもってしまいますが……。
たしかに計算してみると10人を1年稼働させただけで必要になってくる費用なんですね。果たして、3億以上かかった『戦場のフーガ』の内訳が気になります。
開発記録『インターミッション』の次回の更新をお待ちください。
来週2月15日(火)は、マンガ『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』の第6回を掲載予定です!