“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにしたドラマティックシミュレーションRPG『戦場のフーガ』の公式コミカライズ。少年少女たちは、戦争で捕らわれた家族を取りもどすため、謎の巨大戦車“タラニス”に乗り込み復讐の旅を始める……。火曜日マンガ配信予定。マンガ掲載の翌火曜日には、『戦場のフーガ』開発者からの連絡ノート『インターミッション』を配信。
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足立たかふみ 氏
6月21日生まれ、B型。児童漫画、少年漫画、SF・ファンタジー漫画を得意とする。コミックガオ!にてデビュー。
平成13年「分解屋ピット!」で小学館第48回新人コミック大賞少年部門佳作を受賞。
代表作:『D・Mファイター焔』『メタルファイト ベイブレード』『バレエヒーロー・ファンタジー ダンの冒険』
『アニマギア』など。
Twitterアカウント:@takafumi_adachi

『インターミッション』執筆
松山洋
株式会社サイバーコネクトツー代表取締役/ゲームクリエイター/代表作『戦場のフーガ』、『.hack』シリーズ、『NARUTO−ナルト−
ナルティメット』シリーズ、『ドラゴンボールZ KAKAROT』、『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』/漫画原作『チェイサーゲーム』
Twitterアカウント:@PIROSHI_CC2
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【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第3回
2022-01-11 11:00:00
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【社内公募で集まった100のアイデア】
当時社内公募で新作タイトルのアイデアを募集したところ100を超える応募がありました。これはじつに頼もしい話だったのですが……。
そのアイデアのいずれもが、“とんでもない大作指向の企画”でした。
もちろん、事前の募集告知の際にもしっかりと社内向けに以下のような説明をしました。
「この10年くらいでゲーム業界は大きく変動しました。しかし、現在のPlayStation4やNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)用のゲームソフト開発で、ましてや世界に向けてしっかりと振り向いてもらえてお客様の手に取ってもらえる存在感を示すためには開発規模はどんどんと膨れ上がってきています。
現在のゲームソフト開発規模ではスタッフ人数は100人から200人、開発期間だって3年から4年かかるようになってきました。かつては開発予算およそ1億円前後だったプロジェクト費用も今は10億円・20億円・30億円といった具合でとんでもないビッグビジネスになっています。
これだとまず新人が育ちにくい。あまりにも細分化が進み過ぎてゲーム開発の全体像が見えない。いつまでも部分的なパーツ開発しかできない。ましてや3年も4年もかけて1本のゲームソフトを作っているとそりゃ成長も遅くなってしまうよ。」
「だから、今こそ、もう一度あの時のような開発体制に戻そうよ。その代わり大作でなくていい。小規模・短期間開発でスマッシュヒットを目指そう!」
それにも関わらず、あがってきたアイデアはいずれも開発予算10億から20億で開発期間は3年以上という企画ばかりだったのです。
【そうしてしまったのは誰ですか?】
「ねぇ、みんな話を聞いてた?」
最初にスタッフに尋ねたのはその部分でした。
「小規模・短期間開発の企画って説明したよね?なんでこんな巨大なプロジェクトをアイデアとして提案してくるの?今回の募集はそうじゃないって言ったよね?」
コンペに参加した何人かのスタッフにヒアリングしてわかったことは「小規模とか短期間での開発とかをやったことが無いのでさじ加減がわからない。お金やスケジュールは結局のところいつだって社長が最終的には何とかしてくれると思っているので心配していません。僕らはとにかくどれだけ時間とお金をかけてもすごいものを作るだけです」といった意見が非常に多かったのでした。
「あぁ、ダメだ、こりゃ」と最初は軽く絶望しかけましたが、同時に考えてもみたのです。
「誰だ?サイバーコネクトツーの開発スタッフ全員をこんな金のことも時間のことも考えない猪突猛進するだけの獣ノ呼吸の使い手として育ててしまったのは?」
ええ、そうです、私でした。
20年以上かけて「金の心配もするな、スケジュールも俺が何とかしてやる、だからお前らは集中して極上のモノを作ることだけ考えろ!」と言い聞かせてただ前に進むことしか考えない狂戦士を生み出してしまったのは、他ならない私自身だったのでした。
【お手本を示すしかない】
できないことをやらせても、できないものはできない。だってわからないのだから。(ほんの10年前とはいえ)かつての小規模・短期間開発の経験者はみんな今では管理職となっているので“現職のプレイヤー=クリエイター”ではありません。
では、いまの若いクリエイターの成長を促すための小規模短期間プロジェクトを立ち上げるためにはどうすればいいか?
そう考えて、結局ワタシ自身がプロットと企画を書いて生み出されたのが『戦場のフーガ』だったのでした。
「もうこうなったらお手本を示すしかないな」と思いながら企画を作りました。
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【編集部コメント】
たしかにハードの進化に伴い、大作タイトルは、ボリューム、グラフィックなどなど、制作に多くの人数が求められる現状ではあります。
もちろんその一方で、開発人数は数人ではあるものの、ワンアイデアで勝負して、大ヒットとなっているゲームも目立つ昨今です。
果たして『戦場のフーガ』の企画はどのようなゲームの企画書になっていったのでしょうか。開発記録『インターミッション』の次回の更新をお待ちください。
来週1月18日(火)は、マンガ『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』の第3回を掲載予定です!