戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ

“戦争×復讐×ケモノ”をテーマにしたドラマティックシミュレーションRPG『戦場のフーガ』の公式コミカライズ。少年少女たちは、戦争で捕らわれた家族を取りもどすため、謎の巨大戦車“タラニス”に乗り込み復讐の旅を始める……。火曜日マンガ配信予定。マンガ掲載の翌火曜日には、『戦場のフーガ』開発者からの連絡ノート『インターミッション』を配信。

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【『戦場のフーガ』開発記録】『インターミッション』第2回

2021-12-28 11:00:00

インターミッション第2回


【始まりは2017年】

 サイバーコネクトツーは2017年に設立20周年を迎えました(現在は25周年です)! そして、このタイミングでひとつの大きな判断をしました。

 “自社パブリッシングタイトルを作ろう!”ということです。

 ゲーム業界の大きな変動はこの10年間で何度もありましたが、やはりいちばん大きいのは、ゲームソフトのパッケージ販売とダウンロード販売の比率だと感じています。

 ほんの10年前までは世界的にも“ゲームソフト=パッケージ”で、圧倒的にディスクでの物理的な販売が主流でした。しかし、この10年でそれは大きく変わりました。パッケージ:ダウンロードの比率が9:1だったのが8:1から7:3となり、現在ではほぼ6:4から5:5にまで並んできています(コロナ禍で、自宅からオンラインでダウンロード版を購入するケースが増えたことも後押ししました)。

 2017年のタイミングでもその兆しが見えていたので、

 「よし、ダウンロード販売であれば自社パブリッシングができる!」

 と判断したのでした。

インターミッション第2回

今年はサイバーコネクトツ―25周年! そして来年は『.hack』シリーズが20周年!


【なぜダウンロード販売だと自社パブリッシングができるのか?】

 そもそもサイバーコネクトツーは日本に本社があるゲーム開発会社です。海外(モントリオール)に支社がありますが、それもあくまでゲームソフトの開発をするスタッフが在籍していて日々、日本(福岡本社&東京スタジオ)と協力しながら、おもにゲーム開発をしています。

 要するに、海外に支社があってもゲームソフトのパッケージ販売を行うことはできないのです(販社が無いので)。

 もしそれでも海外でパッケージ販売をしたいのであれば、ゲーム会社が海外にあるそれぞれの地域の販社(ディストリビューター)と契約をし、製造並びに販売を行ってもらう必要が出てきます。

 そうなると当然ですが利益が減ります(詳しい金額は言えませんが、びっくりするほど減ります)。

 海外でのパッケージ販売によるビジネスは、薄利多売となってしまうのです。

 しかし、ダウンロード販売であれば日本側で各プラットフォームのストア設定をし、自分たちで価格を決めて販売をすることができますし、ディストリビューターを介することなく(各プラットフォームを通じて)直接お客様に販売することができるのです。

 ダウンロード販売であれば、日本で販売した場合と同等の利益を生み出すことが可能となるのです。


【自社パブリッシングタイトルの企画を社内公募しました】

 せっかく初の自社パブリッシングタイトルを作り始めるのですから「社内でアイデア(企画)を募集しよう!」と、思って社内告知をしました。

 じつは、サイバーコネクトツーでは毎年こうしたアイデアコンペという名の新企画を募集する期間があるのです。だいたい年末年始を使って募集します。

 この時(2017年)に実施したアイデアコンペでは、じつに100個以上の企画が集まりました。

 その中から選んで生き残ったタイトルこそが『戦場のフーガ』だった!

 と、言えれば本当に良かったのですが。残念ながらそうはなりませんでした。

 では、いったい『戦場のフーガ』はどこから生まれたのか?アイデアコンペはどうなったのか?

 次回の『開発ブログ』では、その真相に迫ります。お楽しみに!

インターミッション第2回

【編集部コメント】

 ほぼダウンロードで購入しているなと実感する今日このごろ。特にインディーズゲームなど、昔ではなかなか手に入らなかっただろうゲームも簡単に手に入るようになり、自分好みのゲームにであえる機会が増えた気がします。

 とはいえ、パッケージ版を手にしたときのワクワク感が忘れないのも事実です。パッケージに付属してくる説明書を読みこむのが好きだったなぁ……。

 さて、次回はどのような話が飛び出るのでしょうか。開発記録『インターミッション』の次回の更新をお待ちください。

 年が明けまして、来週1月4日(火)は『戦場のフーガ 鋼鉄のメロディ』の第3回を掲載予定です!