現代のゲーム業界を舞台にくり広げられるお仕事マンガ。第13話まで無料公開中です。また、原作者であるサイバーコネクトツー松山洋(まつやまひろし)社長のエッセイ「デバッグルーム」も必読。マンガが収録されている単行本は、最終巻第7巻まで発売中。気になる方はぜひチェックしてみてください。
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『チェイサーゲーム』原作脚本ってどうやって作られているのか、松山洋社長にお聞きしました
2023-10-30 11:05:00
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今回の連載では、『チェイサーゲーム』の原作を務める松山社長にテキストインタビューを実施。
『チェイサーゲーム』の脚本ってどうやってつくられているの? というような、いままで紹介してそうでしていなかった脚本制作についてお聞きしてきました。
とりあえず書いて書いて書きまくれっ!
ーー松山社長が『チェイサーゲーム』の原作を制作されていますが、お忙しい中いつ作業されているのでしょうか。
松山:私は本業であるゲーム開発を日々スタッフといっしょに行っていますので平日の日中はいっさい脚本作業を行うことができません。なのでだいたい週末の土日にまとめて執筆を行なっています。が、その週末もほかにもやらなければならないことがあるので、そっちの作業を優先して行なった後に最後に『チェイサーゲーム』の脚本執筆に取り掛かってる感じです。
ーー1回の執筆で何話分くらい制作するのでしょうか。
松山:だいたい月に1日か2日かけて3話から4話分まとめて執筆しています。松島幸太朗のネームが完成したらつぎの3話から4話の原作をまとめて執筆しているような、追いかけ執筆といった感じですね。
ーーなるほど。3から4話というと、ひとつの話の流れのひと区切りがつくくらいの量を書きあげている形なのですね。
松山:これが'原稿のスクショです。最新の17話から18話のものです。
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松山:基本的にはマンガを描く松島幸太朗にわかるように各キャラクターの心情や擬音などが指示されています。【】の中の文字は手描き文字という指定になっています。ほかにも「できれば1ページ」とか「できればここでめくり」といった演出も指示しています。しかし、その辺はネーム制作時に打ち合わせしながら具体的に指示している感じです。
ーーゲームの脚本などを制作するときにこころがけていることはありますか?
松山:基本的には“わかればいい”という精神で書いています。あまりフォーマットなどは気にせずにとにかく伝えることに重きを置いています。
ーー『チェイサーゲーム』の場合もおなじでしょうか?
松山:『チェイサーゲーム』に関しては“ゲーム業界お仕事マンガ”といいつつも、ゲーム業界にまるで知識が無くても一般的なお仕事に置き換えることができるような場面を想定して、誰でも楽しめるということを意識して書いています。
ーー脚本を制作したい人に向けてアドバイスはありますでしょうか。
松山:とにかく書くことですね。書いて発表して赤の他人に読んでいただくこと。それをつねに意識して書くことが大事かと。
読んでもらえないようであれば、また反省して書く。とにかく書くこと。書き続けること。「書けない、書きたいことが思いつかない」とかじゃなくて、うるさい、とにかく書け!という精神で書くことが大切です。
ーー第51話で龍也が沖縄で受けた修行など、『チェイサーゲーム』を通してたびたび描かれた内容に通じるところがあるアドバイスですね。
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ーー脚本を制作するうえで、影響を受けた方はいますでしょうか。
松山:マンガ家の先生からの影響が大きいです。荒木飛呂彦先生、岸本斉史先生、藤田和日郎先生、山口貴由先生から多くのことを学ばせていただきました。あとは映画ですね。毎年年間300本の映画を観続けていれば、開始15分でおもしろいかそうでないかがわかるようになりますよ。
ーーそのような作品から感じたことを教えてください。
松山:マンガも小説もゲームも全部同じだと思いますが。マンガや小説はとくに文法やセオリーと囚われることなく自由に描いたほうがいいですね。作法は描きながら覚えていけるはずですので。私のも原稿を見たらわかるとおり完全に我流ですからね。