チェイサーゲーム

現代のゲーム業界を舞台にくり広げられるお仕事マンガ。第13話まで無料公開中です。また、原作者であるサイバーコネクトツー松山洋(まつやまひろし)社長のエッセイ「デバッグルーム」も必読。マンガが収録されている単行本は、最終巻第7巻まで発売中。気になる方はぜひチェックしてみてください。

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【マンガの裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム 『デバッグルーム』シーズン2 第5回

2023-04-10 11:00:00

シーズン2 第5話 “ 光を運ぶもの(1)”

【マンガの裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム 『デバッグルーム』シーズン2 第5回

【暴力事件の始まりは短期集中連載第3話から】
 ようやくリンが黒田に対して起こした暴力事件の真相が明かされました。

 ここでご注目いただきたいのが短期集中連載 第3話(2022年秋公開分)の19ページの2コマ目です。

【マンガの裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム 『デバッグルーム』シーズン2 第5回


 よく見ると黒田くんの前に並んでいる新人の中にリンの姿がいるんですね。暴行事件はこの直後に起きていたということです。

 『チェイサーゲーム』にはこういったネタがこっそりと仕込まれていたりするのでまったくもって油断ならないですね。

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【暴力以前に人の名前をからかっちゃダメ】

 この第5話が公開されると同時に「人の名前をイジっちゃダメだろ、黒田くん」といったコメントや反響がありました。

 まさにおっしゃる通りですね。暴力うんぬん以前の話です。

 ちょっと真面目な話をしておきますが、現在は人材採用においても「相手の性別を聞いてはいけない・年齢を聞いてはいけない・出身地や国籍を聞いてはいけない」といったルールができてきています(“そのひと個人の人間性や能力で判断してください”ということ)。

 とくに海外はそうなっています(サイバーコネクトツーにはモントリオールスタジオがあるのでカナダの採用&面接ルールに準拠)。

 こういった風潮やルールというのは何も採用時に限った話ではありません。ポリコレやLGBTQ+などを配慮しなければいけない概念が多いゲーム業界では、入社後のスタッフどうしのコミュニケーションにいたっても指導・教育が必要になってきているということです。

 今回の件はやはり黒田くんがよくなかったと言えますね(だからといって暴力はダメですよ)。

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【スパーリングという名の研修】

 “いきなりジムに行ってスパーリング? 研修?”と、思われたかもしれませんが、じつはこれ本当にやったりしています。

 居合切りの研修を受けたり基本的な受け身や殺陣の実践&体験をしたりすることは本当にあるのです(過去にサイバーコネクトツーでも実施しました)。

 とくにバトルモーションなどを制作するアニメーターは人やモンスターを攻撃するようなモーションを制作することが多いです。

 しかし(当たり前ですが)みんなが人を拳で殴った経験があるわけではありません。

 基本的な動きを自分自身で体験して学ぶ、という観点からジムや道場で実践しながら身体で基本的な動きを学ぶ研修というのは本当に実在しますし、自分でやってみるということは非常に大事なのです。

 現にサイバーコネクトツーの大会議室には大きな鏡が5面貼ってあって、よくアニメーターが木刀などを持って自分で攻撃モーションを確認したりしていますよ(わりと日常的な風景です)。

【マンガの裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム 『デバッグルーム』シーズン2 第5回

【編集部コメント】

 シーズン2 第3話では、サイバーコネクトスリーを辞めるという話がでていたり、今回は丸坊主になったりと、シーズン2開始以降いろんな目にあわせられている穴井さん。さて、次はだれが標的になるのか。ワクワクしますね。

 次回マンガ『チェイサーゲーム』シーズン2 第6話『光を運ぶもの(2)』は、2023年4月17日(月)に掲載予定です。お楽しみに。
 
 また、2022年9月より放映されたドラマ『チェイサーゲーム』は、Amazon Prime Video、U-NEXT、Paraviで配信中。気になる方はぜひチェックしてみてください。