現代のゲーム業界を舞台にくり広げられるお仕事マンガ。第13話まで無料公開中です。また、原作者であるサイバーコネクトツー松山洋(まつやまひろし)社長のエッセイ「デバッグルーム」も必読。マンガが収録されている単行本は、最終巻第7巻まで発売中。気になる方はぜひチェックしてみてください。
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【マンガの裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム 『デバッグルーム』シーズン2 第2回
2023-02-27 11:00:00
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【このままじゃいつまでたっても勝てない】
いきなり“人月単価”という言葉が出ていて金額の話が出ていますが、一般の読者には少し説明が必要かもしれませんね。
ゲーム業界ではよく“人月単価”という言葉が使われます。
人月単価とはひとりの人間を仕事で動かすのに1ヵ月でいくら設定するかという費用のことを指します。
ひとりの人間を動かすのに必要なのはお給料だけではありません。使うパソコンやアプリケーションに加えて光熱費や地代家賃などさまざまな費用が必要でそれらを全部足した金額が人月単価ということになります。
ざっくり言ってしまうとお給料が35万円/月の人間を一人雇うのに会社はおよそ(給料や光熱費&機材費など含めて)85万円ほどかかっているということです。
こういう人月単価の設定はやはり元請け→下請け→孫請けの順に安くなっていきます。
高い金額で受託するためには発注元からの信頼と実績を積み重ねていくしかありませんし、そもそもある程度の規模の会社でないとまるごと発注されるなんてこともありません。
なので、設立間もない龍也たちの会社ゾディアックでは元請けになるなんてことはないということです(6人しかいませんので)。
いいとこ下請けか孫請けという“部分請け”の仕事をするしかないということなのです。
【特急料金は実在する】
作中で語られている特急料金は実在します。べつに“24時間体制で不眠不休で働かなくても”です。
ふだん仕事をしていても「サイバーさん! 特急料金を支払うのでなんとかなりませんか? お願いします! 来月までに○○を作ってください!」なんて相談はやはりやってくるのです。
もちろんそういったすべての相談に乗れるほどサイバーコネクトツーには余裕がありませんので(つねに稼働率がパンパンです)残念ながら断らざるを得ないのですが。
「60秒のCGムービーで2000万円から3000万円でどうですか? なんとかなりません? モデルデータ支給でコンテとアニメーションと仕上げまでで!」
なんて話は本当にザラなんですよ。
サイバーコネクトツーはゲーム開発会社であってCGムービー制作会社ではありません。それなのに相談が来るということは他のどのCG会社に相談しても(さすがに)無理だったからきっと弊社に相談に来られたのだと思います。
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あと念のため強調しておきますが、作中でも書かれているとおり龍也たち(ゾディアックの全社員6人)は全員が取締役です。
要するに雇われている従業員はいないということです。
第2話を読まれた方が“え、これって残業代は出るの?”という反応をされていたので、ちょっと伝わりにくかったかもしれませんね。
あくまで作中の話ですが、龍也たちは共同経営者であって誰一人として従業員ではありませんので全員がお給料ではなく固定の役員報酬ということになります。
なので残業代も休日出勤代も発生しません。
就業規則というのは従業員のために定められたルールですので、それを決めて実行する経営者には適用されません。
仕事をしてもしなくても経営者なのです。
完全に法律の裏をかいた龍也らしいやり方であり、文字通り悪魔的戦略というわけですね。
よい子は真似しちゃいけませんよ(私は悪い子なので龍也と同じことを実践していますが)。
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【編集部コメント】
次回の予告カットをみると、新キャラクターとして紹介されていたテトラとリンが“働きかた会議”の様子を眺めながら、立ち尽くす姿が……。
シーズン2開始ということで、出番もりもりを期待していたのでしょうが、これは『チェイサーゲーム』。そうは甘くないのでした。
次回マンガ『チェイサーゲーム』シーズン2 第3話は、3月6日(月)に掲載予定です。お楽しみに。
また、2022年9月より放映されたドラマ『チェイサーゲーム』は、Amazon Prime Video、U-NEXT、Paraviで配信中。気になるからはぜひチェックしてみてください。