チェイサーゲーム

現代のゲーム業界を舞台にくり広げられるお仕事マンガ。第13話まで無料公開中です。また、原作者であるサイバーコネクトツー松山洋(まつやまひろし)社長のエッセイ「デバッグルーム」も必読。マンガが収録されている単行本は、最終巻第7巻まで発売中。気になる方はぜひチェックしてみてください。

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【マンガの裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム デバッグルーム第6回

2019-04-22 11:00:00

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第06回 “世の中とズレているクリエイター”

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【RPGが好き】

これは志望者に本当に多い傾向です。世の中でたくさん売れているジャンルは間違いなく“アクションゲーム”なのですが、不思議とゲーム業界志望者は“RPG好き”が多いです。特にアーティストの大半が“RPGが好き”と答えます。

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【ピクサーと真逆】

面接ではやはり、応募者の“信念”や“こだわり”などをチェックします。モノを作れる技術はあっても、“もしもう少し時間があったらどこの部分をクオリティアップしたいですか?”と聞かれてハッキリと答えられないようでは、かなり不安視されます。クリエイターたるもの“どうしたい”という意思はハッキリと持っていてほしいものです。また、言ってることがチグハグだとやっぱり不安ですね。

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【3Dは出来ません】

これも本当にアーティスト志望者に多い傾向です。“イラストしか描いていない人”がゲーム業界を目指しても、採用される確率はかなり低いので考えを改めたほうがいいです。作中で言われている通りですが、現在発売されて売れているものの大半が3Dゲームです。

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【面接で余計な講釈はよせ】

これは“面接を実施する側”に対して、社内でもスタッフに指導していることです。面接はあくまで面接であって“教育や指導の場”では決してありません。

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【正式にはゲームデザイナー】

作中で注釈されている通りなのですが、不思議と日本国内のゲーム会社の多くが(それが大手メーカーであっても)いまだ“プランナー”という肩書を使用しています。まあ通じるのであれば別にいいのかもしれませんが、海外のクリエイターと会った時には「?」って思われるので気を付けましょう。

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【CGは独学】

あくまで傾向の話ですが、能力の高い人ほど独学で学んで積み重ねてきた人が多いです。端的に言うと、“専門学校や大学で習った内容だけでは不十分”ということです。考えればわかるかもしれませんが、“専門学校や大学で習った内容は「みんなで」習ったこと”なのです。この際なのでハッキリと言っておきますが、人と違う能力や技術をアピールして突出するためには独学は必須です。

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【新作に関わりたい】

別にただの日本語です。本来は「携わる=携わりたい」が正しい表現です。携わるの意味は「ビジネス上、仕事として受け持つ・関係する・関わる」ことを指します。え、「関わる」という言葉が含まれてるじゃん!って思われるかもしれませんが、「関わる」は「ある物事と関わり合いを持つ」という意味です。そして「携わる」とは、「その物事に仕事として関わる」ことを指します。「関わる」はやはり広い意味で「その物事に触れる」くらいの感覚ということですね。たったこれだけのニュアンスの違いかもしれませんが、(少なくとも私は昔から)かなりこだわって社内でもスタッフに対して言葉の使い方を指導しています。“え、なに? 関わるって、なんでお前だけ他人事なの? 当事者としてチームの一員として一緒に作ってるんじゃないの? こういう時は「携わる」って言うんだよ”ってね。本当に細かいって思われるかもしれませんが、“覚悟は言葉にあらわれる”と思って気を付けて(指導して)いる部分です。


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