現代のゲーム業界を舞台にくり広げられるお仕事マンガ。第13話まで無料公開中です。また、原作者であるサイバーコネクトツー松山洋(まつやまひろし)社長のエッセイ「デバッグルーム」も必読。マンガが収録されている単行本は、最終巻第7巻まで発売中。気になる方はぜひチェックしてみてください。
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【マンガの裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム デバッグルーム第2回
2019-01-28 11:00:00
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【1話と2話は前後編】
『チェイサーゲーム』は、基本的にひとつのエピソードを前編後編に分けて構成しています。第1話で問題が起きて第2話で解決して、“次”のエピソードに繋がる感じです。なので、次の3話と4話も前後編になっています。5話と6話もそうです。ただ、その後の7話・8話・9話に関してはちょっと長めのエピソードで、前中後編と3話構成になっています。連載ペースがまだ安定しておらず、どうしても次の掲載まで間が空いてしまうので、長い話だと誰も覚えてくれそうにないのでそういった構成を意識して原作を作っています。
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【サーバー上の最新ビルドでエラー】
これは関係者が読めばわかることではあるのですが、現実にはこんな問題は起こりません。進捗報告の段階で例え嘘の報告(100%)をしていたとしても、サーバー上にある最新ビルドでエラーは起こらないですね。漫画として今回のエピソードをわかりやすく読者に伝えるため、かなりねつ造した部分です。まあけど、第2話公開後も“なんじゃそりゃ!? そんなわけねーだろ!?”というようなツッコミもなく、みなさんすんなりと読んでいただけたようで安心しました。リアリティよりも漫画としての読みやすさを優先した部分です。
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【上田と久井田】
公開前に社内で【脚本デバッグ】を実施した際、多くの社内スタッフから“社長、いくら漫画とはいえ上田さんの扱いが酷い! かわいそう! 上田さんの家族がこの漫画を読んだらどんな気持ちになると思ってるんですか!? 鬼! いくら顔と名前だけをモデルとして使ってると言われたところで、読者はそのまま上田さんのことをこういう人だと思ってしまうんじゃないですか!? あんまりです!”と、まあ非難轟々でした。けど、本編の上田というキャラクターは実際に酷くて困ったキャラクターなので、“そういう意見が出るのは狙い通りだな”と思ってそのまま公開しました(もちろん上田本人にもネームも見せて了承は得ています)。ところが公開後、ある意味上田がいちばん美味しいキャラクターとして認識されましたね。第1話公開後はあるゲーム会社のプロデューサーから、“次から上田さんはウチのプロジェクトから外してくださいね”というメールも届きました(もちろん冗談ですよ)。そして当の本人も、公開後は行きつけのお店などでたくさんの人から声をかけられて、あげくツイッターのフォロワーまで増えたという話です。これはもうちゃんとオーダー通りに上田をムカつくキャラクターとして作画した松島幸太朗を褒めてやりたいところですね。久井田に関してもモデルが存在しますが、もちろん中身は別人です(当たり前)。新人で元気があって未熟で、いちばん使いやすいキャラクターとして描かれています。
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【ウオカワ・ザ・スーパースター】
驚異の新人で能力が人の3倍くらいあるスーパーマンとして描かれている魚川。もちろん実在しますし、能力も高い若手であることに変わりはないですが、漫画はさすがにやり過ぎですね。ちょうど3話と4話がこの魚川の話になるのですが、どこにでもいる【人の3倍努力する天才】として描いています。実際にどこのゲーム会社にもそういう人物が存在するので、そのメタファーとして魚川は描いています。半年くらい前にウオカワ本人にネームを見せたところ、“連載が始まるまでに帳尻が合うように痩せておきます”と言っていて実際に本人だいぶ痩せましたが、漫画ほどシュッとはしてないですね、まだ。
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【松山のセリフは実際に言ったセリフ】
“『両方』やらなくっちゃあならないってのが~”のくだりのセリフはもちろん元ネタがあるわけですが、実際に社内でスタッフに向けて言ったセリフです(アゴクイはしてません)。また、社内でスタッフと向き合って仕事してる時と、外に出てプロモーションやインタビュー受けてる時とでキャラクターが違う、とよくスタッフから言われます。そして社内でスタッフと向き合ってる時はだいたい、漫画のイメージに近いようです。実際に作画してみたらだいぶ怖い人ですね、松山社長。ただもう一時出てこない予定です(次の登場予定は6話)。あんまりラスボスが頻繁に出るもんじゃないですからね。あくまで主人公は、龍也です。
<第2話 「助けてと言えないクリエイター」