最高の評価を獲得した名作がPCに!

 2019年11月5日、『レッド・デッド・リデンプション2』(以下、『RDR2』)のPC版が、ロックスター・ゲームスの“Rockstar Game Launcher”で全世界同時発売された。プレイステーション4版とXbox One 版は2018年10月26日に発売され、175を超えるゲーム・オブ・ザ・イヤーの賞、250以上のパーフェクトスコアを獲得したほどの評価を受けたことは、ご存じの方も多いだろう。海外レビューサイト“Metacritic”でも、PS4版Xbox One版 はともに高評価を獲得している。

 そんな『RDR2』を高精細なグラフィックと処理能力で圧倒的な世界を描き出すのがPC版の『RDR2』であり、ファンにとっては“待望”と言ってもいい作品だ。本稿では、実際にPC版『RDR2』をプレイした筆者が、その魅力に迫っていく。

数々の革新が凝縮されたオープンワールド

 まずは『RDR2』の概要を簡単に説明していこう。本作は西部開拓時代末期、1899年のアメリカを舞台に、無法者の集団“ダッチギャング”、そして彼らと行動をともにする主人公アーサー・モーガンの物語を描くオープンワールドアクションゲームだ。
 
 西部開拓時代末期は、フロンティア・スピリッツにあふれた自由で無法な時代が終わりを告げ、法に秩序が求められる時代へと移行する時期でもある。史実でも、このころに第二次産業革命が起こり、アメリカの工業力が世界を席巻し始めた。貧富の差は拡大し、15年後の1914年には第一次世界が勃発して、世界情勢が大きく変わる。いわば、近代から現代への過渡期という激動の時代だったのだ。

 時流に取り残されつつある無法者やはみ出し者を束ね、無政府主義を掲げて時代の変化に逆らうダッチ。そんなダッチに少年のころから世話になっており、ほかに生きる道を知らないアーサー。個性的で、それぞれが抗いがたい背景を抱えるダッチギャングのメンバー……。広大なオープンワールドを舞台に、彼らを巡る濃厚で豊潤なストーリーが、『RDR2』では展開する。

 アーサー=プレイヤーは、ダッチギャングのメンバーとして多彩な荒事に精を出すことになる。そこで重要となるのが、武器。本作にはバリエーションに富んだ武器が用意されており、敵と対峙したときや強奪などの犯罪行為には欠かせない“相棒”となる。

 大人数が入り乱れての激しい銃撃戦、特定のミッションで出現する1対1の決闘など、さまざまなシチュエーションで西部劇らしい戦闘が楽しめるのが、本作の特徴。周囲の時間をゆっくりにして敵にマーキングする特殊能力“デッドアイ”を使えば、簡単な操作で連続して敵を倒すこともできるので、アクションが苦手な人でも存分にガンマン気分が味わえるだろう。

 メインストーリーそっちのけで暴れまわったり、道中で襲われているNPCを助けてみたりと、自由度の高いプレイが楽しめるのも醍醐味のひとつ。いままでにない規模で実装されたインタラクションレイヤーで、世界と関わり合うことができるのも魅力だ(武器をホルスターにしまっているときと出しているときで周囲の反応が変わるほど)。

 アクティビティも膨大な数が用意されており、見知らぬ人と話すことでイベントが発生したり、賞金首を捕まえてお金を稼いだり、フィールド上に棲息する動物を狩猟して図鑑を埋めたりと、さまざまな“寄り道”が用意されている。自分なりのペースで、この広大な世界を思うがままに堪能できる。

 みずからが選んだ行動によってレベルが変わり、異なる結果や展開へとつながっていく“名誉”、親密度を上げることで性能が変化する“馬”、生活を重ねるうちにさまざまな展開が生まれる“キャンプ”など、ロックスター・ゲームスならではのこだわりが、完璧で狡猾な西部開拓時代末期のアメリカを構築している。そのすべてを楽しもうと思ったら、どれだけの時間がかかるのか……。そのボリュームはすでにコンシューマ版で証明されている。

PC版ならではのグラフィックスに感動!

 さて、PC版最大の特徴は、やはり4K以上の高解像度に対応した高品質のグラフィックだろう。広大で美しい世界を自由に探索できる本作では、グラフィックは没入感に影響を与える重要なポイントだ。

 
 『RDR2』で描かれる世界は、大草原から雪山、うっそうとした森、沼地に砂漠と、多彩な環境が登場する。昔ながらの開拓地や近代化が進む街、そこで生きる人々など、プレイヤーの目に飛び込んでくる景色は目まぐるしく変化する。細やかなディテールはロックスター・ゲームスがもっとも得意とするところであるのは過去の作品からも自明であり、その技術をすべて投入したPC版では、極限まで研ぎ澄まされたリアリティーが堪能できる。

 ロックスター・ゲームスが『RDR2』で提供したかった世界が、PC版では100%表現されていると言ってもいいだろう。

 グラフィックスの設定は、テクスチャの精密度から遠景のシャドウなど、細かく分けられた項目を“低”、“中”、“高”、“ウルトラ”の4つの中から自分でカスタマイズできる。グラフィックの設定画面ではビデオメモリも数値化されて見えるので、あまりPCにくわしくない人でも、自分のマシンの性能を最大限に活かせるはずだ。

グラフィックスの設定画面。これに加え、草木の描画やロングシャドウなど、高度な設定も行える。カスタマイズ項目が多いのはPCゲーマーにとってうれしいポイント。

 プレイして「これはスゴイ!」と驚いたのは、光と影の表現。夜間(なにしろ100年前のアメリカだから暗い!)や光の少ない室内でのシーンでも、キャラクターが何をしているのか、その行動から表情までが鮮明にわかる。陰影の表現はかなり秀逸であり、日中に外へ出れば太陽 を「まぶしい!」と現実同様に感じるほど、ライティングの描画は精細だ。

 かなりの容量が必要になるであろう水の表現や草木の細かなディテールも、執念を感じさせるほどの作り込みで、これもPC版ならではだ。何しろ、葉っぱ1枚まで再現されている。そんな世界を気ままに歩き回るだけでも、ただただ楽しい。

どのシーンも圧巻のグラフィックに驚かされる。何気ない会話シーンでも、ついつい映像に見入ってしまう。
馬での移動がメインとなるので、移動時間は長めになる(ある程度進めればファストトラベルが可能になる)が、ぐるりと周囲を見渡すだけでも楽しい。

 ただ1点、グラフィックの設定を高めにすると、フレームレートが下がってしまうことがある。とくに人が多くなる街中では、マシンの負荷も大きくなる。筆者も、自分のマシンスペックのギリギリで設定したとき、「ちょっと重いな」と感じられる場面に出くわした。しかし、処理が重くなりやすい垂直同期の設定をオフにしたり、遠景のシャドウや鏡の精密度など、プレイに大きく影響しない要素の設定を下げてプレイしたら安定した。

 最高の品質で遊びたいなら、十分に見合う性能を持つPCを用意すればいいだけの話だが、設定を“中”にしてプレイしても美しいグラフィックでスムーズに遊べる。環境設定は充実しているので、自分のマシンスペックに合う設定を試行錯誤して、ベストの状態を見つけ出してみよう。まずは下記のシステム要件をチェックして、プレイできる環境を整えてほしい。

【PC版のシステム要件】
●必要動作環境
OS:Windows 7 - Service Pack 1 (6.1.7601)
プロセッサ:Intel Core i5-2500K / AMD FX-6300
メモリ:8GB
グラフィックカード:Nvidia GeForce GTX 770 2GB / AMD Radeon R9 280 3GB
ハードディスク容量:150GB
サウンドカード:DirectX互換

●推奨動作環境
OS:Windows 10 - April 2018 Update (v1803)
プロセッサ:Intel Core i7-4770K / AMD Ryzen 5 1500X
メモリ:12GB
グラフィックカード:Nvidia GeForce GTX 1060 6GB / AMD Radeon RX 480 4GB
ハードディスク容量:150GB
サウンドカード:DirectX互換

グラフィック設定画面からそのままベンチマークテストを実行できるので、設定の違いや、処理の重さを確かめやすいのもグッド。

気分は写真家! 気ままに“映え”写真の撮影を

 PC版ならではの要素として、“フォトモード”が搭載されている点も見逃せない。フォトモードはストーリーモード限定となるが、ムービーシーンなど一部の状況を除き、自由にスクリーンショットを撮影することができる機能だ。

デフォルトでESCキーでメニューを開き、F6キーを押せばフォトモードに移行する。

 フォトモードの起動中は、自由な角度にカメラを移動させたり、焦点距離やブラー度合いなどの項目を細かく設定してスクリーンショット を撮影できる。 こだわったぶんだけ、さまざまな撮影が楽しめる機能であり、美しいグラフィックで表現された世界を歩き回ることができる本作では、これだけで何時間も遊べるほど楽しい。

 カメラの角度を斜めにしたり、あえて焦点をずらすなど、ちょっとした工夫を凝らすだけで1枚の“絵”のような本格的な画像が撮影できるので、「ここは映えそうだな」と思ったらすぐフォトモードを起動。本編そっちのけでスクリーンショットを撮りまくるほど、熱中してしまっている。ギャングとしてよりも、もはや写真家として遊んでいる時間のほうが長いかもしれない……。

写真の雰囲気をガラリと変えるフィルターも多数用意されている。当時に撮影されたかのような鉄板・銀板 写真も再現可能だ。

ちなみに、 撮影した スクリーンショットは“ Rockstar Games Social Club”にアップロードできる。ほかのプレイヤーが撮影したユニークな写真を見ることもできるので、写真家として腕を競い合うのもおもしろい。

 フォトモード以外にも、PC版ならではの要素も豊富に盛り込まれている。その内容も、賞金稼ぎミッション、ギャングの隠れ家、新たな武器など、内容はさまざま。すでにコンシューマー版を遊んだ人でも、これらのコンテンツは魅力的なはずだ。

■新たな賞金稼ぎミッション
・職人たちから道具を盗んでいるハーマン・ジゼンドルフをブラックウォーターで捕まえる
・南部連合の元騎兵隊員であるカミーユ・ドミルモンを捕まえる。キャットフィッシュ・ジャクソンズで生死を問わず指名手配されているが、カミーユは忠実な仲間たちに囲まれている
・ビッグバレーでテント生活をしているバート・キャバノーとその仲間たちから、仲間たちを警戒させずにバートを捕まえる。生死は問わないが、仲間に見つかれば大規模な銃撃戦を避けられない

■新たなギャングの隠れ家
ギャップトゥースブリーチとソロモンズフォリーにいる、凶悪なデルロボス一味を片づける

■新たな宝の地図
“富の象徴”と“自然の道”で宝を探す。ゴールド(延べ棒大)などの報酬を獲得できる

■新たな見知らぬ人
依頼された薬草を集めることでさまざまな報酬がもらえる“大地の果てまで”が追加

■新たなアクセサリー
・鷹のかぎ爪:弓を引くときに消耗するスタミナゲージの消耗速度が30%遅くなる(効果は永久に持続)
・猫の目:強壮剤の効果の持続時間が20%増加(効果は永久に持続)
・サメの歯:馬との親密度ボーナス経験値が10%増加(効果は永久に持続)
・ 亀の甲羅:ライフゲージの回復スピードが10%増加(効果は永久に持続)
・カラスのくちばし:略奪する弾薬量が10%増加(効果は永久に持続)

■ストーリーモード用の新たな武器
・M1899ピストル:クリップ式の新しいセミオートハンドガン
・エヴァンズリピーター:装弾数の多いリピーター
・ハイローラー リボルバー:ダブルアクションの華美なリボルバー
・ルマットリボルバー:ショットガン用弾薬を使用できる強力なリボルバー

■ストーリーモード用の新たな馬
・歪曲虎毛のアラブ:足の速さと敏捷性を兼ね備えた馬
・斑点のアパルーザ:美しく頑丈な馬。野山を横断するような旅に最適
・佐目毛のアンダルシアン:健康的で丈夫な馬。狩りに最適
・赤栗毛のアラブ:独特な毛並みを持つ俊足の“獣”

■人があまり住んでいない場所で発見できる新たな馬
・栗河原毛のケンタッキーサドル
・栃栗毛のモーガン
・ゴールドパロミノのテネシーウォーカー

 もうひとつ、『RDR2』のプレイヤーなら無料で楽しめる『レッド・デッド・オンライン』(以下、『RDO』)の存在もある。2018年11月からパブリックベータがスタートし、2019年5月から正式サービスが始まった『RDO』だが、つねにアップデートが重ねられ、“荒野の職業”など、『RDO』でしか楽しめないコンテンツがどんどん実装されている。ここではまさに完全な自由が約束されており、いまも世界中の無法者たちが思い思いの人生を送っている。

 『RDO』の魅力をお伝えする企画をファミ通.comでは連載中なので、気になる人はぜひ、以下の記事をチェックしてほしい。

 すでにコンシューマー版が発売されており、PC版ということで本作の購入をとまどう人は多いかもしれない。ただ、それなりのスペックでも十分に本作の魅力を楽しむことは可能だ。それに、PCで描かれる『RDR2』の世界の美しさは、やはり圧倒的。ゲームのすばらしさはすでに保証されているし、グラフィックの向上で没入感が高まっていることはまちがいない。まだ『RDR2』をプレイしたことがないという人はラッキーだ。すべてが最高の状態である本作をイチから遊べるのだから!