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『レッド・デッド・リデンプション2』ロックスター・ゲームスのガンアクション、その源流を探る! キーワードは2012年の“バレットタイム”
公開日時:2018-11-17 18:00:00
『マックス・ペイン3』の記憶†
『レッド・デッド・リデンプション2』発売より数週間が経過し、すでにストーリーモードをクリアーされた読者諸兄も多いことだろう。前作からじつに8年ぶりとなるので、その操作方法は基本的には前作を踏襲しながらも大きく変化しており、特に二丁拳銃による射撃や腰だめ撃ち、銃を取り出すと同時に撃鉄を起こす細かいモーションなどのガンアクションの進化には、目を見張るものがある。
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だが、この進化はいきなり生まれたものではない。2010年に発売された“パート1”となる『レッド・デッド・リデンプション』においては、プレイステーション2時代に開発された元祖的ポジションの『レッド・デッド・リボルバー』で披露された“デッドアイ”のシステムを大幅に進化させ、プレイヤーのスキルが上達すればデッドアイを乱発して敵を一掃することが可能になった。
この効果をさらに進化させたのが、2012年に登場した『マックス・ペイン3』である。
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“デッドアイ”と“バレットタイム”†
ブラジルのスラム街(ファベーラ)を舞台に、孤高の刑事・マックスがギャングと戦う、ステージクリアー型のTPSとして登場した『マックス・ペイン3』には、のちの『グランド・セフト・オートV』、そして『RDR2』に引き継がれた銃撃システムとゲームデザインが盛り込まれていた。
そのもっともわかりやすい部分が、マックスの必殺技である“バレットタイム”だ。
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マックスのバレットタイムは、一定時間スローモーションを発動させ、さらに標的をマーキングすることで一気に大量の敵を葬り去るものだが、これはまさに『RDR』のデッドアイを進化させたものといえる。
『マックス・ペイン』シリーズにおけるバレットタイム効果は、プレイステーション2時代にリリースされたパート1並びに2の時点では射撃時のスローモーション発動がメインだったが、『マックス・ペイン3』では、『RDR』のデッドアイにおけるマーキングを取り込むことで、臨場感と爽快感を倍増させることに成功した。
敵の断末魔をクローズアップする“キルショット・カメラ”が導入されたのも『マックス・ペイン3』からだ。
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ちなみに『マックス・ペイン』シリーズには、“シュートドッジ”と呼ばれる、射撃時に前方や左右に横っ飛びしながら撃ちまくるシステムもあり、バレットタイムと併用することで、アクション映画の主人公さながらのムーブをくり出すことができる。
ゲームデザインのキーマン、ロブ・ネルソン氏†
『マックス・ペイン3』において披露された数々の銃撃エフェクトをデザインしたのが、Rockstar Northの共同代表(Co-head)であるロブ・ネルソン氏である。氏は本作のゲームデザインにおけるキーマンのひとりであるゆえ、『RDR2』のガンアクションは『マックス・ペイン3』の最新進化型と言っても差し支えないだろう。
そもそも『マックス・ペイン3』は、2012年当時としてはハードのスペックを限界まで引き出したシューターとなっており、Xbox 360版に至っては2枚組という大容量だった。そのグラフィックやモーションの細かさは、現在のハードにおける最新タイトルと比較しても、遜色のない仕上がりとなっている。
そして、この『マックス・ペイン3』をオープンワールドにしたのが『RDR2』なのではないか、という仮説を、筆者は提唱したい。
『マックス・ペイン3』におけるバレットタイムは、その後『GTAV』にてマイケルの特殊スキルとして再登場を果たしているが、やはり目に見えて進化したのは『RDR2』からだ。読者諸兄の皆様は、『RDR2』の銃撃戦の際には『マックス・ペイン3』の激しい攻防を思い出して挑むと、かなり近い感覚でプレイできると筆者は断言しよう。
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また、二丁拳銃による射撃にバレットタイムが加わったのも『マックス・ペイン3』からであり、同時に『RDR2』における銃撃戦のエフェクトや緊迫感も引き継がれている。
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過去作からの引き継ぎが新しいデザインに生まれ変わる†
ここで断っておきたいのは、『RDR2』が単に『マックス・ペイン3』の焼き直しではない、野心溢れる作品であることだ。たとえば、ステルス戦闘や仲間への指示出し、突発的に発生する賞金稼ぎや法執行官との戦いは、『グランド・セフト・オート』シリーズや『MANHUNT』(2003年/日本未発売)、『THE WARRIORS』(2005年/日本未発売)を彷彿とさせてくれるし、素手による格闘は『BULLY』(2006年※iOS/Android版『BULLY: Anniversary Edition』が配信中)に登用されたケンカモードに、非常に近い。精巧なキャラクターたちの表情は『L.A.ノワール』(2011年※PS4/XB One/Nintendo Switch版が発売中)で構築された技術力あってのものだろう。
つまり『RDR2』とは、ゲームデザイン的には『GTAV』を含む、これまでのロックスター・ゲームスのタイトルの“セールスポイント全部入り”の格好となっており、同社の作品のファンであれば、満漢全席レベルのサービスぶりなのである。
過去作品のシステムを研ぎ澄まし、改良し、進化させて最新作に導入するロックスター・ゲームスの制作姿勢は、硬派で実直だ。『RDR』→『GTAV』→『 RDR2』と進化していった“狩猟”や、RPG的な要素でもあるアイテムクラフトを語るだけでも日が暮れてしまうだろう。
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まだまだ語り足りないことだらけの『RDR2』の世界。今後とも新たな発見や情報が入り次第、レポートする所存であります!
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