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『レッド・デッド・リデンプション2』ゲームプレイ動画インプレッション~リアリズムの魂は細部に宿る

Text by マスク・ド・UH

公開日時:2018-08-10 21:30:00

 ついに『レッド・デッド・リデンプション2』(以下、『RDR2』)の実機ゲームプレイ動画が発表された。多くのユーザーが首を長くしすぎて、本当に首が千切れるんじゃないかというほど待ち焦がれた情報が投下されたわけだが、その衝撃度も計り知れない。何度も書いていることだが、『グランド・セフト・オートV』(以下、『GTAV』)以来5年ぶりの完全新作であるから、進化レベルも5年分、いや『RDR』から数えれば8年ぶりだから、むしろ8年分の進化と考えるべきか。今回は、新たに公開された『RDR2』の、約6分間ものゲーム動画から読み取れるさまざまな情報について、過日に取材したハンズオフ・プレイデモからの補足情報を交えつつ、解説を試みたい。

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※ゲーム画面はすべて動画をキャプチャーしたものです。

広大なフロンティアに宿る生命の再現

 ゲームプレイ動画の導入で最初に目に入るのは、新たなマップ表現の息を飲むような美しさである。本当に美しいと思える大自然を描く技術は、美しいように見えてじつは汚れている大都会を作るのと同等のセンスが問われる。『GTAV』のロスサントスでは、きらびやかな世界の街並みの影にゴミや落書きが散乱していることで、単なるマップのオブジェクトに命が吹き込まれ、そこに数多くの人々が暮らす社会が浮かび上がって来た。それと同じように、『RDR2』のマップもまたじつに細かい部分まで徹底的に作り込まれているからこそ、そこに尋常ではないリアリズムを感じられるのだ。

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 たとえば、動画のオープニングから注目して気づくのが、足元の大地のリアルさだろう。乾いた赤土や湿って硬い黒土だけではなく、雨上がりでぬかるんだ歩道や、河岸の苔むす砂利道、広大だが起伏のある草原、雪深い山間部やトカゲが徘徊する砂漠に、近代化された街などなど、フィールドごとの多彩な“顔”が見える。それぞれのフィールドにおいて地面の描写が変化し、時には腰まで浸かる湿地帯まで登場する『RDR2』が目指すのは、単なるオープンワールドの西部劇アクションゲームではなく、失われたフロンティアの姿をデジタル空間において再現することにあり、それに過去に例がない規模で挑戦していることがわかる。馬や人々が移動することで路面には馬車の轍(わだち)や足跡が残り、小石が転がり落ちたりもする。現実ではあたりまえの、ごく自然で何気ない描写だが、これをオープンワールドの空間内で再現することへの労力は、想像を絶する。省略してもいいような現象に心血を注ぐ姿勢が、このゲームに圧倒的な説得力と没入感を持たせている。
 よく言われることだが、作品の魂は細部にこそ宿る。その細部へのこだわりが、いかに深いかで作品への愛情も伝わるのだ。読者の皆さんもぜひ、今回のゲームプレイ動画では足元に注目してほしいと思う次第である。

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 主人公アーサー・モーガンにも注目しよう。動画ではのっけから荒っぽい脱獄からスタートするが、アーサーのルックスには、筆者的にはこれまでの主人公には感じなかった魅力がある。

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 それはズバリ、“腕毛”だ! まくり上げたシャツの袖からモッサリと生えた男らしい腕毛が、動くたびに空気抵抗によってそよぐのである。この腕毛表現で、ミドルエイジのガンマンが醸し出すマッチョ感が倍増している。いや真剣な話、ここでも細部の表現が重要になるのだ。

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 衣服はシャツ、サスペンダー、ガンベルト、ジャケット、カバンなどの持ち物が、それぞれかなり作り込まれたパーツとして独立していることもわかる。衣服は汗ばめば染みができるし、ぬかるみに転がれば泥だらけ。乾いた荒野では砂だらけになる。皮革製は革らしく、安い生地やペナペナといった具合に、着ている服や装飾品のディティールを見るだけで、だいたい相手がどういう立場なのかがわかるだろう。単なるキャラクター分けの記号という意味ではない。そこでは、ワールドの中で暮らしている膨大な数の人々の身分や階級が、ある程度見ただけで判別できるという作り込みが重要なのだ。100年前の北米大陸で実際に暮らしていたであろう人々と彼らを取り巻く文化、風俗、音楽や娯楽といったサブカルチャーが徹底的に再現されているところも、今回の動画で確認できるポイントだ。

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 腕毛以外にも、中年男のでっぷりとした腹肉(単なる太ったキャラではなく、ぜい肉に重心感がある)、男たちの汗の匂い、厚化粧のおばさんの香水の匂いまで思わず感じてしまうのは、ロックスター・ゲームスがつねにこだわっている“空気感”が、今回も存分に発揮されている証しなのだ。

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世紀末無法者伝説・序~名誉レベルと社交システム

 今回の動画で明らかになったもうひとつの重要な要素としては、主人公アーサーが所属するダッチギャングと、アーサー自身を取り巻くさまざまなシステムについてだ。ハンズオフ・リポートで解説した野営キャンプについても、よりくわしく触れられている。キャンプでは、食事やミッションの受託、狩りやゲームまで、生活拠点としてだけでなく、アーサー(=プレイヤー)の行動によって評価が変わる“名誉レベル”とも有機的に連動していることが説明されており、キャンプに食料を調達したり仲間を助けたりするだけでなく、フィールドで出会う人々たちと、どのように交流するかでも、名声レベルは左右される。

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 ミニゲームやランダムミッションはこれまでの『GTA』シリーズでもおなじみのシステムだが、これらがさらに大きく進化したと解釈できるのが、名誉レベルだ。たとえば、突発的に目の前で発生した騒動に対し、加担するか無視するかはプレイヤーの自由だ。加担にも、どちら側に付くか? に始まり、最初から銃を抜いての喧嘩腰をとるのか、それとも穏便に平和的解決をするか、選択ができるし、行き交う人に対しても友好的に挨拶したり、無視したり、喧嘩を売るのも、すべてみずからで判断できる。保安官を説得したり威嚇射撃で脅したり、ブン殴って言うことを聞かせるなどなど、動画でもじつに多くの行動と、それに伴う選択肢が用意されていることがわかる。

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 前作の主人公ジョン・マーストンが所属していたころのダッチギャングは義賊として名声を轟かせていたが、それ以前は、どのような存在だったのか? 今度はその名声を、我々プレイヤーが作り上げることになるのだ。ケンカや恐喝といった悪事を働いたり、仲間を助けたり見捨てたりすることで変化する名誉レベルが、今作ではゲームプレイにどのように関わってくるのか、さらなる続報に期待したい。

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ワクワクすぎる『RDR2』動物ランド

 今回のインプレッションの締めを飾るのは、やはりマップに生息するさまざまな動物たちだ。動画ではワニ、トカゲ、クマ、コヨーテ、ウサギ、ヘラジカ、そして馬といった動物が確認できた。また、狩猟で食料を調達したり、獲物を売ることができるシステムも解説されているが、こと狩猟に関しては、通常のガンファイトとはまったく違うことが動画で確認できる。このシステムのベースには、『GTAV』のトレバー限定アクティビティだったハンティングがある。トレバーのハンティングでは、単にライフルを構えるだけでなく、風下に立ち、犬笛を駆使し、ステルスを維持することで初めて狩りに成功するものだ。しかも、仕留めた部位が悪ければ獲物の買取報酬も下がる。トレバーのハンティングのアクティビティ自体が、前作の『RDR』のシステムから取り入れられたものだと考えれば、今回は狩猟が具体的にどれほどの進化を遂げるのか、非常に気になるところだ。男なら、狩猟を極めてナイフ1本でワニやクマを倒したいものである。

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 多種多様な生態系を誇る『RDR2』の世界でも、もっとも心血が注がれているのが“馬”である。馬に対する作り込みとこだわりは、本作が馬を育成するゲームとしても最高品質を目指している証明でもあるだろう。美しい鬣(たてがみ)とその質感、走るフォームの美しさだけでなく、愛情を深めることで芸を仕込んだり、戦闘場面においても銃声に怯まず突進してくれるようになるなど、クルマのカスタマイズと似ているようでまた違う、相思相愛のような関係性が生まれるのは、ほかのゲームにはない特徴のひとつではないだろうか。また、新要素として、目的・用途に応じた馬が用意されている点にも注目したい。動画では運搬用の体躯の大きい馬が確認できたが、『GTA』における60Seconds的な、馬探しミッションなどがあるのかもしれない。

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 馬において、移動手段以上の進化はほかにもある。鞍やサドルバッグに狩猟で捕らえた獲物の運搬や戦利品(長モノのライフルなど)の収納にも使えるので、その使用頻度と重要性は爆発的に向上したと言える。また、動画では倒した野生動物の比較や肉を売って現金を調達したり、現金の使い所として銃砲店や酒場や日用品を扱うマートなどが紹介されているが、現金取引は本作のゲームプレイにおいても生命線だろう。強盗をやるための弾を買うにも、金がいる。ワニ革だったらいくらで売れるのか? 早くも筆者の中で(文字通りの)皮算用が始まっている。

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つぎの情報はいよいよ銃撃戦に

 今回の動画では、銃火器類の描写や戦闘シーンに関してはさらっと触れられている程度であるが、それでも注目すべきポイントは多い。先にも触れたガンベルトやナイフケースなどの、武器周りの装飾のディテールは過去最高クラスだ。戦闘時においては、武器の構えや射撃時のモーションの進化に目を奪われがちだが、ハイスピードなデッドアイやキルショット・カメラなど、これまでにロックスター・ゲームスが送り出したガンファイトの総決算的な仕上がりとなっている。

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 動画の最後で少し触れられている次回予告では、戦闘をメインで紹介してくれるとのこと。これから2018年10月26日の発売を前に、急ピッチで情報が投下されるのは間違いない。また新しい情報が入り次第お伝えするので、今後もさらなるニュースに期待したい。

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 あと、予習と復習を兼ねて『レッド・デッド・リデンプション』をプレイしておくと、なお盛り上がるぞ! と付け加えておきます!

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