ふつうの洋服がいちばん好きです

 2015年3月12日に発売が予定されているコーエーテクモゲームスのプレイステーション Vita、プレイステーション・ポータブル用ソフト『遙かなる時空の中で6』。本作は、“和風”の世界観が魅力のひとつである女性向け恋愛ゲームシリーズの最新作で、主人公の女子高生・高塚梓が異世界の大正時代、“帝都東京”にタイムスリップし、帝国軍と“鬼の一族”の抗争に巻き込まれるというストーリーが展開する。ここでは、“片霧秋兵”を演じる岡本信彦さんへのインタビューをお届けしよう。

『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 岡本信彦さんに聞く片霧秋兵のフェミニストならではのモテポイントとは_01

――アフレコを終えてのご感想をお願いします。
岡本信彦(以下、岡本) 今回、キャストはそのままにキャラクターが一新されるということで、「どんなキャラクターをやるんだろう」という僕自身の率直な気持ちがファンの皆さんの気持ちといっしょなんじゃないかなと思います。実際にプレイしたら「この人がこんなキャラクターをやるんだ」というのがおもしろくなると思うので、客観的にはそれがいちばん楽しみです! 僕のキャラクターはその中でもお父さんが厳しい人でして……。斉藤次郎さんが声優を担当しているんですが、いま外画(海外作品)でレギュラーをごいっしょさせていただいていて、「今後、お父さん役をやるから」と言われました(笑)。次郎さんは吹き替えをメインにやっていらっしゃるイメージだったんですけど、そんな方がゲームをやってくださるというのが『遙か』のすごさだなと思いました。そのお父さんが重要な役どころになってくるので、息子としても見届けたり、見届けたりしています。

『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 岡本信彦さんに聞く片霧秋兵のフェミニストならではのモテポイントとは_06
▲片霧秋兵(かたぎり しゅうへい) 26 歳 帝国軍・精鋭分隊副隊長
「さあ、この手をとって 恋のレビュウを始めましょう」
 対怨霊討伐組織、精鋭分隊の副隊長。 また、帝国軍の最高権力者・参謀総長の息子でもある。大人の所作を身につけた穏やかな好青年で、主人公を気にかけてくれる。
『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 岡本信彦さんに聞く片霧秋兵のフェミニストならではのモテポイントとは_08
▲片霧清四郎 (かたぎり せいしろう) 秋兵の父

――片霧秋兵の魅力を教えてください。
岡本 お父さんが厳格で、圧迫的な雰囲気でくるので、その中で彼が見出したのが柔らかさが彼にあってですね、その独特の柔らかさが彼の魅力なんじゃないかと思いました。お父さんを見ているからこそ、お父さんとは違ったポジショニングにみずから行こうとしようとしたのかなと思いました。秋兵は帝国軍・精鋭分隊の副隊長をやっていて、その軍の方々やお父さんと会話をするときは凛々しくしようとしているイメージが強いです。もともとは柔らかくて明るい雰囲気なんですけど、つらくなったときは主人公に愚痴を言ったりしてしまうところがあります。全体を通してのベースは柔らかいイメージですね。

――ご自身との共通点などはみつけられましたか?
岡本 甘いものが好きなところですかね(笑)“シベリア”の話をするとき、もともと饒舌な秋兵がさらに饒舌になるシーンがあるんですけど、心から語りたいから語るというイメージの饒舌になっていくさまが、僕もチョコレートとか好きなものに対しては饒舌になっていくので、リンクしましたね。

――岡本さんが大正時代に行けたとしたら、行ってみたいことやってみたいことはありますか?
岡本 当時の演劇を観てみたいですね! 当時の雰囲気って現代とは違いそうですし。劇団に入るというよりは、観ていたいです(笑)。言葉遣いもいまとだいぶ違うと思うので、中に入っても矯正から始まりそうです。「お前の喋り方はなんだ!」って(笑)。街並みだと、いちばん違いそうなのは新宿ですかね。いまの新宿と大正の新宿ってだいぶ違うんだろうな……というか、新宿自体がなさそうですけど(笑)。いまの新宿になるところを見てみたいです。

――岡本さんは“和”と“洋”のどちらがお好きですか?
岡本 お菓子に関しては洋のほうが好きですね! 和菓子も好きなんですけど、クリスマスや誕生日に持っていくとしたら、ケーキなどの洋菓子ですし。

――ちなみに……女性が着るなら和装と洋装のどちらがお好きですか?
岡本 和装ですかね。洋装って貴族の洋装のことですよね? 現代のふつうの洋服だったら、ふつうの洋服のほうがいいです(笑)! ドレスなどの洋装だったら浴衣とか和服のほうがいいんですけど、ふつうの洋服がいちばん好きです(笑)。

『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 岡本信彦さんに聞く片霧秋兵のフェミニストならではのモテポイントとは_02

――片霧秋兵の魅力を教えてください。
岡本 お父さんが厳格で、圧迫的な雰囲気でくるので、その中で彼が見出したのが柔らかさが彼にあってですね、その独特の柔らかさが彼の魅力なんじゃないかと思いました。お父さんを見ているからこそ、お父さんとは違ったポジショニングにみずから行こうとしようとしたのかなと思いました。秋兵は帝国軍・精鋭分隊の副隊長をやっていて、その軍の方々やお父さんと会話をするときは凛々しくしようとしているイメージが強いです。もともとは柔らかくて明るい雰囲気なんですけど、つらくなったときは主人公に愚痴を言ったりしてしまうところがあります。全体を通してのベースは柔らかいイメージですね。

――ほかのゲームやアニメ作品にも多数出演されていると思いますが、そんな中で岡本さんが感じられる“ネオロマンスらしさ”とは何でしょう?
岡本 最近は奇をてらった作品が多い中で、『遙か』はどっしりしているなというのが第一印象でした。ストーリーの根幹は悪いやつをやっつけるという王道の展開なんですけど、その中にも繊細な伏線やキャラクターの思いとかがあるので、感情の動きも含めて“ザ・王道”のイメージですね。王道がないと始まらないですから! 王道をやらなくなっちゃうと何でもありになっちゃいますし。王道ができる『遙か』だからこそ、これからもずっと王道でどしんと構えていてほしいなと思います。

――秋兵の“モテポイント”を教えてください!
岡本 秋兵は、もし現実世界にいたらいちばんわかりやすいモテかたをすると思います。まずコミュニケーション能力が高いですし、相手の気持ちになって考えることももちろんできますし、イメージはイタリア人みたいな(笑)。フェミニストな気がします。口説き文句をよく言うんですよね。日本人らしからぬ、出会えば「姫君」と言ったり、遠回しに「あなたは美しい」みたいなことを言ったり、いきなり西洋劇のセリフを言い出したり、そういうところが日本人にはない感覚だなと思います。大正ならなおさらなんじゃないかな。

――優しいのは主人公限定なんですか?
岡本 本来は全員に対してだと思ったんですけど、実際に演じてみると主人公に対してがいちばん優しかった気がします。きざなセリフは断然主人公に対してしか言わないですね。ほかの人に対しては物まねするくらいですかね。口調を真似るおちゃめな一面もあります。

――秋兵を演じる際、とくに意識したことはありますか。
岡本 柔らかさかもしれないですね。どことなく優しい、柔らかな雰囲気だったり。主人公も感じているのが柔らかいけど寂しいだったりするので、柔らかさを重要視しました。

――『5』と本作『6』のキャラクターでギャップは感じましたか?
岡本 『5』の沖田(総司)くんは感情がないところからスタートして、感情が芽生えるところがゴールなイメージだったんですよ。今回はスタート時点で優しさや楽しさ、喜びといったプラスの感情を表面上に出してから、主人公に対して弱みを見せて愚痴を言ったりするという、逆のイメージでしたね。はりぼてのような柔らかさから、主人公と恋愛をすることによって出てくる悲しさやつらさが印象に残りました。僕自身は秋兵のほうが共感はできました。沖田のような人はあまり見たことがないので、実際にいたら見てみたいのは沖田のほうです。

『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 岡本信彦さんに聞く片霧秋兵のフェミニストならではのモテポイントとは_03

――大正時代にタイムスリップするとしたら、どんな仕事に就きますか?
岡本 大正時代だったらまだマジックも浸透していないと思うので、大道芸をやってみたいです(笑)。

――では、ほかの時代にタイムスリップできるとしたら、何時代に行きますか?
岡本 いちばん行ってみたいのはジュラ紀です! 恐竜がいる時代に行って、実際はどういう色だったんだろうとか、本当に羽毛なの?のかとか、実際のところどうだったのかを確かめたいです。上空から(笑)。ウルトラサウルスという首の長い恐竜がいて、全長が大きいイメージだったんですけど、2000年を超えたあたりから首が持ち上がらない理論が出てきたりして(笑)。じゃあどうやって生きていたんだろうとか、おもしろいなぁと思いました。

――本作のキャラクターはそれぞれ特殊な力を持っていますが、岡本さんは特殊な力が手に入るとしたら、どんな力を手に入れたいですか?
岡本 子どものころは風を動かしたり、竜巻を起こしたいと思っていました。ただ大人になって考えると、いちばんほしい能力は……時を止める能力ですかね! 時を止められたら遅刻もしませんし(笑)。

――印象的なセリフやシーンがあれば教えてください。
岡本 頑固ではない秋兵が、終盤で自分の芯を通すシーンが印象に残っています。

――秋兵が仲のいいキャラクターはいますか?
岡本 やっぱり有馬(一)かなと思います。いっしょに同行してふたりだけで過ごす時間は有馬がいちばんあるので、有馬がいちばん仲がいいんじゃないかと思います。有馬の口真似をすることも多かったですね。

『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 岡本信彦さんに聞く片霧秋兵のフェミニストならではのモテポイントとは_09
▲駒野千代(こまの ちよ)

――“白龍の神子”である駒野千代(声:高橋美佳子さん) と秋兵はどのように関わっていくのでしょうか。
岡本 演じている印象では“壁”ですね(笑)。主人公と恋愛したいのに立ちはだかる壁のイメージです(笑)。ちょいちょいグサグサ刺さることを言ってくるので……。

――キャラクターの中で、いちばんモテそうだったり、バレンタインにチョコレートをたくさんもらいそうなのは誰だと思いますか?
岡本 学生生活で例えるなら、本条政虎(声:竹本英史さん)ですかね。不良なほどモテる印象があります。ただし大人になってからだと、初対面でモテそうなのは秋兵じゃないかな。そこがうさんくさくて嫌だという女性もいっぱいいると思うんですけど。表向きは秋兵がモテそうですが、親密になってからは有馬じゃないですかね。

『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 岡本信彦さんに聞く片霧秋兵のフェミニストならではのモテポイントとは_05
『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 岡本信彦さんに聞く片霧秋兵のフェミニストならではのモテポイントとは_07
▲有馬一(ありま はじめ)
▲本条政虎(ほんじょう まさとら)
『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 岡本信彦さんに聞く片霧秋兵のフェミニストならではのモテポイントとは_04
▲高塚梓(たかつか あずさ)

――ヒロインの高塚梓の印象を教えてください。
岡本 今回“黒龍の神子”が主人公であることに皆さんびっくりされたと思うんですけど、“黒龍の神子”って聞いちゃうと強気なイメージがあったんですけど、僕としては千代のほうが強いイメージなんですよね……。たぶん、千代の秋兵に対する当たりが強かったからだと思うんですけど(笑)。もちろん主人公も芯は強い子なんですけど、どちらかというと主人公のほうが柔らかい印象でした。

――あたりが強いというのは……?
岡本 牽制というか、「悪いオオカミだよ」と主人公に言ったり(笑)。千代は千代で梓を見守っているんだと思います。千代は柔らかい印象はなかったので、イラストを見てびっくりしました(笑)。秋兵に対しては強いですね。

――ヒロインの梓は斎賀みつきさんが演じられるんですよね。
岡本 同業者の方みんな言うと思うんですけど、斎賀さんといえば誰よりも乙女チックなイメージがあるんです。なので、梓のような芯は強いけど柔らかいというイメージにぴったりだなと思います!

――最後に読者に向けてメッセージをお願いします
岡本 『遙か6』ということで新しいキャラクターを演じることになりました。最初は後姿だけが公開されていて、「僕は誰を演じるのかな」と楽しみにしていたんですけど、高身長の役どころで…イベントなどではシークレットブーツを履かなきゃなと思いました(笑)。これからもいろいろな展開があると思いますが、まずはゲームを楽しみにしていただきつつ、しばしゲームのプレイまで待っていただけたらなと思います。

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