主人公との恋愛には、“ねじれ”があった

 2015年3月12日に発売が予定されているコーエーテクモゲームスのプレイステーション Vita、プレイステーション・ポータブル用ソフト『遙かなる時空の中で6』。本作は、“和風”の世界観が魅力の女性向け恋愛ゲームシリーズの最新作。主人公の女子高生“高塚梓”が大正時代に似た異世界“帝都東京”へタイムスリップして、帝国軍と“鬼の一族”の抗争に巻き込まれるというストーリーになっている。ここでは、ゲーム内で攻略対象となる新キャラクター“有馬一”を演じる寺島拓篤さんへのインタビューをお届けしよう。

『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 寺島拓篤さんに聞く“有馬一”の“やさしいがゆえにきびしい”キャラクターとは_02

――アフレコを終えての感想をお願いします。
寺島拓篤さん(以下、寺島) またこのメンバーで共演できて光栄でした。『遙かなる時空の中で6』は時代が大正になって、前回とは違った雰囲気の世界観となり、キャラクターの関係性も変わり、新たな気持ちで取り組むことができたので、とても充実した収録になりました。

――ご自身の演じられている有馬一の魅力を教えてください。
寺島 何より、まっすぐなところが魅力だと思いますね。有馬は軍人として確かな地位があり、上からも下からも信頼を得ています。自分の職務に忠実すぎるのがある意味で欠点なのですが、生きかたに“芯”がしっかりあるんです。また、“やさしいがゆえにきびしい”という面も持っています。人にきつくあたっているように見えるのは、彼なりの真面目さが、きびしさという表現に変わっているからなのかもしれません。そこを含めて有馬というキャラクターを愛してほしいです。

『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 寺島拓篤さんに聞く“有馬一”の“やさしいがゆえにきびしい”キャラクターとは_05
▲有馬一(ありま はじめ) 23歳 帝国軍・精鋭分隊隊長
「精鋭分隊だ ――そこを退け」  
 帝国軍の対怨霊討伐組織、精鋭分隊の隊長。 怨霊討伐の腕において、帝国軍内で右に出る者はいない。 軍人らしく、めったに愛想を振り向かない高潔な人物。

――ご自身と、有馬との共通点は?
寺島 ありません、ぜんぜん違います(笑)。彼みたいな強い男には憧れますけどね。

――有馬を演じていて印象的だったセリフは?
寺島 有馬は精鋭分隊という特殊な部隊の隊長にあたるので、隊員に指示を出したり、軍の会議の席で発言する場が数多くありました。ただ“叫ぶ”のではなく、何かを人に伝えるために“しっかりと声を張る”ということがおもしろかったです。

『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 寺島拓篤さんに聞く“有馬一”の“やさしいがゆえにきびしい”キャラクターとは_01

――有馬を演じる際に意識されたことを教えてください。
寺島 前作『遙かなる時空の中で5』で演じた”桐生瞬”とはまた違った“堅さ”が有馬というキャラクターにはありました。軍人らしい信念があるがうえの、フランクに人と接することができない微妙な心の揺れ動きを意識しました。

――前作で桐生瞬を、今作で有馬一を演じたうえで、ギャップなどは感じましたでしょうか。
寺島 ふたりのキャラはだいぶ違っていました。瞬の場合は感情そのものを抑え込まなくてはいけなかったのですが、有馬は表現が無愛想になっているだけで、人への思いやりというものはちゃんと現れているんです。有馬のほうが“ゆとり”があって、表現のしかたが多くて楽しかったですね。

――大正時代で就いてみたい仕事はありますか。
寺島 大正時代って軍人のイメージが強いのですが……僕は軍人はちょっと怖くて無理なので、街でご飯屋さんのお手伝いをしたいです(笑)。

――大正時代は“和”と“洋”が入り混じった印象的な時代ですが、寺島さんは、和と洋どちらがお好きですか。
寺島 どちらも好きです。日本にしかない、和のほうが好きかもしれないですね。

――女性が着るとしたら、“和装”と“洋装”のどちらがお好きですか。
寺島 それもどちらも好きですね。お正月などで女性が振り袖を着たときに、女性が魅力的に映るのであればそれでいいのかな、と。

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――本作は時空移動がキーポイントのひとつになっていますが、ご自身がタイムスリップできるとしたら、いつに行ってみたいですか。
寺島 未来に行ってしまうと先の楽しみがなくなっちゃうので、やっぱり過去ですね。いっそ、縄文時代に行ってみたいです。本当にそんな時代に土器なんか作れるの? と思ってしまいますから。

――いままでのシリーズ作と比べて、『遙かなる時空の中で6』で新しいと思われた部分はどのあたりになりますか?
寺島 黒龍の神子が主人公というのが新しく、おもしろいと思います。黒龍の神子である高塚梓役の斎賀みつきさんが、どんなかわいい女の子を演じているかということも、非常に楽しみですね。

――有馬が心を開いているメインキャラクターはいますでしょうか。
寺島 片霧秋兵(声:岡本信彦さん)にはわりと心を許していますね。有馬が年下の隊長で、秋兵が部下なんですが、仲が悪いということもなく、有馬らしく秋兵のことを大事に思っていることがわかるシーンが多々あります。ほかのルートをプレイしたときに、有馬の違った魅力も見てほしいです。

――ほかにゲームで気になるキャラクターはいますか。
寺島 萩尾九段(声:四反田マイケルさん)です。前作で瞬が星の一族だったので、僕が九段との星の一族的なつながりを感じているところもあります。また、四反田さんが前回演じられていたのはアーネスト・サトウという外国人だったので、今回で日本人を演じられるという“変化”にも注目したいですね。

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▲片霧秋兵(かたぎり しゅうへい)
▲萩尾九段(はぎお くだん)

――ちなみに、バレンタインにいっぱいチョコレートをもらいそうなキャラクターは誰だと思いますか。
寺島 ダリウス(声:鈴村健一さん)です。蠱惑(こわく)的ですよね。独特の人を惹き付ける色気があり、ビジュアルも文句なく格好いいですし、やっぱりモテるんじゃないですかね。有馬もモテるはずなのですが、彼自身があまり人と接することをよしとはしない人物なので、なかなかそうはならないですね。秋兵もモテますよ。

――今回のヒロインである高塚梓(声:斎賀みつきさん)の印象を教えてください。
寺島 斎賀さんは、高塚梓の女性的な心情を見事に表現されていました。ひとりのかわいい女の子として、しっかりと接することができましたね。

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▲ダリウス
▲高塚梓(たかつか あずさ)

――有馬一と、高塚梓との恋愛をひと言で表すとどうなりますか。
寺島 若干、その関係に“ねじれ”があったという印象です。反発し合っているというほどでもないのですが、平行でもないし、交わっているわけでもない、ある意味では子どもみたいな恋愛になっているかもしれません。これがもうじれったくて、「なんでもっと早く行かないの」って思っていました。これは、有馬が軍人らしく感情を抑えているせいでしょうね。人を想うがゆえに自分を殺してしまうというのも、有馬らしさなのかもしれません。

――最後に、読者とファンの方々へメッセージをお願い致します。
寺島 おかげさまで、また『遙かなる時空の中で』シリーズのメンバーといっしょに仕事ができました。前作とは時代も違いますし、登場してくるキャラクターも作中での役割がぜんぜん違ってくるので、ひと味ふた味どころか、まったく違った味のストーリーを楽しんでいただけるのではないでしょうか。今回はフルボイスになって、我々役者のお芝居もさらに集中力を増して、密度の濃い音声になっていると思います。ぜひ彼らといっしょに大正時代を生きていただけたらなと思います。楽しみにしてください。

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