その恋愛を一文字で表すと“剛”
2015年3月12日に発売が予定されているコーエーテクモゲームスのプレイステーション Vita、プレイステーション・ポータブル用ソフト『遙かなる時空の中で6』。本作は、“和風”の世界観が魅力の女性向け恋愛ゲームシリーズの最新作。主人公の女子高生“高塚梓”が大正時代に似た異世界“帝都東京”へタイムスリップして、帝国軍と“鬼の一族”の抗争に巻き込まれるというストーリーになっている。ここでは、ゲーム内で攻略対象となる新キャラクター“本条政虎”を演じる竹本英史さんへのインタビューをお届けしよう。
――アフレコを終えての感想をお願いします。
竹本英史さん(以下、竹本) 本条政虎、通称“虎”は難産の末に生まれたキャラクターでした。しかし、いざ生まれでるとすくすくと育ちそうな“いい男”になりました。とにかく早くみなさんにお披露目したくなるようなキャラクターです。
――そんな本条政虎の魅力を教えてください。
竹本 いい意味でも悪い意味でも目立つ存在ですね。通り一辺倒ではなくて、なかなかお目にかける機会がないという、好き嫌いのわかれそうなキャラクターになっています。そういう意味では本当にとっつきにくい子なんですけど、それは外面がそう見えるだけで、内面は自分にウソをつかず、他人にもウソをつかないという、自分に正直な男なんです。そこを周りに勘違いされることもあるけど、あえて否定しない。自分が自分らしく生きるために、ただただ思う道を信じて貫く、というところが魅力ですね。
「ガタガタうるせえな 力ずくでオレの女にしてやろうか」
ダリウスの雇われ人。愛称は“虎”。人並み離れた強靭な肉体を誇り、危険な任務も厭わない。 豪快で傲慢、非常識な言動が多く、邸に同居する主人公を翻弄する。
――政虎の、「とくにこういうところがモテそうだな」、と思うポイントはありますか。
竹本 “ちょい悪”なところですかね。僕からすると、なんでこんなヤツに女の子がキャーキャー言うのか、ただの悪いヤツじゃねえかと、ツッコミたい部分も多々あるのですが(笑)。
――竹本さんご自身と、政虎との共通点は?
竹本 懐に入ると甘いところかな。僕も女性とふたりきりになると相当際どいことを言ったりしますので(笑)。
――政虎を演じていて印象的だったセリフは?
竹本 虎は台本のセリフに “うなり声”とか、“鳴き声”といった指定があって、「何を言っているんだろう、この台本は?」というところでひっかかりました。そこは苦労して演じましたので、実際に虎がどううなったのか、そしてどう鳴いたのかを、ぜひみなさんに聞いていただきたいです。
――政虎を演じる際に意識されたことを教えてください。
竹本 虎が“ヤンキー”タイプであることはずっと意識していました。しかもマンガ的にドスを効かせるのではなくて、本当に恐い感じでやってくれと指定されたので、ほかのキャラと心を通わせるまでは居心地の悪さしか感じなかったです。僕自身、ヤンキーが恐くて苦手なので(笑)。いざ人なつっこさを出そうとすると、まだ早いと指示されたりもして、本当に辛かったです(笑)。
――竹本さんは『遙かなる時空の中で5』では気だるそうな福地桜智というキャラを演じられていましたが、今回の政虎は“俺様”キャラのような印象がありました。政虎を演じられていてギャップを感じたりはしませんでしたか?
竹本 じつは、虎も気だるさは持っているんです。彼は自分が興味のないことに対して、ことあるごとに「だるい」、「たりい」、「うぜえ」と言っています。「俺はやりたいことをやるし、興味のないことしかやらねえ」という、ある意味でイヤな大人なんですよ(笑)。桜智は桜智で、神子に関すること以外はどうでもいいというキャラだったので、けっこうふたりは似たところもありますね。ただ、桜智は初めからヒロインに対して100%ウエルカムで、今回の虎は100%興味ナシという態度を取っています。そこはギャップを感じましたね。
――政虎の物語を漢字一文字で表すと、どのようなものになりますか。
竹本 “単”ですかね。虎は性格的にもやることなすことすべて野生的でわかりやすく、自分のこと以外になかなか興味を示さないんです。それがやがて意外と純粋になってくるところもあります。
――本作の舞台である大正時代は、洋食や、自動車などさまざまな文化や技術が登場した時代ですが、もし竹本さんが大正時代に行けたとしたら、やってみたいことはありますか?
竹本 クルマなどを発明した人のところに行って、投資家として出資したいです。そうすれば、100年くらい経ったいまになれば、大金持ちですから(笑)。
――では、大正時代で就いてみたい仕事はありますか。
竹本 ハイカラヤっていうカフェが作中でキーになるのですが、そこのマスターになってみたいですね。そこのマスターになったら、“認められた”という証拠でもありますから。
――大正時代は“和”と“洋”が入り混じった印象的な時代ですが、竹本さんは、和と洋どちらがお好きでしょうか。
竹本 昔は洋食のほうが圧倒的に好きだったのですが、いまは和食のほうが好きです。大正時代だったら、海もきれいだろうし魚もおいしいでしょうから、なおのこと和のほうがいいでしょう。
――女性が着るとしたら、“和装”と“洋装”のどちらがお好きですか。
竹本 チラリズムに惹かれますから、“スキ”がある洋装です。和装は洋装よりもキッチリしていて、こちらから攻めないとなかなかスキが生まれないので……でも、それも楽しいかな(笑)
――本作は時空移動がキーポイントのひとつになっていますが、ご自身がタイムスリップできるとしたら、どの時代に行ってみたいですか。
竹本 未来に行って、いま僕が関わっているものがどうなっているか、日本がどうなっているかを見てみたいです。過去の日本は刀で斬り合ったりとかしていて、怖いという印象があるので、あまり行きたくはないですね。
――いままでのシリーズ作と比べて、『遙かなる時空の中で6』で新しいと思われた部分はどのあたりになりますか?
竹本 シリーズで初めて“黒龍の神子”側からの攻略ということですかね。黒龍の神子は“白龍の神子”に比べると“陰”な印象があるので、そこで新しさを感じました。
――ゲームのキャラクターはいろいろな特別な力を持っていますが、竹本さんはどんな力を持ってみたいですか。
竹本 “空間移動”をしてみたいですね。飛行機や新幹線を使わずに、思ったところにすぐ行ける能力があれば、最高だなって思います。たとえば、今日のこの仕事が終わったらすぐハワイとか(笑)。その能力があれば人生ハッピーだと思います。
――作中で政虎と仲のよいキャラクターはいますか。
竹本 コハク(声:阿部敦さん)とすごく仲がよいです。虎はコハクに対してはお兄さんっぽく、意外と世話焼きですね。
――ほかにゲームで気になるキャラクターはいますか。
竹本 里谷村雨(声:安元洋貴さん)です。特殊な立ち位置なのがおもしろいと思いましたね。このキャラクターがエンディングに向けてどうなるのかは、すごく興味があります。
――ちなみに、バレンタインにいっぱいチョコレートをもらいそうなキャラクターは誰だと思いますか。
竹本 モテそうなのはダリウス(声:鈴村健一さん)か有馬一(声:寺島拓篤さん)です。でも、ダリウスや有馬はライバルが多いので、オンリーワンを目指したうえで、満足度が高いであろうルードを個人的にはおすすめしたいですね。虎は相手がひとりいればいいようなヤツですから、チョコも誰かがひとつ送ってくれればいいです(笑)。
――今回のヒロインである高塚梓(声:斎賀みつきさん)の印象を教えてください。
竹本 僕は虎というキャラとして作品に関わっていたので、彼女を“なんだこいつ”という目で見ていたかもしれません。ふだんの梓はとてもいい子なので、誤解しないでくださいね。
――政虎との恋愛を漢字一文字で表すとどうなりますか。
竹本 “剛”ですね。虎は最初の印象がとにかく“固い”んです。その剛をみなさんに切り崩していただいて、エンディングまでたどり着いてほしいです。
――最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします。
竹本 今回僕が演じた本条政虎こと虎は、極めてとっつきにくいキャラなので、皆様と仲よくなれるか、自信がありません。しかし、がんばって虎に近づいていただければ虎の内面が見えてきますので、粘り強く、暖かく、虎を愛していただければいいなと思っております。皆様もぜひ、虎と会える日を楽しみにお待ちください。
※関連記事
・『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 安元洋貴さん演じる“里谷村雨”はスタッフみんなで作ってきたキャラクターに
・『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 天真爛漫で素直な“コハク”を演じる阿部敦さんに聞く演技の自由度の高さとは
・『遙かなる時空の中で6』キャストインタビュー 寺島拓篤さんに聞く“有馬一”の“やさしいがゆえにきびしい”キャラクターとは