2026年8月26日~30日にドイツ・ケルンで開催されたgamescom 2026に本作が出展。開発キーマンのふたりに話を訊く機会を得た。バトルシステムや発売に向けた現在地まで訊いたインタビューをお届けする。
阪本寛之 氏(さかもと ひろゆき)
RGGスタジオ所属『ストレンジャー ザン ヘヴン』プロデューサー。(文中は阪本)
阿部幹信 氏(あべ みきのぶ)
RGGスタジオ所属『ストレンジャー ザン ヘヴン』ディレクター。(文中は阿部)
- 欧州でも高まる『龍が如く』人気
- 主人公の成長とプレイヤーの上達がシンクロ。ナラティブと同期する難度設計
- 『龍が如く』の常識をゼロから見直す
- 桐生一馬は最初から強い。大東真は違う
- 人生はひと筆書き
- 5つの時代、5つの街。『龍5』の5倍たいへん?
- 新しい作品、新しい挑戦
欧州でも高まる『龍が如く』人気


――『龍が如く』シリーズはアジアでの人気が強い印象でしたが、ヨーロッパやアメリカの反響はいかがでしょう。
―― 『Yakuza』から『Like a Dragon』にタイトルが変わったあたりで風向きが変わった感じですか。
―― 今回のgamescomでのデモの反響はいかがですか。
ですが、独自操作、いままでと違った操作感で生々しいバトルができるというところはおおむね好評をいただいている印象ですね。
――6月のSummer Game Fest 2026(SGF)でもデモを出展されていましたね。今回はほぼ同内容で?
gamescom版のデモは、SGF版からさらにいくつかブラッシュアップを加えて、ロケーションも少し変えています。SGFでも今回も、「このバトルはエキサイティングだ」という反応をしてもらえています。

ガードの戦略性だったりとか、エネミーAIの動きかただったり、ほんとに細かいんですけども、そこを今回に合わせて調整しました。SGFのバージョンから確実にアップデートできているので、その点も評価してもらえている感触はありますね。
――6月のSGFでは「ボスが強い」という声があったと思うのですが、難易度は変わりましたか。
それ以外の、いわゆる雑魚戦で爽快に倒せるテンポ感みたいな部分はちょっとチューニングして、「こういう感じかな」というのをいままさに試している最中です。
主人公の成長とプレイヤーの上達がシンクロ。ナラティブと同期する難度設計

ダメージ量だったり敵の硬さだったりといった部分で、アクションが苦手な人でもプレイしてもらいたいので、そういう難易度設定はもちろん設けますね。
それ以外にも、さらに初心者向けの救済策のようなものも用意するつもりです。使うか使わないかはプレイヤーにお任せしますが、そこから徐々にデフォルトの操作に慣れてもらうような、間口の広い入り口を用意しようと思っています。
――阿部さんはディレクターの立場から難度設計についてどのようにお考えですか。
主人公・大東真の50年の人生の中で、プレイヤーがすこしずつ上達していく過程と、大東真というキャラクターが物語を通して年を重ね、戦いに慣れていく過程。これがすごくシンクロするような、ナラティブとの同期感をすごく意識して設計しています。
――ゲーム序盤は操作に若干戸惑うかもしれないけど、物語が進むにつれて「あれ、俺、バトルに慣れてきたな、強くなってるな」と実感できるような?
ですが、製品版では、ゲームの中で大東が成長していく過程を、プレイヤーもちゃんと体験できるように設計しています。チュートリアルなどを通して少しずつ慣れていってもらい、操作を意識せずにできるようになったころには、すごく物語に没入できるんじゃないかなと思っています。
『龍が如く』の常識をゼロから見直す

「ミニマップの位置はここであるべきなのか?」とか、本当にそういった根幹的なところをひとつひとつ見直して、丁寧に組み上げていったという感じです。
――ナンバリングで最新の『龍が如く8』ではコマンドバトルでしたが、今回はアクションバトルになりました。このあたりの理由というのは?
ひとりの人生を50年かけて遊ぶうえで感情移入のしやすさを考えると、アクションがベストだろうと。『龍が如く7』、『龍が如く8』をRPGのコマンドバトルにしたのは、パーティーで仲間とともに戦うゲームだったからです。
そういう意味で決まったテンプレートはないのですが、物語にとっていちばん望ましい形を、たとえジャンルを変えてでもゼロから作る、というのが我々のポリシーですね。
――開発もストーリードリブンというか、物語があって、そのドラマをプレイヤーがもっとも効果的に享受できるシステムはどのようなものか、という進めかたなのですね。
桐生一馬は最初から強い。大東真は違う

昔の任侠映画のような“生々しくて泥臭い喧嘩”を取り入れたいと思っていました。桐生一馬は最初から喧嘩がすごく強い前提でゲームを作れます。
でも、幼少期に日本に来て50年かけて成長していくキャラクターが最初から強いとやっぱり説得力がない。素手だけでなく、武器なども通じて、大東がどんな人生を歩んでいくかをプレイヤー自身が決めていけるような設計にしたい、という思いで取り入れたものなんです。
――ゲーム的に野暮な質問だというのは承知の上で……あの、ドスで思い切り刺されても敵の体力がちょびっとしか減らないですよね? ボス戦。
ただ、今回はナンバリングタイトルのような派手なオーラが出たり、スーパーナチュラルな表現に頼ったりせず、“生々しさをどう出すか”をかなり大きなテーマにしていますね。
そういった形で年を重ねるにつれてどんどん強くなっていくように設計しています。実際にゲームを遊んでいくと今回のデモ版よりも納得感はすごく上がっていくと思います。
人生はひと筆書き
このゲームは後戻りができないんです。本当に人生はひと筆書きのようで、「レベルを上げて再挑戦する」みたいなことをすごく排除したゲームになっています。
そのときそのときの選択がすべてで、決定以降は何も変わりません。別のパターンをやりたければ2周目で試してもらう、という遊びかたが我々の想定にいちばん近いのかなと思います。
5つの時代、5つの街。『龍5』の5倍たいへん?
――(笑)。
となると、看板ひとつ取っても時代ごとに使われている文字が違うし、住民の服、お店の様子、建築様式も全部違います。夜になると街灯なんてないエリアは真っ暗になる、といったところも時代に合わせて作っているので、本当に大変です。
――走っているクルマの形も変わってきますよね。
――日本のスタジオが日本の街を作るだけに、細部のリアリティも手を抜けない。
――時代がかなり違うので行ってもしょうがないのかなとは思いますが、現地取材も行かれて?
もちろん町並みはぜんぜん違うと思うんですけど、当地の歴史資料館などを巡ってインプットはすべて行い、そこからどうやってゲームに落とし込むか、すごく時間をかけてやっています。
時代考証の方にアドバイスをいただいたり、東映さんが持つ当時の資料を拝見したりとか、そういった部分はいい協力関係でやらせてもらっていますね。
新しい作品、新しい挑戦

開発としてはいちばん楽しい時期でもあったんですけど、新しい物語と舞台を描くために取材や資料集めをする中で、知らなかった当時の文化などをインプットし、それを自分たちの描きたい世界に落とし込んでいく作業がもっとも楽しくもあり、すごく苦労したところです。
――左右の半身を使い分ける操作やパリィの導入など、新しい戦闘システムへの不安はありませんでしたか。
スクラップ&ビルドをくり返していて、それによって左右のバトル操作もモーションをひとつひとつ撮り直したりしているんです。最初に作ったものを確認して、「やっぱりこれじゃダメだ」と。
ただ、「この新しい切り口は絶対に守ろう」と粘り強くやれたのが、苦労でもあり、価値でもあったのかなと。ダメだったら昔のバトル操作に戻すという保険はありましたが、それだとこのゲームのよさを生かせない。だから本当に、新作のための新しい魅力を生み出す、その戦いでしたね。
――開発的には、2027年1月の発売に向けてRGGスタジオはまさに調整の真っ最中だというところでしょうか?
細かい調整はもちろん、「もっとこういったものがあるといいんじゃないか」というのを、ものすごい熱量の高い状態でいままさに進行させています。発売までの間もまだまだたくさん情報を出していきますので、発売まで、そして発売後も楽しんでいただければと思っています。
――東京ゲームショウでも、今年の目玉になりそうです。
――楽しみにしています、ありがとうございました!

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