集英社ゲームズが“gamescom 2026”に出展する新作タイトル『コンキスタ タイド・オブ・ウィルズ』。中世ファンタジー世界の領主となって世界征服を目指すシミュレーションゲームだ。 大きな特徴は、領民たちが勝手に考えて動くこと。領民たちはそれぞれが持つ個性や習性に従って行動し、経済や社会を回していく。
今回、gamescom 2026出展に先駆け、開発中のバージョンを試遊する機会を得た。本稿では、そんな同作の先行プレイレビューをお届けしよう。

国を動かすのは領主だけじゃない。“情熱”で生きる領民たち
領主となって世界征服を目指すと言っても、領民に対してできることは限られている。基本となるのは建設指示と徴用、そして領民から寄せられる嘆願への返答だ。徴用して部隊を編成した後も、出せる命令は待機や攻撃といった比較的シンプルなものに留まる。

領地内に住居、畑、採石場などの施設を建設できる。効率重視で並べるもよし、景観を優先するもよし。
その一方で領民をはじめとする民草たちはそれぞれの考えで行動する。行商人は各地の需要をモニターし、安く仕入れて高く売れるよう動く。農民は農地で勝手に農作業をして稼ぐ。酒場の噂話を信じて行動する者もいる。それぞれが自分なりの目的を持ち、思い思いに暮らしているのだ。

基本的なステータスから来歴まで、領民にもさまざまなパラメータが付与されていることがわかる。
そう、この世界ではおもに民衆が社会を動かしている。そのため領民たちの行動によって領内の経済や情勢は変化。プレイヤーは、彼らが生み出した流れを見極めながら領地運営を進めることになる。
こうした領民発の行動や提案を、本作では“情熱”と呼ぶ。領民たちはよりよい生活や自分たちの目的を実現するために動き、領主へ支援を求めてくる。プレイヤーは投資などでその情熱を後押しするか、見送るかを選択することになる。

噂話にあてられた民衆。やはり儲け話には抗えない。
そして、この情熱はプレイヤーのゲームプレイにさまざまな影響を及ぼす。試遊では、他領から侵攻を受けた際、科学者たちが率先して「攻城兵器を開発したい」と援助を要請してきた。自分たちの土地を守るため、兵士だけでなく科学者まで結束して立ち上がろうとしているのである。熱い。

存亡の危機に立ち上がった学者たち。防衛設備の研究に励んでくれる。
ただし、領民の情熱がつねにプレイヤーにとって都合のいい結果をもたらすとは限らない。領民たちの動きがクーデターへ発展し、国が分裂してしまうことさえあるという。
とはいえ、クーデターも政治への不満から生まれた“情熱”の一形態だと考えれば、むしろ領民たちがどのように団結するのか興味が湧いてくる。ならばいっそ、彼らの嘆願をことごとく無視する暗君を演じ、その先にどのような未来が待っているのか見届けてみたくもなる。
言いがかりから戦争へ発展。他領との外交は一筋縄ではいかない
おもな勝利条件は、大きくふたつ用意されているという。軍事力で世界を制圧するルートと世界経済を支配するルートだ。手段こそ異なるが、いずれにしても他領を自領の影響下に収めればよいということだろう。
もちろん、世界征服を狙っているのはプレイヤーだけではない。各地を治めるほかの領主たちも、それぞれの思惑で勢力の拡大を目指している。征服されないよう抵抗するだけでなく、ときには積極的に攻め込んでくることもある。外交で折り合いがつかなければ、その先に待っているのは戦争だ。

損害が出ないよう戦闘部隊を率いることも。国防も領主の大事なお仕事だ。
試遊では、領土付近にいた蛮族を排除したところ、「あれ、うちの領民なんだけど?」と主張し、こちら非難してくる国もいた。こちらからすれば、とんだ言いがかりである。仮にそうだったとして、そもそもこちらの領土付近まで入り込んでいたのはそちらでは? こちとら領地運営と領民たちの“情熱”を後押しするのに忙しいのだ。そのような抗議にいちいち付き合っていられない。そんな態度が伝わったのか、宣戦布告を受け、隣国とは戦争状態へと突入した。

仮に自国民だったとしたら、先に侵犯してきたのはそちら。結局ダメじゃない?
こちらとしてはあまり気が進まないが、仕掛けられた以上は応じるほかない。領地内の兵舎で食料、資金、石材、木材などのリソースを消費して部隊を編成。さらに防壁や軍事設備を建設し、敵を迎え撃つための防衛体制を整えていく。

徴兵はお金がかかるし、資源も大量に消費する。もちろん、自領内の人口以上の人数は徴兵できない。

攻め込まれても大丈夫なように、柵や攻撃塔など防衛設備も事前に設置しておく。
敵からの圧がすごかったので、限界まで徴兵して迎撃を開始。部隊に指示を出しながら戦況を見守ることに。当初は威勢のよかった隣国だが、いざ始まってみればあっさり殲滅できてしまった。なんだこいつら、口だけか! ここで情けをかけ、後年また調子に乗られても困るので、しっかり叩いておくべきだろう。
ということで、勢いに乗ったまま敵の本拠地へ進軍。城門を突破して城内を制圧し、有利な立場で和平交渉を進めることに成功。こうしてこちらの勝利で戦争は幕を閉じた。我が領の強さを思い知ったか!

領地間の平野部にて交戦。盾兵、騎兵、槍兵など多様な兵種で攻める。

流れで本拠地も攻略。城門さえ突破すれば城内の制圧は容易いものだった。

戦争は終わらせかたも大事。より有利な条件で和平を成立させたい。
試遊ではこうして戦争まで体験できたが、製品版では外交の幅がさらに広がるとのこと。武力に頼るだけでなく、さまざまな方針で世界征服を目指せそうなのも楽しみなところだ。
なお、1セッションのプレイ時間は約2~6時間を想定しているという。マップの広さをどう設定するかでプレイ時間は変わるという。領民たちの“情熱”に振り回されながら、運営方針を変えて何度も世界の行く末を見届けたくなる作品になりそうだ。