2022年11月25日、26日に東京ガーデンシアターで行われた『NieR:Automata』(ニーア オートマタ)のファンイベント“NieR:Automata FAN FESTIVAL 12022 壊レタ五年間ノ声”。本イベントは開発陣や声優たちによるトーク中心のトークステージと、朗読劇と楽曲演奏が楽しめるコンサートステージの2部構成。本稿では、初日となる11月25日の模様を中心に、26日の模様も織り交ぜてリポートする。

 写真も多く長めの記事だが「気合いで何とかして」。

 本稿にはネタバレがあります。ゲームプレイ前の方、配信のアーカイブで鑑賞しようと思っている方はご注意ください。

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『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
コンサートステージアーカイブ配信(有料配信)
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人類会議(居酒屋)からバンカー(ステージ)へのムチャ振りでスタート

 トークステージではまず、『NieR:Automata』プロデューサーの齊藤陽介氏の行きつけの居酒屋に集結した『NieR:Automata』4トップ(プロデューサー:齊藤陽介氏、ディレクター:ヨコオタロウ氏、サウンドディレクター&コンポーザー:岡部啓一氏、シニアゲームデザイナー:田浦貴久氏)が今回のファンフェスについての思いを語る“人類会議”の様子を収めたオープニングトーク映像からスタート。

 その映像の中でヨコオ氏は「ふつうにコンサートをやるんじゃなくて、いろんなものを絡めた、ショーみたいなものをやりたいなっていう気持ちがずっとあって。それはいままで続いている『NieR』コンサートと同じなんですけど、その限界の壁を超えるために、ライティングとかいろんなステージ演出も含めた、ワンランク凝ったものをやれるといいな、と思って壱岱さんにお願いしたんですよね」と、演出を松多壱岱氏に依頼した意図を真面目に説明。

「これが最後のファンフェス、つまりFF!」「人類に日本酒あれ!」

 
 それから2時間後……。いよいよ酔いが回ってくると、ヨコオ氏は「僕らの寿命的にもはや(今回のファンフェスが)最後だと思うので、これが最後のファンフェス……ファイナルファンフェス……つまりFFですよ!」(一同爆笑)、すると齊藤プロデューサーも「でも、FFI、FFII、III、IV、V、VIみたいにさ(ナンバリングにすれば何回もできるよ?)」(再び一同爆笑)といった酔っ払いトークが炸裂。

 そんな人類会議(居酒屋トーク)からバンカー(ステージ)への指令として、ヨコオ氏は「そろそろファンフェスティバルの開会式を、声優のあきやまかおるさんにお願いしたいと思います。感動的なオープニングをお願いします。よろしくおなしゃす!」とオープニングトーク映像でムチャ振り。

 そんなムチャ振りで映像が終了すると、戸惑いの表情を浮かべ、ヨコオ氏に毒付き、手には封筒を持ったあきやまかおるさんが恐る恐るステージに登場。

 封筒に入っていた手紙の冒頭には「つぎの文章をすべて声に出して読んでください。指令:人生でもっともかわいらしい声で」という一文が。

 この指令に呆れつつもあきやまさんは覚悟を決め、「アタイ、ポッド153役のあきやまかおる! アタイ、この日をず~っと待ってたんだ。というわけで、“NieR:Automata FAN FESTIVAL 12022 壊レタ五年間ノ声”、ここに開会を宣言させていただくにゃ~ん!」と高らかにファンフェスの開会を宣言した。

 ちなみに、開会宣言(ムチャ振り込み)の担当は公演ごとに異なり、26日の昼公演(Day2-1)は岡部啓一氏(世界のOKABE改め噛み噛みOKABE?)、夜公演(Day2-2)はポッド042役の安元洋貴さんだった。岡部氏には絶対に噛まないで開会宣言を、安元さんには狂気を感じるような声で開会宣言を読んでください、という指令が出されていた。

『NieR Replicant ver.1.22』が150万本、『NieR:Automata』は700万本を突破

 開会宣言が終わると、改めてプロデューサー:齊藤陽介氏、ディレクター:ヨコオタロウ氏、サウンドディレクター&コンポーザー:岡部啓一氏、シニアゲームデザイナー:田浦貴久氏が登壇。

 そこで『NieR Replicant ver.1.22474487139...』の全世界累計出荷&ダウンロード販売本数が150万本、そして『NieR:Automata』は700万本を突破したことが発表された。

「ついに田浦貴久が700万本の男になりました」(齊藤陽介氏)。

 発売から5年を経て、ジワジワ販売本数を積み上げている『NieR:Automata』。少しずつだがまだまだ数字は伸びそうだ。

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
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「田浦さんがセクシー過ぎる」は民意

 今回のファンフェスは、エミールヘッドがデザインされたペンライトによる演出も特徴のひとつ。『NieR』コンサートでは初めての試みということで、コンサートの前にテストをする流れに。そこでイジられるのは700万本の男になったイケメン田浦氏。ヨコオ氏はおもむろに会場に向かってつぎのようなアンケートを実施した。

ヨコオ 今日の田浦さんの格好が、「ホストっぽくてセクシーすぎる、いやらしすぎる」と思った人は赤。「爽やかだね」と思った人は白。ということでどちらかの色を点灯して、多数決を採りたいと思います。いいですか? それではいきますよ? では、赤か白、どちらかを点灯してください。お願いします!

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度

●●●●●一斉に点灯する赤い光●●●●●

齊藤 赤多すぎだろ!

岡部 真っ赤。

田浦 いやいやいや。

ヨコオ これが民意ですね。

※ペンライトの色や明るさは演出側の送信機から無線で信号を送ることで変えることができる仕組み。

『NieR:Automata』打ち上げ旅行「北海道でイクラ弾幕を食べるぞ」ツアー2022の思い出

 
 続いては、『NieR:Automata』発売後から延び延びになっていたという打ち上げ旅行の写真リポート。ホテルの予約など旅行のもろもろはヨコオ氏みずからが手配したという。そうした手配に慣れてないこともあり、「何も考えずに、部屋を2名と2名で分けていたんですけど、片方がダブルベッドっていう驚愕の(事実が発覚)」(ヨコオ氏)というエピソードを披露したところで、時間が押しているということもあり、せっかくヨコオ氏が用意した写真も数点公開されただけで、光の早さでつぎのコーナーへ……。

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『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
26日Day2-1ではヨコオ氏のスマホに保存されていた5年分の写真の中から抜粋された“オートマタ5年間の適当写真”が披露。

『NieR Replicant ver.1.22』の思い出は「(ヨコオさんが)何かあるたびにイジってくるのですごく、やりづらかった」(伊藤ディレクター)

 ここで開発側のゲストとして『NieR Replicant ver.1.22474487139...』のディレクター:伊藤佐樹氏(トイロジック)が登壇。

 トークテーマで“ヨコオ氏への文句”というお題では以下のやり取りが。

伊藤 何かあるたびに、いじってくるのですごく、やりづらかったです。あとウチの社長もいじるんですよね。(岳 洋一社長が)もともとキャビアという『NieR Replicant』を作った会社でいっしょだったみたいで。

ヨコオ それだけ聞くと、若手を中年のオッサンのヨコオがいじっているみたいに聞こえますけど、違うんですよ! 伊藤さんと初対面のとき、顔を血だらけにして絆創膏だらけで現れて、しかもそれには何も触れずに打ち合わせを始めようとして。「え!? どういうこと!?」みたいな感じで、たまらず突っ込んでしまったという、そういう流れです。

伊藤 あれは酔っぱらって、スッ転んで、その翌日でした……。

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
『NieR Replicant ver.1.22474487139...』のディレクター:伊藤佐樹氏(トイロジック)

 真面目そうに見えて意外に酒乱(?)。

 そんな伊藤ディレクターは、「他社のIPで何か開発するとしたら何がやりたいか?」という質問にはスクウェア・エニックス(当時はスクウェア)から発売されたアクションRPG『デュープリズム』を挙げた。

伊藤 ぜんぜんリメイクされる気配もないですし。リメイク、もしくは続編をやりたいです。

齊藤 今日はウチの社長の松田(松田洋祐氏)もどこかにいるはずなので、強くアピールしてもらえれば(笑)。

 という流れですかさず田浦氏が「僕は『アストロノーカ』がやりたいです!」と齊藤氏が初めてプロデューサーとして携わった作品をあざとくアピール。でも『アストノーカ』はたしかにいいゲームです。

 開発陣によるトークステージも時間の都合でここまでで終了。

 なお、26日のDay2-1の開発ゲストは『NieR Re[in]carnation』(ニーア リィンカーネーション)の松川大地ディレクター(アプリボット)。Day2-2は2023年1月に放映が開始されるアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』の益山亮司監督。

 そのときのやり取りの一部も以下に紹介しよう。

松川Dが考える旧世代クリエイターを倒す方法は?

 松川ディレクターには、ヨコオ氏のような旧世代のクリエイターを滅ぼす方法は? というお題が。

松川 僕は納期を守って仕事をする。そして信頼を獲得して(旧世代の)居場所をなくします。

齊藤 それじゃあ、ヨコオさんが納期をぜんぜん守らないみたいじゃない!(笑)

田浦 ディスられていますよ、ヨコオさん(笑)。

ヨコオ (先輩が後輩に諭すような優しい口調で)松川、大切なのは納期じゃなく、お客様だよ?

 と、もっともらしい(?)コメント。

ヨコオ 会場の皆さん、いまのは拍手するところですよ? もう一回、言います。大切なのはお客様だよ?(笑いと拍手)

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
『NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)』のディレクター:松川大地氏(アプリボット)

『NieR:Automata Ver1.1a』よりリリィが公開

 益山監督は、アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』の新情報として『NieR:Automata』のベースとなった『舞台ヨルハ』の登場キャラクターリリィのビジュアルを初公開。ただ、『舞台ヨルハ』はゲーム本編の前日譚(A2が生き残った真珠湾降下作戦を描いた物語)を描いており、リリィはゲーム本編には登場しない。アニメでは真珠湾降下作戦も描かれる……!?

ヨコオ ということはアニメでは真珠湾でキャラクターたちの水着回が期待できると、そういうことですね?

(会場からまばらな笑い)。

ヨコオ ……いますごい冷えた笑いが客席に広がるのを感じました(笑)。

益山 拍手がひとつもなかったです(笑)。

齊藤 声って重要じゃないですか。リリィの声はいまイケイケの種崎敦美(崎はタツサキ)さん。なので、重要な立ち回りをするんじゃないですか?

田浦 期待ですね。

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
画面向かって右端が益山亮司監督。登壇はせずパネルのみの出演という、ヨコオスタイル。
『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度

ヨコオ (公開された)このキービジュアルって、どういう意味があるんですか? コンセプト的に。

益山 リリィの左斜め上を見ていただけると、リリィのいる場所が檻に囚われているようなニュアンスも見て取れたり、そのリリィが何か希望を見ているようなニュアンスも取れると思います。

 キービジュアルの上の白いものは羽だという。これは何を意味するのか……!? ゲームとは違った内容になりそうなアニメも見逃せない。

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『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
来場者プレゼントも。抽選のクジを引き、キャッキャする開発トップな方々。

配信では流れなかったお祝いメッセージには狩野英孝さん、えなこさん、そして吉田直樹氏も

 ここで配信では声優パートへの準備のため蓋絵になっていたが、会場では配信で『NieR』シリーズもプレイしているお笑い芸人の狩野英孝さんからのビデオメッセージが流れた。

 狩野さんはスクウェア・エニックスの配信番組“狩野英孝のクリティカノヒット”で初めて『NieR Replicant ver.1.22474487139...』をプレイしたのが『NieR』シリーズとの出会いだったそうで、そこから狩野さん自身の配信チャンネル“EIKO!GO!!”で『NieR:Automata』もプレイ。

 『NieR』シリーズについては「映像も綺麗ですし、ストーリーも最高ですし、出てくるキャラクターみんな魅力的」と絶賛。

 また、配信をしていて感じたのは「この作品を愛している人たちがたくさんいるんだな」ということだったそう。『NieR:Automata』はまだ1周終わったあたりで「(1周目終わった時点では物語は)ほんの一部なだけで、まだまだ続くというふうに視聴者の方々に教えていただいていますので、引き続きYouTubeでやっていこうと思います」と意気込みを語っていた。

 ちなみに、26日のDay2-1はコスプレイヤーのえなこさん。2Bのコスプレも披露したことがあるえなこさんは、「これまで3~4回くらい2Bのコスプレをしたんですけど、コスプレをする度にウィッグを新しく買ってセットし直して」と、かなり2Bのコスプレにはこだわったという思い出を披露。ゲームでの思い出については、(大きなネタバレ以外でピックアップすると)“記憶喪失”(友人を殺した犯人捜しを依頼されたが、その犯人は……という内容)というサブクエストを挙げていた。「(犯人と似たような任務を受けている)2Bってどんな気持ちだっただろう……と思いました」

 26日Day2-2は『FFXIV』プロデューサー兼ディレクター、『FFXVI』プロデューサーの吉田直樹氏。『FFXIV』には『YoRHa: Dark Apocalypse』という『NieR:Automata』とのクロスオーバーコンテンツが存在するが、その実現のためヨコオ氏と会ったときに言われた「正気ですか!? 『FF』シリーズを壊そうとしていますよ」という言葉がいまでも忘れられないという。
 
 ちなみに、その際に交換条件を提案され、それはまだ現在進行形とのこと。「皆さんとまた何か盛り上がれることができたらいいなと思っています」と今後のさらなるコラボに含みを持たせた。

声優トークパートでは爆笑の朗読劇も

 声優陣によるトークパートでは、2B役の石川由依さん、A2役の諏訪彩花さん、ポッド042役の安元洋貴さん、ポッド153役のあきやまかおるさん、エミール役の門脇舞以さん、青年ニーア役の遊佐浩二さん、ヨナ役の野中藍さんが登場。

 安元さんを進行役にトークが進められた。

 会場(東京ガーデンシアター)を見渡した石川さんは「私は(2016年に六本木のEX THEATER ROPPONGIで開催された)『NieR』の初めてのオーケストラコンサート、“滅ビノシロ 再生ノクロ”に出させていただいていて。そこで2B役っていう発表があったんですけども。そこから、コンサートをやるたびに、会場が大きくなっていって。今日この会場8000人くらい? 入る会場ということで。『NieR:Automata』も、すごく大きくなったなと」と感慨深い表情で5年間を振り返った。

 これにあきやまさんも「これだけの人が集まる作品に……。しかも5年後に、なるとは」と賛同。「本当に最初に収録したときは、(ここまでのヒットになるとは)誰も思わなかったと言うとちょっと失礼ですけど、本当に作る側の愛情と、皆さんの愛情がここまで大きくしたんだなと思っています」(あきやまさん)。

 『NieR』コンサートの出演はしばらくぶりとなる諏訪さんは「今日、こうして皆さんといっしょにこの舞台に立ててうれしいです。ありがとうございます」と挨拶。

 『NieR Replicant』(『NieR Replicant ver.1.22』含む)で青年ニーアを演じた遊佐さんは、2年前の“NieR:Theatrical Orchestra 12020”が『NieR』のイベントとして出演する初めてのコンサートだったが、それは新型コロナの影響で無観客に。今回、観客で埋まった会場を見渡して「これだけ多くの方に応援してもらっているのは、非常にありがたい思いです」と感謝。

 同じく『NieR Replicant』からの出演となる野中さんは「『オートマタ』さんの5周年のお祝いに駆けつけた、という気持ちもありつつ。『NieR』シリーズを12年前から応援してくださっている方もいらっしゃると思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」とこちらも謝意を述べた。

 『NieR Replicant/Gestalt』、『NieR:Automata』の両作に出演する門脇さんは、「今日はどっちの顔をしていいものか(笑)」と苦笑しながらも「『NieR:Automata』で仲間が増えて、ついにヨナさん、ニーアさんといっしょにこのイベントのステージに立てて本当にうれしいです!」と、出演陣の皆さんは感謝感謝の挨拶となった。

「個人的な感想は、やらないほうがいいヤツ」(安元さん)という問題の朗読劇も

 そんな声優陣の挨拶で会場があたたかい空気になった後は、『NieR』シナリオ班書き下ろしのトークパート用の朗読劇がスタート。

 こちらはコンサートの朗読劇とは違い、おとぎ話をベースにした『NieR』の世界観とは真逆のコメディ。そのあまりにもあまりな内容に、台本を読んだ『NieR』の世界観が好きすぎる安元さんは「個人的な感想はやらないほうがいいヤツ。一生やらなくていいヤツ」と苦々しくコメント。しかし、観念して「演者もなかなかの熱を持って本日来ておりますが、その演者の意気込みの腰を折る、酷い朗読をいまからやりたいと思います」と宣言して朗読劇が始まった。

 むかしむかし、あるところにニーアとヨナ、そして鏡の中にいるシロが平和に暮らしていた。

 ある日、ニーアはシロに「世界でいちばん美しいのは?」と質問する。ヨナという答えを待っていたニーアだったが、シロが答えのは「赤い頭巾の少女とオオカミ」だという。

 それに大きなショックを受けるニーア。

 その様子をどこから見ていたのか、突然狩人のエミールが現れ、「ニーアさんは、僕が知っている世界一カッコイイ人。その妹であるヨナさんが、世界一美しい人じゃないなんておかしいです!」と力説。

 「だから、(赤い頭巾の少女とオオカミを)狩りに行きましょう!!」

 ニーアは赤い頭巾の少女とオオカミがいなくなれば、ヨナが世界一にくり上がると考え、ニーアとヨナ、エミール、鏡の中のシロは城を出てと森へと向かう。

 そして一行は森の奥深くで赤ずきんの少女(2B)とオオカミ(A2)とポッド153を発見し……というシナリオ。

 かつての『NieR Replicant』のドラマCDのような世界観をぶち壊す内容だが、それもある意味『NieR』。観客の皆さんもふつうに受け入れて大いに爆笑。

 そして朗読劇終盤はなんやかんやあって、エミールが誰かにキスをする展開になるのだが、なぜキスをすることになったのか、誰にすることになったのかはYouTubeで確認してほしい。

 朗読劇終わりに感想を聞かれた門脇さんは「期待していた展開にはならなくて、悲しかったです」と苦笑。

 なお、この日の朗読劇のタイトルは『白雪姫と赤ずきんと巻き込まれる安元』だ。

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度

 トークステージの朗読劇のDay2-1、Day2-2で異なる内容になっており、Day2-1は『欲望に正直なふたりと湖の精霊』、Day2-2は『アンドロイドと危険なお菓子の家』という朗読劇が演じられた。

花江夏樹さん&悠木碧さんからのビデオメッセージ。もし9Sがラーメン屋さんだったら……?

 朗読劇を終えた後は、この日参加できなかった9S役の花江夏樹さんとパスカル役の悠木碧さんからのビデオメッセージが流れた。

 花江さんは以前、イベントで『ドラッグ オン ドラグーン』好きを公言しており、ヨコオ氏の作品はもともとシナリオに魅力を感じており、『NieR:Automata』もすごく楽しみにしていたという。だが、「台本の中ではルートがごちゃごちゃに混ざっていたので、最初に読んだときに、よくわからなくて。本当におもしろいのかな? というふうに思いましたね」と回想。「もし次回作があるのであれば、もうちょっとわかりやすく書いてもらえるとうれしいです(笑)」と若干ファン目線も入った要望を出していた。

 9Sと言えば“叫び”だが、「叫び過ぎですよね。うん。叫び過ぎだし、高いところから落ち過ぎなんですよね。落ちながら叫ぶし(会場爆笑)。すごく、たいへんでした。これ以上、人生で叫ぶことはないのかな、と思ったくらい叫んでましたね」

 さらにビデオメッセージでは“9Sがラーメン屋さんだったら……”という唐突なムチャ振りにも、しっかり応えていた花江さん。9Sのラーメン屋は必見です!

 続いてパスカル役の悠木碧さんからのメッセージ。

 「あの感動を得たのが5年前かと。ちょっとびっくりしてしまいました。そのくらい『NieR:Automata』という作品にもらったゲーム体験は鮮烈だったんだな、と思います」と振り返り、現在はアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』のアフレコ中とのこと。「まだまだ広がる『NieR』ワールドを、とてもうれしく体感させてもらっています。皆さん、これからも『NieR』シリーズを、応援よろしくお願いしますね」と最後はパスカル口調で締めた。

 そしてトークステージの最後は、ゲーム中のカットシーンをつないだ映像に、『NieR』シナリオ班が考えたセリフを被せる短編朗読劇で締められた。こちらも爆笑につぐ爆笑の展開。会場はかなり温まった状態で休憩を挟み、コンサートステージへと移っていった。
 
 など、ほかの催し同様、ビデオメッセージも公演ごとに違っており、26日公演は2B役の石川由依さん、パスカル役の悠木碧さんだったがメッセージ内容は毎回異なっており、公演ごとに違うものを見せる、というサービス精神という言葉では済ませられない、執念に近いものを感じるイベントでもあった。

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 各公演のトークステージは無料なので、ぜひ映像でお楽しみを。

朗読劇にどっぷり浸れる楽曲構成とアレンジ。観客のペンライトで会場全体が演出装置になったコンサートステージ

 コンサートステージでは、演奏の合間にシリアスな朗読劇が展開していくという内容。25日と26日は朗読劇の出演者が若干変わっており、そのため内容も異なっていて、25日公演は石川由依演じる2Bの視点の朗読劇『崩壊ノ狭間 Side:2B』、26日公演は9S視点の朗読劇『崩壊ノ狭間 Side:9S』となる。

 今回の朗読劇は時系列的にはゲーム中でバンカーが陥落した後。ウィルス汚染された2BはA2の刀で倒れ、その瞬間を見た9Sは激高し、A2へと襲い掛かろうとする。だが、地中からせり上がってきた“塔”により周囲が崩落し始め、足場を失った9Sは谷底へ。2B、A2もその崩落に巻き込まれ、その後、じつはこんなことが起こっていた……といった内容。

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 朗読劇の見どころのひとつは『NieR Replicant』のニーアやヨナ、『NieR Re[in]carnation』のママといった『NieR:Automata』以外のキャラクターとのクロスオーバー。キャラクターたちがいる場所がどこなのか? それが次第にわかってくる展開は違和感なく、かつ感動的に描かれているあたりは、さすがの『NieR』クオリティー。

 レプリカント、アンドロイド、布(のような何か)と、作品それぞれでキャラクターの属性は異なりつつも、共演していてもまったく不自然感はなし。ちょっとクセのあるママもばっちりハマっているあたりもスゴい。

 今回は朗読劇のボリュームもあり、音楽は劇伴のような物語を盛り上げる選曲やアレンジになっており、もはや完成度の高いスピンオフ作品を見ているよう。楽曲はメドレーアレンジされた楽曲、ペンライトなど光やスモークの演出も効果的で、これまでの『NieR』コンサートとはまた違う、ヨコオ氏が目指したワンランク上のスケール感を感じさせるものになっていた。

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メドレーごとに変わる空気感

 コンサートの一曲目はバンカー陥落の映像が流れつつ『崩壊ノ虚妄』。「編成にどうしてもピアノを入れたい」と主張した岡部氏のこだわりがいきなり炸裂したかのようなピアノアレンジ。そしてエミ・エヴァンスさん、ジュニーク・ニコールさんが登場し、『崩壊ノ虚妄』から『美シキ歌』につながるメドレーで最初からテンション爆上がりな展開。ここではピアノから一転、電子オルガンのような響きが神秘的。

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
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 朗読劇を挟んでの2曲目は『穏ヤカナ眠リ』からの『遺サレタ場所』。1曲目の『崩壊ノ虚妄~美シキ歌』からいきなりテンション高めだっただけに、アコースティックギター、ストリングスの音色、そしてエミさんの優しい歌声が心地いい。『遺サレタ場所』のジュニークさんの歌声はエミさんとはまたタイプの異なる癒し。

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 4曲目の前の朗読劇で、今回語られている世界の謎が垣間見えることになるのだが、その謎がわかったときに鳴り始める『カイネ』のピアノのイントロはもう鳥肌もの。そこからKOCHOさんの『エミール/業苦(絶望)』に続く流れはもう完全に泣せにきている悪魔の所業。KOCHOさんの儚い歌声も『エミール/業苦(絶望)』にハマりすぎ。

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
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朗読が音楽を引き立て、音楽も朗読を引き立てる。あえてスクリーンのテキストで語る演出も

 朗読劇の物語も佳境。そのクライマックス感にふわしい『双極ノ悪夢』、そして電子オルガンが切ないメロディーを奏でる『追悼』。激しさと切なさ、そして映像に映し出されるやるせない文章も相まって、辛い。

 最後の朗読劇パート。聖堂らしき場所で希望や絶望が入り交じる展開。エンディングに向かうなかで希望と絶望、どちらで終わるのか固唾を飲んで朗読に耳を傾けていると、『終ワリノ音』のイントロが流れ始め……。『終ワリノ音』からのエミさんとジュニークさんによるダブルボーカルの『イニシエノウタ/贖罪』、『Weight of the World / EN』、それに重なる2Bのメッセージなど、最後は『NieR』シリーズの魅力がすべて詰まっているかのような演出に。

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
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出演者挨拶

 『終ワリノ音~イニシエノウタ/贖罪~Weight of the World / EN』の演奏終了後、岡部氏が登壇し、本コンサートの演奏者を紹介。

 続いて朗読した声優陣やボーカルリストたちも呼び込み、観客に向けてそれぞれひと言ずつ挨拶した。

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度

岡部啓一 ※25日Day1
前回が無観客になったこともあって、ぜひお客さんといっしょにコンサートやイベントができるといいな、ということを言い続けていたので、たくさんの人と素敵なホールと、そしてパフォーマンスをしてくださった皆さんと『NieR:Automata』5周年のお祝いできたことを本当にうれしく思っています。本当にありがとうございました。

石川由依(2B役) ※26日Day2-2
この5年間、本当にあっと言う間でした。私は朗読劇は皆勤賞かなと思うのですが、過去も未来も、いろんな場所で、2Bを演じさせていただきました。そして『音楽劇ヨルハ』という舞台でも、A2の過去である2号という役も演じさせていただいて、きっと誰よりも、この5年間、いろんな景色を見させていただきました。こんなステキな会場で、こんなたくさんのファンの皆さんにお会いできたのも、皆さんがいつも愛を届けてくださっているからだと思います。5年ということで、そろそろ落ち着いてしまうのかな、と思ったのですが、ここへきてアニメ化も決まり、まだまだきっと『NieR:Automata』、そして『NieR』シリーズの勢いは止まりません。これからもどうぞ、よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。

花江夏樹(9S役) ※26日Day2-2
朗読劇を毎回やっていて思うんですけど、自分も観客席側に座って見たいな、と。真ん中の最前列、本当にうらやましいです(笑)。それくらい自分も『NieR』が好きだなと思いました。今回の朗読劇でも9Sはたいへんだったんですけれども、再び9Sを演じることができてうれしく思います。今度はアニメもありますし、アニメのアフレコはけっこう進んでいるんですけど、原作ファンの方も、「おっ!?」と思ったり、いままで聞けなかったようなセリフもあったりして。9Sに対する考えかたが少し変わるかな? というシナリオだったりもするので、ぜひそちらも楽しみにしていただければと思います。本日はご来場、本当にありがとうございました。

諏訪彩花(A2役) ※26日Day2-2
今回のイベント、A2も出るよって聞かされたときは、めちゃくちゃうれしくて、と同時にすごく緊張しまして。初日のステージもめちゃめちゃ緊張していたんですけど、でもこうやっていざ終わりに近づいてみると、「すごく寂しいな。もっとやりたいな」っていう気持ちが沸き上がってくるくらい、本当に、音楽も、朗読劇もすばらしいイベントだったと感動しています。これも、いつも『NieR』を応援してくださっている、皆様のお陰げです。本当にありがとうございます。1月にはアニメも始まりますので、これからも『NieR』をよろしくお願いします。

あきやまかおる(ポッド153役) ※26日Day2-2
あっと言う間の二日間でした。そしてあっと言う間の5年間だったと思います。世界には何十億人という人間がたくさんいて、名前も顔も知らないまま死に別れていくような世界で、こうやって同じものを好きになるっていうこと自体が、すごく奇跡だと思っています。そしてそれがこんなにたくさんいらっしゃるということも、本当に奇跡だと思うし、この先5年、さらに10年、20年と、どんどんどんどん『NieR』シリーズが膨らんでいって、奇跡がどんどん大きくなっていけばいいなと思います。ヨコオさんには、それまでずっと、がんばってもらいたいと思います。これからも皆さん、『NieR』シリーズをよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

門脇舞以(エミール役) ※26日Day2-2
すばらしい音楽でしたね。素敵な歌でした。あと、エミールライト。皆さん持ってくださって。ありがとうございます。すごくキレイに見えました。2018年に朗読をさせていただいたんですけど、今回は、ニーアさん、ヨナさんと、すれ違っていたかもしれないんですけれども、このステージの上で、いっしょに時間を共有できて、とても幸せでした。たくさんしんどいかもしれないんですけど、悲しいセリフいっぱいかもしれないんですけれども、こうしてまた演じさせてください。皆さんとまた、こうしてお会いできますように。今日は本当に、ありがとうございました。

安元洋貴(ポッド042) ※26日Day2-2
感情がぐちゃぐちゃです。冒頭のおじさん茶番ゾーン、その後の、オフィシャル悪ふざけゾーン、その後にすばらしいコンサート。全部を1日でやるには、心が何個あっても足りないなと思いながら、一生懸命やったんですけど。その心なんですけど、ポッド042というのは感情がないし、平坦に演じるんですけど、ほんの少しだけ気持ちを乗せてしまった場所があります。それと同じ気持ちに今日もなりました。「私は2Bの随行支援ユニットです」と言ったのは、僕の意地でした。それが言えたのはちょっとよかったなと思います。あと、『カイネ』と『エミール』の流れでは、がんばって泣かなかったんですけど、『Weight of the World / EN』で泣きました。今日は本当にありがとうございました。

磯部恵子(オペレーター6O役) ※挨拶は26日Day2-2のみ
呼んでいただけてめちゃくちゃドキドキしているんですが、こうして地上に降りられて……じゃなく、こうしてステージに直接立って、皆様に直接こうしてご挨拶をできることが、本当に、とってもうれしいです。じつは昨日も、会場にいたんですけど(笑)、本当にこんなに、皆様に愛されている、『NieR』というチームの、自分もその一員なんだということを二日間、全身で実感した二日間でした。本当にありがとうございました。

初美メアリ(オペレーター21O役) ※26日Day2-2のみ
今回は、場内アナウンスと朗読の冒頭と、最初始まる前にちょっと小さい声で、バンカー内の音が流れていたと思うんですけども、聞こえていた方いらっしゃるかな? 「バンカーでこんな会話をしていたんだ」という会話に携わらせていただけて、本当に幸せでした。いつもは、通信で9Sに指令を出すというかたちだったんですけれども、6Oちゃんと直接お話をする場面なんかもあったりしたので、よかったらアーカイブも残っているかと思いますので、また見ていただけるとうれしいです。そして、この素敵な空間に、携わらせていただけること、本当に本当に、幸せです。ありがとうございました。

原 由実(ママ役) ※26日Day2-2
今日は本当に、ありがとうございました。私が『NieR Re[in]carnation』に関わらせていただいて、来年の2月で丸2年になるんですけれども、初めて『NieR』ファンの皆様に直接お会いすることができて、今日は本当に幸せな時間でした。まだまだ『リィンカネ』も盛り上げていけるように、私もこれからがんばっていきたいと思います。今日は本当に、ありがとうございました。

遊佐浩二(青年ニーア役) ※26日Day2-2
『NieR:Automata』の世界に入れていただき、非常にうれしく思っています。そして、2年前には叶うことのなかった、こんなにたくさんの皆さんと、お会いすることができて、非常に感動しております。配信で応援してくださった皆様も、本当にありがとうございます。僕としては、2年前、同じく再会を果たすことのできなかったエミールと、こうやって再会することができて、非常に、満ち足りた気分でおります。本当に、こんな幸せな時間をくださって、ありがとうございました。

野中 藍(ヨナ役) ※25日Day1
とてもステキな生演奏、そしてステキなお客さん、ステキなセット舞台、スタッフ様、そして皆様のお陰でこのようなステキな舞台に立つことができました お兄ちゃん、うれしかったね。会場にいるお兄ちゃん、お姉ちゃん、そして『NieR』シリーズを応援してくださっている全世界のお兄ちゃんお姉ちゃん、クッキー半分あげるので、これからも応援よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

KOCHO(ボーカル) ※26日Day2-2
『NieR』シリーズ、大好きなので、今回このような機会をいただけて、とてもうれしい気持ちでいっぱいでした。昨日と今日、夢のような思いで歌わせていただきました。ありがとうございました。

ジュニーク・ニコール(ボーカル) ※26日Day2-2
皆さん本当に本当にありがとうございます。皆さん愛してる!

エミ・エヴァンス(ボーカル)  ※26日Day2-2
ずっと温かく応援していただいて、本当にありがとうございます。皆さんの前で、愛しい『NieR』の曲を歌えることがまたできて、本当に幸せと感謝の気持ちで、心が溢れています。これからもずっと、『NieR』の曲を歌い続けたいと思います。よろしくお願いします。

※誤字を修正しました(12月1日 11:30)

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度

 挨拶の後は、アンコールとして『祈り~複製サレタ街~遊園施設~顕現シタ異物~依存スル弱者~還ラナイ声~Weight of the World / EN』という、人気曲のメドレーが演奏され、コンサートステージは万雷の拍手の中、終了した。

セットリスト

M1 崩壊ノ虚妄~美シキ歌

  崩壊ノ虚妄
  美シキ歌 Vo.Emi Evans / J'nique Nicole

朗読 

M2 穏ヤカナ眠リ~遺サレタ場所

  穏ヤカナ眠リ Vo.Emi Evans
  遺サレタ場所 Vo.J'nique Nicole

朗読

M3 森ノ王国~取リ憑イタ業病

  森ノ王国 Vo.KOCHO
  取リ憑イタ業病 Vo.J'nique Nicole

朗読

M4 カイネ~エミール/業苦(絶望)

  カイネ Vo.Emi Evans
  エミール/業苦(絶望) Vo.KOCHO

朗読

M5 双極ノ悪夢~追悼

  双極ノ悪夢Vo.J'nique Nicole

朗読

M6 終ワリノ音~イニシエノウタ/贖罪~Weight of the World / EN

  イニシエノウタ/贖罪 Vo.Emi Evans / J'nique Nicole
  Weight of the World / EN Vo.J'nique Nicole

挨拶

アンコール 祈り~複製サレタ街~遊園施設~顕現シタ異物~依存スル弱者~還ラナイ声~Weight of the World / EN

  祈り Vo.KOCHO
  遊園施設 Vo.Emi Evans
  依存スル弱者 Vo.J'nique Nicole
  Weight of the World / EN Vo.Emi Evans / J'nique Nicole / KOCHO

<Concert Stage>
音楽 岡部啓一
演出 松多壱岱
総監修 ヨコオタロウ

アレンジ
宮野幸子 / 佐々木博史
ボーカル
Emi Evans / J'nique Nicole / KOCHO
演奏
伊賀拓郎(ピアノ) / 後藤貴徳(ギター) / 鈴木智(ベース) / 野崎めぐみ(パーカッション)
室屋光一郎(ストリングス) / 徳永友美(ストリングス) / 島岡智子(ストリングス) / 堀沢真己(ストリングス)
※敬称略

朗読劇出演
2022年11月25日
あきやまかおる/石川由依/門脇舞以/諏訪彩花/野中藍/安元洋貴/遊佐浩二

2022年11月26日
あきやまかおる/門脇舞以/諏訪彩花/花江夏樹/原由実/安元洋貴/遊佐浩二
※五十音順 / 敬称略

 笑いの絶えない前半トークステージから一転、希望と絶望が入り交じるシリアスな朗読劇と美しい音楽が奏でられたコンサートステージ。

 本イベントは、ゲーム本編はもちろん、作り手や出演者の掛け合いでも楽しませてくれる『NieR』シリーズの魅力のすべてが凝縮されたような、まさにファンイベントにふさわしい内容になっていた。

 トークステージは本記事にも貼ってあるようにYouTubeで無料で視聴が可能、コンサートステージは2022年12月11日までニコニコ生放送、StreamPassでアーカイブが視聴可能(有料)。気になった人はぜひ視聴してほしい。

コンサートステージアーカイブ配信(有料配信)
『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
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展示物一覧

 会場には5周年記念アートや関係者のお祝いメッセージ、『舞台ヨルハ』の衣装、会場外には巨大エミールヘッド/ブラックボックスなどが展示されていた。

『ニーア オートマタ』ファンフェスティバル『壊レタ五年間ノ声』リポート。希望と絶望が交差する朗読劇に美しい音楽と演出、まるでコンサート自体がスピンオフ作品のような完成度
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来場者にはステキな(?)おみくじが。