2021年3月24日、『NieR』シリーズや『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズで知られるヨコオタロウ氏が原作・脚本を務める新作舞台『爆剣 ~幕府御前試合~』が初日を迎えた。
いよいよ初日の幕が上がりました。
ご観劇の皆様、本当にありがとうございました。
そして遅くなっていましたグッズ情報をお知らせいたします!
●公演パンフレット2500円
●複製台本1500円
●キャラブロマイド(KG)3枚1セット… https://t.co/nZYyDhGxUj
— 爆剣 〜幕府御前試合〜 (@BAKUKEN_ST)
2021-03-25 11:50:59
ヨコオ氏が原作・脚本を手掛けた舞台は『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』と世界観を共有した『舞台 ヨルハ』、原作を担当したマンガ『君死ニタマフ事ナカレ』の前日譚を舞台化した『君死二タマフ事ナカレ 零』などがあり、いずれも衝撃的……というか登場人物がどんどん血に、ときには狂気に染まっていくことでお馴染み(いや、もちろんそれだけではないんですが)。
けれども、今回の『爆剣』は「全員最強。全員狂人。あとグルメ。」というキャッチコピー、とくに謎の「あとグルメ。」部分から多少は想像できるように(「全員凶人」は平常運転)、これまでのヨコオ原作とは違い、肩肘張らずに物語に向き合え、奇怪な展開も待つ極上エンタメ時代劇となっていました。そんな本舞台の演出はこれまでのヨコオ原作舞台のほとんどを手掛け、ヨコオ氏と気心の知れた松多壱岱氏。“ヨコオ×松多”のいつものコンビによる新作がどんな舞台になっているのか。
ここでは、そんな『爆剣』のゲネプロ時に撮影した写真をメインに、本舞台の内容を紹介します。
【原作・脚本】
ヨコオタロウ
【演出】
松多壱岱
【出演者】
小野善鬼:黒木文貴
塚原卜伝:川渕かおり
佐々木セツ:舞川みやこ
佐々木小次郎:古賀瑠
ヤツメ:雛形羽衣
平賀源内:佐藤智広
東郷重位:門野翔
森蘭丸:宮ノ尾美友
柳生三厳:桜町たろ
柳生宗矩:小栗諒
徳川家康:鵜飼主水
【アンサンブル】
飯原優
梅田祥平
大森将
加納義広
竹田直央
※敬称略
【ストーリー】
戦乱の続いた「日ノ国」は徳川家康によって平定された。戦う目的を失った剣士達は、たまたま、飯屋「八つ目堂」で出会う。そこで耳にしたのは、幕府がお抱え剣士を選抜する「御前試合」が行われる、という噂だった……
※以下、リポートになります。ネタバレには配慮していますが、軽微なネタバレも気になる方はご注意ください。
本舞台は剣士たちが多数登場するため、殺陣もふんだんに盛り込められ、演者の迫力ある演技はもちろん、透過スクリーンで技名やエフェクトなどが表示される演出、歌舞伎風もしくは懇談風な拍子木やナレーションも加わって、いろいろな和テイストのエンタメが詰まった、見どころたっぷりの舞台になっていました。
そして気になるのはキャッチコピーの「あとグルメ。」部分。本舞台では要所に料理を食べるシーンが用意され、そこでは実際に演者がモグモグ。しかもそこでは食レポ的なアドリブがあり(食べるシーンのやり取りは台本にはないそうです)、誰かのムチャ振りに絶妙な間ができたり、互いを牽制しあう様子がうかがえたり、演者の素の部分が見えたりなど、ユルい感じになるのが微笑ましい。
そして物語は“御前試合”がピークかと思いきや、意外な方向に……という予測不能な展開。続きが気になる方は、実際に舞台を観ていただければ。
そして終劇後に気づく、衝撃の事実。「全員※△×○□ない!」。
それも含め、今回はこれまでのヨコオ氏の舞台とはまた違う、ところどころ“らしさ”も散りばめつつも、新たなヨコオワールドが垣間見える舞台になっていました。ヨコオ氏の描く心をざわつかせる世界観がお好きな人にも十二分に応える内容になっているのでご安心を……。
公演は3月31日までで、チケットがまだ購入できるのは、26日(金)、29日(月)、30日(火)のみ(3月25日13時現在)。
なお、ニコ生での有料配信もアナウンスされたので、都合がつかない方はそちらでどうぞ。
3月28日公演はマチソワでニコニコ生放送による配信もございます。
遠方でご観劇が難しいお客様、もう一度みたいお客様、ぜひご検討ください。
通常1公演6000円のところ、今ならなんと2公演セットが5000円!5000円!!でのお値… https://t.co/nlQHDVzP5W
— 爆剣 〜幕府御前試合〜 (@BAKUKEN_ST)
2021-03-25 11:56:16
では、最後にキャストを代表して4名からの意気込みを紹介。
黒木文貴さん(小野善鬼役)
正直、いままでやってきた役の中でいちばん悩み、苦労した役になりました。自分だけではなく、ほかのみんなも稽古の最後の最後まで役と向き合っていて、座長としてもそうですが、ひとりの役者として心強い仲間だと感じました。その甲斐あって、上質なエンターテインメントに、皆さんの胸をバクバクさせられる作品になったと思います。
鵜飼主水さん(徳川家康役)
みんなで昨日より今日、今日より明日がよくなるように、といった気持ちで稽古を積み重ねてきました。会場に足を運んでくださる方、配信で観劇される方の今日より明日がよくなるような、至高のエンターテインメントを作り上げていきますので、応援よろしくお願いします。
川渕かおりさん(塚原卜伝役)
この時期にお客様を入れて有観客で舞台ができること、このステージと客席の距離感でお客様と熱量を共有できることに、すごく意義を感じています。まだたいへんな時期ではありますが、この舞台を皮切りに世界中に楽しみと熱量を伝えていけたらと思います。皆様に楽しんでいただけると幸いです。
舞川みやこさん(佐々木セツ役)
私は劇団ディアステージに所属しているんですが、今回の舞台は、じつは劇団ディアステージとヨコオさんとのコラボ舞台のような感じやらせていただいています。劇団ディアステージはポップで気軽に観劇ができる小規模な軽演劇をやっているんですが、今回の舞台も、劇団ディアステージらしいポップな内容で、いい意味でヨコオさんらしくないエンターテインメントになっていると思います。気負わずに楽しんでいただければ。