エレクトロニック・アーツが10月に発売予定のサッカーゲームシリーズ最新作『FIFA 21』。その新情報の第4弾として、キャリアモードの詳報をお届けしよう。
キャリアモードは、監督や選手となって毎年のシーズンを戦っていくモード。正直、近年はあまり代わり映えしない内容だったが、今年は特に運営面で驚きの進化を見せている。
新たな育成・練習スケジュール管理・移籍システムでチーム運営が一気にディープに
キャリアモードの醍醐味は、単にいまいる選手でリーグ戦を戦うだけでなく、若手を育てたり、移籍マーケットで強化したり、好きなチームを長期的な視点で運営していくことにあると思う。
にも関わらず、近年のアップデートで運営面で変わったことと言えば、契約や移籍交渉の画面にカットシーンがついてちょっと細かくなったぐらい。しかし今年は違う。
ついにポジションコンバートや具体的な育成プランの指示が可能に
個人的に一番魅力を感じているのは育成システムの変化だ。選手の育成ではそれぞれの育成プランを選べるようになっており、守備型や攻撃型など同ポジションでも特化の方向性を選べるほか、ついにポジションコンバートも可能に。
これまではスカウトが能力値が優秀な若手を見つけてきても「コイツ適正ないけどセンターハーフの方がいいと思うんだけどな……」とか「ウィングは人多いからストライカーだったら良かったのに……」といった悩ましい思いをすることもあったが、今回はもうコンバートを検討すればいい。
育成プランとスケジュールに沿って進める練習システム
育成が変われば練習も変わる。これまでは数名を指定してそれぞれ練習メニューを行わせるだけだったが、今回は育成プランやチームシートに登録されたスタメン、そして事前に設定したスケジュールのルール(後述)に応じて複数の練習項目に複数の選手が自動で割り当てられる。もちろん任意にメニューや参加メンバーを変えることもできる。
さらに試合に向けた選手のキレを示す“シャープネス”というパラメーターが追加されており、プレイタイムや練習によって増す。シャープネスやフィットネス、そして選手のやる気を試合に向けてうまく調整するのが腕の見せ所だ。
ここにスケジュール要素が加わってくる。本作では練習スケジュールを決められるようになっており、試合前は休んで試合に備えるとか試合後は回復に努めるといったルールセットでコンディション作りをやっていくのだ(メーカーもスポーツも異なるが、バスケゲーム『NBA2K』などに同様のスケジューリング要素がある)。
スケジュールは基本ルール通りに自動的に決まるが、特定の日の設定を変えることもできるので、強敵の前に練度を高めて、その次の弱い相手には準備よりもしっかり休んで回復を優先するといった調整もできる。
プレイヤーからの反応に応じたチーム編成
一方、プレイヤーから編成方針の反応も細かくなっており、例えばベストポジションが割り当てられずに不満に思っている選手などがチーム編成画面でわかるようになっている。希望のポジションに割り当てるとやる気が高まってより能力を発揮できるのだが、もちろんそれだけを優先するわけにも行かない。シャープネス値などと合わせてスターティングイレブンやフォーメーションを決めていくことになる。
移籍もより深く、買取オプション付きレンタルなどが可能に
移籍システムもいろいろと変わり、買取オプション付きローンが可能になったり、他チーム監督のAIがプレイヤー交換(トレード)を提案してくるようになっている。
またキャリアモードを始める際のオプションも増えていて、経営陣交代で資金を増やしてから始めたり、移籍をリアル寄りにして選手がライバルクラブや弱いリーグへの移籍をなかなかのまなくするといった設定も可能だ。
自由にプレイ介入・再離脱できる新シミュレート機能
キャリアモードでは年間何十試合もあるシーズンを何年も戦っていくので、プレイ時間が限られている人などはなかなか進まなかったり、ダレてると試合をダイジェストで飛ばしたくなることもある。
そこでオートで試合結果までシミュレートする機能やスキップ機能が以前からあったのだが、今作では通常のプレイとの中間となる“インタラクティブマッチシミュレート”が登場する(旧来のタイプのシミュレーションも引き続き選択可能)。
これを選ぶと、サッカーシミュレーションゲーム『フットボールマネージャー』のような選手アイコンだけでどう試合が動いているかわかる簡易画面で試合が進んでいく。この画面からはプレイヤーの残りスタミナ、レーティング、ポゼッション率などのスタッツ、ゲームプランなどが見られ、選手交代の指示などもできる。
それだけではない。チャンス時などにボタン一発でジャンプインして通常の試合のように操作して介入することも可能で、そこから簡易画面に戻ってシミュレーションを続けることもできるし、一気に試合結果に飛ぶこともできるのだ。
というわけで、プレイスタイルは柔軟になり、チーム運営面が非常に深くなったという印象。海外媒体向けに行われたプレゼンで「今年はキャリアモードにとって大きな年です」という発言があったのも納得だ。残念ながら記者が触ったプレス向けデモではキャリアモードを試すことは出来なかったのだが、発売の際にはぜひ理想のチーム作りを追求していきたい所だ。