エレクトロニック・アーツが2020年10月に発売予定のサッカーゲームシリーズ最新作『FIFA 21』。その海外メディア向けプレゼンとPS4版のデモプレイを体験する機会を得たので、ゲームプレイ面での新要素をお伝えしよう。

 項目が多岐にわたるので以下箇条書きになってしまうが、公式サイトではさらに細かい機能や設定項目などが恒例のピッチノート記事で公開中。コアなプレイヤーの人は本記事で大体の感じを掴みつつ、そちらもチェックされたし。

  • アジャイルドリブル(R1/RB+左スティック)
    • 狭い場所で小刻みなドリブルでキープしてタメを作ったり抜きにかかるムーブ
    • イメージとして挙がっていたのはマンチェスター・シティ所属のベルナルド・シウバ。ドリブル・敏捷性・リアクション・ボールコントロールのパラメーターが高いと、ヒールや足裏も使いつつ高速にコネられる
    • 1対1のシチュエーションなどでオートで発動するコンテクスチュアルドリブルというオプションがデフォルトで有効になっている。オフにすることもできる
    • 従来同じような使い方をされていたストレイフドリブルも改良され反応が良くなった
『FIFA 21』デモを遊んだ印象を交えつつ、プレイ面での新要素を一挙紹介。新ドリブルやスペースへの走り込みシステムでチャンスメイクが楽しい!_02
ムバッペにアジャイルドリブルで調整してからぶち抜かれたらキツそう。
  • ポジショニングパーソナリティ
    • 最終ラインを抜け出す前に一旦スローダウンしてオフサイドを避ける、トップが一旦降りてきてパスを繋ごうとする、ディフェンスがパスコースを塞ぎに来るといった攻守のプレイ傾向がAIに反映される
    • 攻撃ではオンサイド・オフサイドの駆け引き、パスを読んだ走り込み、プレイの意思決定のスピード、クロスへの飛び込み、ペナルティエリア内での囮の動き、アタッカーが降りてくる動き、パスコースの選択などに影響。
    • デモ映像では、攻撃時のポジション意識の値が高いとより適切なタイミングで走り込んだり、クロスのコースをあけるためにマイナスの動きをするといった違いが見られた
    • 守備では相手の走り込みのカバー、カウンターに備えたCB2枚の配置、ボランチの位置取りやパスコースのカットや忠実なマーク、ウィンガーがちゃんと守備に参加するかどうか、相手サイドバックが攻撃参加してきた時にサイドバックがどれぐらいケアするかなどに関わる
    • デモ映像では2列目から走ってきたアタッカーに対して、守備時のポジション意識の値が低いと反応が遅れてそのまま行かせてしまったのに対して、高くしたプレイヤーは即座に反応してついていってコースを塞いだ様子が見られた
  • クリエイティブラン(右スティック)
    • 走り込みの方向をスティックで具体的に指定して行える。スキルムーブなどとぶつからないよう短い制限時間が設定されている
    • ディレクテッドパス&ゴー
      • パス直後に右スティック入力でパスを出した選手がその方向に走り込みを行う
      • マイナス方向も行えるので、アタッカーに一度当ててから降りてこさせるといった使い方も可能
    • ディレクテッドラン
      • トリガーラン(LB/L1)や味方を呼び込んでマイナスに降りてきてもらう動き(RB/R1)で走り出した選手の走る方向を右スティックで切り替えられる
    • プレイヤースティック
      • 両スティック押し込みで操作する選手を一時的に固定し、パスした後も自由な走り込みが可能になる
  • ナチュラルコリジョンシステム
    • 選手が頻繁に激突して倒れ込まないように改良した接触システム。タックルに対して相手選手を飛び越えてプレイに復帰したりする
  • コンペティティターモード
    • CPU戦のレジェンダリー難度などのオプションとして登場する高難度モード。FIFAのプロプレイヤーのようにスキルムーブなどを積極的に使ってくる
  • そのほかパスや反応の改善など
    • ボールを一度トラップしてから即座にパスを出すような場合、これまではトラップ後に律儀にパスのために足を振るモーションがついていたが、トラップで落とした所から即座に蹴り出せるようになった
    • パスシステムが改良され、フィールドを大きく横断させたり、カーブさせてDFの外側を通っていくようなスルーパスも可能になった
    • 個々のアクションの質は複数のパラメーターで総合的に判断されるようになった。例えばスルーパスはこれまでショートパスまたはロングパスで決まっていたが、今作ではショートパス・ロングパス・視野・落ち着きで決定される
    • R1+L1(RB+LB)+クロスボタンで、リバプールのアーノルドなどをイメージした飛び込んでくる仲間の頭をめがけた高速クロスが可能に。またR1/RB+クロスでは腰の高さにドライブしていくクロスが、R1/RB+クロス2回でグラウンダー版が出せる
    • タックルやブロックのシステムも改良され、より正確なタックルや、重心が乗っている軸足と逆の足を背後に伸ばしたブロックなどが出るようになった
    • キックオフモードで最大30秒の巻き戻しが可能に(レースゲームなどにあるのと同じ機能)
    • そのほかスキルムーブの判定や、マニュアルヘディングの追加、問題視されていた一部ゴールパフォーマンスの削除(シーッとやるモーションと、人種差別的な文脈で使われる事があるオーケーサイン)、ボールがタッチラインを割った後のコレオシーンのオートスキップ、スーパーキャンセルの拡張など、コミュニティからのフィードバックによる改善多数
    • LとRの4つのボタン全押しでドリブル中以外は全部キャンセルできるハードスーパーキャンセルを出せる
    • L2+R2(LT+RT)でパス/シュートやスキルムーブのキャンセルができる

実際やってみて……コレは結構いいぞ!

 記者はキャリアモードを中心にFIFAシリーズを10年以上遊んできて、正直に告白すると『FIFA 20』は久しぶりに途中でプレイをやめたタイトルだった。冬のアップデートでキャリアモードのアルティメット難度が異様に難しくなったのもあって、似たような“勝てるプレイ”に終始してしまいがちになり、飽きてしまったというのがその理由だ。

 じゃあ今回どうだったかと言うと、これはなかなかフレッシュな感じがあってイイ! 思ったようなロングスルーが通るようになったし、クリエイティブランでうまいことスペースを見つけ出して走り込めると非常に気持がいい。

『FIFA 21』デモを遊んだ印象を交えつつ、プレイ面での新要素を一挙紹介。新ドリブルやスペースへの走り込みシステムでチャンスメイクが楽しい!_01
ハーランドでぶち抜いてゴール決められたんで俺は満足です

 もちろん開発中バージョンなのでAIの詰めも製品版とは異なるだろうし、対人戦になるとまた違った感想が出てくるのだろうが(アジャイルドリブルで抜かれまくったら相当イライラしそう)、どん詰まりになって安牌なパス回しをするしかなくなる手詰まり感がなくなったのは事実。

 公式サイトで予告されているように、キャリアモードでは選手のコンバートやコンディション調整の概念も入ってくるようなので、心機一転して楽しめそうだ。

 なおそのキャリアモードをはじめ、ストリートフットボールのVoltaモードやFUTモードなどの新要素などについては別途公開予定。そちらもお楽しみに。