小島監督はTGS会期中、イベントに出ずっぱり!

『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』最終日のイベントの模様をお届け! ビッグニュースも飛び出した【TGS 2014】_01

 2014年9月18日から21日まで、千葉県・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ 2014。最終日となる21日、KONAMIブース最後のステージとなった“『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』Special Stage -Virtue-”の様子をお届けしよう。
 イベントでは、東京ゲームショウ 2014で初公開となった『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』(以下、『ファントムペイン』)の情報の総まとめをしつつ、同作にまつわるトークが展開された。ゲストには、スネーク役の大塚明夫さん、カズヒラ・ミラー役の杉田智和さん、オセロット役の三上哲さんと、謎の美女狙撃手・クワイエット役のステファニー・ヨーステンさん、KADOKAWAより矢野健二といった豪華な顔ぶれが登場した。

 それにしても、小島秀夫監督は、東京ゲームショウ 2014の4日間ずっと出ずっぱり。このバイタリティには本当に頭が下がります。

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▲イベントは、重低音が響き渡るカウントダウン映像から始まり、会場のボルテージは一気に高まる。
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 まずは、司会を務める森一丁氏と小島秀夫監督、新川洋司アートディレクターが登壇。小島監督は、すでにテンションが最高潮に達していた来場者に呼応するかのように「ファントムペイン!」のコールとともに登場して会場をさらにヒートアップさせた。

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 続けて登壇した大塚さん、杉田さん、三上さんを交えたトークコーナーでは、『ファントムペイン』という作品について、また、『ファントムペイン』の中心人物となるスネーク、カズヒラ、オセロットというキャラクターについて語られた。
 小島監督は、『ファントムペイン』のテーマは“RACE(人種)”であり、前作『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』(以下、『グラウンド・ゼロズ』)で描かれた悲劇の続き。“痛み”を感じられる復讐劇であると語った。
 また、中心人物たちに関しては、新川氏からはデザイン面での特徴が、担当声優の各氏からは演じたうえでの印象が語られた。

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▲左から杉田智和さん、大塚明夫さん、三上哲さん。杉田さんが放つ謎の存在感が目を引く。

 前作で大きな悲劇に見舞われたスネークは、いままでにない“怖さ”をイメージしてデザインしたと新川氏。ツノ、尻尾に見える意匠を施すことで、鬼を連想させるものになっているとのことだ。また、スネークを演じた大塚さんは、スネークの本質は変わっていないが、自身に起きた悲劇によって変化した心境が言葉や行動の端々に現れていると語った。

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 『グラウンド・ゼロズ』で片腕と片脚を失ったカズヒラは、それまでよりも威厳が出るようにデザインしたと新川氏は語る。服の襟を立てるという、単純にも思えるアクセントひとつで印象は変わるとのことだ。また、片腕、片脚を失ったことの“痛み”は、デザインよりも彼の動きで表現しているとのこと。
 これに関しては、カズヒラを演じた杉田さんも歩いているときの吐息などには気を使ったとコメント。また、カズヒラはスネークとは違い実行力を持たないので、それに起因する葛藤の表現に苦労したようだ。

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 一方、新川氏によると、オセロットは40代ならではのかっこよさを追求したデザインになっているとのこと。小島監督からも、「一番かっこよく」とオファーがあったことを明かしている。
オセロットを演じた三上さんも、すべてを知っていそうな、どこか余裕のある雰囲気を感じ取ったそうだ。

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▲オランダ出身のステファニー氏は、オランダでも『メタルギア』シリーズは人気で、「この作品に出演できたことをうれしく思う」と、流ちょうな日本語で話していた。

 さらにイベントでは、東京ゲームショウ 2014で初公開となった、クワイエットがマザーベースに降り立つシーンの映像を使って、大塚さん、杉田さん、三上さん3名によるアテレコが行わるというファンにはうれしいコーナーも。そして、アテレコが終わると4人目のゲストであるステファニー・ヨーステンさんが登壇した。ヨーステンさんはクワイエットを演じるにあたっては、「彼女はしゃべらないキャラクターなので鼻歌や息遣いで感情を表現した」と語り、小島監督はクワイエットのコンセプトは裸で、それはセクシーさのみを追求したわけではなく、人工物の匂いをさせないことで自然に溶け込むという側面があることを語った。また、彼女のデザインにはいまはまだ明かせない背景があり、それはゲームをプレイすれば明らかになるかも? と謎めいたコメントも聞かれた。

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 続いて登場したのは、KADOKAWAの矢野健二。『メタルギア ソリッド』シリーズを徹底解剖した単行本、『METAL GEAR SOLID naked』を編集し、同シリーズに対する非常に深い理解を持つ矢野が、『ファントムペイン』のキーとなる要素を予想するコーナーでは、矢野はVではじまり、Eで終わる単語である“VOICE”、つまり声がキーなのではないかと予想。声を発さないクワイエットや、コードトーカー(直訳すれば“暗号をしゃべる者”)といったキャラも、推察を後押ししたようだ。
 これに対する小島監督の答えは、なんと、まさかの「正解」! 詳しいことは明かされなかったが、“声”という単語が本作を語るうえで大きな意味合いを持つことになるだろう。

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 その後は、ユーザーからのお願いに対して出演者が採用・不採用のパネルを上げるコーナーに。さらに、今度は出演者からの小島監督に対するお願いに、監督が採用・不採用パネルを掲げて応えるコーナーが行われた。以下に、各出演者のお願いと小島監督の答えを掲載しよう。

【矢野のお願い】
僕と、僕の飼い犬をモーションキャプチャーで出演させてください。

【小島監督の答え】
採用

【新川氏のお願い】
その1・まだ買えていないiPhone 6が欲しい。
その2・絵を描くアトリエが欲しい。

【小島監督の答え】
その1・採用
その2・不採用、ただし模型部屋ならオーケー

【ステファニーさんのお願い】
マザーベースに動物園を作りたい。

【小島監督の答え】
採用

【大塚さんのお願い】
『ファントムペイン』が発売予定日に発売されますように!

【小島監督の答え】
がんばります!

【杉田さんのお願い】
ボスといっしょに居られますように(カズヒラ)。

【小島監督の答え】
ストーリー上、難しい

【三上さんのお願い】
オセロットもバディで現場に出たい。

【小島監督の答え】
オセロットは基地を守らないといけないので、いまのところはなし。ただし、基地を守るためにオセロットを操作するモードはダウンロードコンテンツとしてならアリかもしれない。

 最後に、小島監督自身の『ファントムペイン』が完成しますように、という願いでこのコーナーは幕を閉じた。

 いよいよイベントも大詰めとなったところで、『ファントムペイン』が日本ゲーム大賞 フューチャー部門を受賞したニュースが舞い込んできた(⇒記事はこちら)。18日には『グラウンド・ゼロズ』が日本ゲーム大賞2014 年間作品部門で優秀賞を受賞しており(⇒記事はこちら)、『メタルギア ソリッド』シリーズが1年の間にW受賞を成し遂げるという快挙が達成され、会場も多いに盛り上がった。

 いよいよ2015年に発売が迫る『ファントムペイン』。いまだ全容が明かされない本タイトルだが、Phantom Pain=幻肢痛という副題に象徴されるように、何かを失う“痛み”というものが鮮烈に描写される、さまざまな意味で“重い”タイトルになるだろう。リリースまでのあいだ、続報から目が離せないタイトルになりそうだ。