2023年7月1日に放送が開始したアニメ『ライザのアトリエ ～常闇の女王と秘密の隠れ家～』。先週に引き続き、アニメを何倍も楽しむための掘り下げ企画をお届け（毎週更新予定）。今回は第9話“最後の課題”の感想や、原作ゲームファン目線での注目ポイントを語っていく。
やさしい音色が包む、ふたりだけの空間
第9話は、『ライザのアトリエ』のひとつの山場である、竜と出会うシーンが中心となる。だが、オープニング前はクラウディアが奏でる美しいフルートの旋律からスタート。まさに“嵐の前の静けさ”とも言えるアバンタイトルとなっている。
また、演奏を終えたクラウディアに対して惜しみない拍手を送るライザと、上達したのはライザが練習に付き合ってくれたからだと笑顔で返すクラウディアが描かれるのだが、互いを高め合ういい関係性を築いている感じが伝わり、このシーンはとにかく“尊い”としか言いようがない。
ちなみに、そんなふたりだけの時間に割り込んで淡々と用事を済ますアンペルとリラに対して、「もうちょっと空気を読んでもいいのでは」と思ったのは自分だけ？（笑）
目標に向けて確実に成長していくライザたち
Aパートはライザ、レント、タオの3人が魔物との戦いに挑むシーンからスタート。レントとタオが息のあった連携攻撃を決めて、そこにライザがコアクリスタル（調合アイテムをセットすると、そのアイテムを消費することなく使用できる道具）でトドメを刺すという、見事なコンビネーションを披露する。
倒した魔物から、しっかり錬金術の素材も手に入れるなど、目標に向かって着々と冒険の成果を上げているライザたち。最弱魔物の青ぷにに苦戦していたころからは想像できないほど、実力を付けているようだ。また、クラウディアがフルートを演奏したアバンタイトルは、まだいっしょに冒険できない彼女もしっかり成長しているということを、暗に示しているようにも感じられた。
己の意地を賭けて挑んできたボオスとの勝負
冒険を終えて島に戻ったライザたちは、クラウディアの父・ルベルトから最後の課題を言い渡される。内容は街道を北の分かれ道まで進み、戻って来るまでの時間を計るという単純なものだが、その相手というのがライザたちといがみ合うボオスであった。
調子に乗っているライザたちに、自分たちの実力を見せつけてやると豪語し、先に出発するボオス。だが、ライザたちはそんな挑発には乗らず、あくまで自分たちのペースで進むことに。この余裕の差からも、すでに勝負が見えていると感じた人も多いはずだ。
出発後はなるべく戦闘を避けて目的地に向かうライザたちだが、旧街道遺跡で荷馬車が魔物に襲われそうになる場面では、すぐに飛び出して救出に向かう。自分たちの目的よりも、人助けに全力になる姿はまさに主人公と言えるだろう。助けられた商人が“クーケン島の護り手”と勘違いするのも無理はない活躍だった。
そんなハプニングも乗り越え、目的地側までやってきたライザは、先行したボオスたちと再会。焦るボオスを見送り、課題の小屋へとたどり着いた一行は、そこで扉に刻まれた注意書きについてあれこれ考察する。その最中、ライザは思わず「悪魔も竜も、この競争が終わるまでは遠慮しててほしいなあ」とつぶやくのだが、これは完全に“フラグが立った”瞬間……。
これは余談だが、小屋での会話シーンでは、最後に花が映し出される。これは、以前にも登場した “魔払いの花”と呼ばれるもの。ゲームでも小屋の近くに配置されていて、調べるとHPの回復や時間の変更などができる。
ギリギリでピンチをしのいだ竜との対峙
Bパートは、旧街道遺跡でボオスたちを襲った竜との戦いからスタート。第9話の山場とも言えるシーンだ。ライザ自慢のフラムがまったく通用しない強敵であり、竜がほかの魔物とは一線を画す存在であることがしっかりと描かれている点は見逃せない。
じつはゲーム版では、竜は戦う前に飛び去るのだが、その理由がはっきりしなかった。アニメにおいては、戦闘中に石碑が壊れたことで、竜が正気に戻る、という流れになっている。「なるほど」と納得する補完演出が原作ファンとしてはうれしい限りだ。また、竜と戦うシーンを入れることで、ボオスたちを助けるために自ら囮になるライザの“主人公たる姿”が映えたのも事実。間違いなくライザにホレ直したシーンとなった。
新たな脅威を目の当たりにしたライザは、錬金術士として一歩先へ
Bパートのラストでは、調合したフラムが竜相手に効かなかった事実を受け、ライザは新しい調合をアンペルに相談する。それは以前作った改良フラムに、アイテムを加えて威力をアップさせるというものだった。いざというときに村を守るため、必死に試行錯誤するライザに胸を打たれる。
じつはこの改良案はゲームの“アイテムリビルド”のことを指し、完成済みのアイテムに素材を追加してさらに強化できるという、“秘密”シリーズでは冒険に欠かせない調合要素となっている。
放送情報
TOKYO MX、群馬テレビ、とちぎテレビ、BS11：2023年7月1日より毎週土曜24時00分～
読売テレビ：2023年7月3日より毎週月曜26時29分～
テレビ愛知：2023年7月3日より毎週月曜26時05分～
AT-X：2023年7月4日（火）20時00分～（※再放送：毎週木曜8時～/月曜14時～）
※放送日時は変更となる場合があります
配信情報
dアニメストア、DMM TVにて、毎週土曜24時30分～ 先行配信
ほか各配信サービスでも毎週火曜12時00分より順次配信開始
配信先一覧
- dアニメストア
- dアニメストア ニコニコ支店
- dアニメストア for Prime Video
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