アニメ『ライザのアトリエ』第4話は、水没坑道での冒険を描く！ライザ、レント、タオが成長への足掛かりを得る物語

　2023年7月1日に放送が開始したアニメ『ライザのアトリエ～常闇の女王と秘密の隠れ家～』。先週に引き続き、アニメを何倍も楽しむための掘り下げ企画をお届け（毎週更新予定）。今回は第4話“水没坑道”の感想や、原作ゲームファン目線での注目ポイントを語っていく。

3人に課せられた試験は、その後の成長に大きな影響を与える

　アンペルとリラがクーケン島を訪れた目的は、遺跡の調査。本来は調査で忙しいはずの彼らがライザたちを指導したのは、彼女たちに光るものを見出し、いずれは調査の手伝いをしてもらおうと考えたためだった。第4話のAパートは、指導によってだいぶ様になってきたライザたちに、アンペルが試験と称して“水没坑道”の調査を命じるシーンから始まる。

アニメ『ライザのアトリエ』第4話は、水没坑道での冒険を描く！ライザ、レント、タオが成長への足掛かりを得る物語

　ライザはコベリナイトと呼ばれる青い鉱石の採取を、レントは戦士としての立ち回りを、タオは調査の場慣れしてくることを命じられるのだが、注目したいのはタオへの指示。

　タオは「自分が得たいのはあくまで知識」と考え、自分が冒険に行く意味を図りかねていたが、“水没坑道”では要所に刻まれた古代文字から最適解を導いて仲間のピンチを救うなど、機転を利かせた活躍を見せる。

　そんなタオの活躍シーンだが、じつはこれはアニメオリジナルの演出。錬金術や戦闘のシーンだけでなく、知識を生かしたサポートという、ある意味地味なシーンもしっかりクローズアップされている点は見逃せない。

　タオは後に、その豊富な知識で皆を引っ張るまでに成長を遂げる。ここでのアンペルの教えが、頼もしいタオにつながると考えると、とても感慨深いシーンだ。

距離が縮まるクラウディアと、距離を置くボオスとの関係

　“水没坑道”に出かける前に、これから冒険に向かうことをクラウディアに報告するライザたち。この何気ない会話シーンが入ることで、3人とクラウディアとの距離感が縮まっていることが伝わり、“悪ガキ4人組”の絆を感じられるはずだ。

　とはいえ、「土産話を楽しみにしてくれよな」と無邪気に語るレントの言葉に、「うん……」と寂しげに応えるクラウディアを見ると、胸が締め付けられる想いを抱く人も多かったのでは？

　そしてクラウディアとは真逆の位置にいるのが、村の有力者であるブルネン家の跡取り息子、ボオス。クラウディアといっしょにいるときにライザたちの前に現れるが、相変わらず彼女たちを見下したような言葉で挑発してくる。

　だが、ライザ、レント、タオは昔から彼といがみ合っていたわけではなかった。それはBパートで“水没坑道”を探索中に、子どものころのお宝探しを回想するシーンで、ボオスの姿がチラッと映っていることからもわかる。幼いころの彼らは……。

アニメならではの調合や採取シーンの演出にドキドキ

　アニメにおける調合シーンは、水の波紋が広がる空間で、ツタのようなものから花が開いて調合が完了する演出となっている。この魔法少女の変身シーンのような演出に魅せられた人も多いだろう。これはゲームにおける“マテリアル環”を使った調合を、アニメならではの表現で再現しているのだと考えられる。

　また、第4話の完成時のポーズは、ゲームを忠実に再現している。原作ファンに向けたちょっとした小ネタも見逃せない。

錬金術士としてのありかたを弟子に伝えるアンペルの想いとは？

　無事目的を果たして試験に合格したかと思えたが、アンペルはライザにだけ補習を命じる。それは、ライザが独自のセンスで調合した高威力のタルフラムのせいで、仲間を危険にさらしたことが理由だった。本来ならばその才を手放しに喜ぶべきだが、アンペルはあえて苦言を呈す。

　「何をどんな質で作るか、作ってどう使うか、結果何が起きるかを、考えねばならない」、「それができた時、おまえは自分の行いに責任を持つ、一人前の錬金術士になるだろう。できるな？」と。その言葉からは師としての気遣いだけでなく、彼自身に対する戒めのような想いも感じられるはずだ。

放送情報

TOKYO MX、群馬テレビ、とちぎテレビ、BS11：2023年7月1日より毎週土曜24時00分～
読売テレビ：2023年7月3日より毎週月曜26時29分～
テレビ愛知：2023年7月3日より毎週月曜26時05分～
AT-X：2023年7月4日（火）20時00分～（※再放送：毎週木曜8時～/月曜14時～）

※放送日時は変更となる場合があります