2023年2月16日のサービスが開始されたスクウェア・エニックスのスマホ向けRPG『トワツガイ』。
本作は“トリ”と呼ばれる少女たちがツガイ(ペア)となり、異形の存在“魔獣”と戦っていくダークファンタジー。
ツガイとなる少女たちの尊さを描いているのが大きな魅力で、いわゆる百合的なテイストも楽しめる本作なのだが、本日(2023年5月15日)から10日間“懺悔と感謝の総計100億連ガチャキャンペーン!!”が開催! 『シノアリス』コラボやキャラクターソング『トワノユメ』の発表、サントラの発売決定、さらに2023年6月16日からは舞台の公演が決まっていたり(サンシャイン劇場にて上演予定)、グッズ展開、コラボカフェ開催など、ゲーム内外でもさまざまな企画を実施し、話題になっている。
そんな何かと話題の『トワツガイ』もサービスを開始から約3ヵ月が経ち、2023年5月12日には同作初の公式生放送も配信。今後のさまざまな発表もなされた本作について、藤本プロデューサーと山田ディレクター、そして開発を担当するエボルブから舛谷プロジェクトマネージャーに集まっていただき、『トワツガイ』について話をうかがった。
さらに、ファミ通.comの公式Twitterアカウント(@famitsu)と『トワツガイ』の公式Twitterアカウント(@towatsugai)をフォローして、この記事のツイートをリツイート(RT)すると、抽選で10名様にAmazonギフト券3000円分相当を贈呈するプレゼント企画も実施しているので、そちらもお見逃しなく(応募方法などは記事の最後に)。
『トワツガイ』とは
“黒い海”に侵食され始めた世界。
突如海から現れた異形の存在“魔獣”、そしてその最たるもの“災禍の魔女”たち。
魔獣に対抗するべく人々が作り上げた組織“特殊災禍対策本部 CAGE”は、“トリ”と呼ばれる少女たちを戦線に送り込む。
強大な敵。戦い続ける組織。壊れていく心と体。
それでも彼女たちは抗う。
唯一無二の“ツガイ”だけを心の支えにして。
- 原作・世界観設定:白本奈緒(ILCA)
- 音楽:岡部啓一・瀬尾祥太郎(MONACA)
- オリジナルキャラクターデザイン:雪醒
まずはインタビューの前に、開発スタッフのこだわりポイントのコメントからお届け。
開発スタッフ 内緒のこだわりポイント
シナリオ表現のこだわりポイントはたくさんあるのですが、とくに気にしているのはトリの少女たちの細かな表情変化です。話をしている少女はもちろんですが、話を聞いている少女の表情にも気を配るようにしています。ペア相手の発言に敏感に反応する少女もいれば、あまり気にせずマイペースな少女もいます。繊細で複雑な少女たちの心情を表現しようと、非常に力を入れてシナリオ表現を作成いたしましたので、ぜひアプリ内の“書庫”から、シナリオを何度も読み返していただけますとうれしいです。
(プランナー:西中晴菜氏)
キャラクターまわりの制作ではそれぞれの性格や関係性を表現できるように、そのときキャラクターがどんな気持ちで、相手に何を思ってその表情・ポーズになっているかを掘り下げながら制作をしていました。また、キャラクター以外では、たとえばアイテムではキャラクターたちがどう使うか、背景ではキャラクターたちが戦ったときにドラマチックに見えるか、というところを意識し、キャラクターそのもの以外のところでも、キャラクターたちの魅力や存在感を高められるようにという思いで進めています。これからもキャラクターたちの魅力や“ツガイの尊さ”をお届けできるよう、制作していきます。
(アートディレクター:阪田あやめ氏)
庭園はユーザー様がじっくりと見ることが多い画面なのでバトルとはまた違った、キャラごとの個性が感じられるよう表情や仕草に特にこだわりながら制作を行いました。本を読んだり、おかしを食べたり、ブランコに揺られたり、思わず居眠りをしてしまったり……など、緊迫したバトル内では見ることのできないツガイ間の関係性や“ゆるさ”にもこだわっています。“永遠ツガイ化”後に入ることが出来る花園という場所では、ツガイたちの距離がより一層近付き、尊さを感じていただけるような内容となっておりますので、各ツガイたちの個性豊かな庭園/花園でのモーションをぜひ見てみていただけるとうれしいです。
(モーションデザイナー:窪田心菜氏)
メインストーリーは戦場パートも多く、かなり緊張感のある日々を過ごしている少女たちですが、内緒話は“庭園”という、美しく心安らげる空間で過ごしている中での会話なので、ちょっと一息ついているような、緩やかな時間を過ごしているふたりの空気を感じていただけるように意識しています。ツガイだからこそ言える話、見せられる表情など、見どころがたくさんありますので戦いの場の少女たちとはまた違う一面も、内緒話で楽しんでいただけたらうれしいです!
(モーションデザイナー:諸木美寿々氏)
制作ではキャラクターがツガイでいるときに見せるそれぞれの所作や表情、目線などにこだわって制作を行っています。これに関しては映像に限ったことではなくゲームをプレイしていると随所に見られることなので、そういった表現は『トワツガイ』にはなくてはならないものだと思います。映像としては、エフェクトやカメラワークを付けることによって、ツガイの気持ちの移り変わりを丁寧に表現できるので、ぜひそういったところも注目していただきたいと思います。
(ムービーデザイナー:西野順子氏)
藤本善也氏(ふじもと よしなり)
『トワツガイ』プロデューサー。
スクウェア・エニックス所属。『シノアリス』のプロデューサーも務める。
山田崇之氏(やまだ たかゆき)
『トワツガイ』ディレクター。
スクウェア・エニックス所属。ポケラボで『戦乱のサムライキングダム』や『シノアリス』に携わり、2017年にセガゲームス、2020年にスクウェア・エニックスに入社。
舛谷康太朗氏(ますたに こうたろう)
『トワツガイ』のプロジェクトマネージャー兼システムディレクター。ゲーム開発全体のプロジェクトマネジメントおよびシステム全体設計を担当。開発部隊を率いて制作を進行。
いろいろあったサービス開始からの3ヵ月
――2023年2月16日のサービス開始から約3ヵ月が経過しましたが、『トワツガイ』の現状についてはいかがですか?
藤本このゲームは企画の立ち上げや開発の段階から“ツガイの尊さ”に振り切っていて、エモいコンテンツにしていこうとずっと言い続けてきたんです。そんなテイストがお好きな方には喜んでいただけるユニークなコンテンツになっていると思います。
一方で、ゲームシステムの部分に関しては、おもしろいと言ってくださる方もいれば、物足りないというお声もあって、賛否両論ありました。もちろん、改善すべき点はありますが、ターゲットとして想定しているお客様には概ね楽しんでいただけているようです。
――“ツガイの尊さ”というお話しがありましたが、本作は女性キャラクターどうしの関係性が濃く描かれるのが特徴ですが、“女性のツガイ”にこだわった理由は?
藤本最近よくダイバーシティ(多様性、相違点といった意味)という言葉が使われますが、本作のテーマとして多様性を認めていく部分、別の言いかたをすれば、マイノリティをどう描くかを追求しています。みんなそれぞれ違う中で、違いを認め合ってゲームの中でもその違いを楽しんでいこう、というコンセプトがあるんです。
一方、すごく排他的になってしまいがちな難しいテーマでもあるんですよね。ですので、互いを認めながらみんなで楽しんでいくことを、ゲーム体験としてどう実現していくかという部分についてはよく話し合っていました。
――召喚柱には男性的な外見のキャラクターも登場し、いわゆる百合ゲーだと思った人には違和感を与えたようですが、そこに関してはいかがでしょう?
藤本先ほど申し上げた通り、本作は多様性を尊重するということで、排他的なものにはしたくなかったんです。そのコンセプトとエンターテインメントとしての仕立てのバランスをどうするか、という話ではあるのですが、結果的には多くの方々に許容いただけているかなと思います。
先ほどお話した多様性などにもつながるんですけど、本作は男性にも女性にも楽しんでいただけるものにする、というのは最初から考えていました。最近は男性向け、女性向けという明確な線引きもないんですよね。たとえば、『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』などのいわゆるバトルマンガって、昔の世代からすると男の子向けのコンテンツだと思いますが、いまは女性も楽しんでおられます。
――言われてみると、確かに好きなコンテンツの性差というのは薄くなってきている気がします。少年向けのマンガ誌を女性も読んでますもんね。
藤本ですので、『トワツガイ』もとくに女性が好きな要素だけを入れていく、みたいなことは考えていなくて、逆に性差にとらわれずに、人間の感情を揺さぶる表現をみんなで徹底的に考えて制作しています。
――サービス開始直後は接続が不安定になり長期メンテナンスも行われましたが、想定よりも多くのユーザーが集まったということでしょうか。
藤本そうですね。ある程度は想定していたつもりだったのですが、それ以上に注目していただけたこともあって、リリース直後はプレイヤーの皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました。当時プレイできなかったお客さんには本当に申し訳ないです。ただ、それだけの方が集まってくださったのはありがたいことだと思っています。
――二次創作ガイドライン(※)も物議を醸していました。
※……二次創作作品を公開した時点で、事前の確認をすることなく公式生放送やSNSなどへの利用について許諾したこととみなす、といった主旨のことが盛り込まれていたが、下記のインタビューにある通り、現在は制作者に事前の確認を行ったうえで利用することに変更されている。
藤本二次創作ガイドラインに関しては記載に配慮が足りず、不快な思いをさせてしまって、お詫び申し上げます。もともとあの項目は、二次創作クリエーターの皆様には『トワツガイ』を応援していただきたいですし、我々としても応援します、ということをお伝えするためのものだったんです。
――反響の大きさもあってか、ガイドラインが話題となった翌日には該当箇所が修正されましたね。
藤本修正すべきところはなるべく早く対応するということを心掛けています。そこは『トワツガイ』の運営のポリシーでもありますね。
イベント、バトル、育成などの演出すべてが“ツガイの尊さ”につながるように
――さまざまなスマホゲームがサービス中ですが、そんな中で本作の売りやこだわっている部分は?
山田やはり本作のコンセプトである“ツガイの尊さ”は、シナリオパートの演出、育成面、そしてバトルにおいてもツガイの関係性を重視している部分ですね。
演出部分はわかりやすいと思うんですけど、イベントシーンはもちろん、バトル中の掛け合いやホーム画面のセリフが変化したり、さらには“庭園”で内緒話が見られるようになったりと機能面も含めたあらゆる部分でツガイを意識する、という部分はとくにこだわっています。
また、長くプレイするスマートフォンゲームとしては育成、成長面でもツガイの関係性を描くのが大事だと思っていて、絆が深くなるにしたがってふたりの会話のセリフなども変わってきます。キャラクターごとに相手をどう呼ぶのかとか、「ありがとう」と言うのか「ありがとうございます」なのかとか、人間どうしの関係性に違和感が出ないようにセリフまわしにもこだわっています。
舛谷僕らもツガイの尊さにこだわるプロジェクトということは最初から聞いていて、グラフィック的な表現などでそのこだわりを見せていきたい、と思って取り組んでいます。
具体的には、たとえばシナリオでツガイどうし、あるいはツガイではないキャラクターの関係性が濃密に描かれていますので、ただ立ち絵を並べるだけでは表現が足りないと思ったんですね。ですので、情景や空気感を伝えるために試行錯誤を重ねて、腕を組んだり手を握ったりといった、立ち絵では難しい表現も多く取り入れて作っています。
――2Dのようなグラフィックでそうした演出を入れていく、というのはたいへんなのですか?
藤本1話ができたタイミングで見せてもらっていたんですけど、「これでずっと作っていけるの?」という話はしていました(笑)。
舛谷僕たちとしても決して余裕ではなかったんですけど、何とかやり切っていまに至っています(苦笑)。
2Dのキャラクターふたりの演出を付けながらひとつの画面で表現することは、けっこうたいへんなんですよね。
ふたりのキャラクターをワンセットとして見せるためにイラストを重ねたりもするんですけど、単純に絵を重ねるだけではチープになってしまいますし、2Dなのでイラスト自体に角度をつけるのも難しい。量産を考えると毎回1枚絵で表現するのも現実的ではない。
でも、シナリオに没頭してもらうために演出は重要なので、どんな表現がいいのか、という部分はかなり試行錯誤をくり返しましたね。
――いっそ3Dモデルを作って3Dグラフィックにするといった選択は?
山田キャラクターデザインをしてくださっている雪醒(ゆきさめ)先生の絵は、塗りに独特な儚さのようなものがあって、そこが素敵なんですよ。あの空気感を3Dで忠実に表現することは難しいので、イラストの魅力をそのまま伝えられる2Dの表現にしています。
――ああ、なるほど。
舛谷開発中は「これが3Dだったら……」みたいな話は出ていました(笑)。でも、2Dの絵を使って3Dの空間を表現できるようになったと思うので、僕らとしても勉強になりました。
藤本手間をかけて2Dでやっていただけたからこそ、ほかの作品とは違うゲーム体験が実現できていると思います。
『シノアリス』のプロデューサーをしている僕が言うのも変ですけど、SpineやLive2Dといった2Dアニメーションのソフトを使っているものって、ゆらゆらしている動きのものが多いじゃないですか。
でも『トワツガイ』はアニメみたいに動いているので、「これがふつうのことではない」というのは声を大にして言いたいですね(笑)。本当に、アニメを見ているような感覚なんですよね。シナリオ構成でもプレイヤーの感情をどう揺さぶるかにこだわってタイムラインなどを作っているので、しっかりと感情移入しながら見ていただけるものになっているのではないかと思います。
山田シナリオパートには早送り機能はあるんですけど、丸ごとスキップする機能を入れていないのは、しっかり見ていただきたいという思いもあります。
――そんなこだわりのイベントシーンを後から振り返れるような機能を実装する予定はありますか?
山田そうですね。既読のストーリーやムービーなどを閲覧できる書庫のなかで、イベントシーンも今後振り返られるようにしていきたいと思っています。
――感情を動かすために演出にはいろいろとこだわっているのがわかりました。
藤本シナリオパートの印象的な場面ではスチル、1枚絵も出てくるんですけど、あれはうちのアートチームが描いたり指示を出して外部の方に描いてもらったりしているんです。ここも感情を動かすために何を描くべきかを研究してくれて、本当にいいものを作ってくれているなと思います。
あと、ゲーム全体では静と動のコントラストを出すことも意識しています。バトルや戦いを描くようなシナリオパートでは激しさを出し、一方で内緒話のような部分では落ち着いた空気感の中で関係性を育んで……みたいな感じで、メリハリをつけるようにしています。
山田静と動という意味では、キービジュアルもそのふたつを意識しているんですよね。公式HPのトップ画面でも、ツガイたちが正面を向いて武器を構えている動のイラストと、各ツガイがくつろいでいるような静のイラストが順番に流れているので、ぜひ見てみてください。
藤本とにかく「お客さんの感情をどう動かすかにフォーカスしてほしい」と言っていたんですけど、実際にチームひとりひとりがそこにこだわってくれているので、胸を張れるものになっています。プロデューサーとしては本当にありがたいですね。
――静の演出のひとつである庭園で内緒話が聞ける、というのもユニークですね。
山田庭園はプレイヤーが後ろから覗き見ている視点から始まって、途中から互いが互いを見る視点になっていくみたいな、視点の切り替わりの部分もこだわっている部分です。
舛谷テキストを読んでいくという仕組み自体は通常のシナリオパートと同じなんですけど、「特別なシーンである内緒話で同じ表現をするのは違うよね」というところから見せかたを考えていきました。互いにアップになるのもあって、あそこでしか感じられない関係性を知れるものになったかなと思います。
傷付くからこそ尊い!? デフォルメキャラの目線にまでこだわったバトル演出
――バトルも演出も細かいですよね。
舛谷バトルの演出もこだわっていて、デフォルメキャラたちに関しても細かい動きが入っているんです。最初はスマホの画面だとほとんど見えないんじゃないかと思ったんですけど、それがあるかないかで印象がだいぶ変わってくるんです。
単純な攻撃や走りのモーションだけでなく、相手をかばったり手をつないだり、目線を配ったりというような動きもあるので、1キャラあたりのモーション数は100を超えているんですよ。
――デフォルメキャラの目線にまでこだわっているんですね。
山田そうなんです。バトル自体はそういった動きがなくても成立するのですが、ツガイの尊さを押し出していくという意味では欠かせない表現なんですよね。召喚や必殺技など、見せ場になるシーンの演出にも力を入れています。
舛谷ただ、演出をしっかり見せたいとなると、どうしても尺が欲しくなってバトルのテンポが悪くなりがちなんですよね。バトルのテンポをよくしたうえで、“ツガイの尊さ”をどう表現をしていくか、という部分では苦労しました。
また、バトルの演出を考える場合、ふつうは攻撃する爽快感みたいなのを意識して開発もそちらに軸足を置くんですけど、『トワツガイ』は違うんですよね。キャラクターがダメージを受けたり、味方をかばったりするときの表現にこだわっていて、演出のバリエーションがかなり多いんですよ。
藤本あんな表現はなかなか見たことがないと思いますよ。
――たしかに、傷付きながらふたりで支え合っている感じが尊いです。
山田かなり痛々しいので、逆にそこがツラいと感じられる方もいらっしゃるかもしれないのですが、被ダメやかばう、戦闘不能時のモーションなどはかなりこだわった部分ですね。かばうだけでも複数パターンがあって、セリフについても先ほどお話したように絆の深まり具合によって変化するので、バトルを通してツガイの成長を感じていただけると思います。
舛谷そういったツラい演出もあり、バトルのデフォルメキャラは、デフォルメだからといってコミカルな表現にはせず、プレイヤーの皆さんに刺さるような表現にしたいと思って工夫しています。
また、バトルで言えば、召喚演出にも注目してほしい要素のひとつです。オート周回中は召喚演出はカットされるのですが、何回見てもエモいなと思うんです。ここまで関係性にこだわった演出をしているものはなかなかないと思うので、ぜひ見ていただければと思います。
開発スタッフの多くが女性で、女性ならではの繊細な感性が反映
――“ツガイの尊さ”へのこだわりをいろいろな角度で描くためには、女性目線も必要だと思うのですが、開発するうえでチームの女性スタッフに意見を求めるようなこともあったのでしょうか?
山田グラフィックなどで最終的なジャッジの前に見ていただくことはすごく多いですね。
藤本そもそも、エボルブさんのチームは女性が多いんですよね。いまここに集まっているのはオッサンだけなんですけど(笑)。
舛谷(笑)。アート関連はとくに多くて、8割くらいは女性ですね。チームの女性の意見をしっかり聞いたうえで動いています。
――女性スタッフからはどういった意見がありましたか?
山田エネミーの気持ち悪さみたいな部分でよく意見をいただきましたよね。ダークファンタジーな世界観が基本になっているので、最初はグロかったり気持ち悪かったりするようなデザインが多かったんですけど、そういった要素を少しそぎ落としたり抑えたりして、調整していきました。
舛谷虫の気持ち悪さの定義、みたいな部分は男性と女性で感覚が違いましたよね。
山田そうですね。どの部分をもって気持ち悪いと感じるのかを細かく聞いて、該当する部分を細かく調整するようなことはしていました。
あとは、キャラクターのスタイルのデザインなどは下品になりすぎないように気をつけています。ゲームの女性キャラクターのデザインは露出度の高いものが多い傾向にありますが、本作では過度な露出は敢えて避けています。とくに女性から見たときに拒否感が出ないように、というのは意識している部分です。
たとえば胸の露出が多めだったものを、出すぎだからもっと抑えよう、みたいに修正することはよくあります。
藤本あとは、バトルで視線の話題が出ましたけど、シナリオパートでもグラフィックデザインをされている女性の方が、すごく視線にこだわって作ってくださっているんです。実際にプレイしていただければわかると思うんですけど、ひとつひとつの所作が繊細で、感情に紐づいているんですよね。どう見せればお客さんの感情を動かせるか、それをつねに考えながら作ってくださるので、本当にすばらしいなと思います。
舛谷隣にいるキャラクターの裾をつかんだりするのも、細かく表現されていますよね。ここはテストプレイの段階でもユーザーさんにも評価いただけたのでうれしかったですね。
藤本そういった感性の部分でも女性ユーザーの方にも受け入れてもらいやすいのかなと思います。
改善すべきポイントはこれからもスピード感を持って対応
――サービス開始からここまでで、プレイヤーからはどのようなフィードバックが届いていますか?
山田演出を見せたいがために、バトルのテンポが削がれていたので、そこはお客様からもご指摘いただいて改善しました。
あとは、使用する端末のスペックで画質を通常版、軽量版に自動で振り分る仕様にしていたのですが、その基準を少しきびしめにしていて、通常版でも問題なくプレイできる一部機種も軽量版の表示にしていました。その基準を緩和しつつ、さらに通常版か軽量版かはプレイヤーが選択できるような変更も加えています。
藤本演出にこだわっていた部分が強いので、それだけに端末によってはストレスを感じる状態があるだろうと、通常版で表示する基準をきびしくしていたんですよね。その改善に時間がかかっていました。いまはそれがほぼ完了していますので、多くのお客さんに楽しんでいただけるような状態になっていると思います。
――リリース当初はメインクエストが難しくてなかなか進めない、といった声もありましたが、そのあたりはいかがでしょうか。
山田そこに関してはリリース後の1、2週間でかなり改善できたかと思います。
――エボルブさんとしてはそれらもろもろの対応に最初は苦労されたのでは?
舛谷そうですね。優先度の高いものから……と言っても多くのものが優先すべきものだったので、たいへんでした(苦笑)。
ただ、自分たちもいちプレイヤーとしてプレイしているので、たいへんさよりもどんどん改修して快適にしていきたい、という気持ちのほうが強かったですね。
山田4月にはプレイヤーアンケートを行って、さまざまなご意見をいただいています。こちらについてもなるべく反映していきたいですね。
今後の『トワツガイ』について。舞台が上演、さらにキャラソンもリリース
――今後の『トワツガイ』ですが、言える範囲でどんなことを予定しているのか教えていただけますか?
山田まずはこの記事が公開される5月15日には、新たなプレイアブルキャラとしてモズが実装され、新スタイルも追加されているはずです。
6月には舞台に合わせたイベント“舞台トワツガイ episode0”を開催します。どんな内容になるかを想像してお待ちいただければと思います。
――舞台の内容と関連するような内容に?
山田そこは楽しみにしていただければ(笑)。
機能面に関しては、プレイストレスをさらに改善するために、以前ロードマップで公開した派遣機能(仮称。余っているAPを消費できる機能)も入れていきたいと思っています。
ハーフアニバーサリーを迎える8月はちょうど夏真っ盛りなので、真夏らしいイベントやスタイルにもご期待ください。
その先、秋ごろには『シノアリス』コラボも行う予定です。
――『シノアリス』のキャラがツガイに……!? といろいろ妄想できますね(笑)。
藤本最初はアリスとスノウが出ますので、楽しみにしていてください。
――最初は……。ちなみに、モズ以降の新キャラクターはどんなタイプに?
山田つぎのツガイについても、現在準備を進めているところです。こちらも雪醒先生に描いていただいているのですが、これまでのツガイとはまた違うタイプの、ものすごく魅力的なキャラクターになっていますので、ぜひ楽しみにしていてください。
――では、6月16日からの舞台を筆頭に、マーケティングパートナーのアニメイトでのキャンペーンなどゲーム外の動きもいろいろと活発な『トワツガイ』ですが、それらについても教えてください。
藤本初の公式生放送でも発表させていただくのですが(インタビューは4月中旬に実施)、まず6月にキャラクターソング『トワノユメ』をリリースします。そのキャラソンを収録したサウンドトラックについても、サブスクとダウンロード販売の両方を行います。加えて、6月の舞台に合わせてコラボカフェや新作グッズ、アニメイトさんでのオンリーショップや全店でフェアの展開もあります。
――キャラソンをこのタイミングで発表するのは、何か意図があるのですか?
藤本6月の舞台で、演者の皆さんが舞台上でキャラソンを歌うんですよ。そこに合わせて、ゲームの声優の皆さんにも歌っていただいたものもリリースしよう、と。6月はそういった動きのあるタイミングなので、ぜひゲーム以外でも楽しんでほしいですね。
舞台については、脚本と演出を松多壱岱さんが手掛けてくださるのですが、壱岱さんはゲームの『トワツガイ』のシナリオも監修してくださっているんです。つまり、ゲームと舞台に平行して関わっていただいているんです。そういったゲーム、舞台はあまりないと思うので、舞台上でどんな化学反応が起きるのか、私自身もワクワクしています。
山田やはりゲームと舞台では演出や表現の仕方も変わってくるので、シナリオの調整も含めてこだわられているそうです。舞台化の話は開発の初期段階から企画があがっていたので、ゲームのシナリオを作成する段階で舞台も意識されていたんですよ。
――そんなに早い段階から舞台の構想があったんですね。
山田そうなんです。ですので、単純にゲームを舞台化するのとはまた違ったものになるんじゃないかと思っています。
――開発を担当するエボルブさんとしては、そうした展開が決まっていたなか、開発が遅れるとさまざまな展開に影響を与える、というプレッシャーもあったと思いますが、その点はいかがでしたか?
舛谷プレッシャーはけっこうありましたね。リリースの100日前からカウントダウンも始まりましたし、途中で「残り何日しかないけど大丈夫かな?」と不安を覚えることは一度や二度ではありませんでした。ただ、最後のほうは藤本さんや山田さんとも相談させていただきながらでしたけど、僕らとしてもこの日にリリースするんだ、という気持ちを持って取り組んでいたので、予定通りにリリースできたのはよかったなと思います。
今後の意気込み、『トワツガイ』はしばらく大丈夫?
――では、最後に今後の意気込みをお聞かせいただければ。
舛谷今後に向けてどんどん計画を進めているところなのですが、新キャラクターを含めて自分たちもワクワクできるものができあがってきているので、まずはそこをしっかりとプレイヤーの皆さんに届けていきたいですね。
サービス開始から3ヵ月が経って、皆さんからさまざまな声をいただいていて、運営としてもそこに対応できる体制が整ってきたと思います。長く愛していただけるコンテンツを作るためにも、開発チーム一同全力で取り組んでいきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
山田“ツガイの尊さ”というこだわりは今後も貫き通したいと思います。評価していただいているストーリーや世界観、演出についても、引き続きクオリティーにこだわって制作を進めていきたいです。
スマートフォンゲームとして長く続けられるように計画も立てていますし、皆さんのご意見を受けての改善も行っていきますので、今後も楽しんでいただければと思います。
藤本『トワツガイ』はゲームなんですけど、コンテンツとしては広義に捉えていますので、それこそ舞台やコラボカフェなどさまざまなかたちがあって、トータルで『トワツガイ』という体験だと考えています。ですので、ゲームはもちろんとして、ゲーム内外で盛り上がれるような楽しさ、エンターテインメントをもっともっと実現していきたいですね。
そのひとつとして、“懺悔と感謝の総計100億連ガチャキャンペーン”というものがこのインタビューの公開と同日の2023年5月15日から始まります。これは2023年5月25日までの10日間で毎日5連や10連、30連や100連が当たるんですけど、大当たりの枠として99億9990万連ガチャが当たるんですよ(笑)。
――もはや懺悔を逆手に取ったようなインパクト絶大なガチャですね(笑)。でもひとりに99億9990万連ガチャのムチャクチャ感はスゴイ! 一生『トワツガイ』のガチャには困らない回数(笑)。
藤本10日間で99億9990万連を引き切るのは無理なので、当たった人は好きなときに好きなだけガチャが引けるんですよ。サービスが終了するまでに回し切るのはなかなかたいへんだと思います(笑)。
『トワツガイ』は多くのお客様から、熱い応援をいただいています。本当にありがとうございます。お客様にお応えするために運営一同、一層がんばっていきます。ゲームのさらなる改善はもちろんですが、今後もゲーム内外で楽しめることを企画して、みんなで広く楽しめるコンテンツを用意していきますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
本インタビューでも“懺悔と感謝”のプレゼント企画実施
“懺悔と感謝の総計100億連ガチャキャンペーン”の開催を記念し(?)、ファミ通.comの公式Twitterアカウント(@famitsu)と『トワツガイ』の公式Twitterアカウント(@towatsugai)をフォローして、この記事のツイートをリツイート(RT)すると、抽選で10名様にAmazonギフト券3000円分相当を贈呈するプレゼント企画を実施。詳しくは下記を参照のこと。
応募方法
1)ファミ通.comツイッターアカウント(@famitsu)をフォローする。
2)『トワツガイ』公式ツイッターアカウント(@towatsugai)をフォローする。
3)注意事項を確認し、下記の本インタビュー記事のツイートをRTする。
賞品
Amazonギフト券(3000円相当)を10名様に
応募締切
2023年5月25日(木)23時59分リツイート分まで
当選発表
2023年5月30日(火)ごろに、ファミ通.com公式アカウント(@famitsu)から、当選者へDM(ダイレクトメッセージ)を使って通知します。
※かならず、下記を確認してからご応募ください。
※DMを送るため、発表まではファミ通.com公式アカウント(@famitsu)のフォローを解除しないでください。
※ご当選の場合、2023年6月6日(火)23時59分までに賞品送付先を専用フォームにてご登録いただく必要があります。かならず期日までにDMをご確認ください。
賞品発送
2023年6月中旬予定
注意事項
■応募にはTwitterへの登録(無料)が必要です。
■当選はおひとりにつき1口までとなります。
■以下の場合は応募をお受けできません。
・非公開アカウントの場合
・懸賞応募用アカウントやボット(bot)アカウントから応募した場合
・当選発表以前に、応募ツイートを削除した場合
・当選発表以前に公式アカウントのフォローを解除した場合
・第三者の権利を侵害する内容および公序良俗に反する内容など、株式会社KADOKAWA Game Linkage(以下、弊社といいます)で不適切と判断した内容が含まれる場合
■応募に際し発生する通信料などは、お客様のご負担となります。
■フォローやリツイートの際、正常な画面が表示されない場合は、Twitterへ再度ログインしてお試しください。
■賞品の発送は2023年6月中旬を予定しています。なお、発送先は日本国内に限ります。
■当選賞品を譲渡(転売、オークション出品含む)しないことが応募・当選の条件です。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合があります。
■当キャンペーンは、弊社が主催しています。TwitterおよびTwitter社とは関係ありません。
■Twitterおよび関連ツールの動作等の不測の障害により、当キャンペーンを予告なく変更・中止させていただく場合があります。
■応募に際しご提供いただいた個人情報は、弊社の プライバシーポリシーの定めるところにより取り扱わせていただきます。
■応募に際しお客様に生じた損害等につきましては、弊社に重過失のある場合を除き、弊社は一切賠償の責を負わないものとします。
■ファミ通.com公式アカウント(@famitsu)では、個別のご質問をお受けできません。ご不明な点については、下記よりご連絡ください。
※KADOKAWA Game Linkage カスタマーサポート
※かならず「『トワツガイ』“懺悔と感謝”プレゼントについて」とご明記ください。
※サポートは日本国内に限らせていただきます。