2023年6月22日に発売予定のプレイステーション5(PS5)用ソフト『ファイナルファンタジーXVI』(以下『FF16』)。『ファイナルファンタジー』(以下『FF』)シリーズの最新ナンバリングタイトルで、本格アクションRPGとして、全世界で注目される作品だ。

 2023年1月末、スクウェア・エニックスの本社にて、『FF16』のメディアツアーが開催された。メディアツアーでは、本作のプロデューサーを務める吉田直樹氏によるプレゼンから始まり、特別バージョンでの実機試遊、開発陣へのインタビューが行われた。

 本記事では、メディアツアー特別版の実機を試遊したプレイレビューをお届け。アクションRPGとして開発が進められる本作の手触り、目玉となる“召喚獣合戦”の迫力など、さまざまな観点から『FF16』の魅力を紐解いていく。

 ゲームの基本的な操作方法や、システムの解説はこちらの記事に記載しているので、本記事とともにご覧いただきたい。

今回のメディアツアーを含めた、『FF16』のそのほかの記事はこちらから

本記事を読み進める前の注意点

 今回、取材班がプレイしたのはメディアツアー用の特別バージョンで、製品版とは異なるものだ。メインストーリーの序盤部分が遊べたが、今回の特別バージョンではさまざまな召喚獣アクションを体験できるようにと、実際にはその場面では使用できない召喚獣アクションが使えるものになっているとのこと。あくまでも今回の試遊での特別バージョンということを頭に入れて、本記事を読み進めてほしい。

 なお、メディアツアー特別版では、メインストーリーの序盤で訪れることになる“ノルヴァーン砦”での冒険が体験できた。主人公のクライヴ・ロズフィールドを操作し、仄暗い砦の中を進みながら召喚獣・ガルーダのドミナント(召喚獣の力を宿した人物のこと)であるベネディクタ・ハーマンとの戦いが楽しめた。

・このバージョンはメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。
・画面はメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。

『FF16』世界最速プレイレビュー。硬派な王道本格アクション&超ド派手な“召喚獣合戦”が両立。初心者から上級者まで対応する画期的な難度調整に注目
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 ファミ通では今回、4名の記者が本作をプレイした。その感想をそれぞれ紹介する。

動画版はこちら

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誰でもクライヴを爽快に操作できるアクションの“懐の深さ”に感動。“召喚獣大戦”の映像美もすさまじい(Text by バーボン津川)

クライヴが軽快に動きまわる爽快本格アクション

 『FF16』は、本格アクションRPGとして開発されているタイトル。これまでに実施したインタビューでは、プロデューサーの吉田直樹氏やディレクターの高井浩氏(※)が「アクションに振り切った作品にした」と発言している。

※高井氏の“高”の字は、正しくははしごだかです。

 実際に試遊してみて、この言葉の真意がわかったような気がした。主人公・クライヴの基本アクションである“通常攻撃”(□ボタン)、そして遠方から敵を攻撃できる“魔法”(△ボタン)に加え、本作の醍醐味ともいえる“召喚獣アクション”(後述)を使って軽快なコンボがくり出せて、とにかく遊んでいて爽快。まさに“本格アクション”と感じられるプレイ感だった。

『FF16』世界最速プレイレビュー。硬派な王道本格アクション&超ド派手な“召喚獣合戦”が両立。初心者から上級者まで対応する画期的な難度調整に注目
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 アクションは非常にスタイリッシュ。近接攻撃となる“通常攻撃”の基本的なコンボでダメージを与えつつ、敵の攻撃を“ドッジ”(R1ボタン)で回避。とにかくクライヴの動きが軽快で、操作していて気持ちがいい。

 バトルのイメージとしては“蝶のように舞い、蜂のように刺す”といった感じ。いわゆる攻撃ボタンを連打して勝てるようなゲームデザインではなく、敵の動きをしっかりと確認して、“ドッジ”で攻撃を避けながら戦うことが重要になると感じられた。

 敵の攻撃に合わせて適切なタイミングで回避をすると、攻撃を仕掛けてきた敵の動きを一定時間遅くする“プレシジョンドッジ”が発動。プレシジョンドッジ中に□ボタンや△ボタンを押すと、素早く反撃ができる。

 初見で自力で回避しようとするとこれがなかなか難しい。敵によっては攻撃の挙動を見せてから攻撃が発生するタイミングが異なるので、すべてを完璧に避けようとするとかなりのプレイヤーの腕が問われそうといった感じ。逆に言えば、アクションとしてのやり応えを感じられる部分。これはやりこみがいがありそう……!

召喚獣を切り替えながら戦うアクションの手触りのよさに興奮

 バトルの花形となるのが、本作の目玉となるシステム“召喚獣アクション”だ。“召喚獣アクション”は、クライヴに装備した召喚獣のアビリティを使えるというもの。召喚獣は3体まで装備でき、それぞれの召喚獣で1種のフィート(固有アビリティ)、付け替え可能な2種のアビリティが使用できるという仕組みだ。

『FF16』世界最速プレイレビュー。硬派な王道本格アクション&超ド派手な“召喚獣合戦”が両立。初心者から上級者まで対応する画期的な難度調整に注目
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メディアツアー特別版ではイフリート、ガルーダ、タイタンの召喚獣アクションが使用できた

 使用できる召喚獣の力は、ゲームの進行とともに増えていく。付け替え可能なアビリティは、敵との戦闘に勝利したときやレベルアップしたときなどに得られる“アビリティポイント”を使って習得。このアビリティポイントは、召喚獣のアビリティの習得・強化に加えて、クライヴの基本性能を底上げすることにも使用可能。どのようにカスタマイズするかはプレイヤーの自由となっている。

 ちなみに、アビリティポイントは何度でも振り直しが可能。自分が使い勝手がいいと感じたアビリティを中心に強化していくもよし、基本的な能力を中心に伸ばしていくもよし、敵に合わせて組み替えるもよしと、いろいろなビルドが気軽に試せそうだ。

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アビリティ習得画面。種類がとにかく多い。「どれを習得すればいいか悩んでしまう」という人のために、自動でアビリティを習得・強化する“おすすめ習得”の機能も搭載されている。
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習得できるアビリティはテキストによる解説のほか、動画で動きが確認できる。

 装備した召喚獣は、戦闘中にL2ボタンを押すと瞬時に切り替えられる。召喚獣ごとの固有の“フィート”というアビリティは、リキャストなどはなく、〇ボタンを押せばいつでも使用できるものとなっている(移動アクションやガードなど、召喚獣によって異なる)。

 付け替え可能な2種の召喚獣アビリティ(R2ボタン+□ボタン、R2ボタン+△ボタン)は、一度使用すると固有のリキャストが発生。リキャストはアビリティごとに固有になっているので、アビリティを使用→リキャスト待ちの間に違う召喚獣に切り替えて、アビリティを使用といったイメージだ。

 “召喚獣アビリティ”は強力なものばかり。敵に大ダメージを与える高威力のもののほか、軽量の敵を打ち上げるもの、周囲の敵を巻き込んで攻撃できるものなど、さまざまな効果を持っている。そして、見た目もド派手。正直、適当に召喚獣アビリティを連続して使うだけでも「かっこよくクライヴを扱えている!」と、気持ちよくプレイができる。通常攻撃や魔法を上回るスタイリッシュさで、とにかく爽快なのだ。

『FF16』世界最速プレイレビュー。硬派な王道本格アクション&超ド派手な“召喚獣合戦”が両立。初心者から上級者まで対応する画期的な難度調整に注目
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 ただ純粋に使っていて気持ちがいい召喚獣アクションだが、いろいろとコンボを考えるのもまたおもしろい。今回の限られた試遊時間の中でも「敵を空中に浮かせた後に引き寄せを使って、さらに空中コンボを……」と試行錯誤し、多彩な効果を持つアクションが多く、とにかく妄想が膨らんだ。アビリティをどのように使うかを考えるだけでも、何時間、何十時間と楽しめそうだと感じられた。

 もちろん、召喚獣の切り替えやリキャストの管理などを含めると、最大効率でクライヴを動かすのは至難の業だろう。実際に試遊したときも、攻撃の合間に召喚獣を切り替えてアビリティを使用して、さらに召喚獣を切り替えて……と、慣れるまで操作に手間取った。

 とはいえ、なんとなく操作をしているだけでも「敵と戦っている」という感覚が存分に味わえたし、徐々に操作に慣れていってキレイにコンボを決められたときはすごく快感だった。やはり、こういったプレイ感や爽快さが味わえるのは、本作が本格的なアクションの作りになっているところが大きいだろう。

『FF16』世界最速プレイレビュー。硬派な王道本格アクション&超ド派手な“召喚獣合戦”が両立。初心者から上級者まで対応する画期的な難度調整に注目
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“サポートアクセサリ”で誰でもクライヴを自在に操作できる懐の広いゲーム性を実現

 本作で注目したいのが、攻撃や回避、ポーションの使用などを自動で行ってくれるオート操作の効果を持つ“サポートアクセサリ”の存在だ。今回のメディアツアー特別版でも、このサポートアクセサリを使用できた。アクションゲームが苦手な人は、こちらのアクセサリを用いることで、難なくプレイできるだろうし、自分好みの難度に調整もしやすい。

 最初に試してみたのが“《オートスロー》の指輪”。敵の攻撃を受けそうなタイミングで画面がスローになり、時間内に画面上に現れるガイドのとおり、R1ボタンを押すと回避できるという効果を持つサポートアクセサリだ。その効果のとおり、敵の攻撃のタイミングが読みづらいときでも回避が成功しやすくなるのだが「ゲームが一気に簡単になる」という感覚はなかった。なぜなら、回避を成功させるためのR1ボタンを押す猶予時間が絶妙だからだ。

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攻撃を受ける直前にR1ボタンを押せば回避成功。時間内にR1ボタンを押せなければそのまま攻撃を受けることになる。

 敵の攻撃が来ることを予測せずに攻撃を続けても回避失敗になるし、予期せぬタイミングで敵の攻撃がくり出されたとしても時間内にR1ボタンを押すことができず、そのまま攻撃を食らってしまうことも多かった。これは筆者の反射神経が悪いということもあるのかもしれないが、個人的には回避成功のためのR1ボタンを押す猶予時間が、ゲームを著しく簡単にしない、絶妙な時間に設定されていると感じられた。ゲームとしての歯応えを残しつつ、スムーズに戦闘を進めるためには重宝する“《オートスロー》の指輪”。強敵に何度も敗北してしまい、プレイが行き詰った際には活躍してくれるだろう。

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 つぎに、□ボタンを押すだけで自動で攻撃してくれる“《オートアタック》の指輪”、敵の攻撃を自動で回避する“《オートドッジ》の指輪”のふたつを装備した状態で試遊してみた。遊ぶ前は「すべての行動がオートになると大味になるだろうな」と思っていたのだが、実際に遊んでみたらその不安はすぐに払拭された。

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 オートとはいえども、クライヴが華麗なコンボを決め、そして避けまくる。操作自体はボタンを連打しているだけなのだが、しっかりと「遊んでいる」という感覚が味わえたのだ。これには正直驚いた。

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 そう感じた大きな要因は、自動AIがめちゃくちゃ洗練されていることが挙げられる。単純に召喚獣アビリティを使ってダメージを与えるだけでなく、ときには敵を引き寄せてから空中コンボを決めたり、敵に急接近して華麗な連撃で一気にHPを削り切ったりと、自動AIの作りこみがすさまじく、ボタン連打だけでも十分なプレイ感が味わえた。「このAIを作るのにかなりのコストがかかっているのでは?」と思ってしまう。

 これまでに実施されたインタビューでは、「アクションゲームが苦手な人こそ遊んでほしい」と吉田氏が発言していたが、今回の試遊でその言葉の意味がわかった。アクションが苦手でも、このサポートアクセサリを使えば“アクションゲームとしての快感”が味わえる。これまでアクションが苦手という理由で避けていた人には、ぜひとも遊んでほしいと思った。

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 このほかにも、クライヴの相棒となるトルガルの操作を自動化する“《オートトルガル》の指輪”や、HPが一定以下になると自動で回復してくれる“《オートポーション》の指輪”などの装備が確認できた。いずれも物語を進行中に、いつでも付け替えが可能とのこと。

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 強敵とのギリギリのバトルが楽しみたいという人は装備しなくてもいいし、サクッとストーリーを読み進めたいという人はサポートアクセサリを活用してもいい。同時に3つまで装備できるので、自分の望むバランスに合わせてゲームが楽しめるのもポイント。歯ごたえのあるプレイが楽しみたい人はもちろん、爽快さだけを味わいたいという人、アクションが苦手な人。サポートアクセサリの付け替えで、さまざまなプレイヤーが十分に楽しめる“懐の広い”ゲームとなっていると感じられた。

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映像美が鳥肌もの “召喚獣合戦”

 メディアツアーの特別版では、本作の最大の特徴である“召喚獣合戦”もプレイできた。

 今回試遊した召喚獣合戦では、基本的な操作は人型のクライヴのものを踏襲。近接攻撃をくり出す“攻撃”(□ボタン)、離れた敵を攻撃する“火球”(△ボタン)、敵との距離を縮めながら攻撃する“突進”(〇ボタン)、そして敵の攻撃を避ける“回避”(R1ボタン)が使用できた。

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 実際に遊んでみた感想は、とにかく映像の迫力がすごい。今回の試遊ではイフリート対ガルーダの戦いが体験できたが、力と力のぶつかり合いというバトルが展開。敵となるガルーダのHPを一定まで削るとカットシーンに移行するが、互いの腕を引きちぎったり、空中に飛んで巨大な岩を落としてきたりと、壮大なスケールのバトルが楽しめた。

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 アクション自体は、敵に攻撃を与えつつ、途中のカットシーンごとに挟まる“QTE”(Quick time event)で指定のボタンを押す、といったすごくシンプルなものだが、まったく気にならなかった。それほど、召喚獣と召喚獣が織りなす迫力満点のバトル映像に惹きつけられていた。最初に試遊したときは、鳥肌が立ちっぱなしだったほど。それぐらい映像の作りこみがすさまじかったのだ。

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 とはいえ、ほどよく操作が求められるので、ずっと映像を見ているといった感覚は感じられなかった。プレイ感を残しつつ、迫力満点の映像を楽しむ。まるで「映画を動かしている」ようなプレイフィールだった。

 今回、試遊できたのはイフリート対ガルーダのバトルのみ。これまでのインタビューで“召喚獣合戦”はすべてワンメイクで作られていることが判明している。ほかの召喚獣どうしのバトルもシンプルな力のぶつかり合いとなるのか、それともまったく新しいプレイ体験が待っているのか、ワクワクが止まらない。どのような体験が用意されているのか、いまは製品版を期待して待ちたい。

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そのほかの注目ポイント

 さて、ここまで『FF16』の基本的なアクションや要素に焦点を当てて魅力を解説してきたが、そのほかに気になった点をいくつか紹介しよう。

『FF』ファンにはおなじみの敵の姿も!?

 今回のメディアツアーの特別版では、“ノルヴァーン砦”で召喚獣・ガルーダのドミナントであるベネディクタ・ハーマンとの戦いが体験できたが、その前哨戦としてガルーダの分身体である“スパルナ”と“チラーダ”との戦いが楽しめた。

 “スパルナ”と“チラーダ”は、『FF14』にも登場するガルーダの分身の名前。ほかにもFFシリーズおなじみのモンスターや魔法名、アクション名も多数登場とのこと。もちろん、物語的な繋がりはないのかもしれないが、こういった要素が用意されていることは、『FF』ファンとして嬉しいポイントだろう。

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敵が無防備になる“テイクダウン”

 強敵との戦闘では、攻撃を当てると敵のHPが削れるほか、HPバーの下段にある“ウィルゲージ”が減少。このゲージがゼロになると、敵が“テイクダウン”状態に。“テイクダウン”注はしばらく敵が動かなくなるので、大ダメージを狙うチャンスとなる。

 ウィルゲージを減少させるには、主人公・クライヴのパラメータのひとつである“意志力”が重要に。この値が高いほど、敵をテイクダウンさせやすくなる模様。そのほかにも、召喚獣アビリティには威力が高いもの以外に、敵のウィルゲージを減らしやすいものが用意されている。単純に単発の火力を求めるか、意志力を高めてウィルゲージを削りやすいアビリティを採用するか、さまざまなビルドが試せそう。

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クライヴの相棒のトルガルが活躍

 主人公・クライヴの相棒ともいえる狼のトルガル。戦闘中は、トルガルに指示を出すことも可能だ。トルガルへの指示は、敵にダメージを与える“攻撃”、クライヴのHPを回復してくれる“回復”、軽量の敵を打ち上げる“突進”の3種が存在。いずれも十字ボタンの左、右、下で指示を出すことが可能だ。

 トルガル一匹だけでは大きなダメージは与えられないものの、コンボをつなげるうえでは非常に役立つ存在。前述の召喚獣の切り替えやアビリティの使用などと合わせて活用しようとすると、操作が慌ただしくなるが、うまく活用できれば非常に快感。

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 サポートアクセサリでトルガルの行動を自動化する“《オートトルガルの》指輪”も用意されているので、操作が追い付かないという人はこちらを活用するのもよさそうだ。

“リミットブレイク”で状況を打破!

 敵に攻撃を当てたときや、敵から攻撃を受けたときに“リミットブレイクゲージ”が上昇。このゲージが一定まで溜まっている状態でL3+R3ボタンを押すと、“リミットブレイク”が発動できる。“リミットブレイク”中は、クライヴが強化された状態に。

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 攻撃力や防御力の上昇、HPの自動回復効果など、さまざまな恩恵が受けられるので、敵に追い詰められたときや、敵がテイクダウン中で一気にダメージを与えたいときに活用できそう。なによりも派手なので、使っていて爽快!

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最後にこんな小話も

 試遊中に高井氏に話を聞くことができたのだが、今回の試遊で挑めたベネディクタ戦は、当初の難易度から5段階ほどマイルドになったものだという。「『FF14』開発メンバーにテストしてもらったとき、彼らがヒィヒィ言うものになっていて……(苦笑)」と話していたのが印象的だった。

 そんなベネディクタは、物語の序盤で戦う相手とのことで、最初に苦戦する(かもしれない)強敵という立ち位置だとか。確かに、筆者も実際に挑んでみて結構手強いと感じたし、サポートアクセサリなしの状態では瀕死まで追い詰められた。製品版が発売されたときは、まずはこのベネディクタの討伐を目安にプレイするといいかも。そこで苦戦するならサポートアクセサリを活用してもいいだろうし、勝てるまで何度でも挑戦してもいいだろう。

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 高井氏によると、すでにクリアーしたダンジョンに再挑戦する場所も用意しているとのこと。こちらは取りこぼしたアイテムも回収可能なのだとか。

 今回のメディアツアーで『FF16』に触れてみて、アクションの手触りのよさ、そして映像美がとくに印象に残った。序盤のワンシーンを体験できたが、まだまだ遊びたいと思わせてくれるほど。

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 本作の開発を担当するのは、『FF14』も手掛けるスクウェア・エニックスの第三開発事業本部だ。筆者は『FF14』を長年プレイしてきて、拡張パッケージ、大型アップデートのたびに「まだこんな引き出しがあったのか!」と驚かされてきた。

 今回のメディアツアーで体験できた『FF16』はごく一部。まだまだプレイヤーを驚かせるような要素を隠しているはずだ。とにかく、2023年6月22日の『FF16』の発売日が楽しみでしょうがない。

とにかく“ハズさない”。硬派で質がいいアクションゲーム 何度もやりこみたくなるスコアの可視化と爽快感が絶妙(Text by ゆーみん17)

 まず、本作の細かなアクションの説明やシステムの解説は、こちらの記事(『FF16』世界最速プレイでわかった16のことまとめ)、や、先述のバーボン津川氏のプレイリポートを参考にしてほしい。そのうえで、プレイ中に感じたことを記載したいと思う。

 触り始めの印象は“硬派なアクション”。『FF』ならではの味付けはありつつ、遊び心地はとにかく王道アクションといった印象。長くはない試遊時間ではあったが、恐らく、開発陣が描きたかったのだろうものを、決してハズさずに、丁寧に作り上げているイメージを受けた。そのうえで、とにかくド派手な“召喚獣合戦”や、映画を見ているかのような美麗なグラフィックと、それを自分で動かせるという快感が味わえる。凄まじい技術力やコストを用いて制作されたのだと感じさせられた。

 プレイする中で同じステージであっても、何度も遊びたくなってしまう中毒性もあった。これについては後ほど述べたいと思う。

 今回の試遊で感じたことは主に下記の4つ。順番に説明しよう。

・ゲーム体験を深めるためのクオリティー
・初心者~上級者まで対応 アクションの難度調整の絶妙さ
・召喚獣アクションの使いやすさ
・とにかく、純粋にアクションゲームとしておもしろい

ゲーム体験を深めるためのクオリティー

 本作の大きな柱のひとつがストーリー。『FF』シリーズの最新作ということもあり、世界中からの期待は非常に大きいものだろう。このタイミングではストーリーについてはあまり触れられないので、ゲーム体験という切り口で述べたいと思う。世界観としては、敵の設定や名称・特徴など、『FF』というシリーズの伝統をしっかり踏襲したダークファンタジーといった印象だった。

 正直、重厚なストーリーを見るだけなら、映画やドラマを楽しめばいいはずなのだ。それでも我々がゲームという媒体を求めてしまうのは、ストーリーに対して自分が操作をして介入できるという体験がほかにはない魅力だからなのだと思う。

 本作はバトルからカットシーンまでシームレスで、ロードがない。カットシーンとバトルを連続で楽しめることで、それこそ自分が物語に介入するという体験を気持ちよく味わうことができる。

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一体、ムービー中なのか、戦闘中なのか……というレベル。

 また、本作はリアルタイムレンダリングにこだわって制作されているのだが、今回試遊するなかで、遅延がない、重たくないというのがあまりにも自然で、それに対して気になることがなかった。すなわち、ゲームへの没入感が高まっているということなのだろう。さらに、グラフィックのクオリティーも非常に高く、画面に引き込まれる。

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『FF16』世界最速プレイレビュー。硬派な王道本格アクション&超ド派手な“召喚獣合戦”が両立。初心者から上級者まで対応する画期的な難度調整に注目
実機で見るとよりわかりやすいが、肌の質感、エフェクトなどが凄まじい。映像作品と遜色ないが、これがリアルタイムレンダリングというのだから驚きだ。

 実際、ゲームを遊んでいてロードが遅かったり、グラフィックがカクついたりすると気になってしまい、没入度がそがれて一気に現実に戻される、といった経験は割とある。が、当然のように満たしていて、快適にプレイできたとしても凄さを実感しづらいものではあるのだ。ただそれは、非常に大切なことで、ゲーム体験を損わない、ストーリーに入り込むことが重要とされる本作では不可欠な要素なのだと思う。それほど自然で、ゲームを遊ぶこと、世界観に入り込むことに熱中してしまうものだった。

 また、BGMも素晴らしい。ボス戦はフェーズの進行とともにどんどんとフレーズが追加されていき、高揚感が高まっていくものだった。また、“召喚獣合戦”のBGMもコーラスが盛大で非常に盛り上がる。召喚獣ごとにどれほどイメージが変わるのかも楽しみだ。ぜひBGMにも注目して聞いてほしいと思う。

初心者~上級者まで対応 アクションの難度調整の絶妙さ

 本作の特徴のひとつとして、“イージー”、“ノーマル”、“ハード”といった難易度がないことがあげられる。ならば、どのようにして難度を調整するかというと、“アクセサリ”を用いることとなる。

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アクセサリは3つ付装備可能。オート〇〇といったもの以外にも、防御力や攻撃力を上げるものも存在する。

 このシステムは非常に画期的だと考えており、たとえば、“イージー”、“ノーマル”、“ハード”といった難易度選択があれば、3種類のどれかに分類しなければならない。そして、“ゲーマーあるある”かもしれないが、だれも見ていないはずなのに、なぜか自分のプライドとの勝負で“ハード”を選んで時間をかけがち、といったシチュエーションもこれまでのゲーマー人生で幾度となく味わってきた。

 しかし、本システムであれば、自分の腕によって多くのパターンの難度調整を入れることが可能。序盤の不慣れな間はサポートを使用し、慣れてきたら外す、といったこともできる。

 具体的に説明すると、ゲームを始めるときに選べるものとして、ストーリーを重視して遊ぶ“ストーリーフォーカス”、アクションを重視して遊ぶ“アクションフォーカス”のふたつがある。

 そのうち、“ストーリーフォーカス”を選んだ際に“サポートアクセサリ”というものが装備されることとなる(“アクションフォーカス”でも所持はしておりいつでも装備変更が可能)。このアクセサリを自分好みに付け替え、難度を調整していく。

 たとえば、わかりやすいもので“《オートアタック》の指輪”を付けると、□ボタンを押すだけで、さまざまなアクションを主人公のクライヴが自動で使い、その時々に合わせて最適な動きで、スタイリッシュに攻撃してくれる。アクションが苦手だけどストーリーが楽しみたいという人には、これがおすすめ。

 アクションが苦手だが、全自動ではなくそこそこ楽しみたいという人には、“《オートスロー》の指輪”。これは敵の攻撃が当たりそうな際に、画面がスローになり、回避ボタン(R1)のガイドが表示されるようになるというもの。ガイドのとおりタイミングよく押せば、敵の攻撃をよけられる。

『FF16』世界最速プレイレビュー。硬派な王道本格アクション&超ド派手な“召喚獣合戦”が両立。初心者から上級者まで対応する画期的な難度調整に注目

 今回の試遊では、初見で遊ぶ際に“《オートスロー》の指輪”を使ってプレイをしたのだが、ものすごく難度が下がるわけでもなく、アクションはしっかりと楽しめた。初見でもリトライをせずに楽しめる、といった難度調整だろう。

 一度クリアーした後にアクセサリを外してみると、難度がグッと変わったように感じた。アクセサリを付けているときは、爽快感重視でどんどん敵に突っ込んで行けたが、アクセサリを外してそれをすると、ゲームオーバーになってしまう。アクションゲームでは当たり前ではあるが、しっかりと敵のモーションをみて攻撃を避ける、パリィする、といったことが必要になるので、この状態がアクションゲーム好きな人が求めるレベルなのではないかと思う。それでも難しすぎるわけではないと感じた。ある程度プレイしたら慣れるはず。

 ストーリーだけを追いたいけれど、アクションゲームは難しいと悩んでいる方がいるのであれば、その悩みは必要ないだろう(キャラクターを動かすこと自体が難しい場合は除くが)。先述の“《オートアタック》の指輪”に加え、自動的に敵の攻撃を避けてくれる“《オートドッジ》の指輪”をつければ、ほとんどの人は苦戦することなく、ストーリーを楽しめるのではないかと思う。

召喚獣アクションの使いやすさ

 事前情報では出ていたが、“召喚獣アクション”について、実際にプレイするまではいまいちピンときていなかったのだが、今回試遊をして、これが非常に重要な要素だと認識できた。

 基本攻撃として、剣で戦う近接攻撃、遠隔の魔法攻撃があるが、これに加えて最大3種類(今回の試遊ではフェニックス・ガルーダ・タイタン)の召喚獣アクションを使用できる。

 具体的に言うと、ひとつの召喚獣につき、2種類の攻撃アビリティと、特殊アビリティ(フィート)がある。R2ボタンを押しながら、△ボタンor□ボタンを押すことで攻撃アビリティが発動し、〇ボタンで特殊アビリティ(フィート)が発動する。

『FF16』世界最速プレイレビュー。硬派な王道本格アクション&超ド派手な“召喚獣合戦”が両立。初心者から上級者まで対応する画期的な難度調整に注目
画面右で解説されている“フェニックスシフト”がフィートと呼ばれるもの

 攻撃アビリティは、ダメージが大きい大攻撃や、手数が多い連撃、範囲攻撃といったもの。こちらは使用後にリキャストが生じる。

 思いのほかリキャストが回るのが早く、戦いの中で代わる代わるいずれかの召喚獣アクションを使用することになるだろう(用いるアクションによると思うが)。少なくとも、今回の試遊では頻繁に利用することとなった。

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これらはともに攻撃スキル。複数のスキルから選び、入れ替えが可能だ。

 特殊アビリティ(フィート)は、フェニックスであればその羽を用いて敵に急接近したり、ガルーダであれば敵の引き寄せ、タイタンはガードなどと、それぞれ性能が異なるが、非常に使いやすいもの。こちらはリキャストはない。

 対応する召喚獣らしいアクションになっており、どんなスキルなのかイメージがつくので、使いやすい。属性はないとのことなので、自分の好みの召喚獣を使用できそうだ。

 この召喚獣アクションを組み合わせてコンボを作ったり、敵の技に合わせてカウンターとして使用したりすることで、アクションの幅が広がっていく。動きやエフェクトも派手でダイナミックなので、戦っていて非常に手触りがよく、気持ちがいい。

とにかく、純粋にアクションゲームとしておもしろい

 今回の試遊では遊べるステージが限られていたのだが、よりカッコイイ避け方で、よりダメージを食らわずに、よりスキルをうまく使ってクリアーしたい! という欲が非常に刺激され、何度も同じボスに挑んで楽しんだ。

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これは敵がひるんだ瞬間に、すかさず“ガルーダエンブレイス”というフィートを打つことで大型のモンスターを引きとめ、ダウンを取ることができた図。このように、スキルとタイミングによって、より効率よく攻撃ができるようになる。

 それこそ、最初は先述の“《オートスロー》の指輪”をつけてプレイしたが、2週目はアクセサリをすべて外して、3週目は装備を外して(防御力が下がる)、アビリティを強化しないで、などと自分で縛りを設けながら遊びたいという意欲が掻き立てられた。

 敵の攻撃に合わせてドッジ(回避)をしたりパリィをすると、一定時間敵の動きが遅くなって攻撃しやすくなったり、適切なスキルを使用することで、敵のウィルゲージ(いわゆるスタンゲージのようなもの)を削ってテイクダウン(スタン)を取り、大ダメージを与えることができる。これらを駆使して、スタイリッシュにプレイできるのが、気持ちがいいのだ。

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テイクダウン中はダメージ倍率が上昇。

 敵とのバトルの中で、アクションをくり出すと画面右側に“バトルテクニック”というものが表示されるのだが、これに★がついており、おそらくテクニックを評価される仕組みがある。これがあることで、いまの自分の行動がよかったものだと認識できるのが、楽しさ・気持ちよさにつながるのだろう。

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画面右側に見えているフライテキストがバトルテクニック。星の数と、色にも意味がありそうだ。

 クリアー後ではあるが、やり込みモードとしてスコアアタックのようなモードがあるとのことで、やはりこの何度も遊びたくなる中毒性は、意図して作られているのだな、と改めて実感できた。

 召喚獣の種類も数多く、その分召喚獣アクションが存在するので、敵によって相性がいい召喚獣アクションを探したりする楽しみもありそうだ。

 総じて、ストーリーに没頭したい人、アクションゲームが苦手な人、アクションゲームが好きな人など、非常に幅広い層にアプローチしている造りのゲームだと感じた。硬派なダークファンタジーとしてのハイクオリティーな『ファイナルファンタジー』を楽しみたい人は期待していいのではないだろうか。自身ももとより非常に期待していたタイトルではあったが、実際プレイをすることで、想像より遊びやすく、実際にプレイするのがより楽しみになった。

大人な魅力に溢れる、システムでも難易度でも幅広い選択肢に溢れた『FF』(Text by ファミ通.com編集長・世界三大三代川)

 詳細なリポートは別の担当者が濃く、深く記載しているので、詳しくはそちらを読んでいただくとして、概要を把握したいという方向けにざっくりとした所感をお届けしよう。今回、先行プレイをして感じたのは『FF16』はシステム的にも難易度的にも選択肢に溢れたゲーム、だということだった。

 バトルは、公式サイトで“シリーズ初のアクションRPG”とうたうように、主人公クライヴを自在に動かしながら攻撃と回避を行うリアルタイムの判断が求められるもの。だが、攻撃するにもただ通常攻撃を連打するのではなく、特性の異なる召喚獣アクションを駆使し、フェニックスで打ち上げて、ガルーダで追撃し、タイタンで大ダメージを与える、といった最適なものを選ぶことで、より大きいダメージを与えられるようになっているため、状況に合わせて行動を選択する戦略性が本作のバトルが持つ楽しさのひとつだろう。『FF』シリーズでおなじみのATB(アクティブタイムバトル)がさらに高速にリアルタイムに動かすようになったもの……と言うのは強引だが、アクションの中にRPGらしい選択の醍醐味が味わえるのは間違いない。

 召喚獣アクションは発動するたびにリキャストタイム(クールダウン)が発生するのだが、今回使えた召喚獣アクションに限って言えば、ほかの召喚獣アクションを発動しているあいだに回復するくらいの時間になっているため、出会った敵の数や距離を見極めて、フェニックスからタイタン、タイタンかガルーダと選んでいるあいだに、最初のフェニックスのアクションが回復して再度使えるようになっている、といった具合になる。これを駆使すれば召喚獣アクションのコンボ攻撃も不可能ではなく、格闘ゲームほどの連続コンボとは言わないが、敵を一方的に攻撃する時間も作り出せるわけだ。

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 すでにインタビューや別の担当者のリポートでも言及されているが、本作はアクションが苦手な方や、とにかくサクサク進めたい人でも楽しめるように、装備するアクセサリによって難易度が変わるようになっている。筆者は、敵の攻撃が迫った場合にR1ボタンを押して避けられる“オートスロー”のアクセサリを装備してプレイして始めたのだが、これが意外と敵の攻撃をよく食らう。赤い円状のゲージとR1ボタンが表示されたら、ゲージがなくなる前にR1ボタンを押すだけ。ふつうに考えれば簡単な操作なのだが、複数の敵を相手にしていたり、こちらから攻撃を仕掛けようとしているときに、不意にゲージが表示されると、意外と反応しきれずに食らってしまうのだ。だが、だからこそうまく避けたときの喜びがあり、ただボタンを押すだけの“作業ゲー”にならずに、「俺、うまい!」と達成感も味わえるバランスになっている。

 体感難度が大きく変わったように感じたのは“オートアタック”のアクセサリ。これは、本来はプレイヤーが状況に合わせて発動する召喚獣アクションを、□ボタンの連打に合わせて自動的に駆使してくれるもので、おそらく本作でもっとも簡単に遊べるようになるアクセサリだろう。難易度の変化は、とくに雑魚とのバトルが顕著で、オートアタックのアクセサリがつぎつぎとくり出す召喚獣アクションによって、敵の防御力が大きく下がったのかと思うくらいに、簡単に敵を倒せるようになっていた。実際にはそんなことはなく、最適な召喚獣アクションが選ばれていただけだったのだが、ボタン連打だけでも強くカッコいいアクションがくり出せるのは、スクウェア・エニックスで言えば『キングダム ハーツ』シリーズや『ニーア オートマタ』の感覚に近い。

 ちなみに、オートアタックのアクセサリが優秀なのでは前述の通りだが、自分が操作するクライヴよりも、オートアタックのクライヴのほうがはるかに主人公感があったのは言うまでもなく、バトルのカッコよさも増すのは間違いない……。

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 それ以外にもバディの狼・トルガルとの連携アクションや、ほかの召喚獣アクションなどもあり、攻撃の種類や難易度など、バトルをどのように楽しむかの選択肢に溢れたゲームになっている。よりアクション性を楽しみたい人はそういった設定と行動で、ストーリー重視でバトルはそこそこの難易度で楽しみたい人はそういったアクセサリをつけて。十人十色のプレイヤーが自分の楽しみたい方法で遊べる。今回の『FF』はそんな懐の広さを感じる体験会だった。

 ……とバトルを中心にリポートをしてきたが、わずかながら見られたカットシーンや物語の展開からストーリーもちょっとだけ触れておきたい。今回はゲームの冒頭からちょっと進んだところを体感できたのだが、キャラクターの行動もセリフも重厚な雰囲気溢れる、とても大人な内容に感じた。これを“渋い”と取るか“大人”と取るかは、今後の展開や人の好みにもよると思うのだが、少なくとも筆者はすでに引き込まれて、先が気になっているところだ。ちなみに、本作のシドが“シドルファス”という名前だったことは以前に別の記事で触れたが、今回の試遊ではシドが敵から“雷神シド”と呼ばれていることも確認できた。ラムウの力を宿すシドならではの異名だが、イヴァリース好きな筆者はそれだけでストーリーの気になる度が爆上がりしたのは言うまでもない。

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“超ド級超高速ジェットコースター”を“すべてのゲームプレイヤー”に楽しんでほしいという気合が伝わる(Text by 週刊ファミ通編集長・ロマンシング★嵯峨)

 今回、メディアツアーに参加し、いち早く『FF16』をプレイして感じたのは、「吉田直樹プロデューサーが2022年6月のインタビューで語っていたことが、そのまま表現されている」ということだった。

 詳しくは上記のインタビュー記事をお読みいただきたいが、かなり強引にかいつまむと、吉田プロデューサーは「“超ド級超高速ジェットコースター”というコンセプトのゲームを、あらゆる世代の、あらゆるタイプの方に、シリーズであるかどうか以前に、「とにかくすごそうなゲームだ」、「買って遊んでみたい」という気持ちを持ってもらいたい」……と語っている。

 “超ド級超高速ジェットコースター”というコンセプトは、「ストーリーとリアルタイムバトルとドラマがジェットコースターのようにつながっていて、いままで体験したことがない興奮が味わえる」という本作の特徴を端的に表した言葉だ。

 これまでに紹介してきた通り、本作では、すべての場面がリアルタイムで描写されている。探索シーンから自然と会話シーンへ切り換わり、そのまま戦闘に突入したと思ったら、途中でボスが空を舞ったり、ガレキを持ち上げたりするド派手なシーンが挿入され、地形がボコボコ変わったりした後、また再びシームレスに戦闘に戻る。とにかく、つなぎ目がないのである。「いま、待ち時間だな~」とか「同じことばっかりやってるな~」と思うヒマがない。「ここは戦闘する場面だな」、「ここはカットシーンだな」と区別するヒマもない。PS5のスペックを最大限に活かして実現されたゲーム体験だ。

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 また、本作はグラフィックももちろんすばらしいのだが、グラフィックに関する技術も“つなぎ目のない世界に没入するため”に全投入されていると感じる。スクウェア・エニックスの開発チームの技量と、PS5のスペックを活かせば、たとえばコントラストがバキバキの視覚に訴えるような表現や、クリスタルが七色にきらめきまくる最高にファンタジックな表現だってできるはずなのだ。でも、そうはしていない。肌の質感だったり、炎の揺らめきだったり、あえて言ってしまえば“地味”なところを突き詰めていて、それが世界の奥行きにつながっている。クライヴを巡る物語というジェットコースターに、違和感なく乗り続けられるゲームを作るなら、グラフィックはこの方向性が正解だ、という考えなのだと思う。

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 そして大事なのは、このジェットコースターを、“あらゆる世代の、あらゆるタイプのユーザーが遊べる”ことだ。

 前述の通り、本作には難易度という概念はない。アクションの細かい操作に不慣れな人は、アクセサリをつけることで、攻撃や回避をオートで行うことができる。それも、ただボタンを押すだけの作業ではなくて、「俺はいま、カッコよく戦っている!」と感じられる匙加減になっているのがすばらしい。

 すべての要素がシームレスにつながっている作品なのだから、「戦闘が楽しくない、ただボタンを連打しているだけだ」と思ってしまったら、それはつまり、すべての要素を満足に楽しめなくなるということ。だからこその、このバトルシステムなのだろう。敵や味方のパラメータを難易度別で調整するほうが簡単だろうに、あえてこのアクセサリの仕様を導入したところに、強いこだわりを感じた。

 もちろん、アクションが得意な人は、自分なりの「俺カッケー」なコンボを突き詰めていける。その「俺カッケー」なアクションに、複雑なコマンド入力や特殊なアイテムは必要ないのもいい。基本的には、必要なのは通常攻撃(□ボタン)、魔法(△ボタン)、召喚獣アクション(〇ボタン/R2ボタン+△ or □ボタン)、回避(R1ボタン)だけで、あとはそれをどう組み合わせるかというところでプレイヤーの技量が試される。ゴテゴテしすぎていない、硬派なアクションだと感じた。

『FF16』世界最速プレイレビュー。硬派な王道本格アクション&超ド派手な“召喚獣合戦”が両立。初心者から上級者まで対応する画期的な難度調整に注目

 振り返ってみれば、『FF』というのは固定観念に縛られずに続いてきたシリーズだ。たとえば、それまですばらしいドット絵表現が好評だったのに、3D-CGに舵を切った『FF7』だったり、どちらかといえば王道ファンタジーのテイストが多かった中で、オリエンタルな世界観を導入した『FF10』だったり。

 そして満を持して今夏登場する『FF16』は、あえてオープンワールドにせず、コマンドも取り入れず、基本的に操作するのは主人公ひとりという状況で、世界中のゲームユーザーをエンディングまで引っ張っていくエンターテインメントを提供してくれるのだという。今回の試遊では、開発チームのその心意気の一端を感じることができた。ジェットコースターの終着点で自分が何を思うのか、いまから楽しみである。

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・このバージョンはメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。
・画面はメディア体験用の特別版であり、リリース時のものとは異なる場合があります。