アメリカのテキサスで開催中のゲームイベント“QuakeCon”は、『Doom』や『Quake』といったタイトルによりFPSジャンルを確立したゲームスタジオid Softwareが1990年代から実施しているファン向けイベント。

 今年は初代『Doom』の25周年を記念して“Year of Doom”と題し、シリーズ最新作『Doom Eternal』を中心にフィーチャー。基調講演でも『Doom Eternal』の変則対戦モードである“バトルモード”の披露が大々的に行われた。

ショーフロアには『Doom Eternal』の試遊台が展開されていたほか、入り口でも巨大スタチューがお出迎え。

 また基調講演の翌日(開催3日目)にも『Doom Eternal』のパネルディスカッションが行われ、クリエイティブ・プロデューサーのマーティ・ストラットン氏とクリエイティブ・ディレクターのヒューゴ・マーティン氏が登壇。こちらではキャンペーンモード本編のゲームプレイが披露された。(※YouTubeに公開されている録画では1時間25分すぎから)

 今年のE3でリポートしたものとほぼ同じバージョンのデモのため詳細は割愛するが、本作ではプラットフォームアクション的な要素や、敵を倒す方法によって弾・体力・アーマーの回復アイテムを任意に出せる、戦略的なリソース回収要素などが登場する。

 これにより、依然として撃ちまくりのFPSなのに頭の動きやテンポ感はアクションRPGっぽくなっていて、ジャストな回復で窮地を切り抜けられると非常に気持ちいい。「これを知るともう2016年版『Doom』には戻れない」(マーティン氏)というのも納得の出来だ。

 そしてQuakeCon会場ではE3に引き続き再びふたりにインタビューする機会を得たので、QuakeConでの発表内容の掘り下げを中心に話を聞いた。

マーティ・ストラットン

『DOOM Eternal』のエグゼクティブ・プロデューサー。

ヒューゴ・マーティン

『DOOM Eternal』のクリエイティブ・ディレクター

――まず“バトルモード”の発表でデーモン側プレイヤーが緑色のエリアを設置していましたが、あれは何ですか?

ヒューゴ あれは“ハザード”だね。あれの内側にプレイヤーが居るとダメージを受ける。

 緑のゼリーみたいに見えるけど、それはプレイヤーから視認しやすくするためで、「あそこに入ってはいけない」というのと、どこからどこまでがその範囲なのかを高速な戦闘中に一発で理解してもらうためにああなっている。

――デーモン側プレイヤーの能力には回復を阻害するものもあるそうですね?

マーティ より具体的には雑魚のデーモンから回復アイテムが落ちるのをブロックできるという能力だ。ブロックが発動すると、体力回復だろうと弾だろうとアーマーだろうと、それを得ようとして対応する攻撃で倒したのにドロップしなくなる。

 だからドゥームスレイヤー(主人公)側のプレイヤーの体力などが減ってきて、ゾンビなどの雑魚を倒しに行こうとし始めたら能力を使って勝負を決めるチャンスだ。

――ブロックを発動する時にドゥームスレイヤーを狙う必要はありますか?

マーティ その必要はない。ドゥームスレイヤーを見る必要すらなく押せば発動する。

 再使用にはかなり時間がかかるんだけども、ドゥームスレイヤーが回復に追い詰められている時は非常に強力なので、うまいタイミングで使って欲しいね。いい戦術になるはずだ。

バトルモードは、ドゥームスレイヤー側プレイヤー1名と、デーモン側プレイヤー2名が戦うラウンド制の変則デスマッチ。デーモン側プレイヤーはさまざまなスキルを使える。

――ラウンド間にはアップグレードが可能なそうですが、その内容を教えて下さい。

ヒューゴ ラウンド間のアップグレードにはいろいろあるんだけど、キャラクターそのものをアップグレードするというよりは、ちょっとしたバフ(追加効果)を与える感じかな。

 例えばデーモンからもっと体力回復を得られるようになるとか。場合によってはBFG(シリーズにいつも出てくる最強武器)をアンロックするとか、デーモン側ならバロン・オブ・ヘル(強力なデーモン)を呼び出せるようになるなんてものもある。

 3本先取の5ラウンド制で戦っていく中で、戦術的に役立つ要素をひとつ選んで足せるというものになっている。

――マッチメイキングはどう機能しますか? スキルベースですか、それともPing(通信状況)ベースですか? フレンドリーマッチはできますか?

マーティ いくつかの要素を見て決めるんだけど、スレイヤーとデーモンのどっちをプレイしたいか好みをセットすることもできる。ただあまり待たせることなくマッチを組むことを重視してるかな。

 それとプライベートマッチは可能だ。ふたりで組んでマッチメイキングに入ることもできる。

――今回ゲーム内ビジュアルが公開された(キャンペーンモードの)新デーモンの“ドゥームハンター”について教えて下さい。ミサイルを撃っていて、チェーンソーを持っていましたね?

ヒューゴ ヤツはもっと色々持っているんだ。ロックオンミサイルだけでなく下部には2丁のミニガンもついていて、その上でダブルチェーンソーもある。非常に重装備のデーモンだ。

確かによく見たらホバータンク部分の両脇にも銃が。

ヒューゴ そして上半身をシールドで守っているから、倒すまでにはシールドを無効化しないといけない。そしてそのためには下部を破壊するのがひとつのやり方で、プラズマガンを使うという手もある。後者はシールドを持つ他の敵にも有効だ。

 そして下部が破壊されるとジェットで飛び回る別のモードに切り替わる。というわけでドゥームハンターは2つのステージがあるデーモンで、トリッキーで非常にハードだけど、とても楽しい。

――ハンターという名前からすると、追ってくるんでしょうか?

ヒューゴ その通り。容赦ないよ。系統としてはマンキュバスと同じ部類に属していて、デカくてヘビーでとにかく暴れる連中だ。ただドゥームハンターはより上位のデーモンでマンキュバスより機動性が高く、動き回って追い詰めてくる。

――今回もっと“エンジェル”について明かされるのかと思ったのですが、そうではありませんでした。GamescomやTGSで期待してもいいでしょうか?

マーティ それらのイベントではないかな。ローンチが近づいたらもっとトレイラーとか他の形で公開していくことになると思うけど。

――ゲームのサイズ的にはどれぐらいを予測すればいいですか?

マーティ プレイスタイルによるかと思う。今回はデフォルト難度でプレイするのを推奨しているんだけど、そうすることでメカニズムを学習しながらのいい旅が楽しめるはずだ。何度も死んで、その失敗から学んでよりアビリティやテクを習得していくような感じのね。

 そんな感じでプレイするとすれば、20時間ぐらいになるんじゃないだろうか。もし完璧主義者で探索が好きなら色々とすばらしいシークレットを仕込んであるし、それで世界をより深く知れると思う。2016年版『Doom』よりも壮大なゲームだと思って欲しい。

――E3からここまでのフィードバックはどうですか?

ヒューゴ ここまでの反応はとてもいいね。本作でのチャレンジを気に入ってくれているし、バトルモードもフレッシュで新しいものと感じてくれているようだ。

 今の所、自分たちのやっていることが狙った通りうまくいっている証明なので、コレ以上は望めないくらいさ。非常に興奮しているね。

――QuakeConの基調講演の反応も良かったですね。僕はQuakeConで2016年版『Doom』がサプライズ披露された時の事を覚えていますが、あの時も観客がとても……

マーティ クレイジーだったね。QuakeConは何を発表するにしても最高の場所だよ。だからこうして今回も新要素をお披露目したわけだしね。

 僕らの最高のファンがいるし、友達たちがいるし、開発チームをあの熱狂と情熱の中に同席させることができる。こんな場所は業界にそうないよ。チームを代表してあそこに立って、みんなが心血を注いできたものを見せられるのは本当に素晴らしい。

 ショーフロアの試遊台のあたりにもチームメンバーがいるんだけど、彼らは仕事ってよりあそこでプレイヤーがデモを遊ぶのを助けてリアクションを見たいからいるんだ。毎年これこそが年間のハイライトさ。

――バトルモードで気に入っているデーモンとスキルは?

マーティ うーん、全部それぞれ違うようになっているからいろいろ使ってみるのが楽しいんだ。

 でも習得しやすいということであればレヴナントかな。機動力がすごくあって、戦い方もわかりやすい。ジェットパックで短時間飛び回ることもできるし、ダッシュ能力なんかも持っていて、組み合わせるとなかなか凶悪だ。

 両肩のロケット攻撃も強くて、飛び上がって上空から爆撃できる。一番好きとは言い切れないけど、使っていて楽しくて強いキャラであるのは間違いない。

ヒューゴ 自分は今はアーチバイルかな。ちょっと使うのにスキルがいるデーモンで、攻撃はあまり優れていないけど、サポートに長けているデーモンなんだ。効果的に使うには協力が肝心だ。

 でもうまく行った時はめちゃくちゃ強い。いろいろとクールなことをできるしね。だから自分はアーチバイルで戦術的に戦うのを好んでいる。

――バトルモードを戦う上でのコツは?

ヒューゴ デーモンなら協力すること、スレイヤーならアグレッシブに行くこと。そのふたつが大きいね。

マーティ スレイヤーの場合はキャンペーンとやることは近いので、考え方も近いんだ。止まってたら、各ツールをちゃんと使わなかったら、リソース回収をうまく回さなかったら、あまりいい結果は待っていないだろう。

――バトルモードのβテストなどの予定は?

マーティ 今の所はないかな。開発は終盤にさしかかっているけど、必要なテストを得る手段は(公開のテストだけでなく)他にもあるから、最終判断はまだだけど、多分やらないだろうと思う。

――ではデモはどうでしょう?

マーティ 僕らが出展する以外ではないと思う。このデモはあと何度か見かけることになるはずだ。結構な要素を入れていて、ちょっとしたリリースに近いぐらいだからね。

 今はそれよりもゲームを完成させることに注力している。先程話したようにこれまでの出展の反応はすごくいいから、後は完成させてきっちり磨き上げて、みんなの反応と期待に応えたいんだ。

左がマーティー・ストラットン氏、右がヒューゴ・マーティン氏。

 『Doom Eternal』はプレイステーション4/Xbox One/PCに対応し、海外では2019年11月22日に発売予定。日本国内での展開は今後詳細が発表予定となっている。