本物と違わぬ熱気と興奮
2017年3月12日、東京・六本木、ニコファーレにて2Kのバスケットボールゲーム『NBA 2K17』によるゲーム大会“NBA 2K17 ジャパントーナメント”が開催された。こちらは、NBA主催による、ファンイベント“NBA Fan Zone TOKYO”の一環として行われたもので、当日は、事前エントリーによる32名により、頂点の座が競われた。
1999年にドリームキャスト版『NBA 2K』がリリースされて以降、国内でも長い歴史を誇る『NBA 2K』シリーズだが、日本国内でトーナメント大会が行われるのはこれが初めてとのこと。まさに、「待ちに待っていた」という表現がふさわしいようで、事前エントリーは盛況だったよう。さらに言えば、大会でのコメントを聞いていると、「『NBA 2K』シリーズは『2K9』からやっています」や、「『NBA 2K11』から遊んでいます」という、“ベテラン”も多かったようで、シリーズがいかに日本にしっかりと定着しているかがうかがえる。
まず大会のレギュレーションをご説明すると、試合は4クォーター制で、準決勝までは1クォーター3分、決勝のみ1クォーター6分で行われる。選択できるチームは、現在シーズンを戦っている2016-2017の30チームとなる。『NBA 2K』シリーズでは、往年の名プレイヤーなども使用できるが、今回は現行のチームのみとなった。本大会で少し独特なルールが、同じチームを2回続けて使用できないということ。つまり、トーナメントを勝ち抜こうと思ったら、最低でも2チームは使いこなさないといけないことになる。参加者には、お気に入りのチームがいて、そのチームのみをやり込んでいるという方もけっこう多いようで、いかにやりくりするかも、勝敗のカギを握りそうだ。なお、使用されたのはプレイステーション4版となる。
当日は、司会進行役を佐々木クリスさんと大西ライオンさんをメインに、お笑いコンビの山田カントリー(山田庸平さん、浅井優さん)、レイザーラモンRGさんがゲストとして適宜加わるというスタイルで行われた。皆さんNBAにはお詳しいようで、イベント中は軽快なトークが弾みっぱなしだったのだが、皆さん口を揃えていたのが、『NBA 2K17』のリアルさ。皆さん実際にNBAを見たり、スポーツ放送を熱心に鑑賞されていて、相当NBAに対する目は肥えているかと思われるが、『NBA 2K17』でのちょっとした動きや細部に至る描写に感心することしきりで、「実際のテレビ放送と見分けがつかない」といったコメントが何回も聞かれた。山田カントリーの浅井優さんは、自身バスケットボールをプレイしており、2015年に日本プロバスケットボールリーグのトライアウトを受験し、最終選考まで残ったほどの実力の持ち主だが、仲のいいカメラマンから聞かされた「スタジアムの端っこのほうに写っているカメラマンたちのレンズは、本当に実際のスポーツカメラマンが使っているレンズを描いている」という話を披露してくれたが、「そんなところにまでこだわっているのか……」と言うほかない。実際のところ、大会での実況も、実際のNBAのプレイを解説していると一切違和感がなく、たまにちょっと不思議な気分になるほど。
さて、気になるトーナメントの行方はというと、熱戦続きで大いに盛り上がった数々の準決勝までを経て、決勝に進んだのは、どらごんさんとkeibebryant45さん。決勝戦で、「先週、(ニューヨーク・ニックスの本拠地である)マディソン・スクエア・ガーデンで試合を見てきた」という熱心なニューヨーク・ニックスファンのどらごんさんが選んだのは、当然のことニックス。一方のkeibebryant45さんが選んだのは、ゴールデンステート・ウォリアーズ。
決勝戦ということで、アツい試合が期待されたが、現在ウェスタンカンファレンスの1位を快走し、絶好調のゴールデンステート・ウォリアーズに対し、どらごんさんがこだわりで選んだニューヨーク・ニックスはイースタン カンファレンス12位と、チームだけを見れば実力の差は歴然。その実力差はいかんともしがたかったようで、結果は71対51と大差でウォリアーズが勝利することに。「今シーズンのニックを象徴するような試合でした」とはどらごんさんの敗者の弁。勝ったkeibebryant45さんも、申し訳なさそうだったものの、そこは勝負。
決勝戦を大いに盛り上げたのは、スペシャルゲストとして招かれたロン・ハーパーさん。1996年~1998年にシカゴ・ブルズで、2000年~2001年にはロサンゼルス・レイカーズで計5度のNBAチャンピオンに輝いている名選手だ。ハーパーさんは決勝戦の途中から登場するや、エンジン全開で、「あのプレイは反則じゃないのか?」とか、(ニックスの選手がシュートを外すと)「ニックスだから仕方ない」などと、歯に衣着せぬコメントを連発。さらには、自身のSNS用に会場風景を動画で撮影しだすなど、スーパースターらしいマイペースぶりで、会場を大いに沸かせた。実際のところ、ハーパーさんは相当ざっくばらんな方のようで、“NBA 2K17 ジャパントーナメント”の後に行われたエレクトロニック・アーツ『NBA Live Mobile』やD2C『NBAドリームチーム』に関連してのプレゼント大会では、にこやかに記念撮影に応じるなど、気さくな素顔がうかがえた。