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2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。最終日となる9月18日、スクウェア・エニックスブースにて、『サガ』シリーズ最新作となるプレイステーション Vita用ソフト『サガ スカーレット グレイス』(2016年12月15日発売予定)のステージイベントが行われた。
このステージには、ゲームデザイン・シナリオを担当する河津秋敏氏、プロデューサーを務める市川雅統氏、作曲家の伊藤賢治氏が出演。MCは、『サガ』好きで知られる声優の中村悠一さんが務めた。
なお、最初に河津氏が明言したが、本作に中村さんの声は入っていない。今回は、ギリギリまで開発するために、ボイスはまったく収録していないとのこと。
また、河津氏は、本作は“ダンジョンなしでワールドマップだけ”だとも明言。RPGを再構成するうえで、必要がないと考えたものは切り捨てたという。中村さんはいちプレイヤーとして、「ダンジョンがないRPGとは……」と不安を口にするが、市川さんは「これは河津さんの挑戦状だと思う。プレイすると、RPGに対して思っていたイメージがくつがえると思います」と、ゲーム内容への自信を見せた。
続いて、『サガ スカーレット グレイス』の主人公4人について語られた。ちなみに、
バトル曲とフィールド曲は主人公に違う。ストーリーは各主人公でまったく異なるが、ラスボスは同じ、最後の到達点はひとつだという、重大な事実も明らかに。
■ウルピナ
戦いに秀でた貴族の娘。キャラクターデザインを担当した小林智美氏に、「武家の家で、まだ甘えが残っているが、家を背負う覚悟を持っている」という設定を伝えてデザインしてもらったところ、一発オーケーだったという。
伊藤氏は、ウルピナのテーマ曲について、お嬢様という点と戦うという点、どちらをメインに作ればいいのか悩み、結果ウルピナのテーマができあがったのは全主人公の中で最後だったそうだ。
■レオナルド
ヤンキー系の農民の青年。小林氏は、ウルピナと違ってレオナルドのイメージは掴めなかったようで、何度も描き直したそうだ。(小林氏の苦悩については、こちらのインタビューで語られている)。また曲については、レオナルドが聴いていそうな曲を書いてくれ、というリクエストがあり、ちょっと戸惑った、と伊藤氏。
■バルマンテ
職業は処刑人。河津氏は当初から、処刑人というキャラクターを出したいと考えていたという。主人公の中でも、ストーリーの流れがしっかりしているキャラクターとのこと。
■タリア
陶芸家という、異色の職業の主人公。大人の女性で、結婚もしていれば子どももいたこともあるという設定。着物を着ているということもあり、テーマ曲はアジア風のテイストになっているそうだ。
世界初! 実機プレイを披露
つぎに、本作の実機プレイが世界初公開された。今回のプレイの主人公はレオナルド。ワールドマップを歩いていくと、街やオブジェなどがポップアップしていく。
ロウスイという街に入ると、キャラどうしの掛け合いが発生した。レオナルドの場合は、パートナーとなる少女エリザベートが最初から仲間におり、会話には彼女が頻繁に参加する模様。
バトルも、マップ上にあるモンスターの巣などを選ぶことで発生する。戦いが始まる前に、バトルの難度や、どういう敵が出現するか、報酬で何がもらえるかなどがわかるようになっている。このような仕組みにしたのは、“すべての情報を先にユーザーに渡し、判断してもらうこと”がコンセプトだから、と河津氏。
バトル画面にはタイムラインが表示されており、敵味方がどういう順番で行動するか、敵が何をしてくるかがわかるようになっている。中村さんは「ずいぶんやさしいですね!」と驚くが、市川氏は「ぜんぜんやさしくないです」と返答。相手の行動を見て、こちらがどう行動するかをしっかり考えないと勝てないそうだ。河津氏は「このゲームのバトルは、ぜんぜんサクサク進みません」と断言。市川氏は「1戦1戦のバトルが熱い。ほとんどがボス戦みたい」とコメント。
バトル終了後、レオナルドが“ロール”を習得していた。このロールは、いわゆるスキルのようなもので、たとえば斬打突の威力がアップするなどの効果が得られる。特定の技を覚えると、新しいロールを覚える仕組みのため、いろいろなロールを覚えたければ、複数の武器を使う必要がありそう。全キャラクター共通のロールもあれば、固有のロールもあるという。
続いて、ボス戦へ(街でウワサ話を聞き、物見櫓に登ったら、巨大な大穴からムカデみたいな敵がでてきた! 名前は“大地の蛇”というらしい)。
ここで、バトルの星マークに関する解説が。これはBPを表し、パーティー全体で共有している。技を使う際はこのBPを消費。誰かが大技を使ってBPをすべて使ってしまった場合、ほかのメンバーは防御するしかなくなる。ターンを重ねるほどにBPの総量が増えていくが、陣形によっては、最初からBPがたくさんある状態で始められるとのこと。
なお、敵を倒すと、“土の結晶”などの素材が手に入るが、これは装備の強化に使う。強敵に勝てないと思ったときは、素材を集めて装備を強化するといい、と河津氏。
実機プレイはまだまだ続く。王様と会話をし、お隣のケイ州に行く許可を得て移動したレオナルド(ちなみに、レオナルドはバトルをあまりせずとも、どんどん先に進める主人公とのこと)。野いちごを摘もうとしたらマンドラゴラで、LPが減ってしまうというイベントを経つつ、コハン城のシグフレイと会話。彼はバルマンテにとって因縁の相手だが、全主人公のストーリーに登場するらしい。
ちなみに本作では、LPがなくなってもパーティーから消えることはないが、バトルで使えなくなってしまう。LPは、バトルメンバーから外しておくと回復するので、いざボス戦というときに強力なキャラクターを使用できるように、パーティー全員のLPをマネジメントすることが重要だと河津氏。なお、仲間にするキャラクター数の制限はないとのことだ。
告知コーナー
まだまだ実機プレイを見ていたいところだが、残念ながら今回のプレイはここまで。つぎに、イベント情報などの告知が行われた。
■ラジオ番組「スターラジオーシャン」
中村悠一さんが出演しているラジオ番組。超!A&G+にて毎週水曜日21時30分~放送中。
9月は『サガ スカーレット グレイス』を特集中で、次回は伊藤賢治氏がゲスト。
■スクウェア・エニックス e-store限定『サガ スカーレット グレイス 雪月花ボックス』
スクウェア・エニックス e-store限定で発売される豪華な限定版。下記のアイテムがオリジナル収納ボックスに同梱されている。
・『サガ スカーレット グレイス』ソフト
・小林智美氏のイラストを使った完全オリジナルカードゲーム
・『サガ スカーレット グレイス』の楽曲が網羅されているCD
・小林智美氏の豪華イラストボードブック
■『サガ』シリーズ オーケストラコンサート
“サガオーケストラコンサート 2016”が開催決定。2016年11月23日(水・祝)の東京 昼・夜公演(会場:Bunkamura オーチャードホール)、12月10日(土)の大阪公演(会場:ザ・シンフォニーホール)の全3公演を予定。『サガ』の楽曲といえば演奏者泣かせのものばかりだが、すばらしいコンサートになるに違いない。
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■ロマンシング佐賀3
佐賀県とのコラボレーション企画第3弾。現在、嬉野市エリアで企画を実施中。今後、有田でも企画を実施予定とのことだ。続報を待ちたい。
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実機プレイも公開され、いよいよ発売が近づいてきたのだと感じられた今回のステージ。河津氏は最後に、「もう少しがんばって、中身をよくしていきたいので、12月を楽しみにしていてください」とコメントした。発売まで3ヵ月、期待に胸を膨らませながら待とう。
なお、週刊ファミ通2016年9月29日号(2016年9月15日発売)では、『サガ スカーレット グレイス』を10ページにわたって紹介している。河津氏、市川氏のインタビューもたっぷり掲載しているので、ぜひチェックしてほしい。