“The greatest games lineup in Xbox history”

 ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom開催を翌日に控えた2015年8月4日(現地時間)に、ドイツ・ケルンにて、“gamescom 2015 Xbox Briefing”が開催された。“The greatest games lineup in Xbox history(Xboxの歴史の中でもっともすばらしいゲームがラインアップされている)”と謳われた今回のイベントでは、“Xbox E3 Briefing”で予告された、『Quantum Break』や『Scalebound(スケイルバウンド)』、『Crackdown 3』のお披露目や、『Halo Wars 2』のサプライズ発表など、まさに充実のタイトルラインアップを印象づけるものとなった。“Xbox E3 Briefing”が2015年発売タイトルを中心に紹介されたとすれば、“gamescom 2015 Xbox Briefing”はさらにその先を見据えた、まさに “怒涛のタイトルラッシュ後編”といった趣き。

 冒頭に登壇した、Xboxヘッドのフィル・スペンサー氏は、「Xboxチームは、皆さんの遊びたいゲームや求めている体験を、Windows 10でもXbox Oneでも楽しめる環境を提供したいと思っています。ゲーミングをつぎのレベルに押し上げる努力を継続しているんです。ファーストパーティータイトルやエクスクルーシブタイトルに注力し、Xbox OneとWindows 10の両方で、史上最高のラインアップをお届けします。2016年はさらに素晴らしいものになるでしょう」とコメントした。

 “オープニングアクト”として、大々的に取り上げられた『Quantum Break』は、今回のBriefingでは決して見逃すことのできないタイトルと言えるだろう。Xbox Oneの発表会や“Xbox E3 2013 Media Briefing”についでの久しぶりの登場となる同作は、『アラン ウェイク』などでおなじみのRemedy Entertainment開発による(→関連記事はこちら)、期待のアドベンチャー。しばらくのあいだ周囲の時間を止められるジャックを主人公にした物語で、ゲームと実写映像との融合も試みられている。同作はクリエイティブ・ディレクターのサム・レイク氏いわく、「新たなエンターテインメントエクスペリエンスを実現したい」とのこと。Briefingでは、ジャックを演じる俳優のショーン・アシュモア(映画『X-メン』シリーズのアイスマン役などでおなじみ!)がゲスト出演し抱負を語った。会場では、海外における本作の発売日が2016年4月5日となることも発表された。

▲サム・レイク氏(左)とショーン・アシュモア(右)。
▲デイブ・ジョーンズ氏。

 さらに、『Crackdown 3』も2016年発売のファーストパーティータイトルとして期待の1作。開発元であるRealtime Worldsのデイブ・ジョーンズ氏は、プリアルファ版の映像を披露しつつ、「クラウドのパワーにより、世界は100%破壊可能です。プレイヤーは破壊可能な環境を利用して、さまざまな機会を作ることができます」と語る。日本では、『ライオットアクト』としておなじみの同作。どのような新しいオープンワールドによるマルチプレイを実現してくれるのか、楽しみだ。発売は2016年夏とのこと。

▲神谷英樹氏。

 とくに、来場者に強烈な印象を残したのは、プラチナゲームズ開発による『Scalebound(スケイルバウンド)』ではなかっただろうか。2014年に行われた“Xbox E3 2014 Media Briefing”でのサプライズ発表以降、あまり大きな動きのなかった『Scalebound(スケイルバウンド)』だが、会場では、既報のとおり神谷英樹氏みずからがデモプレイを披露。デモプレイから確認できた、ドラゴンのような右手をもった主人公のアクションやドラゴンとの共闘、ドラゴン化(?)した主人公の戦闘などは、斬新なゲーム性をうかがわせるに充分なものだった。神谷氏は流暢な英語で、「本作では、地上を歩行しながら、あるいはドラゴンに乗りながらプレイできます。4人協力プレイも可能です」と説明。本作の発売は2016年ホリデーシーズンとのことで、来年の発売が楽しみだ。

 Briefing冒頭から、強力なファーストパーティー3タイトルのプッシュといったところだが、『Quantum Break』が2016年4月5日、『Crackdown 3』2016年夏、『Scalebound(スケイルバウンド)』2016年ホリデーシーズンと、きっちりと揃えてきたのがわかる。さらに言えば、2016年には『ReCore』や『Sea of Thieves』、そして『Gears of War 4』などが控えているわけで、相当充実しそうだ。

▲五十嵐孝司氏。

 さて、『Scalebound(スケイルバウンド)』についで、同じく日本人ということでは、ID@Xboxタイトルの紹介時に、五十嵐孝司氏もサプライズ登壇し、会場を湧かせた。既報の通り五十嵐氏は、自身が開発を進める『Bloodstained: Ritual of the Night』の協力モードに、Windows 10版とXbox One版のクロスプレイ機能が実装されることを発表。これにより、「奥深い体験ができる」(五十嵐氏)と説明した。さらに「ちょっとしたサプライズ」として、新しいキャラクターを本邦初お披露目。こちらは、急ぎで作ったので名前などの詳細は未完成とのことだが、ゲームが始まる10年前に悪魔を倒した“デーモンハンター”で、2種類の刀と札を駆使して戦うのだという。「クロスプレイのような画期的なフィーチャーを盛り込めてうれしく思います。1日でも早くプレイしていただけるようにがんばりたいです」と五十嵐氏。

[関連記事]
※五十嵐孝司氏『Bloodstained: Ritual of the Night』とクラウドファンディングの成功を語る

 さらに日本関連では、フロム・ソフトウェアが開発を手掛ける(海外での発売元はバンダイナムコエンターテインメント)『DARK SOULS III(ダークソウルIII)』の最新トレーラーが、“World Premiere”として公開。独自の世界観をフィーチャーした映像に注目が集まった(→記事はこちら)。

 以上、“gamescom 2015 Xbox Briefing”でも、日本のゲームメーカーは大きな存在感を放っていた。とはいえ、たしかに日本のゲームメーカーやクリエイターが世界で活躍するのは、同じ日本人としてうれしいことではあるが、ことさら“日本の……”と、銘打つまでもなく、ふつうに日本人クリエイターが世界で活躍する時代が来ているのだな……と改めて実感させられる。

▲ジェン・バレンスタイン氏。

 Briefing中盤に登壇したMojangも、来場者に印象を残したメーカーのひとつだったかもしれない。登壇したジェン・バレンスタイン氏は、まずは『Minecraft Windows10 Edition BETA』をプレゼン。同作は、『Minecraft』をプレイしている人なら無料でプレイできるとのことだ。さらに披露されたのが新作の『Cobalt』。2D横スクロールアクションとなる同作は、協力プレイが楽しめるとのこと。Mojangというと、『Minecraft』があまりにも有名だが、「『Minecraft』とは違ったゲームを作ろう!」という、思いが感じられる1作だ。同作は、まずは10月にXbox Oneでリリースされるとのこと。

 駆け足の紹介になってしまって恐縮だが、“gamescom 2015 Xbox Briefing”では、“Xbox E3 Briefing”でも大きく取り上げられた2015年発売の期待作うちいくつかのプレゼンも行われている。具体的には『Halo 5:Guardians』、『Forza Motorsport 6』、『Rise of the Tomb Raider』の3作だ。とくに、『Halo 5:Guardians』では、343 Industriesのクリエイティブ・ディレクター、ジョシュ・ホームズ氏の口より、同作はe-スポーツに力を入れ“Halo World Championship”を開催。賞金総額が100万ドル(約1億2430万円)となることが明らかにされている。『Halo 5:Guardians』では、“Xbox One Limited Edition Halo 5 Guardians Bundle”が発売されることも告知されている。

▲343 Industriesのジョシュ・ホームズ氏(左)と“Xbox One Limited Edition Halo 5 Guardians Bundle”(右)。日本で発売されるかどうかは未定。
▲Turn 10Studiosのダン・グリーナウォルト氏(左)とクリスタルダイナミクスのブライアン・ホートン氏(右)。2015年のマイクロソフトファーストパーティータイトルを支えるクリエイターたち。

 サードパーティータイトルで、まずは大きく取り上げられたのが、『Homefront: The Revolution』。THQから2011年に発売された前作は、近未来を舞台に北朝鮮がアメリカを占領するという衝撃のストーリーが話題を集めたFPS。4年後にリリースされる本作は、自由のために戦うゲリラソルジャーの活躍が描かれることになる。Xbox Oneプレイヤーは、この冬マルチプレイヤーモードにアーリーアクセスできるとのこと。

▲CJ・カッシュナー氏(右)。
▲ニック・キャノン氏。

 もう1作は『FIFA 16』。言わずと知れた、エレクトロニック・アーツによる世界最大のサッカーフランチャイズである同作だが、Briefingには、ニック・キャノン氏が登壇。往年の名選手で遊べる“FIFA Ultimate Team Legends”に新たに60人が追加されることがアナウンス。さらに、“Legendケミストリー”により、連携の要素も加味。選手どうしをうまく組み合わせることで、よりよいチームになるとのことだ。また、月額でエレクトロニック・アーツの作品を遊べるEA Accessに入ると、Ultimate Teamポイント10%のディスカウントをもらえるだけでなく、1週間早くゲームが遊べることも明らかにされている。さらに、Xbox Oneの『FIFA 16』のバンドルパックがリリースされることが決定。こちらはハードディスクが、500GBと1TBの2種類が用意されている。

▲クリス・チャーラ氏(左上)からは、数多くのID@XboxやXbox Previewタイトルが明らかにされた。右上は『Cities: Skylines』、右下は『Sheltered』、左下が『We Happy Few』。同作は「怖くてクールなゲーム」とのこと。
▲マイク・イバラ氏。

 “gamescom 2015 Xbox Briefing”では、マイクロソフトのマイク・イバラ氏により、ハードまわりのいくつかの情報ももたらされた。ひとつはXbox Oneにテレビ番組の録画を可能とする“DVR for Over-the-Air TV”を搭載。これにより、「ゲームを遊びながらでも、自宅に不在時でも、バックグラウンドでのテレビ番組の録音が可能になります」とイバラ氏。さらに、Windows 10のアプリを使うことで、撮った映像はノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスにストリーミング配信して見られるようになるという。こちらのサービスは無料で、2016年から開始されるとのこと。

 また、Xbox Oneでも“Xbox Chatpad”が発売されることがアナウンスされた。Xbox 360でもおなじみだったチャットパッドは、コントローラーにつけて使用できる小型のキーボード。11月発売予定で、発表と同時に予約が開始された(ただし、海外での話)。

 E3で発表され、大きな反響を呼んだ後方互換機能にも進捗が。ノバラ氏は、後方互換機能には300万人以上の反響があったと前置きしたうえで、マイクロソフトスタジオだけではなく、多くのサードパーティーが協力していると表明。今年11月には100本のゲームが遊べる見込みであることが表明された。さらに、“Games with Gold”が後方互換機能をサポートするとのことで、ゴールドメンバーシップの会員であるならば、対象ソフトは期間限定で無料で遊べるようになるようだ。

 そして、最後に343 Industriesのボニー・ロス氏からサプライズ発表されたのが、『Halo Wars 2』。2009年にXbox 360用ソフトとして発売され、ゲーム好きを唸らせたシミュレーションゲームの続編が、満を持してリリースされることになる。本作は、343 Industriesと、最近では『ALIEN: ISOLATION -エイリアン アイソレーション-』などでおなじみのクリエイティブアセンブリによる共同開発になる。同作は2016年秋にXbox OneとWindows 10で発売予定。

 充実したタイトルラインアップのお披露目を軸に、Windows 10との連携やさらなるハードまわりの新施策などが明らかにされた“gamescom 2015 Xbox Briefing”は、今後のXbox Oneの方向性を示した、マイクロソフトからファンに向けての明確なメッセージと言えるだろう。

▲Briefingのあとは、別室でgamescomの出展タイトルの一部をひと足早くプレイできた。