【帰ってきた『マインクラフト』珍物件探訪】番外編:驚愕のインディーズゲーム『Castle Miner Z』後編

全10回に渡り、Xbox LIVE アーケードゲーム『マインクラフトXbox360 edition』の世界をお伝えした【『マインクラフトXbox 360 edition』珍物件探訪】が突発的に帰ってきた! その理由は、1本のインディーズゲームだったのだが……。

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●前回までのあらすじ

 回線落ちで台無しになっちゃったんだね。


●4000ブロックを駆け抜けろ! 疾風の地上走破編

「地中トンネル戦法は、どうしても時間がかかる。時間がかかると、その分、回線落ちのリスクも高まる。そこで、地上を一気に4000ブロック走破できないかと思うのだが……。」

「うむむ……しかし、1000ブロック過ぎた時点で敵は相当強くなるし……3000ブロックあたりの夜間は、敵の数がシャレにならん。敵の攻撃を2回くらったら死ぬ以上、無事に4000ブロックまで辿り着くのは現実的でないように思えるが」

「ダイヤ弾なら一撃で倒せるのは確認した。走りながら常に周囲を警戒し、ダイヤ弾を惜しまず使っていけば、行けなくはないと思う。まず、出発前に最強の銃と大量のダイヤ弾を確保して、死んでも失わないアイテム欄の8つのみに持ち物を絞れば、仮に途中で全滅してもダメージは少ない」

「う、ううむ……しかし、道中の敵で弾がどれくらい必要かは正確にわからんしな……。もし使い切ろうものなら、肝心のアンデッドドラゴン戦で撃つ弾がなくなることも」

「それなんだが、ダイヤや金は、強い敵を倒せば、たまに落とすんだ。しかも、3600ブロック付近の敵で試してみたときは、けっこうな確率で出てた。掘っているとレアな鉱石だが、ダイヤ弾を作って、それを使って敵を倒しまくったほうが、結果的にダイヤ黒字になるかもしれん」

「なるほど……やってみる価値はあるか」

 こんなやりとりを経て、我々は2回目の挑戦を決意。回線落ちのトラウマと、ゲン担ぎの意味もあって、今度はホストを知人側にしたいな……と思っていたら、知人がすでに素材をある程度集めるところまでやってくれていたという神レベルの所業に、全米が涙。それでも、出発までには最強の銃と多くの弾を用意しなければいけないので、まだまだ足りない状態だった。

「よし。さっそく俺も地中深く掘りまくるよ」と参戦したところ、知人が「いいものを作っといた」と、地中のとある場所へご案内。このゲームの地底最下層はブラッドストーンが敷き詰められ、明かりは溶岩ブロックのみという地獄みたいな風景になっているのだが、その一角に何やら小部屋が作られている。入ってみると……。


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これは……!?

 小部屋の中は、目の高さに隣りの床があり、こちらの床よりも一段高い。横3マスに穴が開いているが、この高さの違いにより、敵が眼前に現れてもこちらが襲われることはないようになっていた。

「これが、俺が開発したアイテム回収用シューティング・レンジだ!


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敵が次々に現れる……が、足元しか見えず、多い日も安心。

 壁越しに、おぞましい数の敵がキシャーキシャーと呻いているのが聞こえるが、前に出すぎなければ絶対ダメージをくらわず、それでいて、こちらの銃撃は当て放題というスグレモノ。敵を倒せば、高確率で金とダイヤが手に入るため、ダイヤ弾を使ってもダイヤは増えていく寸法だった。

「なんちゅうもんを考えてくれたんや……なんちゅうもんを……」と京極さん(『美味しんぼ』)状態で「おおきに……ホンマおおきに……」と敵を撃ちつつ、敵が落とす金やダイヤを回収。小一時間こもっただけで、すさまじい量の素材をゲットすることができた。


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かなり偏りはあるが、金に至っては、もう困ることがないほどの収穫。

 しかし、ハッと気づく。ここら一帯は敵の巣窟みたいになっており、こんな建物をのんびり建設できるような環境ではない。「このシューティング・レンジ、どうやって作ったんだ?」と聞いてみると、建物に使うブロックを手に持った状態で落下し、落下と同時に急いでブロック設置→敵に群がられて死亡→復活→またブロックを持って落下……という工程を地道に繰り返したらしい。なんという……なんという血と汗と涙の結晶……!

 ──そして実行の日は、やってきた。
 もしこれで一気に4000ブロックまで踏破できれば、前回とは比べ物にならない時間短縮になる。何度も手持ちのアイテムを確認し、隊長の号令で物陰から飛び出す兵士の気持ちを痛いほど理解しながら、地上へ飛び出した。基本、常に走りながら周囲を警戒し、敵が出現したらダイヤ弾を惜しまず使って一撃で倒していく。しかし、運悪く、序盤からドラゴンが飛び回っているのが見える。ドラゴンの火炎弾をくらわないように上空に気をつけていたら、油断した知人がゾンビに殺される……!


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や、野郎ーッ!

(お、落ち着け……20秒だ……。20秒たてば、あっちが生き返る……それまで、死に物狂いで生き延びるんだ)

 こういう場合は「すぐに穴を掘って中に入り、天井をブロックで塞ぐことで20秒耐えよう」と事前に打ち合わせしていたのだが、ドラゴンが飛んでいるときのことは想定していなかった。ドラゴンは、ブロックひとつ程度で天井を塞いでも、こちらのいる場所を察知して火炎弾を吐いてくるため、穴に隠れる戦法は逆に危険性が増す。もし、隠れた穴の足元に空洞があろうものなら、火炎弾がヒットした衝撃で周囲の石も崩れて、真っ暗な地底深くに落とされた挙句、落下ダメージで死亡という新手のピタゴラスイッチみたいな殺され方もあり得る。

 とにかく走ってドラゴンとの直線上にいることを避け、視点を遊園地のコーヒーカップばりにグルグルまわしながら、出現したゾンビをゴルゴ並の精密射撃で撃ち倒していく。ムダ弾は撃たずに節約……と思っていたが、あまりにもドラゴンがつきまとうため、知人の復活を待ってドラゴンに乱射。さすがにダイヤ弾を惜しみなく連射しただけあって、さほど時間はかからずに倒せた。


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ッシャオラー! ファイアードラゴン撃墜の瞬間。

 やがて、あたりが暗くなり、最初の夜が訪れる。夜間は敵の数が増えることと、敵自体が見えづらく危険なこともあり、日没と共に急いで穴を掘って天井を塞ぐ。そして、朝まで待つ。


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敵の攻撃が静まったのを見計らって、次の敵が沸く前にカカッと穴堀り。もうひとりは、穴堀り中に敵が襲ってこないかを見張る。

狭い1マスの穴の中で息を潜める……。

 我々の行動パターンは完全に原始時代のそれになりつつあったが、ふたり揃って死んでスタート地点に戻されることを防ぐには、こうするしかなかった。アイテム回収用シューティング・レンジの応用で外監視用の穴を開け、ひたすら陽が昇るのを待つ。


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ときどき敵が見えるが、これならセーフ。

気をつけないと、逃げ込んだ穴のすぐ横に大空洞があることも……。

 お互いに死→復活を繰り返してはいたが、なんとかふたり同時死亡だけは避け、まずは1000ブロック越えを達成。しかし、1500ブロックを越えたあたりから、やたら地形が立体的になってきた。多少の山はあれど、基本、平地を想定していたので、進行速度にブレーキがかかり始める。


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へ、平地が見えねぇ……。

 緩やかに高くなったり低くなったりを繰り返しているだけなら、ピョーンピョーンとジャンプしていれば難なく進めるのだが、急に崖みたいになっている場所もあり、調子に乗って進んでいるとアッサリと落下死することも。しかも、山を降りているときに後方からゾンビが現れた場合、かなり対処しにくいことが発覚。


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どんどん飛んでくるゾンビ。視点を上下しないと見えなくなるため、その分、対処が遅れるのが痛い。

 心臓をバクバクさせながらなんとかゾンビを蹴散らし、夜になったら穴にこもる。そうして2000ブロックを越え、3000ブロックも間近になってくると、地形は雪原に変わった。立体的な地形が消え失せてくれたおかげで走りやすくなり、景色が真っ白なことから、敵も捕捉しやすい……のだが、なんと今度は青いドラゴンが空を舞い始めた。アイスドラゴンのお出ましである。


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普段、あんまりドラゴンは見かけなかったのだが、なぜこんなときに限ってドラゴンが次々と……!

 ファイアードラゴンの経験から、放っておくと面倒なことになるので、撃ちながら進む。この雪原地帯は、ずーっと平地かと思いきや、ときどき、地下への穴がポッカリと口を開けていたりして、本物の雪山のクレバスみたいになっている場所もある。ドラゴンに気を取られて上ばかり見ているわけにもいかず、せっかく景色が眺めやすくなったのに、緊張感はそのまま。


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ここまでくると敵もほぼ最強クラスなので、かなり素早い。

 アイスドラゴンをしばらく見失ってしまい、「ひょっとしてこのままスルーいけるか?」と思っていたのだが……。3200ブロックを過ぎて空も暗くなり、いよいよ最後のゾーンに入ったころ、背後でズドーンという音が!


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よけろナッパーッ!(よけられませんでした)

 振り向いたら、ちょうど知人がアイスドラゴンの吐いた氷弾の直撃を背中に受けて絶命したところだった。すぐにゾンビが来ていたので、周囲の敵を急いで一掃する。まずい……! 穴掘って20秒……! いや、でもドラゴンが近くにいるときは……と逡巡してしまう。このとき、銃のリロードができていないことに気づくのが、ちょっと遅れた。


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あ、穴を……っ!

 すばやくツルハシに持ち替え、ガガガーッと穴を掘る。そして穴に飛び込む……のだが、ツルハシの性能がよすぎて、1マス深く掘ってしまった。それ自体は別にいいのだが、そこがたまたま……穴!


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! うおおおっ……ちょっ、待っ……。

穴の底に着地。「○○(知人の名前) has fallen」という死亡表示がまだ消えていないことからも、アイスドラゴンに攻撃されてからここまでが一瞬の出来事であることがわかる。

 幸い、落下ダメージはわずかだったが、周囲がけっこう広い空洞だったのがマズかった。広ければ広いほど、敵の出現する可能性は上がる。それに、すでに最終エリア近いため、まわりはブラッドストーンだらけ。そう、このブロックは硬くて退避用の穴が容易に掘れないのだ。

(ぶ、武器だ……急いで銃に持ち替えて、とりあえずまわりの敵を倒すんだ)

 そう思い、振り向いたところにゾンビ……ッ!


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……!

と思ったが、さっきリロードできていないまま落下したことを思い出す。あ、ああっ、いまからリロードじゃ間に合わ……。


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お……おおおおお……っ……。

 死亡……! さ、3200ブロックまで来ておきながら……! 掘った先が空洞という運のなさを嘆くしかなかった。しかも、じつはコレ、地上走破作戦に切り替えてから3回目の記録。1~2回目は1500ブロックあたりに全滅し、三度目の正直という意気込みでのものだった。ストレートにここまで来れれば早いのだが、途中の山岳地帯と、夜になって穴に退避して朝を待つまでの時間が、けっこうバカにならない。3200ブロックというきわどい地点での全滅で心が折れたということもあり、「ダメだ、また作戦を考え直そう……」と、この日は仕方なく寝ることに。

 トンネルを作って進んでいる場合は、まずふたり同時死亡はないということと、仮に死んだとしても、そこまでに作ったトンネルはムダにならずに残る。しかし地上走破法は失敗後に何も残らないため、途中で死んだ場合の喪失感がスゴイ。「これはやはり、地道に地中トンネル作戦しかないか……いや、でも、回線が……」と悩み続けていたのだが、2日ほど経ったころ、「ちょっとユー、ログインしてみなよ」と知人からお誘い。入って、すぐにわざと死んで知人の居場所に復活してみると、すでに3000ブロック付近。なんと、あれから一度も電源を落とさずトンネルを掘っていたらしかった。私が「あーでもない、こーでもない」と悩んだり、『マインクラフト』に浮気したり、コーラにメントス入れたら大変なことになっている動画を見てゲラゲラ笑ったりしているあいだに、彼は一途にツルハシを振っていたのだ……!

 一度到達していたことでコツをつかんでいたこともあったろうが、約半分の速度でここまで到達したことは驚愕に値する。しかし、こうしているいまこの瞬間にも回線落ちの恐怖は消えていない。感心はあとにして、私もツルハシをとり、一気に掘り進めていく。

 こうして我々は再び、3500ブロックまでやって来た。休憩を挟みつつ、橋作り役と石確保役を交代しながら進めていると、4000ブロックに到達したらしい知人が「来た」とつぶやいた。


●4000ブロックよ、私は帰ってきた……。対決、アンデッドドラゴン!

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画面右上の到達距離は3500付近だが、知人のほうは4000付近まで行っていたようだ。

 ドラゴンは確認できたが、まだ遠くの空を旋回していて、今回もまたこちらに来ないままどっかに消えてしまうのかな……と思っていたら、目の前の通路が弾ける!


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1ブロック幅の橋に火炎弾が直撃!

「うおおっ、き、来た……っ!」という衝撃と、想定はしていたものの、火炎弾で一本橋を破壊されるため、足場のおぼつかなさがスゴイ。一度火炎弾を吐くと、しばらくは吐いてこないため、そのあいだに足場を修復することも可能ではある。しかし、修復ばかりに気を取られていると、いつまでたってもアンデッドドラゴンを撃ち落とせないし、修復するにも、落ちるギリギリまで身を乗り出してプルプル震えながらひとつひとつブロックを置いていく必要があるので、「どうする? どうする?」感に詰め寄られる。


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今までの鬱憤をブチ込めーッ!

 さすがに最終目標だけあって、ふたりでかなりのダイヤ弾を撃ち込んだにも関わらず、一向に死ぬ気配なし。知人が狙われてるあいだに私が修復に専念すれば、延々とこの橋の上で戦えるのでは……と思っていたが、なにぶんこの状態では操作ミスが多発し、ブロックを置こうとして落下死すること数回。そのあいだに知人も火炎弾で吹っ飛ばされて死亡して、ついにスタート地点に戻された。

「ふー、仕切り直しか……。やっぱ強ぇな」と一息つこうとしたところ、「まだだ……!」と知人が唐突にワープ。テレポーターで位置を記録していたらしい。「一回飛ぶだけでダイヤひとつとか、こんなの使ってられるか」と思っていたテレポーターも、例のアイテム回収シューティング・レンジのおかげでダイヤがそこそこ集まり、実用範囲内に入っていたのだ。

 急いで、私も死んで知人の位置に復活。火炎弾の直撃で橋がかなり壊れており、その修復が先だったが、修復しようにもドラゴンの攻撃が怖くてなかなか修復箇所に近づけず、ドラゴンがどこかへ行ってくれるのを待つしかない状態に。


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まるでメテオのように、橋を突き抜けて落ちていく火炎弾。

「クッ、どうにかして地上で戦えないものか……。」と言いつつ下を見ると、獲物をいまかいまかと待ち焦がれるゾンビの群れ。ヒイヒイとドラゴンの爆撃をかわしながらWindows メッセンジャーで会話を追っていた知人は「池上って、どこ!?」と混乱ぶりを見せつけたが、「いい質問ですねぇ……って、彰じゃねーよ! 地上だよ!」と突っ込みつつ、一旦、トンネルまで退く。

 ドラゴンは火炎弾を3つ連続で吐いた後は、しばらく火炎弾を吐いてこないので、3つ吐き終わった瞬間を見計らって修復箇所へダッシュすればなんとかいけるか……と思っていたのだが、ファイアードラゴンと違ってアンデッドドラゴンは最大7発の火炎弾を撃ってくるようで、「1、2、3……よし、いまだ!」と思ったら、続けて4、5、6……と撃たれて「ウギャアー」となることも。

 しかし、基本的には火炎弾を吐いては遠くへ飛び去り、旋回して戻ってくる……の繰り返しであることと、火炎弾は自動追尾ではないので、吐き始めたときにそれまでいた場所から大きく離れれば、足場は壊されるが直撃は避けられる。修復しつつ、チラチラと旋回の様子をチェックし、「よし、そろそろだな……。来いよ! もう見切ってんだよ!」と橋の上を走っていると……。


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……。

 ヤツの動きは……ここへ誘い込むための布石だったというのか……。敗北の二文字を感じながら、背後に迫るドラゴンと火炎弾。仕方なく『コブラ』ばりに「メリークリスマス!」と叫んで背中から落下したりと小劇場も挟みつつ、銃撃を浴びせては殺され、スタート地点からテレポートを繰り返す。たっぷりあったダイヤも、ひとつ、またひとつとその数を減らしていった。ヤツが死ぬのが先か、ダイヤが尽きるのが先か……。敵の体力ゲージが存在せず、ダメージが蓄積されているのかどうかわからない状況は神経をすり減らしていく。我々にも焦りが見え始めたころ、私が火炎弾のヒットで足場を崩され、落下死。……と同時に、画面に「Killed The Undead Dragon」の文字が!


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アンデッドドラゴン撃墜の瞬間。ある意味、こっちも撃墜されているが……。

「うおおおおおおぉぉ……」と震えながら、泡と消えた4日間が走馬灯のように流れ、トドメにロッキーのテーマが脳内に流れ出すくらいの感動があった。


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こちらは知人ビジョン。画面が赤いことから、知人側もダメージを受けた直後の勝利と思われる。まさに刺し違えるような壮絶な結末だった。

 このゲームが海外で100万本も売れた理由が、なんとなくわかった。異常な難しさのゲームに出くわしたとき、日本ではクソゲーと断じることが多いのに対し、海外では歓迎されることが多い。難しさを「やり応えがある」と考えるからなのだろうが、このEndurance Modeには「クソゲーだ」と投げ出す前にちょっと挑戦してみたくなる、絶妙のやり応えがある。日本のゲームでは、もうまず見ないシビアさだし、アンデッドドラゴンを倒したときの「いよっしゃー!」感も、昨今のゲームでは、なかなか味わえない。トドメ刺したのは知人だけど。

 全世界で100万本売れたとはいえ、インディーズというマイナーなゲームなだけに情報が少なく、自分で実際に挑んで確かめるしかないというのも、ネット全盛のいまとなっては逆に新鮮だったのかもしれない。操作性や各要素の洗練具合は本家『マインクラフト』には敵わないのは事実だし、ゲームバランスという面ではまだまだ改良の余地だらけではある。しかし、二撃くらったら死ぬという容赦のなさが一本橋戦法を生み出し、シューティング・レンジでダイヤを大量に確保してのテレポーター乱れ撃ち、橋を修復しながらの銃撃戦というスリルなど、バランスの悪さに対するプレイヤーの工夫と発見が“未知のゲームを攻略する快感”として上手い具合に作用している。ゲームバランスは最悪のはずなのに、じつはナイスバランスなんじゃないかとさえ思わせる荒削りゆえの魅力は、たしかにあった。

 世のゲームすべてがこんなだと、ゲームを離れる人が増える一方になりそうだが、たまにこういうゲームに出会うと、ていねいでプレイしやすくなったゲームに慣らされた脳に喝を入れるようで悪くない……とも思う。……でも、やっぱ、回線落ちのときだけは復帰させてくんない?



~エピローグ~



 原稿をだいたい書き終わったころ、いくつか撮り直したい写真があったので起動したところ、バージョンアップが行われた。「え……このタイミングで? ま、まさか、アンデッドドラゴンより強い敵が追加されたとか……」とビクビクしながら更新内容を調べたら、隕石落下跡という新たな地形、エイリアンという新たな敵、新たな武器、新たなアワード(やり込み項目)……などが追加されたようだった。エイリアンは新ザコの一種のようで、アンデッドドラゴンを越えるわけではなさそうだったので一安心。


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新アワード。難易度的には、どれもアンデッドドラゴン討伐ほどではない。

 でも、「新武器が気になるよナー」というわけで、また知人とともに材料をかき集め、新アイテムを片っ端から作ってみた。


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この敵は、新たに追加された"エイリアン"。普通に戦うと、かなり防御力が高い強敵。

 新たな武器のひとつ、レーザーライフル。威力もさることながら、石ブロックも破壊する。ファイアードラゴンをほぼ瞬殺できたことから、攻撃力はとんでもないようだ。

 そしてお次はロケットランチャー。


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狙いをつけて……。

発射! と同時に手元からはロケットランチャーごと消滅。

 威力は申し分ないが、一発撃ったらなくなるという『バイオハザード』仕様。このゲームで苦戦する敵はドラゴンしかいないため、一発撃ったら外しても消滅してしまう時点で、少々使いづらい武器。

 ほかにもTNT爆弾、爆弾、手榴弾といった「やっぱりFPSだったんだ、これ」という品揃えなのだが、その中でも異彩を放つのがアンチ・ドラゴン・ガイデッドミサイル。なんかスゴい名前だが、ロケットランチャーではなく、対ドラゴン専用なのか? と首を傾げつつも、なんとかひとつ作れるだけの材料が揃ったので知人に作ってもらい、使い心地を聞いたところ……。


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狙撃用スコープのようなもので対象を捕捉。

ピピッという音が聞こえてきそうなロックオン画面。知人曰く、本当にそういう音がするらしい。一定時間ロックオンしているとカーソルが赤くなり、準備完了。ファイアー!

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シュルルルー……とドラゴンに向けて飛んでいくミサイル。どうやら自動追尾らしく、弧を描いて追跡していく。

HIT!

 これはファイアードラゴンではあるが、一発で撃墜。威力も凄まじいが、自動追尾なので空中を動き回って銃弾を当てづらいドラゴンには便利な武器だ。どうでもいいけど、世界観だいじょうぶか。

 しかし、例の戦闘を見てもわかるように、ダイヤ弾をあれだけ連射して倒したファイアードラゴンを一撃となると並の威力ではない。“アンチ・ドラゴン”というネーミングも気になる。私と知人は、同じことを口にしていた。

「もしかしてこれ、アンデッドドラゴンも一発なんじゃ……」

 ──まさか。
 あの“3900プロックの悲劇”と、今回の死闘。それをこんな一瞬で過去にするようなものが、こんなタイミングで実装されるはずがない。そんな、ライトノベルのタイトルみたいなことを考えていると、知人が「──確認しに行くか?」とイケメンすぎることを言い放ってきたが、私は「いや、やめておこう」と言った。全部解明するのではなく、「あれは結局どうだったんだろう……」と、ちょっとした謎を残しておくのも、いいもんさ。これからこのゲームに挑むという人は、アンチ・ドラゴン・ガイデッドミサイルを作っていくのもいいだろう。攻略本口調ではないが、アンデッドドラゴンにどの程度のダメージを与えるのかは、君の目で確かめてくれ!

 そして、もし。
「アンデッドドラゴンも一撃で倒せちゃったよ」なんてことになったなら。そのときは、ツイートでいい。「倒せなかったよ」と、優しい嘘をついてほしいんだ──。



著者紹介 夢崎
ファミ通Xbox 360で実績システムについて書いたり、二次元ドリームマガジン(キルタイムコミュニケーション刊)で変なゲームの記事を書いたりしているフリーライター。先日、『マインクラフト Xbox360 Edition』のほうもバージョンアップがあり、ソワソワする日々を送る。