~前回までのあらすじ~
地下世界の探索で地の底を見た私は、空の高さはどこまでなのかを知るため、塔の建設を決意する……。(→第3回はこちら)
空の限界を攻めろ! 下界を見下ろすタワー建設!
岩盤まで掘り抜いたことで鉄も相当数集まり、ついでに迷子になって地下世界も堪能。久々の青空を見上げて思ったのは、“空の高さは、どこまでなのか?”。地下の深さは岩盤の位置で、地上からは結構な距離があった。もし地上→空も同じくらいだとしたら、そこから見下ろす景色は、なかなかの絶景なのではないだろうか。
というわけで、つぎは天空へ向けて塔を建設してみることに。場所は「現時点でもっとも高い位置だから」という理由で、前々回に作ったペンション“シュプール”の屋上(詳細は第2回を参照)。どういう塔にしようか……と考えていたら、「全部ガラスで作ったら、超近代的なビルのエレベーターみたいでカッコよくね?」という話になった。
ガラスブロックは砂ブロックをかまどで焼くことで作れるのだが、塔をすべてガラスで作るとなると、かなりの量の砂を必要とする。「でも『FF3』のクリスタルタワーみたいでちょっとイイな……」と思っていると、フレンドのひとりが「砂を集めてくればいいんだな! よし!」と、おもむろに砂漠方面へ旅立った。
ひとりは地底、ひとりは砂漠に行ってしまったので、サテどうしたものかと考え、とりあえず手元にあったガラスを使って塔の土台を作り始めてみるが、予想以上にガラスの消費が早い。「こりゃあ、雲の上はまだまだ夢だな……」と空を見上げる。
地底に採掘に行ったフレンドと、
「雲って、もしかしたら乗れるんじゃね?」
「雲って、ゆっくり動いてるから、乗ってボケーッとしてたら世界一周できるんじゃね?」
といったメルヘン極まりない想像をしていたのだが、このゲームは木の葉っぱに乗ることができる世界なだけに、可能性はあった。しまいには「ショベルで雲掘れねーかなー」とか「掘れたら、雲ブロックで家作りてえー」とか、だんだん『のび太と雲の王国』みたいな発想に。
ふと、砂漠方面に行ったフレンドの動きが止まっていたので様子を見に行くと、立ったまま微動だにしていなかった。寝落ちである。そばにあったチェストを覗いてみると……チェストの中には、最大数である64個の砂がギッシリ詰まっていた。
微動だにしないフレンドの背中は、やりきった男のそれだった。地下世界発掘で疲れたフレンドは「とりあえず、お疲れー」とオフラインになっていたし、私もそろそろ寝ようと思っていたところだったが、この砂を見せられては眠れない。とりあえず臨時にかまどを増設し、砂を一斉に燃やしてガラスに。できたガラスを持っては、前々回で作ったペンション“シュプール”の屋上へ行き、ガラスの塔を作っていく。内部はシンプルに螺旋階段のみ。手持ちのガラスを使い切ったらかまどに戻り、ガラスを補充。この作業をくり返していると、ある高さでブロックが置けない状態になった。つまり、ここが頂点……!
見ろ、人がゴミのよう……でもないな。意外に低い。
後日、バージョンアップで地図に座標が表示されるようになったのだが、それによると高さは128。地上が50~60ブロックくらいなので、岩盤から数えて128ということになる。
PC版と違い、この『Xbox360 edition』では世界の果てが見えない壁になっており、地図座標によると、ひとつの世界の広さは862×862。PC版経験者からすると狭く感じるらしいのだが、大空洞を何度もさまよった身としては、充分広い。ただ、その広さに比べると、高さは若干物足りなさを感じるところだ。せめて地上から128くらいあると満足な高さだったのだが……。
さて、塔はできたが、予想以上に低かったこともあり、物足りなさを感じていた。そこで、塔の中腹あたりに空中庭園っぽいものも作ってみることに。
もはやガラスの塔が見えないし、明らかにペンションが日照被害を受けているが、住人が居ないのでセーフ。空中庭園という割には地上からもペンションからも近すぎるが、全部、全部、高さ128が悪いんや……。
“Minecraft”の文字に降り立つ
翌日、タワーと庭園を案内していたら、チュートリアルワールドに最初から存在する“Minecraft”の文字の上に降りてみないか、という話になった。ゲームを始めた当初は「いつかあそこにも行けるんかなー」と思っていたものだが、もはや遥か頭上を通り越してしまった。
頂上からの眺めを堪能したフレンドが、「ここから直接、あの文字に降りれるようにしてみよう」と、ガラスの塔の頂上からガラスロードの建設を開始。
ペンション“シュプール”の中に材料倉庫を作っていたので、しょっちゅうペンションに戻っていたのだが、時折、ガラスロード製作中に足を踏み外したフレンドの断末魔が聞こえてきて、ペンションの窓の向こうでアイテムが散らばっているのが見えて、なかなかシュールだった。『かまいたちの夜』では窓の外で雪がドサッと落ちるシーンがあったので、期せずしてオマージュ。
距離的に近かったことも幸いし、すんなりと文字の上に到達。ただ、落ちて死ぬ高さかどうかが微妙だったので、ついでに滝も作ることになり、ガラスロードの先端からバケツ水を放水。バケツに入っていた水量とは思えないほどの水がダバーッと流れ出す。
滝を伝って、文字の上に無事着地成功。黒い部分が何でできているのかがずっと気になっていたのだが、ツルハシで削ってみると、なんとウール。白い部分もウール。『マインクラフト』における色ブロックは、そのほとんどが色付きウールだったりするのだが、まだ右も左も分からなかった我々にとっては「これが全部、羊毛でできている」という奇妙な事実が、なかなか衝撃的だった。
いままで気に留めていなかったウールだったが、ほかのブロックと同様に扱えて、やろうと思えば家の壁や屋根もウールで作ることができる。色付きウールの作りかたを調べてみると、赤と黄色の染料は、その辺に咲いている花からすぐ作れるようだった。早速、赤いウールを作り、ベッドの下に敷き詰めることで貴族気分を感じられることを発見して、その日は眠りについたのだった……。
次回予告:海中トンネル作りで悲喜こもごも
「俺、『バイオショック』みたいな海中トンネル作りたいんだよ」
フレンドのひとことから始まった海中トンネル計画。しかし海中作業の過酷さは分かっていたので、残りのふたりは「……じゃあ俺、トンネル用のガラス大量に作るわ」「……じゃあ俺、地下鉄駅作るわ」と美しくスルー。フレンドによる、孤独かつ過酷な海中作業に全米が涙する。(第5回はこちら)
■著者紹介 夢崎
ファミ通Xbox 360で実績システムについて書いたり、二次元ドリームマガジン(キルタイムコミュニケーション刊)で変なゲームの記事を書いたりしているフリーライター。最近は『マイクラ』のやりすぎで、長い線路を見ると「鉄、何個要るかなこれ……」と無意識に考えてしまう。