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シナリオを手がける野島一成氏のコメントを掲載
公開日時:2019-04-04 12:00:00
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塔のようにそびえる巨大な街“バベル”。隔離された主人公の少年・ライが、鳥籠の少女・マイリージャと出会ったことから冒険は始まる。イタク、ポッケ、トノトといった仲間の協力を得て、ライは少しずつ外の世界を知る。そこに待つものとは、果たして……。
本作のシナリオを担当するのは、数々の名作を手掛けてきたシナリオライターの野島一成氏。本作では、昔ながらの“語りかた”を追求しつつ、新たな挑戦にも踏み出すという。その野島氏が寄せたコメントを掲載する。
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シナリオ:野島一成氏(ステラヴィスタ代表)
代表作:『ファイナルファンタジーVII』、『ドラゴンズドグマ オンライン』ほか
『最果てのバベル』のシナリオを通してプレイヤーの皆様に伝えたいこと†
思えば、ずいぶん長いあいだ「行ってきます」で始まって「おかえりなさい」で終わる物語を作ってきたような気がします。しかし、今回は“果てしなく広がる物語”に挑戦しています。この10年ほどで、ゲーム内の物語は起承転結型から、脳内補完も含めて、プレイヤー自身が物語を紡ぐナラティブなものが主流になってきたように思います。
そんな中で、昔ながらの“語りかた”はどうやって生き延びるのか、それとも、もう無理なのか、なんてことと真正面に向き合っております。
閉鎖空間から外に出た主人公ライの冒険を、ゲームシナリオ自体の変遷と重ねて、いっしょに“まだ見ぬ世界”での体験を楽しんでいただければ……。いえ、そんな面倒くさい話じゃありません(笑)。
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シナリオ制作にあたり、挑戦したこと†
ふだんは基本的にひとりでシナリオを書いています。しかし、今回はシナリオスタッフ数名(しかも恐ろしく若い!)と、作業を分け合う形で進めています。これは昨今では当たり前のシステムですが、自分はやっとそこに乗り出した感じです(笑)。
私は本線とメインキャラクター周辺を担当していますが、スタッフと世界を共有するために、かつてないほど深く、設定を詰めています。これまで設定の沼で溺れる物語を何本も見てきましたので、“詳細設定恐怖症”みたいなところがありました。しかしいまは、設定を検討することが楽しくてしかたがありません。それでいて設定に呑み込まれないように、物語は自由であろうと奮闘する日々であります。
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プレイヤーの皆様へのメッセージ†
皆様、いつもお世話になっています。自分、3年ほど前までは「どんな物語でも書ける職人になりたい」と奮闘してきました。しかし、ちょっとしたきっかけがありまして、「自分にしかできないことをやりたい」と強く思うようになりました。初心に帰るというやつですね(笑)。
それがいまは「好きなことをやりゃあいいんだ」という気持ちに化けまして、本作では好物の“高い塔“とか“目に見えない存在”とか“こっちとあっちの境界の世界”とか“失われた記憶”とか、相変わらずのモチーフで勝負しております。
相変わらずではありますが、初めてのスタッフとガッツリ組み合うことによって、これまでとは違う風が吹く世界が作れているのではないかと。どうぞお楽しみに!
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