スクウェア・エニックスが9月4日に発売予定のアクションアドベンチャー『Marvel's Avengers (アベンジャーズ)』の先行メディア向けベータテストを経て行われた、開発会社Crystal Dynamicsへの合同インタビュー第2弾(第1弾の記事はこちら)。今回はスタジオヘッドであるScot Amos氏が、さまざまな疑問に答えてくれた。

『Marvel's Avengers(アベンジャーズ)』ベータテストのさらなる詳細や次世代機版の違いまで気になるポイントをスタジオヘッドに直撃_05
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Scot Amos

Crystal Dynamics
スタジオヘッド

マーベル80年間の歴史からいろいろな要素を取り入れている、まったく新しいゲーム

――本作はどのようなスタイルで開発されているのでしょうか。また、スタジオヘッドであるScotさんの仕事は、どのようなものになるのでしょうか。

Scot本作の開発は、担当ディレクター制で行っています。たとえばストーリーテリングや役者のキャスティングを担当するディレクター、ゲーム全体のメカニズムの構築するディレクターという具合に、役割が分担されているのです。開発中には、「どうすれば最高の物語にできるか」という部分で各ディレクターの立場から、意見が分かれることもあります。

そうしたときには意見交換を促し、ベストな選択をできるようにしています。それでも意見が一致しないときは、私が「遊び手に最高の体験をしてもらえる選択肢はどれか」、「チーム全体でベストな選択は何か」ということを念頭において、チームの舵取りをしています。また、本作は発売後もヒーローやミッションの追加など開発が続いていくタイトルですので、ユーザーの皆さんからのフィードバックも開発プロセスの中に取り入れる仕組み作りについても考えています。

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――なるほど。では、開発期間中にたいへんだったことはどんなことでしょうか。開発終盤は世界的なコロナ禍もあり、苦労されたのでは?

Scot世の中がこのような状況になり、多くのスタッフが在宅でこれだけ大規模なソフトの開発をしなければならなかったことがいちばんのチャレンジでした。やはり対面で開発したほうが効率はいいですからね。ただ、発売後も本作の開発はまだまだ続きますので、リモートに慣れ、続けていかなければならないと思っています。

――先日、ホークアイ(クリント・バートン)の追加が発表されました。彼を最初に発表する追加キャラクターにした理由を教えてください。

Scotホークアイは、多くの方々から参戦の要望をいただいていたキャラクターですので、最初に発表しようと決めました。メインとなるストーリーの中でも「A-Dayの崩壊後にホークアイがどこに行ったのか」という謎が生まれるのですが、その謎を解明していくこと自体が、彼のストーリーで描かれることになるのです。

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――細かい質問になるのですが、トレーラーではホークアイが補聴器のようなものを着けていました。コミック版では、彼の耳が聞こえにくいという設定があったと思うのですが、それが活かされているのでしょうか?

Scotおっしゃる通り、コミック版の設定ですね。それはクリントのひとつの個性なので、彼のオリジナルストーリーに取り入れることにしました。

――PS4、PS5版向けにはスパイダーマンの追加も発表されました。他機種版で遊ぼうと思っていたユーザーは残念に思っているはずですが、それについてはどのように考えていますか?

Scotスパイダーマンの追加は、マーベルとソニーさんのあいだに強い関係があって実現したものですので、現時点では他機種版への追加は予定していません。ただ、本作はほかにも多くのヒーローがいますし、ボリュームもある作品ですので、他機種版でも充分に楽しめると思います。どうしてもスパイダーマンを使ってプレイしたいという方は、ぜひPS4、PS5版で遊んでいただければと思います。

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――『フォートナイト』とのコラボ(※)も発表されましたが、このコラボに至った理由は? 

Scot理由としては、マーベルと『フォートナイト』とつながりが強かったから、という部分が大きいです。また、『フォートナイト』にはシーズンコンテンツがあり、条件的にも合致するところが多かったので、本作とのコラボが決まりました。

※……プレイステーション4かXbox Oneの『MARVEL'S AVENGERS(アベンジャーズ)』ベータテストに参加することで、『フォートナイト』内で使えるツルハシ“ハルクスマッシャー”とそのボーナススタイル“ハルクバスター”が入手できる(入手の詳しい条件などは⇒こちら)。

――他のタイトルとのコラボや、『Marvel's Avengers(アベンジャーズ)』のゲーム内にコラボ要素が追加されたりする可能性は?

Scotノーコメントでお願いします(笑)。

――発売後の追加要素ですが、どれくらいのスパンでコンテンツを追加していく予定なのでしょうか。

Scot具体的なタイムラインについては残念ながらまだ公表できません。ただ、ひとつ言えるのは、おそらく皆さんが思っているよりも早く、いろいろな要素が追加されるということです。ぜひ楽しみにしていてください。

――本作を待ち望んでいるファンの皆さんにベータテストでとくに見てもらいたい部分はどこでしょう?

Scotキャンペーンや協力プレイができるウォーゾーン・ミッション、育成など、本作にはさまざまな要素があります。ベータテストに触れることで、そのバラエティー感を味わっていただきたいですね。

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――ベータテストでは上級スキルは解放されていませんでした。上級スキルには、どういうものがあるのか教えていただけませんか?

Scotアイアンマンを例に挙げてお話しましょう。アイアンマンのアルティメット・ヒーロー・アビリティは、ハルクバスターに変身するものです。上級スキルのひとつには、そのハルクバスターをカスタマイズするものもあります。もちろん、アイアンマン自体の攻撃バリエーションが増えるものもありますよ。

たとえば、アイアンマンのリパルサーレイに物体を貫通する効果を付与できたり、ユニビームを3連発して……ショットガン風に使えるようにカスタマイズすることもできるんです。

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――タスクマスターやアボミネーションといった有名ヴィランと戦えましましたが、このほかにも有名ヴィランは登場するのでしょうか?

Scotすでに公開しているモードックのほか、近々発表できると思われる有名ヴィランが登場します。また、ヒーローと同じようにヴィランも発売後にどんどん追加されていく予定ですので、その中には皆さんが知っているヴィランもいれば、あまり馴染みのないヴィランも登場することでしょう。

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――コンソール版とPCで遊べるSteam版に違いはありますか?

Scot結論から言えば、Steam版限定のオプションのようなものはあります。本作は、Intelとパートナーシップを結んで、PCスペックに応じたハイエンドのグラフィックをSteam版で提供できるようにしています。一例を挙げると、アーマーを破壊したときのグラフィックがコンソール版よりも精細に描かれていたり、エフェクトの描画など細かい違いがあります。具体的な内容に関しては、近々発表できると思います。

――現行機向けと次世代機向けでは、グラフィック以外にどんな違いがありますか?

Scot本作は長期に渡って遊んでいただきたいタイトルですので、次世代機に関しても機能や仕様などのさまざまな違いがあります。まず、次世代機ではロード時間が圧倒的に早いです。現行機でも最適化されているのですが、次世代機では1~2秒でロードを終えられるほどの速度になっています。

もうひとつ、これはPS5のコントローラである“DualSense”に特化した話なのですが、振動がヒーローの動きを肌で感じられるほどの感触になっています。

――最後に日本のユーザーの皆さんに向けてひと言コメントをお願いします。

Scot声を大にして言っておきたいのは、本作は「ファンのためのゲームである」ということです。また、本作は単に“コミックをもとにしたゲーム”でも“映画をもとにしたゲーム”でもありません。

マーベルの80年間の歴史からいろいろな要素を取り入れている、まったく新しいゲームなのです。発売後も続々といろいろな要素が追加されていきますし、遊べば遊ぶほど楽しくなるゲームを目指しています。Crystal Dynamicsにとっても新しい試みになっていますので、ぜひ楽しみにしていてください。